
2025/02/10 Mon.
先週行き損ねた皮膚科に行き、一ヶ月分の塗り薬と飲み薬をもらった。帰り道に見かけた学習塾の建物に「知恵の木の実」という名前の書店(多分)があり、ここで知識を得たら取り返しのつかない事態になりそうな店名だと思った。楽園から追放されそうだ。
商店街の八百屋さんに色々な柑橘が並び出したのを見て、すごくうきうきした気分になった。以前よそで食べておいしかったのを思い出し、紅八朔を買ってみた。八百屋さんの店先にあるというだけで、野菜も果物もとびきりおいしそうに見えてしまう。もちろん、実際においしい。
去年撮ったとらふくの写真でフォトブックを作るべく、写真を選んだ。数千枚の写真の中からとびきりかわいく(あるいはおもしろく)撮れた写真を厳選して、ようやく300枚程度に絞り込んだ。こうして写真を見返していると本当にかわいくて、よくこの魅力的な生き物から離れて暮らすことを決めたなと我ながら驚く。今週末に3泊4日で猫目的の帰省をする予定なので、心ゆくまでかわいがりたい。
2025/02/11 Tue.
就労移行支援。事務仕事を想定した、伝票整理の訓練。1回の作業は15分足らずで終わり、その都度スタッフに確認をもらわなければならないものの、フロアにいるスタッフさんは大抵他の利用者さんの対応をしているので、なかなか話しかけられるタイミングがない。結局、作業をしている時間よりも、何もせずに待っている時間の方が多かった。
昨日のとらふくフォトブック作りの続き。しまうまプリントのアプリを使って各ページに画像を配置していき、何度か見返して大丈夫そうだったので注文した。届くのが楽しみ。
夕方、むしょうにたくさんものを食べたくなり、結構な量の晩ごはんを食べた。大根の煮物、味つけ卵2個、野菜スープ、辛ラーメン焼きそば、紅八朔1個。食べて気分が晴れたということもなかったけど、とりあえず満腹にはなったのでこの辺でやめておいた。臓器から血を流しながら泣き言も言わずに生活しているんだから、いっぱい食べるくらいは別に良いと思う。月一の頻度で生理が来ることなんて滅多にないので、まだ一ヶ月くらいは煩わしい思いをしなくて済むと安堵していたのに、前回の生理から30日程度で来たのでがっかりしている。それが正常なサイクルではあるんだろうけど、面倒くさくて仕方ない。
泣き言どころか、トイレ掃除やお風呂掃除までしてしまった。偉すぎる。
2025/02/12 Wed.
夕べたっぷり食べたのに、お腹が空いて目が覚める。健康的な目覚め方ではあるかもしれない。
就労移行支援。ビジネスメールの書き方を学ぶ。仕事でメールを使ったことはないし、かしこまったメールの書き方もよく知らないので、勉強になった。メールの文章を考えるだけなら良いものの、会社の上司などに送るとなると緊張してしんどいだろうなと思った。
住めば都とはよく言ったもので、今やすっかり自分の部屋を気に入ってしまった。北向きで日当たりは悪いし、窓の外の景色も良くないし、台所もお風呂も狭いし、床は歩くとぎしぎし鳴る箇所があるしで、不満に思う部分もあるにはある。だけど、それ以上に良い部分がある。何より立地が素晴らしい。天神にも博多にも歩いて行けて、徒歩10分の場所に小さいけれどスーパーとドラッグストア、そして商店街がある。八百屋さんで野菜や果物を買うという行為は、なんともいえない幸せと満足感をもたらしてくれる。もちろん、部屋自体も良い。それなりに静かだし、暖房をつければ暖かいし、水道からはお湯も出るし、冬だからか黒光りする素早い虫も見かけなくなった。私が住みやすいように整えた、私だけの巣。4ヶ月前に初めてこの部屋に足を踏み入れた時は、「ここに住むのか……」と心許なく思ったものだけど、案外なんとかなるものだ。そう感じられることもまた嬉しい。
2025/02/13 Thu.
日用品を買い足しに、百均へ行く。途中、例の路上での勧誘(「チラシを受け取ってくれるだけで良いので」と建物の中へ案内される)にまたしても捕まってしまった(関係ないけど、路上での勧誘って「舞踏への勧誘」みたいな言い回しだ)。私がそこを通らなければ良い話なのだけど、迷惑な営業を避けるためにこちらが対策を講じなければならないというのもなんだか悔しい。もううっすら顔を覚えた気もする営業の人が、私の姿を見つけるやいなやまっすぐこちらに向かってきて、声をかけてきた。カモになりそうな人間だと認識されているんだろうか。とはいえうんと頷く訳にもいかないので、「すみません、この前もお断りしたので……」とよく分からない断り方をごにょごにょ述べて、「風邪引かないでください、失礼します」と付け足してそそくさと逃げた。変な人だと思われただろうな。でも、笑顔でお礼を言う声が背後から聞こえた。あの過酷な仕事をやっていても笑顔を保てるなんて、素直にすごいと思う。先日、私の前を歩く人がこの営業に声をかけられている場面に出くわした。話しかけられた人の方は、見ているスマホの画面から全く顔を上げず、営業の人に対して完全な無視を決め込み、一切反応を返さずにいた。なるほど、ああいう風に対応するものなのか。自分にできるだろうか。できたらできたで、「あの人も好きであの業務をやっている訳ではないだろう」「道行く人に無視され続けるのは神経がすり減るのでは」と、無駄な想像力を働かせては、なけなしの良心が痛みそうな気もする。自分が初めてのアルバイトでチラシ配りをして驚くほどしんどい思いをしたから(社交不安障害と診断されるきっかけになった)、他人も同じようにつらいんじゃないかと勝手に邪推しているだけかもしれない。
百均でポリ袋だのウェットティッシュだのを買い込み、INCUBEでかわいい雑貨を眺めるだけ眺めて、ミスドでドーナツを買って帰宅。追加で拭き掃除をしたからか冷凍庫の異臭が随分ましになったので、オールドファッションを冷凍しておこう。うろうろ歩き回ったので、7,000歩の散歩ができた。
午後、製本された日記ZINEが届いた。あと少し勇気が出たらネットショップなり何なりで販売してみようと目論んでいるので、少し多めに刷ってみた。1冊でも売れるか怪しいところだけど、「作ったZINEが売れる」というより「ZINEを作って販売する」こと自体に憧れがあるので、売れなくても売りさえすれば自分は満足できるはずだ(とはいえ、売れたら売れたでもちろん飛び上がるほど嬉しい)。やっぱり、自分が書いたものが本の形に印刷されているものを見ると、ものすごくテンションが上がる。こんなに楽しい趣味を持つことができて、私という人間はとてつもなく幸せ者なのかもしれないとさえ思えてくる。せっせと日々のことを書き留めてきたかいがあったなあ。創作活動、最高。
2025/02/14 Fri.
午前中は就労移行支援に行き、その足で帰省する予定だった。ところが、最寄りの地下鉄の駅でコインロッカーにキャリーを預けようとしたところ、ロッカーに空きがなかった。早めの時間に出かけてはいたものの、キャリーを置くために今からまたマンションに戻っていると就労移行支援には遅刻してしまう。じゃあ隣の駅のコインロッカーはというと、やっぱりそちらに行っていても遅刻は確定だ。なんだかやる気を失ってしまい、今日の就労移行支援は休むことにした。どうせ2時間後にはまた出かけるのだと思うと、キャリーを引きずってマンションに戻るのも億劫なので、そのまま博多駅へ向かった。
バスターミナルのコメダ珈琲店でコーヒーを飲みながら、本を読んで新幹線までの時間を潰した。ずっと積読状態になっていた『チベットの死者の書』をようやく読み始めた。人のいる空間で過ごすという点では、就労移行支援と変わらないと言い訳をする。外食の練習にもなるし。
カフェインレスコーヒーとフィッシュフライバーガーを平らげて、アミュの丸善を覗いた。山川出版社の世界史リブレットというシリーズがおもしろそうだった。心理学の本が充実している棚も、癖で一応眺めた。新幹線で熟睡。
乗り継いだ高速バスは窓が大きい車両だったので、外の景色がよく見えて楽しかった。薄明るい空を背にした木々のシルエットが美しくて、ずっと見ていられる気がした。葉が落ちたものもそうでないものもきれいだった。
実家に帰って、ひとしきり猫と遊んだ。とらちは階段の半ばまで逃げかけて、私だと分かると安心したようだった。ふくちはひたすら私の服の匂いを嗅いでいた。父母とあれこれおしゃべりして、楽しかった。夜は布団の足元にふくちが来て、私の足を枕にするようにして寝た。猫と一緒に寝る幸せ。
2025/02/15 Sat.
ふと思い立って、3時間以上も庭の草むしりをした。ほとけのざ、はこべ、ノビル、オランダミミナグサ、からすのえんどう、すずめのえんどう、やえむぐら、マツバウンラン、よもぎ、ムラサキカタバミといった見知った面々を力の限り引っこ抜いていく。久し振りの庭仕事は本当に楽しかった。ストレス解消になるし、庭はきれいになるしで良いことずくめだ。しゃがみっぱなしによる腰痛の気配がするので、申し訳程度にストレッチをしておいた。
夕方、珍しくとらちが膝に乗ってきた。床に座った私の膝の上で、時々立ち上がってもそもそと姿勢を変えてはくつろぎ、結局1時間20分ほども膝にいた。とらちが人間の膝に乗ること自体が珍しいのに、こんなに長時間いてくれたことは子猫の頃にだってなかった。すぐには立ち上がれないほど足が痛くなったけど、かわいくて重くて温かくて幸せだった。
2025/02/16 Sun.
小豆を煮て、ぜんざいを少し作った。その間、卵が多めにあるからと母はカステラを焼いていた。
おみやげやバレンタインチョコを持って祖母のアパートへ遊びに行き、おしゃべりしてお茶を飲んだ。祖母が楽しそうにしていてくれて良かった。近所の川沿いまで、一緒に少し散歩した。