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週間日記(2025/01/27-02/02)

2025/01/27 Mon.

 布団の中が快適すぎて、なかなか出られない。ぬくぬくとした温かさ、毛布の心地良い重み、何もかもが最高だ。とはいえ寝るのもスマホを見るのも飽きたので、のそのそと起き出した。
 昨日のアップルパイの残りを温め直してコーヒーと食べて、家事や身支度をして出かけた。時折小雨が降る中、30分かけて歩く。途中、お寺が立て続けに3つも並んでいる通りを見かけて、すごい立地だと思って二度見した。川沿いでは大きなミモザの木を見つけて、まだ花は咲いていなかったけど、つぼみがたくさんついているのを見てなんだか嬉しくなった。枝いっぱいに黄色いふわふわが咲いたら、さぞかわいいだろうなあ。花壇には、真冬だというのにラベンダーがたくさん花を咲かせていた。
 目的地の福岡アジア美術館に着き、気になっていた「ベストコレクションⅡ─しなやかな抵抗」展を見た。どの作品も興味深くじっくり鑑賞したけれど、ひとつだけ「刺激の強い表現があります」と注意書きがされた作品のブースがあり、それは覚悟がなかったので見ることができなかった。シンガポールのアーティスト、ホー・ズーニエンによる、サン・ニラ・ウタマの映像には特に見入った。その中に出てきた「自分のルーツを探求しようとするものは、幻しか見つけられない」(うろ覚えなので、正確な言い回しではないかも)という文章が、妙に印象に残った。そういう解釈で合っているのか自信がないけど、「普通の日本人」や現アメリカ大統領に見られるレイシズム、排外主義的な思想に対する風刺のようだと思った。続いて「韓国美術のリアリティ」展も見て、チョン・ジョンヨプの「祭り」が特に好きだと思った。キャンバスいっぱいに大量の小豆を描いた絵画作品で、キャプションを読むと「生活や生きることというのは、こういう風に小さく雑多な要素が隙間なくひしめいているものなのかな」と思えた。現代アートというのは馴染みがなくて、ただ美しいばかりのものとは限らず、複雑なメッセージや批判的な視点、警句、風刺といった色々な問題提起がなされているものが多い気がする(馴染みがないのでなんとなくそう思うだけだけど)。それらを「解釈」できるほどの知識もないので、ただ「なんかすごいなあ」と圧倒されるばかりだけれど、それだけでもなんだか良い経験になる気はする。
 展示室を出た所にあるアートカフェには、色々な美術展の図録やアジア各国の文化芸術に関する本がぎっしり並んでいて、こんなにおもしろそうな本がいっぱいある場所なのかと興奮した。貸出はしていないそうだけど、これなら30分歩いてでも本を読みに来る価値はある。無料だし。カフェにはなんとコピ・ルワックがメニューとして置いてあり、こんな身近な場所で飲むことができるものなのかと驚嘆した。一杯2,000円の希少なコーヒー、人生の中でいつかは一度飲んでみたいかもしれない。
 風で折り畳み傘が裏返っては直すのを繰り返しながら、歩いて帰宅。地下街があって本当に良かった(雨風をしのげるので)。途中、商店街の八百屋さんでほうれん草と椎茸、1個198円の甘夏を買った。別の八百屋さんではチューリップやガーベラの切り花を200円くらいで売っていて、花は別に生活必需品とかではないからとなんとか今日は我慢した。でも、お花屋さんで買うよりかなりハードルが低いし、1,2本のああいう花を部屋に飾ったら、きっとすごく心が潤うだろうな。明日になっても欲しかったら買ってしまおうか。
 煮物と味の濃いおかずが食べたかったので、晩ごはんは肉じゃがとヤンニョムチキンを作った。おいしい煮物を作って食べるととてもほっとするので、これは多分私にとってはかなり良いコーピングの手段になるんだと思う。メンタルの調子が悪い時にその方法を思い出して実行に移せればだけど。

2025/01/28 Tue.

 就労移行支援。Wordの練習問題をいくつか解いた。リーダーの挿入の仕方が分からず調べたら、後はTabキーを押しさえすれば良いというだけだった。
 今日こそ1本220円のチューリップの生花を買おうと意気込んでいたけど、雨風が強くて諦めた。茎が折らずに持ち帰る自信がない。
 本文の推敲や、表紙画像のCMYK変換、PDF化などが終わったので、日記ZINEの原稿を入稿した。不備がありませんように。
 白ごはん.comで知って食べてみたいと思っていた、常夜鍋という料理を作ってみた。昨日の肉じゃがの残りもあったので、お腹いっぱいになった。自分が作った料理で満腹になるという幸せ。
 寝る前に、『パーティーが終わって、中年が始まる』(pha、幻冬舎)を読んだ。男性とそれ以外の性別の人では、見えている世界がこんなにも違うんだなと感じる箇所もあれば、いつか自分にも訪れるだろう「中年」の始まりを恐ろしく感じる部分もあった。一人でいることが楽しくなくなるなんて、そんな時期が自分にも来るんだろうか。できれば、一生をパーティー気分のままで過ごしたい。人と一緒に楽しむパーティーだと気疲れするから、自分一人だけでずっとパーティーを催していたい。やっぱり、それは難しいのかな。

2025/01/29 Wed.

 就労移行支援。袋作りという作業をした。A3のコピー用紙をマニュアルの手順に従って袋状に加工するという軽作業。手先を使うのは得意な方だという自負があるので、黙々とこうした単純作業をするのは多分不向きではないと思う。
 一旦マンションに戻ると再び外出するのが億劫になると思い、就労移行支援が終わってからそのまま天神へ向かった。一人外食の練習として、入りやすいサンマルクカフェに寄った。向かいの席では、どうやらマッチングアプリで知り合ったらしい男女が会話に花を咲かせていた。アプリを介して会うって、こんな感じなのか。もさもさとチョコクロを食べ、コーヒーを飲み、天神をうろうろした。デパ地下の華やかなお菓子を眺め、百均で日用品を買い足し、INCUBEに行って分厚いノートを買った。以前、本の引用やさまざまな知識をノートに書き写す習慣があって、先日久し振りにそのノートの存在を思い出し、再開してみようと思ったのだった。UpNoteに記録した方が検索機能もあって便利ではあるのだろうけど、手書きで書き残した方がなんとなく頭に入りそうだし、文字を書く習慣を取り戻すのにも良さそうだ。いくらデジタルツールに検索機能があったって、その知識を記録しておいたという記憶がなければ検索しようがないし。
 夜、明日の自分のために甘夏の皮を剥いて冷やしておいた。台所が爽やかな柑橘の香りに包まれる。勢いづいて、簡単にお風呂を掃除して湯船にお湯を張り、のんびり浸かった。ほかほかに温まった。実家にいた頃は、一人暮らしをして自分一人のために家事をするなんてできるだろうかと不安に感じていたけど、たまたま今が元気とはいえ案外なんとかなるらしい。
 さっそく、今日買ってきたノートにあれこれ書き込んだ。先日の福岡市博物館で書いたメモや、持ち帰った福岡市博物館だよりの中でおもしろいと思った部分をせっせと書き写す。自分の書く字はお世辞にも上手いとかきれいとか言える代物じゃないものの、嫌いじゃない。ひらがなの書き順もずっと間違えて覚えているけれど、小学校で習う前に見よう見まねで書いて覚えたからだと思えば、自分の知的好奇心や学習意欲のようなものの表れだと思えて、むしろ愛着すら湧く気がする。自分の嫌いな所はいくらでも挙げられるし、自己嫌悪に陥ることはしょっちゅうあるけど、自分の中で「嫌いじゃないし、むしろ好き」と思える部分があることは嬉しい。

2025/01/30 Thu.

 朝から果物を食べる。よく冷えた甘夏は酸味が強くて、とてもおいしかった。
 初めて行く美容室に予約を入れた。カットとカラーと、髪質改善トリートメント。私の髪はハグリッドのそれに似ていると言える髪質なんだけど、少しはなんとかなるだろうか。施術時間の目安が2時間半とあり、慄く。そんなに長い時間を明るいおしゃれ空間で過ごすなんて、耐えられるかな…。それにしても、都会はネットで予約できる美容室が多いから本当に助かる。髪の毛を赤毛のようなオレンジっぽい色に染めてみることに憧れがあって、今度こそそれに挑戦してみようか迷っている。派手な髪色を試すなら、実習や就職活動が始まる前の今が絶好のチャンスだと分かってはいるけれど、あと一歩の勇気が出ない。似合わないかもしれないから、他人から笑われたり馬鹿にされたりしそうだから、とネガティブな「もしも」が頭に浮かぶ。でも、見ず知らずの人間から向けられる嘲笑を理由に、自分がやってみたいことを諦めるというのはとてももったいない気もする。明らかにまずかったら染め直せば良いだけだし、私が私のやりたいことを尊重して実行に移せたら、それ自体が何らかの良い経験値になりそうだとも思う。うーん、迷う。
 祖母宛ての手紙を書く。後はコンビニで写真をプリントアウトして封筒に入れるだけだけど、今日は外に出られるような身支度をしていないので、明日にしよう。いつかはプリンターが欲しいけど、買った所で置く場所がない。
 まだ読んでいなかったZINEをぱらぱらとめくってみたけど、目が滑って内容が全然頭に入ってこない。今日は本を読めない日らしい。何でも白と黒に分けてしまうのは良くないと分かっているけど、「働ける人」と「働けない人」、「パートナーがいる人」と「パートナーがいない人」に勝手に頭が線引きしてしまう。
 むしょうに辛ラーメン焼きそばが食べたい。でも、昨日もカップラーメンを食べたし、まだ常夜鍋の残りと今日が賞味期限のうどん麺があるし。焼きそばの誘惑になんとか打ち勝ち、鍋の残りを温め、うどん麺は具無しの焼きうどんにして食べた。焼きうどんは適当に作ったのに、思いのほかおいしい味付けになった。

2025/01/31 Fri.

 就労移行支援。適切な休憩の取り方について学ぶプログラムを受講した。以前スタッフさんと話した時に、一人で部屋にいる時以外には基本的に気が休まることはないこと、他人がいる空間で休憩を取るように言われても非常に難しいこと、ぼーっと過ごすことは苦手で苦痛ですらあることなどを伝えたけれど、あまり伝わった感じはしなかった。できないことを「しましょう」と言われても、どうして良いか分からない。
 初めて行く歯医者さんに予約を入れて、虫歯などがないか検診を受けた。自分では怪しいと思っていた箇所があったけど、診てもらった結果虫歯はなかった。良かった。
 夜、むしょうにほっともっとのお弁当が食べたくなって、行こうかどうしようかしばらく迷ってから買いに行った。自分一人のためには面倒で作れないハンバーグやからあげをお腹いっぱい食べて、満足した。

2025/02/01 Sat.

 就労移行支援。Excelの表と印刷された紙を見比べて、間違いがないか確認する訓練。文字を読むのは早い方だと思うから(言語理解IQ140はこういう所で活かせているんだろうか)、特に難しい作業ではないと感じた。その後、中途半端な時間が少し余ったので、短時間で終わりそうなe-typingをした。結果は2回とも「Ninja」と出た。1分間に300字くらい入力しているらしい。ふと、テレビの字幕を耳で聞いて文字に起こす仕事が気になって検索してみたものの、ステノキャプショナー(字幕速記者)は普通のパソコンのキーボードとは違う特殊なキーボードを使うそうで、すぐに諦めはついた。
 昼過ぎに、近くの美容室へ行った。前回行った所も別に悪くはなかったけれど、初めて行く場所の方がまだ気が楽だから、別の美容室を予約しておいた。美容師さんは気さくで親切な人で、内心少しほっとしたけれど、ここもやっぱり3ヶ月くらい間が空いたら行きづらくなってしまうんだろうな。髪をオレンジがかった色にしてみたいと勇気を出して伝えたものの、ブリーチ無しのシングルカラーではやはり難しいそうで、代わりに赤茶色っぽいカラーにしてもらった。これはこれで、自分ではすごく気に入っている。髪質改善とは違うトリートメントもしてもらう(髪質改善の方は、最後にアイロンで髪を真っ直ぐにするため)。去年の8月にかけたパーマがまだ残っているのを活かして、少しカットしてくるくるに仕上げてもらえた。顔はさておき、髪だけはすごくかわいい。自分でも毎朝こんな風にセットできたらなあ。
 今日は一日雨が降っていて、とても寒い。でも、髪をかわいくしてもらえたので、気分が良い。

2025/02/02 Sun.

 目覚ましアラームをセットせずに、合計10時間ほど寝た。
 前々からやりたいと思っていたことに着手。日用品の買い置きの数や、部屋にある食材の賞味期限をExcelにリスト化した。これで、まだ買い置きがあったかどうかとか、賞味期限の近い食材はないかといったことが、棚の中身を都度ごそごそ漁らなくてもひと目でわかる。実家でこれをやったら几帳面すぎると笑われるかもしれないけど、一人暮らしの部屋でやる分には、生活する上で煩わしく感じる要素を減らせてとても良い。こまめにチェックすることに飽きるまでは、このリストを活用したい。