
2024/10/07 Mon.
10月1日に引っ越してきて以来、私にしては食が細くなっていたけれど、深夜にものすごくお腹が空いた。食欲が戻ってきたらしい。このまま食欲が減退した状態が続けばもしかしたら少し痩せられるかも、という期待もなかった訳ではないものの、そんなに健康的な痩せ方でもないだろうと自分を納得させようとしている。
マンションの外から、知らないおじさんが怒鳴る声が聞こえる。まだ朝の6時台だというのに、すごい元気だ。心地良い目覚めではない。
朝ごはんは野菜の煮たのの残りと、目玉焼きとウインナー、スライスチーズを乗せて焼いたトースト、ホットコーヒー。自分一人のためにそれらしい朝ごはんを用意して食べるのは、なんだかとてもきちんと生活している感じがあって気分が良い。
Wi-Fiの機械の設置作業をしてもらった。マンション自体は工事が終わっているので、後は各部屋に機械を置けば良いとのこと。物だらけの散らかった部屋に業者の人を入れるのはかなり抵抗があるけど(そもそも自分の部屋に他人を入れることが厳しい)、Wi-Fiを使うためなら仕方ない。無事に設置が終わり、専用のアプリもスマホに入れて、Wi-Fiの設定をした。パソコンでネットが使えるようになったのがとても嬉しい。
台所に置くために買ったスチールワゴンが届いた。高さも大きさもちょうど良く、色合いもかわいい。さっそく食器や調味料、調理道具を整頓した。狭くて調理スペースすらない小さな台所だけど、収納場所と物を増やして少しずつでも使いやすくしていくと、なんだか私にもそれなりの生活能力が備わっているのかもという自信が湧いてくる。
転居の手続きをしようと役所に行こうとしたのに、書類を部屋に忘れてきてしまった。でもせっかく地下鉄に乗って移動したのだしと、お店を回ってちょこちょこと買い物をした。手続きはまた明日リベンジしよう。
2024/10/08 Tue.
ふくちの湿った鼻を触る夢を見て目が覚めた。猫の鼻息やひげの感触って、なんであんなに癒されるんだろう。夢だけど。マンションの外から、今朝はおじさんではなく猫が怒る声が聞こえる。2匹の猫が激しく威嚇し合っている。互いにひとしきり唸った後、決着が着いたらしく静かになった。人間の怒鳴り声は心底うんざりするけど、猫だとちょっと和む。
今度こそ書類を持って市役所に行くも、転居の手続きは区役所でするのだと窓口で教えられた。15分ほど歩いて区役所に向かう。ところが、地元の市役所で受け取った書類(2枚)を窓口で渡すと、「転出証明書がないので手続きできない」と言われてしまった。「家に忘れたかもしれないから探してまた来ます」と言ってその場から退散したけど、それらしい書類はどうもそもそももらってないように思う。地元の市役所で手続きをした時は、「もっときちんとした書類っぽいものをもらうんだろうと思っていたけど、こういうもので良いのか」と思うような紙を2枚もらったきりだ。自分の記憶が絶対に正しいとは限らないので、もしかしたら受け取っていてどこかのタイミングで紛失した可能性もゼロではないけれど、明らかに新人さんっぽかった職員さんを少し疑ってしまう。でも、もし渡し忘れたとして、発行した転出証明書はどこに行ったんだろう?やっぱり私がなくしたのかな?
とはいえ探しようがないので、今から地元に戻って転出証明書の再発行をしてもらうことにした。部屋に戻ってきて30分で荷造りをして、予約した新幹線に乗り込んだ。我ながらフットワークが随分軽くなったものだとほくそえみながらスマホで転出証明書について調べていたら、郵送でも手続きができるとのことだった。もう新幹線に乗ってしまった。こういう事情でこれから帰省すると祖母にメールしていて、とても嬉しそうな返信が来たので、まあ祖母が喜んでくれるならいいか、私も猫達と会えるし。(後で調べてみたら、地元の市役所のサイトの「転出証明書の郵送での手続き」みたいなリンク先のページは存在しなかった)
今度こそ地元の市役所で転出証明書を受け取った。「再発行」の文字はあるけど、この書類を前回目にした覚えはない。実家に帰ると、愛する猫達は出迎えてくれなかった。とらちは知らない人を見たかのようにビビっているし、ふくちはどこかで寝ているのか出てこない。しばらく話しかけて、鼻先にゆっくり手を近付けて匂いをかいでもらうと、とらちはようやく「なんだ、こいつか」といった風に私のことを分かってくれた。一方のふくちは、のそのそとどこからか出てきて私の存在を認めた途端、「どこに行ってたんだ!」とでも言いたげに珍しくミョオーンと鳴いていた(普段あまり鳴くことはない)。その後、猫達とひとしきり戯れて楽しかった。
2024/10/09 Wed.
家族サービスならぬ猫サービスをしようと(家族サービスではある)、その辺で摘んできた猫じゃらしで猫達としこたま遊んだ。私が一番楽しかった。
近所に住む祖母がお昼ごはんを食べに来ないかと言うので行ったところ、すごい量の料理が用意してあった。ありがたくおいしくお腹いっぱい食べて、お茶を何杯もおかわりして、祖母とたくさんおしゃべりをした。
2024/10/10 Thu.
朝、高速バスと新幹線を乗り継いで福岡へ戻ってきた。一旦マンションの部屋に戻って荷物を置き、それから区役所へ行って手続きを済ませ、ようやく福岡市民になることができた。それから障害者手帳と自立支援医療の住所変更もしようと思ったものの、区役所ではなく違う施設ですることになっているそうなので、15分ほど歩いて向かった。新しく発行する福岡県の障害者手帳に使う顔写真が必要とのことで、慌てて証明写真機を探して写真を撮った。アプリで撮ってコンビニで印刷すればもっと安く済むのに、900円の出費は地味に痛い。何枚もの紙に色々記入して、長い待ち時間を過ごしてようやく手帳と自立支援の手続きも終わった。対応してくれた職員さんが気さくで優しく対応してくれて嬉しかったけど、マイナンバーカードを作ることを勧められて(向こうも仕事だろうから仕方ないとはいえ)少ししょんぼりした。それにしても、やっぱり年上の女性に年下扱いしてもらえるのは妙に嬉しい。それから、近くの年金事務所を探してまた歩き、年金の住所変更もした。こちらは紙一枚に記入するだけで終わった。後は運転免許証の住所変更もしなければならないけど、今日はもう手続きにうんざりしたのでまた後日にしようと思う。
2024/10/11 Fri.
妹が泊まりに来るからと、張り切ってあちこちの掃除をした。苦手な掃除のモチベーションに繋がるので、これからも定期的に来てもらえるととても助かる。
商店街の八百屋さんで、安かった大根とアスパラガスを買った。近くにいたお客さんが軽口を叩いていて、それを聞いてレジの店員さんと一緒に笑った。たったそれだけだけど、なんだか人とその場の楽しさを共有できたことがやけに嬉しかった。
急に「料理をしたい」「ちょっと手間と時間がかかるものを作りたい」という欲求が湧き、スーパーで食材をあれこれ買った。なぜか豚の角煮が作りたくなり、かたまり肉を買ってしまった。小さい鍋しかないのにどうするんだろう。
まずは、明日の朝ごはんに食べるためのトマトスープを作った。角切りにした野菜とベーコン、市販のミックスビーンズを炒め、水とトマト缶とコンソメを入れて煮て、塩胡椒で味を調えるだけ。台所の調理環境が最初に比べて随分充実してきたので、野菜を切って煮るだけの工程とはいえ随分作業しやすくなった。それから、角煮を作った。まるごとではなく切ってから鍋に入れたので、かたまり肉も小鍋に十分収まった。下ゆでをしている間にごはんを炊き、なんとなく食べたくなっておにぎりを作った。ところが、ただでさえおにぎりというものを作り慣れていないのに、冷ましていない熱々のごはんが本当に熱くて、不格好なおにぎりになってしまった。味はおいしい。下ゆでが終わった角煮を煮つけていくと、食欲をそそる醤油の良い香りが充満して幸せだった。これから泊まりに来る妹には、醤油くさい部屋で申し訳ないけども。
テーブルと、不足していたデスクチェアのパーツが届いた。テーブルはちょうど良い大きさだし、デスクチェアもとても快適な座り心地で、QOLが一気に上昇した気がする。ようやく机や椅子を使う生活ができる。
夜、妹を迎えに近くの駅まで迎えに行った。マンションを出る時に、同じマンションに住んでいるらしい人と笑顔を交わして挨拶できたのが嬉しかった。向こうがにこっと笑ってくれたのも嬉しいし、自分が誰かとコミュニケーションを取れたことも嬉しい。外に出ると、町の明るさと人の多さ、車の多さに驚いた。まだ営業している店がいくつもあるし、出歩いている人達も多くて、本当に深夜なのかと疑いたくなるほどだった。懐中電灯なしには歩けない地元の夜とはあまりにも違いすぎる。この時間に外に出ること自体、ここしばらく記憶にないほど久し振りなので、非日常感があって楽しかった。普段なら眠くなるので起きていられないけど、もういい大人だからこういうことをしても別に良いんだよなあと自由を噛み締めた。
2024/10/12 Sat.
昨夜はたくさんおしゃべりをして、たっぷり夜ふかしをした。すごく楽しかった!
妹を送り出した後、今日は32歳の誕生日だからと近くのケーキ屋さんを探した。すごくおしゃれなパティスリーが徒歩15分ほどの所にあって、せっかくだからここに行こうと歩いて向かった。お店は高級感溢れるおしゃれなお店で、ショーケースの中にはきれいなケーキがずらりと並んでいて、見ているだけで幸せだった。迷いに迷って選びきれず、いちごのショートケーキ、いちごのミルクレープ、チョコレートのムース、ラズベリーとピスタチオのケーキ、ブルーベリーのケーキを選んだ。欲張ったけど、誕生日なんだから良いということにする。ほくほくしながらケーキの箱を大事に扱って持ち帰り、コーヒーを淹れて堪能した。ケーキ屋さんの生クリームってやっぱりおいしい。スポンジケーキもスポンジケーキと思えないくらいふわふわで、どのケーキも美しくて甘くておいしい。勇気を出して、おしゃれなお店に足を踏み入れたかいがあった。3個食べたところでさすがにお腹がいっぱいになり、これが年を重ねるということかと慄然としながら、残りの2個はまた後で食べようと取っておくことにした。
晩ごはんには、昨日の角煮を温め直して食べた。味がよくしみていて、脂身の部分がとろとろで、我ながらとてもおいしい。一緒に煮汁に浸けておいた味玉もおいしい。自己嫌悪が募って激しく落ち込んだ時は、私はこんなにおいしい角煮を作れる人間なんだからと思い出して自分を励ましたい。
久し振りに本を読もうという気になり、読みかけだった『百年の孤独』の残りを2時間かけて読み終わった。夢中で読めて本当に楽しかった。こういうラストになるのか、とただただ圧倒された。普段ついついスマホに手が伸びがちで、読書をするハードルがなんとなく上がってしまっているけど、やっぱり本を読むって良い体験だなあ。
妹と朝ごはんを食べて、おいしいケーキとおいしい角煮を食べて、おもしろい本を読んで、充実した良い誕生日を過ごせた。引越に伴う諸々の買い物で出費がかさんだので、今年は自分への誕生日プレゼントのようなものは買っていないけど、一人暮らしを始められたこと自体が誕生日プレゼントのようなものだ。誕生日を一人暮らしの部屋で迎えられるなんて、去年の今頃はまったく想像もできなかった。人生、何が起こるか本当に分からない。
2024/10/13 Sun.
朝ごはんは、昨日のケーキの残りを食べた。朝から幸せ。
洗濯や洗い物などの家事を済ませ、ケーキをたくさん食べた罪滅ぼしにいっぱい歩いてみることにした。天神まで歩いてみると、20分もかからないくらいで行けて、意外に近かった。わざわざ地下鉄に乗らなくても良かったのか…。天神地下街をうろうろして、ドラッグストアで買い物をした。都会はおしゃれできれいな人達が本当に多い。ケーキをしこたま食べておいてなんだけど、自分の容姿をもう少しましに近付けたいという気になって、ヘアマスクや化粧水を買った。ましになれればいいけども。その勢いで、美容室も予約した。都会はネットで予約できる美容室が多くて良いなあ。