2024/09/16 Mon.
敬老の日なので、以前「あると嬉しい」と言っていたので購入したブルーレイレコーダーだの、手作りのポップアップカードだの、色々な物を持って祖母のアパートへ行った。レコーダーを持ち込んだは良いものの、説明書を見ても設置の仕方がさっぱり分からず、父を呼んで丸投げした。一人暮らしをしていた大学生の時はテレビを持たなかったので、テレビの設置なども未だに全く分からない。来月からの一人暮らしでもテレビを買うつもりはないので、まあいいか。
2024/09/17 Tue.
自転車を漕いで、肌荒れの薬をもらいに皮膚科へ行った。病院の入口に「本日は担当医が一人体制のため、予約枠の空きが少なくなっています。診察無しで薬の処方だけでも良いという方は、受付にてお伝えください」みたいな貼り紙があったのでその通りにしようと、薬の処方だけお願いできますかと受付で尋ねた所、「薬だけ…?」と怪訝そうな、意外そうなリアクションをされ、こちらも内心動揺してしまった。結局少し待ってから診察無しで薬をもらえたものの、「自分は薬さえもらえれば良かったから他の人に診察時間を譲りたかったんだけど、余計な気を回さず自分も診察を受けた方が良かったんだろうか」と少し悶々としている。こういう、自分では良かれと思ってやったことがなんとなく裏目に出るようなことが、最近の自分の人生では割とよく起こる。お節介と親切の加減を測るのって難しい。
2024/09/18 Wed.
祖母を誘って、畑の芋堀りをした。去年は安納芋だったので、今年は紅はるかを植えてみた。芋堀りというのは本当に楽しい。土をざくざく掘って赤紫色を見つけた瞬間の興奮、予想外に大きい芋を掘り出した時の感動、芋掘りでしか得られない楽しさというものが確かにある。想像以上の収穫量の芋を、一日日陰で乾かした後に祖母と山分けした。
祖母が帰った後、一人で庭仕事納めをした。捨てるには忍びなかった鉢植えのニチニチソウ、ジニア、ポットマム、ミニバラを畑に植え替え、残りの鉢植えはばらして処分した。劣化しそうなプラ鉢は捨て、残っていた肥料や土を畑にばらまいて、自分の園芸用品を片付けた。涙こそ出なかったものの、なんだかむしょうに寂しかった。
今から10年近く前に新卒で入った会社を半年足らずで辞めて実家に帰ってきて、他人も人目も近所の顔見知りすらも怖くて不安で毎日めそめそ泣いていた時期に、外に出る練習だと思って庭の一角を小さいスコップひとつで掘ってはごろごろ出てくる石を取り除く作業をして、そうしてできたのがこの畑だ。当初は栄養なんかまるでなさそうなぼそぼそした粘土質の土だったけど、それでもホームセンターで植物を買ってきては見よう見まねで植えて育てて遊んでいた。4年前の水害で山の腐葉土が流れ込んできて畑の状態に戻すのが大変だったけれども、以来みみずがうようよするふかふかの良い土になって驚いた。メンタルのリハビリ目的で始めたことが大好きな趣味のひとつになって、色々な植物をたくさん植えて枯らして収穫して、すごく楽しかった。長靴とヤッケを装備して不慣れな鍬を振るうことがもしかしたら今後もうないかもしれないと思うと、やっぱりかなり寂しいものがある。陽射しを浴びて土に触れながら野菜や果物を育てるのは本当に楽しくて、室内で観葉植物を愛でるのとはまた全然違ったおもしろさがある。ミニトマトもきゅうりも鉢植えより地植えの方が断然よく育つし、土まみれになって汗をかくのも結構気持ちいい。趣味も10年近く続ければ素人なりに少しは上達するもので、最初は何でもすぐ枯らしていたのに、さつまいももいちごもサニーレタスもパセリもたくさん収穫できるようになった。時間と手間をかけて作ってたくさん楽しんだ私の畑がそのうちただ雑草が生い茂るだけの区画になるのだと思うとむなしい。大好きだったおもちゃを手放すような悲しさがある。もし万が一(そうなってほしくはないけど)一人暮らしが立ち行かなくなって実家に戻ってくることになったら、その時はまた畑をやるだろう。自分一人で生活することがままならなかった無力感や劣等感、絶望感に打ちのめされているだろうから、畑に癒しを求めるしかない。
2024/09/19 Thu.
そのうち観てみたいと思っていた映画「かもめ食堂」を観た。誰にでも悩みや悲しみがあること、人それぞれ異なる価値観や意見を持っていること、互いの境界線を不用意に踏み越えずに相手を尊重して接するということ、そういう忘れがちだけど大事なことを思い出させてくれる映画だった。内容も良いけど、出てくる女性達が、現代の日本社会で男性から良しとされる態度(いつも愛想良くにこにこして、甘えたような高い声で話す)を取っていない、取る必要がない環境で生きているというのもまた良かった。訊かれれば何でも正直に答えるのではなく時にははぐらかしたりもするサチエ、無理に取り繕わず意見や感情を素直に表出するミドリ、周りのペースに流されず常に悠々としているマサコ、自分が生まれ育った場所のものとは異なる文化に興味や好意を抱くトンミ、他者との関わりを通して自分の悲しみを癒やし立ち直っていくリーサとどの登場人物にも尊敬できる魅力があって、いいなあと憧れた。特にマサコさん! 私は必要以上に周りに合わせようと無理をしてしまう性格だけど、あの貫禄、落ち着き、ゆとり、品、どれも私にないもので、見倣いたいと強く思った。そして、主人公サチエがフィンランドを選んだ「何が何でも日本である必要ないかな」「ここならやっていけるかな」という理由にも、惹かれるものがあった。私も「何が何でも実家のある田舎である必要はない」「都会ならやっていけるかもしれない」という期待と願いを込めて一人暮らしを始めるので、徐々に軌道に乗っていくサチエを見ていると「自分もやっていけるかも」と思えるような心強さがあった。人気があるのも頷ける、良い映画だった。
2024/09/20 Fri.
昨日届いた賃貸の契約書に目を通していたら、銀行印が必要とあった。ところが、銀行印として登録した印鑑を覚えていない。家賃の振り込みに対応している銀行の中で私が口座を持っているのはN銀行しかないのでN銀行の銀行印が必要だけど、現在住んでいる地域にはATMも窓口もない。最寄りのN銀行の窓口は、自宅から約50km離れた場所にある。26日までに書類を送るとなると、三連休を挟んでからだとぎりぎりになってしまう。となると、今日しかない。思い立って30分で高速バスの予約と出かける支度を済ませ、30分ほど自転車を漕いで高速バス乗り場へ行き、40分ほど高速バスに乗り、路線バスに乗り換えて15分、N銀行の支店に着いた。自分にしては随分フットワークが軽くなったと思う。銀行印の確認手続きは無事に済んだ。
帰りのバスに乗り、高速バス降り場で下車し、今度は自転車で市役所へ向かった。賃貸の契約手続きに必要な住民票は取っていたつもりだったけど、本籍地に記載が必要との追加情報が分かったので、本籍地の記載有りの住民票を取らなければならなかったのだ。途中小雨に降られながらも汗をかきかきなんとか辿り着き、住民票を発行してもらって帰路に就く。急な大冒険を頑張ったので、自分へのご褒美にアイスを買って帰った。
2024/09/21 Sat.
ショッピングモールに行って、新しくキャリーケースを買った。3,4泊用の大きい物と迷いに迷って、コインロッカーに入れやすい1,2泊用のサイズの物を買った。プリンのような黄色でとてもかわいい。アイボリーとも迷ったけど、黄色の方が見分けがつきやすくて良い気がしたのでこっちにした。今まで使っていたキャリーケースには、白い物に「ブリュンヒルト」、グレーの物に「アースグリム」と名前を付けていた(『銀河英雄伝説』に出てくる宇宙戦艦の名前)。今回の黄色いキャリーには、両親が「アンデューティネス(親不孝)号」と名前を付けてくれた。画像を検索してみると、確かに似たような黄色のラインが入っている。養育者のヤンから自立するように地球へ旅立ったユリアンのように、私もこのアンデューティネス号と家を出ていくぞ!
2024/09/22 Sun.
賃貸の契約書についてLINEで尋ねていた質問の回答があったので、それに従って書類を記入した。内容はややこしいし、書く所はたくさんあるしで、部屋を借りるのって簡単にはいかないんだなとしみじみ感じた。何度も確認して封筒に入れ、郵便局に行き、速達で発送した。不備がないことを祈る。
とらふくの写真を採用してもらった猫めくりカレンダーが届いた。IKEAのリラックスチェアの上で仲良くくっついているとらちと小さな子猫ふくちの写真が、11月24日のページに載っていた。まさか2年続けて載せてもらえるとは思いもしなかったので、嬉しい。
ケーキ屋さんで、ちょっと早いけど私の誕生日ケーキという口実でケーキを買った。私は栗のクランブルタルトとりんごのタルトを選んだ。どちらもシナモンが効いていて、いかにも秋らしいケーキでおいしかった。