2024/11/25 Mon.
実家の猫用カメラをアプリで見たら、あざらしのようにまるまるしたとらちが籐椅子の上でごろんと寝ていた。来月末に帰省する頃には、冬毛でもふもふとしているんだろうか。
ヨドバシカメラまで歩いて行って、ワイヤレスイヤホンを買った。同じ建物の中にあるロピアも覗いてみようかと思ったけど、夕方のスーパーのあまりの人の多さに引き返して、DAISOだけ見て帰った。いつかはロピアのお惣菜を買ってみたい。
さっそくイヤホンを使ってみたら、これがすごく良かった! 周りの部屋に配慮して音量を絞らなくていいし、料理をしていても音楽や動画の音声がはっきり聞こえる。最近見始めたオモコロチャンネルの食べ物系の動画をBGMに、ホワイトソースを作ってマカロニをゆで、昨日作ったミートソースと一緒にグラタンにした。ホワイトソースはダマだらけだし、ミックスチーズの代わりに買った安いヘルシーシュレッドは味がチーズに劣るけど、器いっぱいのグラタンは我ながらおいしかった。
2024/11/26 Tue.
相談支援事業所の相談支援員の人が訪問調査に来た。見知らぬ人間が淹れたお茶は飲むのに勇気が要るだろうと思って、直前に近くのコンビニでペットボトルの温かいお茶を買い、保温バッグにカイロと一緒に入れておいたものを出して渡した。そうしてお茶を出すことで却って向こうに気を遣わせてしまうかなとも思ったけど、とりあえず持ち帰ってもらえた(置いて帰るのもそれはそれで勇気が要ると思う)。先日の就労移行支援での面談と同じような内容の聞き取り。何か困っていることはありますかと訊かれても、その状態がそもそもデフォルトだから、第三者から「それは困っていると言っていいよ!」とでも言われないと、自分が困っているのかどうか分からないなと思った。支援者側の人はよく「これはこういうことですか?」と私の悩みの理由をその人なりに解釈して理解してくれようとするけど、初めて会った人がすぐに納得できるような簡単な原因なら私も苦労しないんだよなとも思う。色々正直には答えたけど、もしこれで「福祉サービス(就労移行支援)の利用は適切ではない」と役所に判断されて、就労移行支援を利用できないというようなことはあるんだろうか。訊き忘れた。
本当に、仕事さえしなければ、割と健康で快適な生活を営める。でも仕事をしないと年金だけじゃこの先も生きてはいけないし、それでも働けないから、だったら死のうかなと思うようになってしまう。働いたところで週5日フルタイムの労働を自分が続けられるかは分からないし、それだけ働いても得られる収入はかろうじて暮らしていける程度にしかならないと思うけど、賃金が低くて税金が高いのは政治の失敗だから、自分が経済的な自立できる可能性を政治に潰されたくない。
2024/11/27 Wed.
就労移行支援。部署活動というものがあって、その見学をした。
昨夜寝る前に思いついてどうしてもやりたかったことがあって、帰ってお昼を食べてからそれに着手した。PixivFACTORYで、とらちの写真をプリントしたスウェットを自分用に作る作業。カメラロールの膨大な猫写真の中からとびきりかわいいとらちの写真を一枚選んで、背景を透明化して、縁取りをして、PixivFACTORYにアップロードして位置を調整して完成。スウェットの色は、とらちの毛色が一番映えると思ったネイビーにしてみた。来月の後半に発送予定とあったので、それまでに手芸屋さんでとらちの首輪に似た赤いリボンを選んで、届いたらスウェットに縫い付けようと思う。ひとつ問題があって、服にリボンが垂れ下がっていると、帰省した時に真っ先にふくちの餌食になりそうな気がする。でも、リボンは付けたいしなあ。
旅行に備えて歩いておきたかったけど、雨が降っていたので午後は大人しく部屋にこもっていた。外は寒々としているものの、温かい飲み物と膝掛けを相棒に自分の住みかでのんびりできて快適だった。一人暮らしを始めてもうすぐ2ヶ月、私の部屋が私にとって住みやすく居心地の良い場所になっていて嬉しい。引っ越してきた当初は「ここに住むのか…」といくらか戸惑ってすらいたけど、巣を作る動物のようにせっせと部屋を整えてきたかいがあった。
2024/11/28 Thu.
朝、ちょうど出かけた時にひょうだかあられだかが降ってきた。就労移行支援に行き、ワープロ検定の過去問に取り組んだ。
明日から2泊3日の東京一人旅! すごくわくわくしている。荷造りはばっちり、旅行の計画も多分大丈夫、心身の健康状態もなかなか良さそう。乗り換えはうまくいくだろうか。
2024/11/29 Fri.
東京旅行! 朝4時に起きて、まだ日が昇らぬ内に出かけた。地下鉄を乗り継いで福岡空港に行く。空港は普段馴染みがない場所なので、「今から遠出するぞ」という非日常感があってうきうきする。早めに着いたのもあって、余裕をもって手続きを済ませて搭乗することができた。いつ離陸するかどきどきする瞬間はいつ体験しても楽しい。雲の上はとても天気が良い。飛行機の窓からこうして一面の青空を見ると、なんだか天国みたいだなと思う。機内バウチャーで飲み物と食べ物を頼めたので、ホットコーヒーとチョコレートマフィンをお願いした。地上から遠く離れた場所で、青空と雲だけの景色を眺めて飲むコーヒーがすごくおいしかった。空を飛びながら飲むコーヒー。着陸に向けて降下するにつれて、例のごとく耳が痛くなってきた。春の大阪旅行で耳抜きを習得したからと余裕ぶっていたものの、今回は耳抜きがうまくできず、両耳が痛いまま成田空港に降り立った。フライト中に、『家父長制はいらない』を読み終えた。
成田空港の長い通路の壁一面に色々なポケモンがたくさん描かれていて、歩いていて楽しかった。こういうイラストがあると、かなり長いこの通路もうんざりせずに歩けていいなあ。成田空港から京成スカイアクセス線とJR武蔵野線、つくばエクスプレスを乗り継いで、茨城県つくば市へ移動。車窓から赤く色付いたもみじが見えて、そういえば今年の秋は紅葉らしい紅葉を見ていなかったと思い驚いた。樹木なんて腐るほどある地元と比べれば、福岡市内(の、私が住む辺り)は自然がうんと少ない。もみじもハゼもドウダンツツジも目にしない秋を過ごす所だったのか。
つくば駅のコインロッカーにキャリーケースを預け、つくば市中央公園の中を歩く。良い天気で、野鳥の声を聞きながら落ち葉を踏み締めて歩くのが気持ち良かった。さざんかの花にメジロが飛んできている。街灯に「ロボット実験区間」と書かれた看板があって、学術研究都市らしさを感じた。
SNSで見ていていつか行ってみたいと思っていた「本と喫茶 サッフォー」へ。読んでみたい本がありすぎて、選ぶのが大変で楽しかった。前から気になっていた『ゲリラガーデニング』と、ZINE2冊を購入。喫茶スペースで頂いたヴィーガンキーマカレーとコーヒーがとてもおいしかった。店内にはフェミニズムや反差別、反戦といったテーマが当たり前のものとして掲げられていて、そういう場所がすごく安心できることをここに来て知った。障害者福祉についての本も、支援してあげようという支援者目線のものではなく、より当事者に寄り添った当事者目線に近い雰囲気のものが並んでいて、一人の手帳持ちとしても嬉しい。セーファースペースというのはこんなに居心地が良いんだ…!
サッフォーから少し歩いて、国立科学博物館 筑波実験植物園に行く。「いつか行けたらいいな」と思っていた場所へ立て続けに行けるなんて、こんな愉快なことはない。「温帯資源植物」の区画には、「イチゴの多様性」や「食の植物【ベリーの仲間】」と看板が立てられた場所があり、様々なイチゴやベリー類が植わっていて、ベリー好きには天国のような空間だった。地元の野山で見ていたフユイチゴや実家で育てていたブラックベリーも、こんなにもりもりと茂ったのは見たことがない。図鑑でしか見たことのなかったクマイチゴやモミジイチゴもある。いちご天国の隣には色々な野菜を植えた畑があり、キク科の野菜だけを集めたブースや、ネギ、ホウレンソウ、ダイコンなどが植わっている。本当にたくさんの種類の野菜が育っていて、いちご天国と併せてまさに理想の畑だった。それぞれの樹木の札を見ながら、雑木林のような道を歩くのも楽しい。地元の野山のようで落ち着く。ここももみじが真っ赤できれいだった。果樹のコーナーに立てられた「毒毛虫に注意」という写真付きのおぞましい看板に慄く。枝から枝へ飛び移るシジュウカラがかわいい。我が家の庭に生えていたら根絶やしにされる植物達(ヨモギ、オオバコ、ハッカ、ヘクソカズラ)にも、和名と学名と分類が書かれた札が立てられている。支柱まで添えられて、こんなに厚遇されているヘクソカズラなんて見たことがない。絶滅危惧植物温室には、名前も姿も知らなかった植物が管理されていた。熱帯植物の温室には、入るなり大きなエアプランツの株がたくさんぶら下がっていて、百均で売られているような小さなものとは比べ物にならないほど迫力があった。エアプランツってこんなに生命力に溢れていたのか。私が育てている百均のものと違って。蔓を伸ばしに伸ばしたバニラの鉢もいくつもある。バナナの木には花が咲いていたり、実が生っていたり。ゴレンシやドリアンといったトロピカルフルーツもある。スパティフィラムもストレリチアも、園芸店で見るそれと同じ植物とは思えないほど生長している。ここでもタビビトノキはガラス張りの天井に届きそうだった。今年はそれぞれ別々の場所で3回もタビビトノキを見ている。こんな贅沢良いんだろうか。園内を散々歩き回って植物を堪能して、鮮やかな黄色の銀杏を眺めながら天久保公園近くでバスを待った。時刻表より遅れてやってきた筑波大学の循環バスはぎちぎちの満員で、これは歩いてつくば駅へ向かった方が良かっただろうかと後悔するほどだった(でも途中で降りることもできそうにない混み具合)。すぐ隣にいる若いカップルは、学会がどうのこうのという会話をしていて、なんだかやたら偏差値の高そうな車内だなと思った。私が下げているけど。
再びつくばエクスプレスに乗り、秋葉原でJR山手線に乗り換え。たまたま席に座れて、山手線で居眠りするという初めての体験をした。まるで都会の人みたいと思う所が、私が都会の人ではない証左になっている。東京駅のグランスタに行き、ネットで予約していた駅弁を受け取った。東京に来て、宮城県の駅弁を食べる。伯養軒の炙りえんがわずしというものをえんがわ好きとして一度は食べてみたかったのだけど、九州からでは宮城県はあまりに遠い。ところが、たまたま東京駅で販売していることを知り、こんなチャンスはないと喜んで飛びついた。ありがたい。
また山手線に乗り、今度は寝ずにビジネスホテルの最寄り駅で降りた。御徒町駅の周辺には、宝石や貴金属を扱うお店がやたら多くて、なぜなんだろうと思い気になった。ホテルの部屋で食べた炙りえんがわずしは、これまで食べたえんがわの中でダントツにおいしかった。おいしいものだとは思っていたけど、えんがわってこんなにおいしいんだ。お弁当を広げている机の前の壁には大きな鏡があって、そこに移った自分の顔がものすごく幸せそうな顔をしていて、自分でも笑ってしまった。私は写真に写るのが苦手で、うまく口角を上げて笑顔を作ることができないんだけど、このえんがわずしを食べながらなら満面の笑みの写真が撮れるかもしれない。
今日の歩数は16,974歩。
2024/11/30 Sat.
ホテルでぐっすり寝て、朝ごはんを食べ、駅のホームで電車を待つ。目の前で電車が行ってしまったので、次の電車は何分後かと表示を見てみると、なんと3分後とある。すごいな、山手線! 福岡に来て、地下鉄が10分おきに出ていると知っただけで慄いた人間としては、ただただ都会の公共交通機関の充実ぶりに戦慄するしかない。地元なんて、電車も通っていないのに。上野駅のコインロッカーに自分のキャリーケースを押し込んでいたら、近くにいた老夫婦がコインロッカーの使い方が分からないという風にしていたので、お節介かなと思いながら声を掛けてみた。内心緊張していたけど、精いっぱい分かりやすく使い方を教えたつもり。帽子を取って丁寧にお辞儀をしてくれて恐縮した。でも、喜んでもらえて嬉しい。
上野公園はどこも人が多くて、公園ってこんなに賑わう場所なんだと驚いた。ここも銀杏がきれい。開館時間ちょうどぐらいに来たものの、東京国立博物館には既に大行列ができていて、館内に入るまでに15分くらいかかった。はにわの特別展をやっていて、色々な形のはにわがいておもしろかった。魚や、ヒナを連れた水鳥の形のはにわがかわいかった。それにしても人が多い。みんなそんなにはにわが好きなんだなあ。常設展もおもしろく、刺繍がいっぱいの歌舞伎の衣装や、きらきらした螺鈿細工の箱が特にきれいだった。ゲーム「刀剣乱舞」でキャラクターとして登場する刀の実物も見られた。
博物館前の広場でホットドッグを買って食べ(チリソースが辛くておいしかった)、今度はすぐ傍の国立西洋美術館に行った。モネの特別展をやっていたけど、あまりの人の多さ、行列の長さにそれは断念した。それでも、常設展だけでも十分におもしろかった。風景画と静物画が特に好きかもしれない。
山手線だの東京メトロだのを乗り継いで、千駄木で降りる。気になっていた「雑貨と本 gururi」に辿り着くと、「本日は臨時のお休み」との張り紙があった。タイミング…! こういうのも旅行らしくて良いか。
東京メトロに乗って、さらに山種美術館へ。日本画っておもしろそうと思えたきっかけの美術館で、いつかは絶対に行ってみたいと思っていたから嬉しい。恵比寿駅のコインロッカーが埋まっていて預け損ねたキャリーを引きずりながら並木道を歩いていたら、お店の前でパイナップルケーキが売られていて、気になって足を止めた。お店の方が試食をくれて、おいしかったのでパイナップルケーキとココナッツケーキをひとつずつ買った。どこから来たのかと訊かれ、ちょこっと会話をして別れた。旅先でこういう交流ができると本当に嬉しい。今回の旅行で行ったどの場所もそうだけど、山種美術館も「来て良かったなあ!」と思える場所だった。前まで日本画というものにはあまり興味がなかったけど、SNSで山種美術館の投稿を見て、なんとなくいいなと思えるようになり、今その実物を見ている。特別展の福田平八郎は、桃と鮎が好きな人らしかった。東京国立博物館と国立西洋美術館でもそうしたように、好きだなと思った絵のポストカードをミュージアムショップで何枚か選んだら、ほとんどが速水御舟の絵になった。なるほど、私はこの人が描く絵が好きなのか。
JR埼京線と京王井の頭線、名前だけは聞いたことがあるような電車に乗って、下北沢で降りた。壁と看板(?)の隙間に、空のペットボトルやストロング系チューハイの缶に混ざって咳止めシロップの空き箱が捨てられていて、今日何度目かの「都会だなあ」を感じた。下北沢駅のコインロッカーも埋まっていて(正確には、私のキャリーを入れられるサイズのが埋まっていた)、どこか荷物を預けられる場所はないかと検索したら、近くのカラオケ館が荷物預かりサービスをやっているとあった。コインロッカーより値は張るけど、本当に助かる。ちょっと歩いてみた下北沢の町は、何もかもがおしゃれすぎるというか、「カルチャー」の街という感じだった。恥ずかしながら私は、以前話題になっていたオモコロのPR記事「俺の理想通りのめっちゃいい新生活が始まる日」にあるような生活に内心憧れてやまない。正直、福岡市内に出てきたのも、もしかしたら都会ならそういう生活に近付ける可能性があるのではという下心がなかったとは言い切れない。記事にあったのは下北沢ではなく世田谷代田だったけど…と思いながら調べてみたら、下北沢と世田谷代田は隣駅だった。なるほどな。
商店街「BONUS TRACK」に着くと、もう、眩しいくらいに憧れが詰まっていて目が眩みそうだった。すごかった。具体的にどう表現したら良いか分からないけど、ああ私はこういう場所で楽しく過ごせる人間になりたかった、と痛感した。おしゃれなカフェやスタンドでドリンクを飲んだり、きらきらのイルミネーションの下で静かに本を読んだり、創作仲間と集まってイベントを企画したり、実際の私は社不(※社交不安障害)をこじらせすぎてとてもじゃないがそんな芸当はできない。コンプレックスのあまりおしゃれなお店には近付けないし、飲み食いしている自分が誰かの視界に入るのが怖いし、周囲に人がいる状況で趣味に没頭することはできないし、人付き合いが満足にできないことに現在進行形で苦しんでいる。もちろん、こういう場所で楽しく過ごしているように見える人にだって人には人の地獄があったりなかったりするのだし、私もここに来てみて良かったと心底思いはしたけど、私は「俺の理想通りのめっちゃいい新生活」を送れない人間なんだなと改めて思い知らされた気がした。こんな素敵な場所でここまでネガティブにものを考えるのももったいない気はする。でも、結局私は人と関われないことが色々な悩みの根源にあるんだなと思った。
それでもおっかなびっくり、BONUS TRACK内のお店に入る。「日記屋 月日」でZINEを2冊買い、「本の読める店 fuzkue」に行った。どちらも本当に素敵な空間で、自分が場違いで挙動不審な振る舞いをしているんじゃないかと恐れおののきながらも、SNSで見ていた憧れのお店にいる喜びを噛み締めた。fuzkueはすごく静かな空間で、自分の声や咀嚼音を気にするタイプの社交不安障害患者にはかなりハードルが高いお店なのではと席に着いてから内心焦ったものの、結果的に居心地の良さの方が勝って安堵した。フヅクエオリジナルのブレンドコーヒーと、チーズケーキがものすごくおいしかった。月日で購入したZINEの1冊を読み、G.ガルシア=マルケスの『エレンディラ』を途中まで読み、『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』を読み終えた。Spotifyで聴いていたフヅクエのプレイリストの曲が店内で本当に流れていて、聞いたことがある曲だと気付けたのがちょっと嬉しかった。2時間ほど過ごして、お会計をしてお店を出た。本を読んだからなのか、当初の若干動転したような気持ちが穏やかになって少し落ち着いた。見かけたキャロットケーキの看板に心惹かれて、YOYOでひとつ購入した。キャロットケーキは自分で作ったものしか食べたことがなかったので、いつかお店のものを食べてみたいと思っていたのだった。憧れの生活には辿り着けなくても、憧れのお店で過ごして、憧れの食べ物を買うことはできて嬉しい。お店の方曰くすごくスパイスが効いているそうで、食べるのが楽しみ。
小田急線と都営地下鉄でホテル傍の駅まで向かう。福岡でさえ若者の多さにびっくりしていたけど、それにしても東京の人の多さ、特に若者の多さは凄まじい。地方から姿を消した若者達はここにいたのか。ビジネスホテルにチェックインして荷物を置いて、財布とエコバッグを持って近くの成城石井に行ってみた。夜になって割引になったお惣菜やスイーツ(タコスミートのトルティーヤ、シフォンケーキのせプリン)を買って、部屋で食べる。キャロットケーキは想像以上にスパイシーで、とてもおいしかった。ずっしりと濃厚な生地と、軽くてまろやかなチーズのクリームがよく合う。これはちゃんとコーヒーを用意して頂くべきお菓子だった。
今日の歩数は22,458歩。
2024/12/01 Sun.
成城石井のパンを食べ、ホテルを出て都営地下鉄に乗る。神保町で都営三田線に乗り換え。神保町もいつかは降りてみたい。白山駅のコインロッカーも全敗。キャリーを引きずり坂を登って坂を下って、小石川植物園に到着。園内にコインロッカーがあって助かった。ここも気持ちのいい植物園で、木々の間を歩いているだけで癒される。いくつもある温室には、見たことのない植物がたくさん並んでいる。時々、見覚えのあるマユハケオモトやセイロンベンケイもいる(以前これらの植物を育てていた)。花は咲いていなかったけど、ショクダイオオコンニャクの大きな鉢植えもあった。タピオカノキ、タマゴノキ、ソーセージノキといったユニークな名前の樹木も。かわいい蘭の花があちこち咲いている。鉢植えだけど、キソウテンガイもいた。冷温室には、色々な山野草が植わった小さな鉢植えがぎっしりと並んでいて、ここも見ていて楽しかった。植物園に辿り着くまでにちょっと時間を食ったのもあり(思ったより距離があった)、のんびり植物を見ていたらいつの間にか電車に乗る予定の時間になっていて、慌ててキャリーを引っ張り出して駅に戻った。薬園植物園を見られなかったのが悔しいので、いつかまた来なければ。
駅のホームにお花屋さんやケーキ屋さんがあることに仰天しながら移動。運良く当初の予定と変わらない時間に、ゆりかもめに乗ることができた。ゆりかもめは、見慣れない東京の街並みを存分に眺められて楽しい。新橋駅のコインロッカーがいっぱいで諦めかけたところ、幸いにも東京ビッグサイト駅のコインロッカーが空いており、嬉々としてキャリーを押し込んだ。念願の文学フリマ東京は、これまたものすごい人の数だった。一般入場の列に並んでいると、周りから「審神者」だの「ウマ娘」だのといったワードが聞こえてきて、なんだか妙な居心地の良さを感じた。私はこういう場所でこそ楽しく過ごせる人間ということなんだろう。それにしても、ここにいる人はみんな文学が好きなんだと思うと、すごい。ジャンルは多岐に渡るにせよ、「自らが〈文学〉と信じるもの」を愛する人間がこんなに集まるとは。ビッグサイトの西3・4ホールは本当に人、人、人で歩くのも大変だったけど、あらかじめWebカタログで目星をつけておいた本を探して宝探しのように歩き回るのは楽しかった。用意した小銭がすっからかんになるほど買った。本を購入した時にちょこっと会話が発生することもあって、それがすごく嬉しかった。私はあなたの本を買えて喜んでいるし、あなたも本が売れたことで喜んでくれている?
ずっしり重たくなったリュックのベルトを肩に食い込ませ、キャリーを引きずり出してゆりかもめに乗る。新橋駅でJRに乗り換え、日暮里駅でおにぎりを買い、スカイライナーに乗って成田空港に戻ってきた。途中、車窓から「荒川区立第五中学校」という文字が見えて、「第五!?」「ひとつの区で第五中学校まで!?」と驚いた。本当に人が多い。成田空港で家族へのおみやげを買い、人から飛行機のチケットの見方を訊かれて答え、帰りの飛行機に乗り込んだ。窓の外は真っ暗だったけど、下の方を見るときらきらした夜景が広がっていてきれいだった。さっき買ったばかりのZINEを読み、バウチャーでオニオンスープとアップルパイをもらい(後者は帰宅してから食べることにした)、なぜか帰路は全く耳が痛くならずに済んだ。
福岡空港から地下鉄に乗ろうとすると、nimoca(交通系ICカード)が見当たらない。コートのポケットに入れたような、ポシェットに入れたような。スカイライナーを降りるまではあったから、成田空港か飛行機の機内でなくしたんだろうか。物が詰まったリュックサックやトートバッグをひっくり返すのも面倒なので、諦めて切符を買って帰路に就いた。マンションに辿り着き、荷物を下ろし手洗いうがいを済ませ、即シャワーを浴びた。うっかり座ってしまいようものなら、きっと疲れて動けなくなるに決まっている。この判断は大正解で、帰宅して1時間も経つ頃には布団の中でぬくぬくすることができた。全ての荷解きは明日やろう。チャージが一万円くらい残っているnimocaは、明日探そう。今回の旅行は、乗換案内アプリと地図アプリを頼りに結構色々うまくいって、私も遠出が随分上達したんだなあとほくほくしていたのに、最後の最後でnimocaをなくした。そんなことでバランスを取ろうとしなくてもいいのに…。でも、見つからなかったら再発行すれば良いし、マンションのカードキーをなくすよりははるかにマシだ。「疲れたけど楽しかった」と思える旅行ができて良かった!
今日の歩数は19,619歩。
購入したポストカード
・「睡蓮、夕暮れの効果」クロード・モネ
・「ジヴェルニー近くのセーヌ河支流、日の出」クロード・モネ
・「セーヌ河の朝」クロード・モネ
・「花と果物、ワイン容れのある静物」アンリ・ファンタン=ラトゥール
・「果物籠のある静物」コルネリス・デ・へ―ム
・「芥子花」福田平八郎
・「芥子」小林古径
・「芥子(写生)」速水御舟
・「名樹散椿」速水御舟
・「牡丹花(墨牡丹)」速水御舟
・「秋茄子」速水御舟