投稿者: naedokodesuka

週間日記(2024/08/26-09/01)

2024/08/26 Mon.

 パソコンに向かって何かしたり、部屋を少し片付けたりしたはずだけど、翌日になると「何をしたっけ?」と思うような一日だった。そういう日もある。
 いかにもジェンダーステレオタイプな考えなので良くはないけど、私が趣味としてやったことのある(やっている)「コーデックス栽培」「スパイスカレー作り」「コーヒーをミルで挽いて淹れる」は、もっぱら男性がこだわってやっていそうな趣味だなと思った。だからこそ、女性の私がそれらを楽しんでいると、ジェンダーバイアスのようなものを壊せるような気がしてちょっと気分が良い。もちろん、そうした趣味に興じている間にそんなことを考えることはないものの。後はサウナに通い、カメラに手を出し、蕎麦を打てば完成するかもしれない。私の趣味の中には手芸とお菓子作りもあるけど、これは小学校低学年の頃に「漫画『カードキャプターさくら』の大道寺知世ちゃんみたいに、女の子らしい女の子になりたい」という理由から興味を持ったものだ。今なら趣味と性別は一切関係がないと断言できるし、「女性らしい(とされている)趣味」だけでなく「男性らしい(とされている)趣味」も楽しめるようになったのは良いことなんじゃないかと思う。

2024/08/27 Tue.

 お昼ごはんに、雑な冷やし中華を作った。自分一人のためにちょこちょことおかずを作って見栄え良く盛り付けるような労力はまだ費やせないけど、申し訳程度に切ったトマトと茹でキャベツを添えたり、カップ麺や冷凍食品で済ませずちゃんと鍋や包丁を使って調理したりしたことは、自分の中ではかなり賞賛に値するものだと思う。お菓子なら趣味として楽しく作れるけど、自分一人のためだけの料理はどうにも面倒くささが勝ってしまう。そのうち料理も楽しめるようになれば良いけど、そうではない現状の自分も責めずに許してあげられたらいい。

2024/08/28 Wed.

 台風対策で、植木鉢をしまったり、飛びそうな物を片付けたり。交流のないお隣の家の敷地には、空のペットボトルやポリバケツ等色々な物が散乱していて、これが我が家にも飛んでくるのかなと気が滅入る。停電対策に水を入れたペットボトルを冷凍庫で凍らせ、窓という窓に養生テープを貼り、雨戸も閉め、モバイルバッテリーの充電具合を確かめた。
 部屋が決まった! 管理会社から電話がかかってきて、入居審査に通ったらしい体で話が進むので、借りられるんだと思う。嬉しくて、電話が終わってからぐねぐねと変な踊りを踊ってしまった。私という人間は心からはしゃぐと踊り出すのか、という発見を30年ちょっと生きてきて初めて知った。本当に嬉しい。精神障害者保健福祉手帳と障害基礎年金の存在を伏せないと部屋を借りられないという現実には未だ釈然としないものがあるけど、これについてはすんなり納得できる自分ではいたくないから、もやもやを抱えたままでいたい。

2024/08/29 Thu.

 台風が九州に上陸。できる対策はしたので、一日おとなしく引きこもって過ごした。両親と3人でアニメ「銀河英雄伝説」OVAの第3期を16話分観て楽しかった。もう何周も観ているけど、何度観てもおもしろい作品。アニメを観ながら、四コマ漫画を描いたり、とらふくのLINEスタンプ第3弾を作り始めたり。雨風の音に不安も感じたけど、銀英伝の大音量クラシックに掻き消されて気が紛れた。

2024/08/30 Fri.

 夜の間に台風は通り過ぎてくれたらしい。私の住む辺りこそ目立った被害はなかったものの、市内では停電した所もあったらしい。川の水はまあまあ増えていたけど、とにかく水害が起こらなくて本当に良かった。
 今日も銀英伝を観て(「マル・アデッタ星域の会戦」から「冬バラ園の勅令」まで)、LINEスタンプ作りの続き。パソコンのイラスト作成ソフトの中で見るとらふくの写真もとてもかわいいけど、実物を見るとやっぱりそれ以上にかわいい。
 生協で注文していた飲茶セットを食べた。にらや海老が入った餃子、甘辛いチャーシュー入りの肉まんのようなもの、それぞれの正しい名称は分からないものの、どれもおいしかった。チャーシューまんが特においしかったので、いつかこれを自分で作ってお腹いっぱい食べてみたいと思った。

2024/08/31 Sat.

 台風対策で物置などにしまっていた植木鉢を引っ張り出して、元の軒下に並べた。今月中にはこれらの鉢をすべて人に譲るなり捨てるなりして撤去するつもりだけど、ついぎりぎりまで世話をしてしまっている。世話といっても、私の園芸は極めて雑でずさんで適当なので、まともな園芸愛好家からしたら世話などしていないも同然かもしれない。それでも育つのが植物のおもしろい所だと思う(耐えられなかった植物は枯れていった)。

2024/09/01 Sun.

 父と二人で、地元に新しくできたカレー専門店へ行った。炙ったチーズをトッピングしたチキンカレーを頼むと、色々な種類の野菜のおかずが添えられたカレーが出てきた。すごくスパイシーなのに辛すぎず、とてもおいしかった。今度はポークカレーも食べてみたい。

週間日記(2024/08/19-08/25)

2024/08/19 Mon.

 気になる部屋を5件までは絞れたものの、もうこれ以上は実際に見てみないと分からないという所まで来たので、今日明日で内見に行くことにした。予約した不動産仲介業者の事務所に行き、その場で候補をさらに絞った。第一候補だった物件は室内洗濯機置場がないとのことで、第二候補の物件を見に行くことになった。こうして一人で物件を探すのは何もかも初めてだからと念入りに調べたり準備をしてきたのを見て、担当の業者さんに「几帳面」と言われた。目当てのマンションに着き、写真を撮ったり、あちこち見たり。

・郵便受け周りはまあまあ片付いていると思ったものの、ポストの上はそうでもない。何かの壊れたパーツや、なぜか割った竹などが雑然と置かれている
・マンション内の掲示板はちゃんとしていて、町内会のお知らせなどが貼ってある
・部屋はすごく狭い。1Kってこんな感じだったな
・壁が漆喰のような質感に白く塗ってあってかわいい
・退去後の清掃がまだだから汚いそうなんだけど、「こんな汚い状態で退去していいんだ…」とカルチャーショックを覚えるほど汚い
・東向きの大きな窓からは、すぐ外に大きな街路樹のイチョウが見える。良いかも
・角部屋なので二面採光。観葉植物を置くのに良さそうな小さい出窓がある
・エアコンはあまり古くない型だから大丈夫と言われたものの、後から自分が撮った写真を見たら「2013年製」と書いてあった。不信感が募る
・インターホンにカメラはない
・台所の流し台がとにかく小さい
・台所や浴室の蛇口がレトロな捻るタイプ

 結局、この1部屋だけを見てここに決めた。隣の部屋も空室だからと見せてもらえたけど、ここもやっぱり清掃がまだで、煙草のようなきつい匂いが残っていた。事務所に戻り、手続きをする。何枚も紙を書かされるのかと思いきや、今の時代はデジタルで入居審査の申し込みができるという。個人のスマホを持っていることが前提で話が進むのか…。流れで精神保健福祉手帳を持っている年金受給者であることを伝えると、いくつか質問をされた。病名は社交不安障害で、対人恐怖症のような症状だということ、主治医の許可は得ていることなどを説明した。「目を合わせて話せているし、普通に見える」と言われて、どう捉えていいのか複雑だった。とにかく部屋は決めたので、後は審査が通ることを祈るのみ。
 2日間かけて部屋を探すつもりだったのに、結局初日の昼過ぎには終わってしまった。今から高速バスを予約して日帰りで帰ることもできるけど、ホテルのキャンセル料が八割かかると思うともったいない気もするので、明日ゆっくり帰ることにした。まだ明るいうちにホテルにチェックインして、お惣菜屋さんのお弁当を食べ、ユニットバスじゃないことを幸いに湯船にお湯を貯めて、アメニティの入浴剤を入れてのんびり浸かった。お湯がすごく熱くて、長いこと湯船に突っ立っていたものの(足湯と言い張る)。さっぱりしてから、丸善で買ってきた小鳥書房の『ワンルームワンダーランド』を読み始めた。一瞬頭をよぎった「こんなに古くて狭い部屋でかつかつの暮らしをするために自立したのかなってむなしくならないといいな」という考えが、段々遠く離れていく。生活への不安も期待も、全部ひっくるめて楽しみたいという気持ちの余裕が出てきた。自由は何物にも代えがたいものなんだし、10年振りの一人暮らしを謳歌できたらいいなあ。

2024/08/20 Tue.

 帰りの高速バスの時間を早めて、少し買い物をしてから帰ることにした。新生活に必要な物、それも地元じゃ買えない安くてかわいいデザインのものを買おうかとも思ったけど、かさばるし、とにかく部屋が狭いことを思い知らされたので、ひと通り最低限の物を持ち込んでからおいおい買い足していった方が良いだろう。バスの中でおにぎり専門店のおにぎりを食べ、『ワンルームワンダーランド』の続きを読んだ。

2024/08/21 Wed.

 一昨日見た1Kの部屋が本当に狭かったのが衝撃的で、あの狭い部屋に住むとなると持ち込める本の量がかなり限られることを思い、蔵書の整理をした。ところが、読まなくなった本は最近ブックオフに売ったばかりだったので、手放そうと思える本がない。どうしても手元に置いておきたい少数精鋭を段ボール箱2箱分に詰めたものの、そこから作業が進まない。子どもの頃に大好きで読み込んだ本や、大学の文学部の授業で教科書として使っていた本など、どれもこれも思い入れがある本ばかり。人生でいつかは手放すとしても、まだ今はその時じゃないと言い聞かせ、当面は実家に置かせてもらうことにした。長い人生、もっと広い部屋に住める可能性もゼロではないけど、今は4万円より高い家賃は払えないので、狭い部屋に住むしかない。金がないということは、本を買い集めることはおろか満足に本を所有することもできないのか…。それから、大量の紙類の整理もした。こちらはどんどん捨てられたので、資源ごみの袋3つ分にもなった。「生きていると紙が溜まる」という人生の真理のひとつに気付けた。

2024/08/22 Thu.

 引き続き断捨離。迷った物はどんどん捨てている。そうやって引っ越しに備えて張り切っていたら、不動産仲介業者さんから電話がかかってきて、入居審査が通らなかった旨を伝えられた。正確に言うと、家賃保証会社の審査自体は通ったものの、マンションの持ち主であるオーナーに断られたらしい。仲介業者さんいわく、次回は障害者手帳と障害年金があることを言わずに物件を当たってみましょうとのこと。「そういうこと」なんだと思う。なんだかなあ。私としては訊かれたことに答えただけだし、別に隠すようなことでもないと思っているので、釈然としない。「花粉症ですか」「頭痛持ちですか」と訊かれてはいと答えるのとなんら変わりはないと思うのに。社会勉強になったと思って納得したいけど、こんなこと別に勉強する必要なんかなかった。
 我が家のとらちゃんの母猫である錆猫が、真っ黒な子猫を2匹連れてデッキに来ていた。外見はよく似た子猫でも、好奇心旺盛で勝手口の網戸に近付いてくるのと、臆病なのかなかなか姿を見せないのとがいる。野良猫ゆえにとらちゃんよりもひと回り小柄な錆猫は、悠々とデッキに寝そべって毛繕いをしていて、その様子をとらふくが興味津々で見つめていた。

2024/08/23 Fri.

 この辺りに住んでみたいと思ってこだわっていた駅の周辺にはこだわらず、希望エリアをもっと広くして物件を探すことにした。ネットで物件を調べ、良さそうな部屋を5ヶ所に絞って、仲介業さんに連絡した。そのうちの1部屋をオンラインで内見して、今日のうちに入居審査の申し込みまで進んだ。よく考えてみると、今度の物件の方が大きい駅までのアクセスが良いし、1km圏内にスーパーが3店舗もあり、居室も多分1.5畳くらい広い。難点を挙げるならば、今回は2階なのでもう少し上の階だと良かったとか、窓の外に緑が見えないとか、その程度。今度は契約まで至れるといいなあ。そうでないと困る。
 服と手芸用品の断捨離。「しばらく着ていないけどまたそのうち着るかも」と思って捨てずにいた服や、「今は使わないけどいつか使う時が来るかも」と溜め込んでいた布類を片っ端から資源ごみの袋に詰め込んだ。こんなに物を捨てるのは、大学を卒業した時に身辺整理のつもりで色々な物を捨てた時以来だと思う。あの時は「どうせ自分は近いうちに死ぬから」と鬱々とした気分でそうしていたけど、今は「これから住む新しい部屋で快適に暮らせるように、不要な物は手放さなければ」と前向きな気持ちでやっている。その対比がなんだかおもしろい。

2024/08/24 Sat.

 少し離れた所にある大きい百均まで、自転車で買い物に行った。久し振りに自転車に乗ったので太ももが筋肉痛になりそうな予感があったけど、それにしても自転車ってなんて快適な乗り物なんだろう。歩くのに比べてすいすい進むし、風を切って走るのは気持ちいいし。私は満足に自転車を乗りこなせるようになるまで人の何倍も時間がかかったので、まさかこうして自転車を漕ぐことを楽しめる日が来ようとは、昔は思ってもみなかった。

2024/08/25 Sun.

 畑で採れたミニかぼちゃがあったので、かぼちゃプリンを作った。かぼちゃをまるごと使ったプリンなので、中身をくり抜いたかぼちゃにかぼちゃ入りのプリン液を流し入れ、オーブンで湯煎焼きにした。見た目もかわいく、味もおいしくできた。
 久し振りに、元職場の園芸店へ行った。植木鉢だけ買うつもりだったのに、つい観葉植物まで眺めてしまい、なんとマングローブの木が売られていたので誘惑に負けて買ってしまった。学名を検索すると、マングローブを形成する樹木のひとつであるオヒルギという木らしい。ひょろひょろとした今にも折れそうな苗木だけど、図鑑やテレビでしか見たことのないようなマングローブにある木が手元にあると思うと、どうにもロマンを感じてしまう。引っ越しに備えて植物はしばらく増やさないつもりだったのにと思う気持ちもあるものの、ここで自分の植物に対する情熱や知的好奇心を無碍にしてしまえば、それはそれで良くない気もするからと己に言い訳している。
 『ワンルームワンダーランド ひとり暮らし100人の生活』(落合加依子・佐藤友理、小鳥書房)を読み終えた。とても良かった! 自分だけの生活を作っていく楽しみ、生活がままならないもどかしさ、それでも自分なりに生活をやっていこうと思う意思、そういうものをまるごと愛せるような気持ちになれる本だった。「一人暮らしがうまくいかなかったらどうしよう」という不安も、なんだか当然で自然なものとして受け入れられるような気がする。今度の入居審査は通るかなあ。

週間日記(2024/08/12-08/18)

2024/08/12 Mon.

 庭で育てている鉢植えのラズベリーを何粒か収穫した。食べるのがもったいなくて、お皿に入れて眺めている。
 「ここに住んでいる自分を想像すると楽しい」と思える場所の物件をネットで探して、ようやく5ヶ所にまで絞った。もうちょっと選択肢を減らせたら選びやすいのかもしれないけど、後は実際に見てから決めようと思い、内見に行ってみることにする。
 猫達が本当にかわいくて、「こんなにかわいいふわふわの生き物達を置いて私は実家を出るのか?」と慄くものの、猫達を理由にせっかくの自立チャンスを逃すのも当の猫達にとってはいい迷惑だろうと思うので、やるだけやってみよう。
 お昼ごはんが自分一人だったので、適当にオムライスを作ったら、結構おいしかった。

2024/08/13 Tue.

 帰省してきたきょうだい達と、近所の祖母宅へ遊びに行った。すごくパワフルで楽しい時間を過ごした。おばあがとても嬉しそうで何より。

2024/08/14 Wed.

 夕食時、16 Personalities診断の話題で盛り上がる。星座占いや血液型性格診断とどっこいどっこいの信憑性だと思ってはいるけれど、話のネタとしてはなかなかおもしろい。私はINFP(仲介者)やISFJ(擁護者)と出ることもあるけど、大体INFJ(提唱者)になることが多い。もちろん、内向型に振り切れている。
 以前にも作ったプリンケーキ(カラメルプリンとスポンジケーキが層になっているケーキ)を作った。今回はきちんと冷やしたので、きれいに型から外すことができた。卵を8個使っているだけあって、食べ応えがある。味もおいしかった。

2024/08/15 Thu.

 家族5人ですみっコぐらしのボードゲームで大盛り上がりした後、きょうだい達はそれぞれの場所へ戻っていった。これにて今年のお盆休みも終了、という感じ。半年分くらいのエネルギーを使ってはしゃいだ気がする。楽しかった。

2024/08/16 Fri.

 残っていた卵白を使って、ラングドシャを作った。焼きたてふわふわの状態がおいしくて、冷めてさくさくになる前に結構な量を食べてしまった。

2024/08/17 Sat.

 楽譜作成ソフトの更新手続きを頼まれて、分からないながら調べに調べて格闘してみたけど、駄目だった。「よく分からずに操作してしっちゃかめっちゃかになってから私に丸投げしないでね」という意味のことをオブラートに包んで伝えておいたのに、全くその通りにされてしまった。取り返しがつかなくなってから任されても、こちらも素人だからどうしようもない。2時間頑張ったけど「多分不具合の原因はこの作業をすっ飛ばしてあるからだろう」ということが分かったくらいで、とにかくものすごく疲れた。

2024/08/18 Sun.

 スーパーへ食材の買い出し。「段ボール箱をいくつか買いたいからホームセンターに寄ってもらえないか」と出かける時に頼んで、「じゃあ帰りに寄ろう」という返事が返ってきたのでひと安心したものの、すっかり忘れられてしまっていた。こういう時、また親に車を出してほしいと頼むのは悪いし、気が引ける。「でも、もうすぐ親の手をいちいち煩わせなくても自分一人でどこへでも行ける暮らしを始められるから」と己に言い聞かせる。段ボール箱、いつ買おう。

週間日記(2024/08/05-08/11)

2024/08/05 Mon.

 プランターに種をまいたひまわりがいよいよ咲きそう。真夏だというのに、鉢植えのラズベリーも実が赤く色づいてきた。庭の水やりをした後は、ひたすらパソコンに向かって、四コマ漫画の枠に台詞を入力する作業に打ち込んだ。最近はこの作業に熱中しすぎて、日記を書くのがすっかりおろそかになっている。

2024/08/06 Tue.

 「お盆休みの来客と帰省に備えて」というのは口実で、先日やって楽しかったので今日も庭の草むしりをした。2時間ほど頑張った。笹の根っこをたくさん引っこ抜いたので、しっかりストレッチしておかないと明日は確実に腰痛になるだろう。草むしりはヤッケや軍手を装備して庭に出るまでが億劫だけど、やり出すと本当に楽しい。無心になれるので、マインドフルネスそのものよりよっぽどマインドフルネス的な効果がある気がする(私の場合は)。視界に入る色々な雑草をいかに効率良く取り除くか判断してそのようにするという点で、テトリスに近い感覚さえある気がする。「この草は弱い力で適当に引っ張っても抜ける」とか「あの草は根元を上手く掴まないと、茎がちぎれて地中に根が残りやすい」とか、草によって適した抜き方が違うのがまたゲーム性があっておもしろい。そのうえ、何かを破壊したいという暴力的な欲求も雑草を相手に満たされるので、すかっとする。草むしり健康法。
 ブックオフの宅配買取で買い取ってもらった本の金額を、日本国際ボランティアセンター(JVC)を通じてパレスチナ・ガザ地区支援に寄付できるというサービスを知ったので、読まなくなった本を搔き集めて箱に詰めた。心理学関連の本を10冊、心理学の問題集が9冊、文庫本3冊、箱に入った古書4冊、エッセイや自己啓発本などの本が7冊、もう使うことはない高校入試の問題集5冊、オタク趣味の本が8冊、漫画35冊の合計81冊を買取に出した。イスラエルによる虐殺を未だ止められていないことへの無力感や絶望感がこの程度のことでなくなることは決してないけど、少しでもパレスチナの人達への支援になればと思う。

2024/08/07 Wed.

 漫画を作る作業。ひたすらCLIP STUDIOで文字を打ち込んだ。

2024/08/08 Thu.

 今日も2時間超草むしり。道路に面した所だけだけど、除草剤でも使ったかのようにきれいになったと自画自賛している。
ヤッケまでびしょびしょになるほど汗をかいて、水をがぶがぶ飲んで塩分タブレットをかじりながら冷たいシャワーを浴びて、エアコンの効いた部屋で辛いレトルトカレーを食べた。最高の夏という感じ!

2024/08/09 Fri.

 Twitterで、高島鈴さんと眞鍋せいらさんのスペース「こじらせデミロマRadio」を聴いた。すごく良かった! 私自身はデミロマかどうかいまいち分からないけど(そもそも恋愛対象の性別すら分からない自称クエスチョニング)、マイノリティの生きた会話を聴けることがこんなに素晴らしいものだとは思わなかった。「恋愛」といえばシスヘテロの男女のものが前提とされやすい世界でこうしたスペースがあること自体に、「『恋愛』の話題って私にも開かれているものなんだ!」と自分の存在が認められたような心強さや安心感があってびっくりした。これは今後不安を感じた時の支えになるに違いないと思う言葉がいくつもあって、メモも取った。「自分がそういうセクシャリティであることに実績は関係ない」「自分がそうだと思ったらそうで良い」「証明しなきゃいけないものではない」

2024/08/10 Sat.

 精神科の診察。一人暮らしをしたい旨を話すと、駄目とは言われなかったので自分の良いように解釈した(多分大丈夫…)。「働いて収入を得た場合、障害年金の判断がどうなるか分からない」とは言われたけど、それは自分もずっと考えていたことだったので、「どうせ老後も年金だけでは暮らせないし、だったら少しでも働けるかもしれない方に賭けたい。ここだと車が運転できないと仕事にありつくのが難しいけど、都会なら仕事が長続きしなくても別の仕事がまたすぐ見つかる」と答えた。通院の頻度はここの所ずっと1ヶ月半に1回くらいなので、転院せず引き続きこの精神科に通っても良いそうでありがたかった。帰省の口実にもなるし。
 去年の今頃の日記を読み返すと「”普通”になることを目標に治療を頑張るのはもう疲れた」と言っていて、今は「”普通”になれないなりに望む生き方に近い生活を送りたい」みたいな感じになっているので、その変化がとても嬉しい。十年治療しても自分が理想とする「普通」になれないなら、もう自分にとっての「普通」を受け入れるしかない。

2024/08/11 Sun.

 きょうだい達が帰省してきてくれた。元気そうな二人に会えて、姉はとても嬉しい!
 昨日スーパーで買ってきた地元産のブルーベリーを使って、タルトを作った。パート・シュクレを焼いて、カスタードクリームを作って敷き詰めて、ブルーベリーを乗せて、ナパージュを塗って完成。パート・シュクレは型から外す時によく崩してしまうけど、今日は型にちゃんとバターを塗っておいたのできれいに取り外せた。我ながらおいしくできて満足。

週間日記(2024/07/29-08/04)

2024/07/29 Mon.

 カット済みのすいかを買ってきて食べた。すいかは大きく切り分けてかぶりつくのが一番おいしい食べ方だと思っていたけど、一口サイズに切ってあるのも食べやすくていいな。
 一人暮らしを始めるにあたってどうせ庭の鉢植え達は枯らすなり譲るなりして全て手放すのに、毎日せっせと水やりを続けている。精神科の診察で主治医の先生にオッケーをもらうまでは一人暮らしをすることは確定ではないし、近所に住む祖母にまだ勘付かれないようにするためにも普通に世話をしていないと、と自分に言い聞かせている。畑のさつまいもの葉が随分茂ってきて、今年も(私の畑にしては)豊作が見込めるんじゃないかと期待が膨らむ。これを掘り上げたら引っ越したいと思っているけど、どうなるかなあ。真夏の引っ越しは大変だし、かといってある程度は期限を決めておかないといつまでも延び延びになってしまうかもしれないしで、一人暮らしが実現するなら10月に引っ越したいと思っている。誕生日を一人暮らしの部屋で迎えられたらさぞ嬉しいだろうという目論見。

2024/07/30 Tue.

 歩いて出かけたら、景色がすごく夏らしくて良かった。田んぼの稲が青々と育っていて、空も山も色が濃く、川の水面がきらきら光っていた。隣町の公民館の掲示板には、今年の花火大会のポスターが貼ってあった。
 漫画の続きを描くのに、デジタルで進捗管理ができたら便利だろうと思いNotionと格闘してみたものの、2時間も無駄にしてしまった。関数の欄には「910%」とか「falsefalsefalsefalsefalse」とか、見たことのないエラーが表示され、やっぱり私にはこの便利なツールは使いこなせないなあと思い知らされた。でも、忘れた頃にまた無謀な闘いを挑むんだと思う。

2024/07/31 Wed.

 ペヨーテ4号(以前購入した、4個目のペヨーテ)の花が咲いた。
 桃をまるごと使ったタルトを作った。砂糖入りの甘いタルト台にクレームダマンドを絞り出して焼いて、種を取り除いて皮を湯剥きした桃にカスタードクリームを詰めてタルトに乗せ、ナパージュをかけて完成。母に好評で嬉しかった。
 夕方、久し振りに庭の草むしりをした。暑くてたくさん汗をかいたけど、やっぱり草むしりは楽しい。

2024/08/01 Thu.

 昨日の草むしりが楽しかったので、今日は朝から2時間庭仕事をした。鉢植えと畑に水をやって生い茂った雑草を引っこ抜き、枯れた花柄や伸びすぎた茎を剪定し、さつまいものつる返しをしたり、ボイセンベリーの枝を誘引したり。イグサ ラセンイの鉢に随分伸びたイネ科らしき雑草の花が咲いていると思ったら、よく見るとイグサの花だった。初めて見た。たくさん日差しを浴びて、着ていた服が重たくなるほど汗をかいて、大きな水筒いっぱいに入れた冷たい緑茶を飲み干し、塩分補給タブレットを食べ、うんとぬるくしたシャワーを浴びて着替えてさっぱりして、凍らせた甘いコーヒーを砕いて牛乳をかけたものを食べた。むしょうに「生きてる!」という実感があって、有意義な時間だった。

2024/08/02 Fri.

 玄関に置いている、ニチニチソウの寄せ植えとアズーロの鉢が花盛り。猛暑と適当な水やりにも負けずに小さな花をたくさん咲かせていて、手入れも特にいらないので楽で良い。
 漫画のプロットをある程度作ったので、CLIP STUDIOで四コマ枠に文字を入力する作業に入った。このソフトには機能がたくさんあるはずなのに、全然使いこなせていない。まあ、そのうちにと思っている。

2024/08/03 Sat.

 桃のタルトを作った残りの卵白で、ブルーベリーのシフォンケーキを焼いた。使ったブルーベリージャムは、冷凍しておいたブルーベリーで適当に作ったものだけど、レモン果汁を多めに入れたので私好みの甘酸っぱい味になっておいしい。ケーキもふわふわに焼き上がっておいしかった。

2024/08/04 Sun.

 本の読める店fuzkueさんのオンライン読書会「同時に読む会」に参加した。zoom越しに参加者全員でそれぞれガブリエル・ガルシア=マルケスの『百年の孤独』を読むというもので、これがすごくおもしろかった。時々zoomの画面を見ると、カメラをオンにしている人達が読書をしている様子をリアルタイムで目にできて、みんなも読んでいるんだなあと妙な一体感のようなものがあった。読む時間はまるまる2時間あったけど、こんなに集中して読めたのは久し振りだと思うほどじっくり読むことができた。後におしゃべりできる時間もあって、本について人と話す機会がなかなかないからこれも新鮮で楽しかった。すごく良い午後を過ごせた。

週間日記(2024/07/22-07/28)

2024/07/22 Mon.

 漫画のプロット作り。通信制の大学で学んだ時期の後半と、半分自活計画(一人暮らし)について考えている今に至るまでをネタにした。夢中で取り組めて嬉しかった。

2024/07/23 Tue.

 読みたい本、気になる本のリストをUpNoteに作った。ジャンルごとに分類すると、自分が興味のある分野がひと目で分かって良い。私はこういうおもしろそうなものに興味を持てる私が好きだなあと思えた。ジャンルは以下の通り。

 日本文学、海外文学、植物・園芸、薬物・サイケデリックス、文化・歴史、宗教、魔術、心理学・精神医学、自殺、社会・ジェンダー・フェミニズム、生活・実用書・雑誌、書く(ライティング)、エッセイ

2024/07/24 Wed.

 お盆休みの時期に会えるのが楽しみなせいか、二晩続けてきょうだい達が出てくる夢を見た。
 明日明後日は「真夏の本屋巡り2024」を決行するので、その荷造りをした。たかだか一泊二日なのに、どうして荷物がこんなに重くなってしまっているのか自分でも分からない。

2024/07/25 Thu.

 真夏の本屋巡り2024と題して、一泊二日の福岡一人旅。何年か前の夏にも同じようなことをしてすごく楽しかったので、またやってみたいと思っていたのだった。旅費を少しでも浮かせるために、往復とも新幹線でなく高速バスを予約した。大学生の時(約10年前)に帰省だ何だでよく利用していた頃に比べ、びっくりするほど料金が値上がりしている。バス停の椅子はすべてひなたになっていて、直射日光を避けようがなく暑かった。
 行きの高速バスに乗り込むと、窓のカーテンがすべて閉め切られていた。高速道路で窓から見る山々や家々を眺めるのが好きなので残念。自由に開けていいと運転手さんがアナウンスで伝えていたけど、カーテンを開ける最初の一人になる勇気がない。諦めて、乗っている間の半分はぐっすり寝て、もう半分は『百年の孤独』の続きを読んだ。もう随分長いこと読んでいるような気がするのに、まだ五十年分の孤独くらいにしか到達していない。高速道路を降りて一般道に入り、酔うので読むのをやめた。これから何らかの虐殺事件が起こるという、先が気になる部分で中断。
 久し振りの福岡! 大学時代を思い出してとても懐かしい。天神地下街で、行ってみたかったスープストック トーキョーで早めのお昼を食べる。オマール海老のビスクと、豚トロのビンダルーカレーを食べた。おいしかったけど、しばらく汗が止まらなくなった。かわいい雑貨を見たくてマルシェ ド ブルーエ プリュスを覗くと、我が家の猫(ふくちゃんの方)にそっくりな猫が描かれた掛け時計があった。すごくいいなと思ったけど、さすがに今からこのサイズの時計を持ち歩くのもかさばるし、なんなら良い値段もするので今日は我慢。おとなしく地下鉄に乗る。
 都会は本当に、おしゃれでかわいくてきれいな人が多くて驚く。人口が多いからおしゃれな人の数も田舎と比べて相対的に増えるんだろうけど、それにしたって、横顔のシルエットとか肌のきめとか、私と同じヒトとは思えないくらいきれいで慄く。そういう点に注目している自分が気持ち悪いし情けない。どうして肩とか背中とかを露出できるんだ。私も腹部が出てはいるが出してはいない。せっかく街中に行くからと浮かれて手指の爪をグリーンピースのような緑色に塗ってきたけれど、私のような芋ブスが下手なネイルもどきをして、誰かに笑われたり馬鹿にされたりしているんじゃないだろうかと被害妄想が膨らむ。面と向かって容姿をからかわれる中学校はとうの昔に卒業したのに。恥ずかしくていたたまれなくて、とにかくネイルを落としたい。誰も私のことを気にしてなんかいないのに。そして、汗をだらだらかいている私に比べて、涼しげな表情をしている人の多いこと。そうでない人、私と似た状況にある人もこの暑さだから少なくはないはずなのに、汗ひとつかいていないかのように澄ました人ばかりが目につく。ああ嫌だ、私はめいっぱいおしゃれを楽しんでいる人のファッションが視界に入る度に嬉しくなりたいだけなのに、なんで自分なんかと比べて劣等感をこじらせているんだろう。
 地下鉄の中でうじうじしつつも、六本松駅で降り、六本松421の中にある蔦屋書店を覗く。蔦屋だなあという感じ。行ってみたい本屋さんの開店時間まで時間を潰すべく、科学館に入ってみた。障害者手帳で無料。夏休みなので子どもや家族連れでごった返している上、筋金入りの文系にはあまり興味の持てない内容だったのですぐに出てきてしまった。科学館に図書館のようなスペースがあったので、そこで本でも読もうかと思ったものの、「本日動画撮影しています」みたいな貼り紙がしてあり、ごついカメラの準備をしている人達がいるので退散。とにかく涼しい所で座って過ごしたい。足裏やふくらはぎが、日頃歩いていなかった報いを一身に受けている。近くにあるチェーンのカフェを検索してみると、どうやらスタバとシアトルズベストコーヒーしかないらしい。イスラエルによる虐殺に抗議したい以上、スタバと、サブウェイと並んでいるシアトルズは利用したくない。
 開店時間にはまだ早いけど、移動することにした。途中に誰もいない公園があり、日陰になっている椅子に腰掛ける。ベンチというベンチが排除ベンチになっていてむかむかする。ちっせえ人間だなあと行政に向かって吐き捨てたい気分。しかも、ベンチはどれも日陰になっておらず、直射日光に晒されている。ベンチなのに人を休ませようという気が一切ない意地悪ベンチ。私が座った大きな石(多分座っていいやつ)は、いくらかは木陰にあったけど、それでも気温が気温なので特に涼しくはない。
 その辺に個人経営らしきおしゃれカフェがちょこちょこあるので、勇気を出して行ってみることにした。入り組んだ所にある分かりにくい入り口を探し出し、中に入ると、いかにも洗練された都会の人というようなさわやかな店員さんとお客さんが語らっている。田舎の芋としてはただただ臆するばかりだけど、ドアを開けた以上「やっぱり帰ります」などと言う度胸があるはずもなく、おどおどしながら席へ案内してもらった。店内にはコーヒーのすごく良い香りが漂っていて、この香りを嗅げたから勇気を振り絞ったかいがあったなと思えた。メニューを見る限りコーヒーだけを扱っているようで(コーヒー屋さんだからそれもそう)、コーヒー以外の飲み物があればそれを頼もうと思っていたので内心戸惑う。コーヒーは大好きなのに、飲むと高確率でお腹を下しがちなので、賭けに出ざるをえなくなった。でもコーヒー屋さんのコーヒーだから、絶対おいしいに決まっている。腸の薬は市販薬を3種類持ち歩いているから、いざという時きっとどれかは効くはずだ。浅煎りの水出しアイスコーヒーを注文した後に、デカフェのコーヒーもメニューにあることに気付いた。しまった。店内は、常連なのか顔馴染みらしきお客さん達がカウンターで店員さんと親しげに話していて、紛れ込んだよそ者としてはただただ萎縮するしかない。自分のこういう卑屈さがみじめでならない。でも運ばれてきたコーヒーはおいしかった。酸味が強く、コーヒーではないような感じさえする。おすすめの飲み方だというのでシロップを加えてみると、コーヒーの苦みはうっすらありながら、甘酸っぱいような味の不思議な飲み物になった。せっかく来たのだからと、お店オリジナルのドリップコーヒーも購入した。
 おしゃれコーヒーを飲み干し、今回の本屋巡りで一番行きたかった店といっても過言ではない、「本と羊」さんへ。サイトにあった「『誰かの背中を少しだけ押せる』ような本をセレクトしています」という紹介文がとても素敵で、是非とも訪れてみたいと思っていた。明るい水色のドアがとてもかわいい。お店のSNSを見たら、お店の方がコロナにかかり療養期間が明けたばかりとあったので、さっきドラッグストアでヴィックス メディケイテッド ドロップを買っておいた。客とはいえどこの誰かも分からない人間から飲食物を押し付けられるのはありがた迷惑じゃないだろうか、かえって気を遣わせないだろうかとすごく迷ったけど、このご時世に安心して立ち寄れる本屋さんを営業してくださっていることへの感謝を伝えたくて、勇気を出した。気になったZINEを2冊購入し、「ご迷惑でなければ…」とごにょごにょ言いながらドロップを渡すと、喜んでくださって本当に嬉しかった。お店の方は気さくな優しい方で、少しお話しできて楽しかった。本が好きな学生さんを支えるためという募金箱があったので、これまた素敵だと思いささやかな額だけど募金した。後でお店のSNSを見ると、私が渡したドロップをかわいい羊の人形と一緒に写真を撮って、SNSに投稿してくださっていた。自分がなけなしの勇気を振り絞って行動を起こした結果喜んでもらえるというのは、こんなに嬉しいことなんだと思えた。人に優しくして喜んでもらえるって本当に嬉しい。嬉しすぎて投稿をスクショした。これからも勇気を出して誰かに優しくしようと思えたから、本当に背中を少しだけ押してくれる本屋さんだった。
 六本松駅に戻って地下鉄に乗り、薬院大通駅で降りる。薬院駅とは別物らしいことを今になって知る。駅から10分ほど歩いて、「くらすこと」へ。たかだか10分程度となめていた。脚が疲れているのでやたら遠く感じるし、たった10分の間に腕が日焼けした。晴雨兼用の折り畳み傘じゃなくて、ちゃんと日傘専用のものを持ってくれば良かったかもと後悔。くらすことの店内は、「丁寧な暮らし」ってきっとこんな感じなんだろうなと思うような空間だった。2階の書店で、気になっていた漫画『家が好きな人』(井田千秋、実業之日本社)を買い、3階の雑貨販売とギャラリーも覗く。丁寧な暮らしここに極まれりといった雰囲気だった。素敵な品物ばかりだったけど、値段を見る勇気はない。
 薬院駅まで迷わず歩けるか少し怪しかったので、さっき来た道を戻って薬院大通駅に行く。再び地下鉄に乗り、今度は博多と中洲川端で乗り換えて箱崎宮前駅で下車。箱崎「ぐう」ではなく箱崎「みや」らしい。さあこれから12分、駅からブックス キューブリック箱崎店まで歩くぞという時に、スマホに「今から猛烈な雨が降ります」という旨の通知が来た。今の今まで晴れていたのに、夏はこれが困る。幸い、目的地に着く直前に降り出したので、あまり濡れずに済んだ。日傘専用じゃなくて、晴雨兼用の傘を持ってきていて良かった。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅香帆、集英社新書)と、明日の朝ごはん用にパンを3個購入。チーズカレーパンと、紅茶葉入りのメロンパンと、レモンクリームとクランベリーのパン。おいしそうだから欲張ってしまった。
 パンを潰さないように気を配りながら、書店からすぐ傍の箱崎駅へ。JR鹿児島本線で千早駅に向かい、駅構内のレガネットで晩ごはん用に小さい味噌カツ丼とサーモンのお寿司、野菜生活とお茶を買った。せっかく旅先だからと、欲望に忠実に今食べたいものを買った。もう足が疲れすぎているので、夜はホテルの部屋でのんびり食べたい。西鉄千早駅から西鉄貝塚線に乗り、名島駅で下車。今夜泊まるホテルCRYSTAL & RESORT FUKUOKAは大きな建物で、これまた大きな新宗教の施設のすぐ隣にあった。私の地元にも施設がある宗教で、窓には「お気軽にお立ち寄りください」と貼り紙がしてあった。ホテルの内装は、サイトで見ていた通り独特だった。薄いピンク色の壁には天使や花が飾られ、赤いビロードのようなソファには金色の猫脚が付いている。おもしろがって部屋の写真を撮って少し涼んだ後、近くのローソンへ行って除光液とアイス、リポビタンフィールを買った。部屋に戻って晩ごはんを食べるも、お寿司に醤油が付いていないことに今気付いた。うかつだった。グリーンピース色のネイルを落とし、シャワーを浴びて、レモン味のソフトクリームを食べ、精神科と皮膚科の薬を飲んで、荷物を整理して、歯を磨いて寝る。とにかく足が疲れたので、持ってきためぐりズムの足に貼るシートを貼ってみたけど、貼るなり秒で剥がれた。本当に貼るために作られた製品なのか疑わしくなるほど剥がれやすく、寝返りも打てないのですぐ剥いだ。大通りに面しているせいか、夜でも車の音がうるさい。救急車やパトカーのサイレンが鳴り響く。なんなら、部屋のエアコンまでもがごうごうと音を立てて耳につく。それでも、疲れていたのでぐっすり眠った。

2024/07/26 Fri.

 真夏の本屋巡り2024、二日目。9時過ぎにホテルをチェックアウトして、名島駅から西鉄貝塚線に乗り、貝塚駅で乗り換え。福岡市地下鉄箱崎線へ天神に向かう。往路で通るであろう改札口の近くのコインロッカーに、重たいリュックサックを預ける。貴重品を入れたサコッシュと、エコバッグ代わりの大きいトートバッグで天神地下街をうろうろする。雑貨屋さんでかわいい生活雑貨を見るのは楽しい。途中でてんちかの積文館書店の前を通ったので、一応そこにも入ってみた。
 ソラリアステージのINCUBEで、我が家のアイドルとらちに似た猫の図柄のコースターがあったので、それを買った。都会はおしゃれな人ばかりで慄くけど、INCUBEの化粧品フロアでは何も買わなかったし、ほとんど素通りしてろくに見もしなかった。顔に塗る粉や液を買うなら、そのお金で本を買いたいと思って、そういう自分のことは嫌いじゃないと思えたことが少し嬉しかった。自分の顔に色を塗り足した所でたかが知れているし、化粧品や基礎化粧品を駆使すれば整った顔になれるような素質のある顔じゃない。-100が-80になった所で0にはほど遠く、+の数字になるなど不可能だ。だったら本に投資した方が、私にとってはきっと良い。もちろん、なんだかんだ理屈を捏ねても、かわいい女の子やきれいな女の人達がコスメ選びを楽しんでいる空間に、妖怪のような自分が足を踏み入れるのは気が引けすぎて無理というのも大きい。
 お昼はソラリアステージのちゃぶや咖喱魚で野菜スパイスカレーを食べた。カラフルな野菜のおかずが4種類と、揚げた野菜がたくさん乗っている。自分では作れない味の、スパイシーなのに辛すぎないおいしいカレーだった。私は自分で思っていた以上にカレーが好きなのかもしれない。セットで注文した和紅茶のアイスティーも、あっさりした甘さでおいしかった。
 一駅分でも歩きたくない暑さと、体力温存のために、地下鉄に乗って赤坂へ移動した。ブックス キューブリックけやき通り店まで歩く。徒歩8分の道程が、気温の暑さと日差しの熱さでやっぱり遠く感じられた。通りすがりの男子グループが「あっつ、まじえぐい」と呟いていたのが妙におもしろかった。日傘の柄に取り付けるクリップ付きの扇風機を使っている人を見かけて、そんなアイテムもあるのかと驚いた。華奢なサンダルで歩いている人もいて、都会は徒歩移動が多いだろうにそれでよく歩けるものだと感心した。けやき通りは、街路樹としてこんな高さの樹もありなのかと驚くほど背の高いけやきがたくさん植わっていて、まさしくけやき通りだった。歩道のほとんどは木陰になっていて涼しく、東京で木を伐るだのなんだの喚いている政治家はなんて馬鹿なことを考えているんだろう。ブックスキューブリックでは、前から読んでみたかった『生きのびるための事務』(坂口恭平、道草晴子、マガジンハウス)を買った。
 再び地下鉄に乗って天神に戻る。次はジュンク堂書店福岡店へ。さすが大きい書店だけあって専門書が充実していて、心理士になる夢を諦めていない時に来ていたら買い込んでいたであろうと思われる本がたくさんあった。未だに、書店へ来ると心理学の棚を確認してしまう癖が抜けない。植物に関する棚もきちんとチェックして、『観葉植物の文化誌』(マイク・マウンダー、原書房)を買う。母からLINEが来て、事故のため帰りの高速道路が上下線とも通行止めになっているという。出張から帰る母と途中で合流しようということになり、予約していた帰りの高速バスをキャンセルして新幹線を予約した。
 足が疲れた。足さえ疲れていなかったらジュンク堂をもっとじっくり眺めていた所だったけど、もうとにかく疲れてしまって、歩き回る元気がない。どこか涼しい場所で、冷たい飲み物を飲みながら座って休みたい。でも、この時間帯だからカフェはどこも人でいっぱい、さあどうしよう。岩田屋の前を通りかかると、文喫の看板が見えて、これだと思った。2時間1100円の料金を払って、おかわり自由の冷たい煎茶を啜りながらゆっくり休憩した。有料ブース内は冷房が効いて寒いくらい涼しく、静かに座って休めて天国だった。『魔術師列伝──魔術師G・デッラ・ポルタから錬金術師ニュートンまで』(澤井繁男、平凡社)があったので読む。期待したファンタジックな世界観とはまったく異なる、ヨーロッパの歴史書といった内容と語り口だった。文章が頭に入ってこないので、本を読むふりをしてうとうとと舟を漕いだ。
 岩田屋のきらびやかな化粧品フロアは、日光に晒されたモグラやみみずのような体で逃げるように後にした。本当に化粧品を買うことが目的なのだろうかと疑いたくなるような振る舞いや身なりの高齢男性が、ブランドものの化粧品を扱うお店の若い女性に親しげに話しかけていて、Twitterでたまに見かける美容部員さんの愚痴はこういう場面で発生するのだろうなと思った。多分こういう化粧品のブランドが顧客として想定している主な属性(30代前半の女性)だけは当てはまる自分でも己の醜さを恥じて到底近付けもしないのに、デパートの美容部員さんに無料で接待してくれるキャバクラのように接する中高年男性の心臓の毛深さ、神経の図太さには舌を巻く。もちろん、褒めてはいない。
 文喫でいくらか体力を取り戻したので、15時開店の「本のあるところ ajiro」に移動。親不孝通りという場所にあるらしい。『パーティーが終わって、中年が始まる』(pha、幻冬舎)と『モトムラタツヒコの読書の絵日記』(モトムラタツヒコ、書肆侃侃房)を買った。
 朝に見かけて買わずにいた、猫の形の花瓶をやっぱり買おうと思い、天神地下街のBIRTHDAY BARを再び訪れた。ふくちにそっくりなそれを買い、ほくほくしながらコインロッカーでリュックを回収。地下鉄に乗って博多へ向かった。
 博多バスターミナルの紀伊國屋書店も覗きはしたものの、直前にどこかの紀伊国屋書店が歴史改竄主義のヘイト教科書をポップ付きで面陳しているというツイートを見かけた所だったので、じっくりは見なかった。ほとんど歩いて通り過ぎたような感じ。荷物も重いし、とにかく疲れているので、カフェ・ド・クリエでレモンスカッシュを頼んで座って飲んだ。乾いた喉にしみ渡るようだった。2階のブルーブルーエも眺めて、博多駅に戻る。両親や祖母へのおみやげを買い、自分の晩ごはん用に駅弁を買い、博多駅発の新幹線に乗り込んだ。早めにホームに並んでいたから座れたものの、高速道路が通行止めになったからか、指定席の乗車率は100%で、自由席にも座れない人がいるほど混んでいた。その後、母と合流して帰宅。
 家に帰ると心底ほっとした! 猫達が伸び上がって出迎えてくれて嬉しい。ふくちが私の匂いをくんくん嗅いでいた。駅弁は鶏そぼろごはんとチキン南蛮が入ったものを買ったけど、そぼろは味がしなかったし、チキン南蛮は宮崎県民が激怒しそうな味だった。おでかけもすごく楽しいけど、家も家で居心地が良い。荷解きやお風呂、寝る支度を済ませて自分のベッドに潜り込むと、帰ってきたなあと安心できた。私は一人暮らし先のアパートなりマンションなりの一室で、こんな風に帰巣本能が満たされる住みかを作り上げることができるんだろうか。

2024/07/27 Sat.

 両脚が筋肉痛。二日続けて15000歩歩いたので、運動不足の身にはなかなかな負荷だった。それでも安心できる寝床でぐっすり眠ったので体力気力も回復し、洗濯物をたくさん干して、家じゅう掃除機をかけ、あちこち片付けて、メイクブラシや基礎化粧品の旅行用小分けケースを洗い、家の中をせっせと動き回ってすっきりさせた。その後は机に向かって、昨日一昨日の旅行の日記を書いたり、Excelに出費記録をつけたり。
 昨日買った2冊のZINEを読む。はっさくさんのZINE『日記を読めば大丈夫』を読んだ。私と年齢が近いらしい方が書かれている日記本で、優しく穏やかな文章と雰囲気のある写真がすごく良かった。一昨日訪れた書店「本と羊」さんのことも書かれている。「薄い膜」というエッセイには特に共感した。私は自分が他者と関わることについて「着ぐるみを被るように、猫を被ってしまう」と考えていたけど、なるほどこういう表現もあるんだと思い、人と親しくなることへのこうした悩みは自分だけが抱えているものではないのだと安心した。それから、夏森かぶとさんのZINE『本のある生活』も読んだ。私は書店員という仕事に密かな憧れを抱いているから、実際に書店員として本屋さんで働いている方の本とのリアルな関わりが読めておもしろかった。人から借りた本はどうも頭に入ってこないこと、疲れている時に読みやすいのが日記本ということなど、確かにそうだなあと頷きながら読み進めた。今の私は本を一冊読み切ることのできるような読書用の体力(?)があまりないので、こういう時にZINEは手に取りやすくてありがたい。書いた人の生活や考えに触れて、ああこの人もどこかで生きているんだと心強さのようなものを覚える。ZINE、いい文化だなあ。
 畑の枝豆がいよいよ収穫できそうだったので、6株とも引っこ抜いて茹でた。採れたて、茹でたての自家製枝豆は豆の味が濃いような感じで、なかなかおいしかった。家族もぱくぱく食べてくれた。枝豆は初めて育ててみたけど、思ったより虫もつかなかったし、世話も簡単で育てやすい。豆類自体育てたことがなかったから(観賞用のスイートピーくらい)、新鮮でおもしろかった。
 夜は、昨日買った『生きのびるための事務』を読んだ。漫画形式だから読みやすくて助かる。素敵な生き方だなあとしみじみ思った。私も「こんな風に生きていきたい」という漠然としたイメージだけは持っているけど、どうやればその理想に辿り着けるかはさっぱり分からず、途方に暮れている節がある。でも、この本を読むと、なんだかんだ良い方向に進めるんじゃないかという前向きな気持ちが湧いてくる。さっそく、明日にでもノートに今と未来の一日の過ごし方を書いてみようと思う。

2024/07/28 Sun.

 『家が好きな人』を読んだ。どのページのイラストも、それぞれの登場人物の暮らし方もすごく素敵で、一人暮らしが楽しみになる本だった。一人暮らしへの不安が紛れる。それから、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』も読み始めた。この本はTwitterで話題になり始めた時から気になっていたのだけど、無職の自分が読んではいけないのではないかと変に気が引けていたのだった。読み始めると、おもしろい! 読書という趣味がこの国の人々にどう普及していったのか、そしてなぜ現代人は本を読めずにいるのか、なるほどと納得がいく。新書という形をこの頃はほとんど読んでいなかったけど、手に取りやすいし読みやすくていいものだなあ。

週間日記(2024/07/15-07/21)

2024/07/15 Mon.

 録画していたテレビ「岩合光昭の世界ネコ歩き」を流していたら、ふくちがテレビ台の上に陣取って、時々テレビ画面を見ていた。猫としての正しい振る舞いを学んでいるのかもしれない。
 2020年の日記を見返したら、楽しそうな内容が書かれた日があった。

2020.09.28 Mon.

 バイト。ハーブがたくさん入荷してきた。スペアミント、ペパーミント、アップルミント、パイナップルミント、イングリッシュミント、オーデコロンミント、グレープフルーツミント、ストロベリーミント、オレンジミント、バナナミント、ジンジャーミント、モロッカンミント、モヒートミント、レモンバーム、レモングラス、レモンバーベナ、ローズマリー、タイム、ディル、オレガノ、クレソン、セージ、イタリアンパセリ、チャイブ、バジル、シナモンバジル、ルッコラ、フェンネル、マジョラム、カレープラント、レモンマリーゴールド、セロリ、パクチー、パンダンリーフ、ハイコショウ(這胡椒)など。初めて見るものもあってすごく興奮した。モロッカンミントを買ったので、そのうちミントティーに挑戦してみたい。

 これだけの種類のハーブを一度に目にする機会なんてそれまでの人生でなかったから、本当に、ものすごくテンションが上がっただろうことは想像にかたくない。なんなら、園芸店に2年ちょっと勤務した後の自分でも、ハーブがたくさんあるのを見るとやっぱり浮かれてしまう。名前を聞いたことのない、手持ちの図鑑に載っていないハーブまでぽんと目の前に出されたら、品出ししながらにやにやするのをどうしたって抑えられない。この時に買ったモヒートミントは相変わらず鉢に植わっていて、勝手に生えてきたねじ花と共存しながら爽やかな香りの葉を茂らせている。ときたまハーブティーにしたり、湯船に浮かべたりして楽しんでいる。それにしても、この頃は手書きでノートに毎晩書いていたらしくて偉い。しかも、「今年読んだ本」のページを見ると一年間に本を20冊以上読んだとあった。この頃はまだ本を読みたいように読めていたのか。昔は息をするように自然に活字を楽しめていたのに、今では読書するのにいくらかの気力や集中力がないと難しくなってしまっている。本の虫と評されることが最高の褒め言葉だと思っていたのに、悔しいなあ。前向きに考えれば、この4年間で読書のペースは落ちたものの、園芸店のバイトのおかげで植物を育てるスキルは各段に上達したので、良い変化もあったのだと納得することにしたい。

2024/07/16 Tue.

 四コマ漫画の続きを描きたくて、自分がこれまで書き散らしてきたものの中からせっせとネタを集め、プロットを作った。Twitterのアーカイブ、日記、手帳の中から使えそうなネタを拾い出し、それを元に四コマ(八コマ)ずつのストーリーを考えていく作業は、パズルのようで楽しい。ところが、描きたいできごとをまだ全て話にし終えていないのに、ページ数がかなり多くなってしまった。この量を一体誰が描くんだろう。

2024/07/17 Wed.

 観葉植物の水やりと手入れをした。フォッケア・エデュリスの蔓が伸びていたり、パフィオペディラムに新しい葉が出ていたり、ペヨーテに蕾がついていたりと、いつの間にか変化が起きていておもしろい。一人暮らしを始めるに当たって、今持っている観葉植物の大半は手放すつもりでいる。だから本当は枯らしても問題はないはずなのに、水やりをさぼったゆえに葉がしんなりしたり、しわしわになっていたりするのを見ると、つい慌てて水をやってしまう。どうしても連れて行きたい少数精鋭の鉢を除いて他はジモティーで人に譲ろうと考えているけど、アプリでのメッセージのやりとりが面倒くさい。枯らして捨ててしまえばそのやりとりはしなくて済むけど、さすがにそれは気乗りしない。それぞれの植物に思い入れがあったり、「いいな!」と思って購入したりしてきたのだから、共に実家で暮らしてきた彼ら(植物)への義理という意味でも、なるべく欲しいと思ってくれる人に引き渡したいと思っている。猫達と離れるのが一番寂しいと思っていたけど、植物と別れるのも思っていた以上に寂しいものなんだなあ。
 引っ越し先の物件探しをしたり、就労移行支援事業所について調べたりもした。少しでも無理のない働き方をしたいから、就労移行支援を通した方が、いきなり普通の職場でパートとして働くよりは良い気がする。自分がどういう仕事ならできそうか、どういう仕事をしたいか、考えられる条件もリストアップしておこう。

2024/07/18 Thu.

 部屋のインテリアについて考えるのが楽しい。ピンク色のかわいいカーテンをネットで見つけて、自分の部屋くらいうんとかわいくしても良いよなと思いちょっと惹かれたものの、ピンクのカーテンは防犯上よろしくないらしい。カーテンの色くらい好きにさせてくれ、ピンク=女性なんてステレオタイプな決めつけにも程がある、とやり場のない怒りが込み上げてくる。結局、今の所は無地のブルーのカーテンと、芝生のような緑色のラグが欲しいなという結論に至っている。可能なら、アイボリーのフェイクレザーのコンパクトソファも欲しい。実際購入する段になれば引っ越しの予算と相談しながらにはなるけど、こうやって想像を膨らませる分にはただだし。

2024/07/19 Fri.

 予約していた美容室へ行き、パーマをかけてもらった。前回よりさらに強いパーマにしてもらった所、本当にくるくるの仕上がりになった。鏡を見る度、自分の頭じゃないようで愉快な気分になる。さらさらつやつやのストレートヘアや異性にウケの良い髪型こそが良いのだという世の中のルッキズムに晒されてきたから、いわゆる「モテ」とはかけ離れているであろう自分の今の髪型を見ると、なんだかすごく気が楽というか、若い女性が強制的に上がらされる土俵から降りることができたような、とにかく清々しさがある(こういう髪型が非モテの象徴とかではなく、あくまで私が思う「モテるとされている」髪型ではないという意味)。向かい風に晒されながら美容室から帰ってきた時には、きちんとセットされたはずの頭はどこへやら、とてもヘアスタイルとは言い張れないような歪なシルエットになってしまったけど、それでも構わない。誰に言われた訳でもない、私がいいなと思った髪型を私が選んだというのは、私にとってはかなり重要な気がする。家族からの評判は今ひとつだけど、別に家族にモテたくて髪をいじる訳じゃないし、この髪の持ち主たる私が満足しているんだからこれでいい。
 近くのスーパーまで足を延ばして帰る途中に、ふうせんかずらの実を見かけた。目にするのが久し振りだったのでなんだか懐かしく、涼しげな黄緑色の風船がいかにも夏という感じを思わせた。家までの20分の道程がとにかく暑くて、日傘を差していても次から次に汗が流れた。来週予定している「真夏の本屋巡り2024」を取りやめようかと一瞬ためらうくらいには暑かった。取りやめないけど。
 晩ごはんにカツカレーを作ってみた。とんかつも衣が剥がれずさくさくに揚がって、カレーも好きなルーを使ったのでちょうどいい辛さで、自分好みのおいしいカツカレーになった。髪と違ってこちらは家族からも好評で嬉しかった。

2024/07/20 Sat.

 Twitterで知った、「TIDE 瞑想と睡眠」というアプリを昨夜インストールしてみた。寝ている間に睡眠の質を点数化してくれるそうで、セットして寝たところ、96点という数字が出た。睡眠の質という点では今の私には必要ないアプリなのかもしれないけど、ちゃんと寝て良い点数を叩き出すのを目標とすることで、リベンジ夜ふかしを防止するのに役立つかもしれない。
 四コマ漫画のプロットの続きを作った。園芸店でアルバイトをしていた時のエピソードを漫画のネタとしてまとめてみたら、我ながら結構頑張っていたんだなと思えた。苦手なことややったことのないことに挑戦したり、色々考えたり、結果として辞めることにはなったけど、良い経験ができたと思う。

2024/07/21 Sun.

 熊本市内に出かけた。家を出て車に乗り込む時に、窓からふくちがこちらをじっと見ていて、ものすごく後ろ髪を引かれた。寂しい思いをさせるかな、私だけ留守番していようかとも思ったけど、5分ほど経った後にペットカメラで様子を見てみたら、窓辺のお気に入りの場所でいつものように気持ち良さそうにぐうぐう寝ていた。ひと安心。
 三年坂の蔦屋書店に、私の大好きな本『布団の中から蜂起せよ アナーカ・フェミニズムのための断章』と『庭仕事の真髄 老い・病・トラウマ・孤独を癒す庭』がそれぞれの場所に面陳列されていて、かなりテンションが上がった。さらに、これまた大好きな永井荷風の『断腸亭日乗』と太宰治の『晩年』が岩波文庫で新たに刊行されていて嬉しかった。買おうかすごく迷って、一応同じ作品を既に持っているのだからと今日のところは我慢した。
 帰りに寄ったサービスエリアで、ラズベリーとレモンのジェラートを買って食べた。甘酸っぱくて爽やかでおいしかった。

週間日記(2024/07/08-07/14)

2024/07/08 Mon.

 鉢植えのラズベリーに花がいくつか咲いていた。子どもの頃から木いちごや野いちごが好きで、食べられる小さな赤い実には目がない自分にとって、ラズベリーはすごく好きな果物のひとつだ。でも、毎年たくさん実をつけるボイセンベリーとは違って、ラズベリーの方はなかなか実が生らない。だけど、今咲いている花が全て果実になれば、5,6粒は食べられる。楽しみだなあ。
 週末に買ってきたすももを、氷や砂糖と一緒にフードプロセッサーにかけてスムージーのようにしてみたら、想像以上においしかった。桃はなぜか子どもの頃から苦手だけど、すももは酸味があるからか、結構好きな味かもしれない。

2024/07/09 Tue.

 今朝、窓の外を見ると空に虹が出ていた。しかも、虹の根元は遠くの山々より手前にあるらしく、すぐ近所の家の向こうにあるようにすら見える。もし寝起きのパジャマ姿じゃなかったら、ご近所さんの庭から虹が生えているかどうか確認しに行きたかった。
 よく晴れた天気が続いているので、畑や鉢植えにしっかり水やりをした。種からまいた枝豆が、まだふくらんではいないさやをたくさんつけている。初めて栽培する植物というのは、妙にテンションが上がるものがある。赤と黄色のミニトマトを片手いっぱいに収穫した。
 自分だけのWebサイト、インターネット上の自分の根城が欲しくて何度も試行錯誤を繰り返している。これから一人暮らしを始めてかつかつの生活を送るに当たり、少しでも経費を抑えようと思い、今使っているはてなブログProから、レンタルサーバーを借りてWordPressに移ることを決意した。そうすれば、一番お得なプランで年間5000円節約できる。そうして孤独な闘いが始まった。ブラウザのタブを無数に開いてあれこれ検索し調べては設定をいじり、調べてはいじり、そうしてもはやサイトそのものがエラーで表示されなくなり、万事休すと思いきや奇跡的にドメインやら何やらの設定がうまくいった。ずぶの素人には一連の作業が難しすぎて、もう本当に詰んだかと思った。助かった…。
 頭を使いすぎ、かつパソコンの画面を見すぎて疲れていたので、いつものように動画や音楽を流しながらではなく無音で晩ごはんを作った。おかげでいくらか脳が休まった気がする。常に目か耳から何かしらの情報や刺激を入れていたいけど、こうして脳を休ませるのって大事なんだなあ。

2024/07/10 Wed.

 朝、ラジオのNHK FMでニールセンの交響曲第3番が流れていた。知らない曲だったし、ニールセンかどうかも知らずに聞いていたけど(後で番組表を見たらニールセンとあった)、「ニールセンっぽいなあ」と思いながら聞いていた。何がどうニールセンらしいのかは説明できないけど、銀河英雄伝説のOVAで何度も聞いたニールセンの交響曲第4番とよく似ていたのでそう思った。「すまない、ちょっとめまいが」。
 はてなブログからエクスポートしたブログのデータに、なぜか今年投稿した分の記事だけは入っておらず、せっせとコピペをする作業に勤しんだ。パーマリンクもごちゃごちゃになってしまったので、せっせと手打ちで入力し、他にも「基礎的な知識のある人だったらもっと効率の良い方法でできるんだろうな」と思うような作業をあれこれやった。とても今日一日では終わらないので、続きはまた明日。
 家の隣の空き地に、穂が大きく茎も丈夫で長い見事なエノコログサが生えていたので、摘み取って猫達とひとしきり遊んだ。最小限の動きで的確に獲物を仕留めにかかるとらちと、どたどたと足音を立ててやたらむやみに走り回るふくちのと狩りのスタイルの違いがおもしろい。

2024/07/11 Thu.

 昨日4時間かけてテレビ「グレーテルのかまど」のレシピで焼きいもを作っておいたので、今日はそれを使ってさつまいものタルトを作った。いつも作る砂糖を使わないタルト台と違って、パートシュクレとかいう生地は砂糖が入っているからかべたべたとくっつき、焼き上がった後もぼろぼろと崩れやすくて、扱いが難しかった。でも、クレームダマンドを敷き詰めてさつまいものペーストを絞り出して焼くと、それなりにおいしそうにできたので良かった。
 近所に住む祖母のアパートへ行って、祖母の誕生日を祝ってきた。小雨の中を往復して、大きく重たい新品の座椅子やできたてのさつまいもタルト、イラストを描いたバースデーカードなどを持ち込んだ。座椅子はちょうど欲しかったものだったそうで、すごく喜んでもらえた。毎週そうしているように、今日もたくさんおしゃべりをして、笑って、お茶を何杯もおかわりした。少しでも楽しい誕生日を過ごしてほしいというのは私のエゴかもしれないけど、楽しんでくれていたらいいなと思う。

2024/07/12 Fri.

 がたがたになってしまっている、引っ越し先のWebサイトを整える作業。ひたすら地道にパーマリンクを修正したり、リンクを貼り直したり。全て手作業だから、絶対にどこか間違えている部分があるに違いない。おいおい確認しないといけない。
 ずっとパソコンの画面を見ていたから、さすがに目が疲れた。もう液晶画面はしばらく見たくないけど、じゃあ何をしようかと思い、『百年の孤独』の続きを読むことにした。目が疲れたから紙の本を読むというというのはおかしな話かもしれないけど、光を発しないやわらかな白の紙面は目に優しく感じられて、何より物語の世界に没頭するのが楽しくて、良い感じに眼精疲労が緩和された。
 夜は地元のレストランで、サイコロステーキのセットを食べた。鉄板があまりにも熱々で、熱さに耐えきれないかのようにとうもろこしが一粒跳ねてテーブルの上に逃げ出したのがちょっとおもしろかった。ステーキがおいしいのはもちろん、ソースもとてもおいしくて、鉄板に残ったソースを食べるためにごはんをおかわりしたいくらいだった。ここで食べたサイコロステーキが本当においしくて、サイコロステーキ以外のメニューも絶対においしいはずなのは分かっているけれど、来る度にやっぱり同じサイコロステーキを頼んでしまう。チキンソテーやカツカレーもそのうち食べてみたいとは思っているんだけど…。

2024/07/13 Sat.

 朝から洗濯物をたくさん干して、家じゅう掃除機をかけ、味つけ卵を仕込んだり、あまりおいしくなかったりんごを砂糖と煮たりした。掃除機をかける時は、いきなりの轟音で驚かせると悪いから「猫達ー、今から掃除機かけるよー」と声をかけるようにしている。それにしても、猫達に話しかける時、しばしばマザリーズのような口調になるのはどうしてなんだろう。「お外、雨だねえ」だの「かりかりおいちいねえ」だの、幼い頃のきょうだい達にさえ言ったかどうか怪しい、小さい赤ちゃんに接するような話し方になってしまう。マザリーズという単語を耳から聞いたことがないけど、イントネーションは「セルロース」と「ヴォカリーズ」だったら、どっちに近いんだろう。
 一泊二日の福岡旅行の計画を立てた。公共交通機関に乗り慣れている方ではけっしてないから、どの時間に出るどの電車に乗るか、旅行の前にはいつもきっちり調べるようにしている。我ながら心配性だなとも思うけど、これで自分が安心して出かけられるならそれに越したことはない。一人で外食することに苦手意識があり、外でごはんを食べる必要がある時は自分の中で最も敷居の低いチェーンのカフェに入ることが多いけど(一人で外食する機会自体滅多にないが)、今回は勇気を出して一人でごはん屋さんに入ってみたいなと画策している。スパイスたっぷりのカレーや、食べたことのない台湾料理などのお店を検索して、どうか当日の自分が臆せずこうした料理にありつけますようにと願った。

2024/07/14 Sun.

 大雨。県北では線状降水帯が発生するかもしれないというニュースがあった。時々雷が鳴っていて、「雷ごろごろだねえ」と話しかけながらふくちを撫でると、雷と雨音に負けじと喉をごろごろと鳴らしていた。
 一冊だけ製本した、今年の上半期に書いた日記の冊子が届いた。表紙の中心に配置したつもりの写真がずれてしまっていたけど、自分用のものなので特に問題はない。何より、今度はノド側と小口側の余白の設定を間違えなかった! 自分の日記がいかにも文庫本らしいフォントで本の形をしたものに印刷されているのを見ると、どうしようもなくテンションが上がる。手書きの日記が続かなくて随分いじけていたけど、自分に合った形の日記のつけ方として、これはこれでかなり良い。新しい趣味ができたようで嬉しい。
 少し早いかもしれないけど、旅行の荷造りをした。普段から荷物が多く重たいタイプの人間なので、旅行となるとたった一泊であっても結構な荷物になってしまう。もっと身軽に出かけることに憧れるけど、荷物ってどうやったら減らせるんだろう。あれもこれも必要な物に思えて、なかなか置いて行く気になれない。
 Day Oneのブラウザ版に、去年以前の日記を古いブログからコピペした。さらにアプリを開いて、その日その日に撮った写真も一枚ずつ添付した。これで「On This Day」の欄に、毎年の同じ月日の日記が写真入りで表示される。この「On This Day」機能がすごく良くて、無料なのに広告がなく、デジタル連用日記としてとても使いやすい。去年の今頃もやっぱり今と似たようなことで悩んでいるなとか、なるほど昨年はお盆を過ぎた頃に調子を崩しているから今年は気を付けようとか、気付きがあっておもしろい。一年前のこの時期は「普通に働けない」「治療を続けても人並みに働けるようになる訳ではないらしいことを認めたくない」と苦しんでいたのに対して、今年は「普通に働けないなりに、自分の望む生き方に少しでも近付こう」という風に考え方が変わっていることに、日記を読み返したことで気付けた。ずっと同じ所でぐるぐる回り続けているような気がしていたけど、少し時間を置いて見てみるとちゃんと変化はあるらしい。
 夜、『百年の孤独』の続きを読む。家系図にある「アウレリャノ(17人)」の文字を見た時は慄いたけど、なるほどそういうことだったのかと納得。ウルスラがとにかくたくましい。同じような名前の登場人物が多すぎて混乱しつつも、独特の世界観がおもしろくて引き込まれる。ようやく半分近くまで読み進めた。まだまだ先ではあるけれど、この壮大な物語は一体どんな終わり方を迎えるんだろう。

週間日記(2024/07/01-07/07)

2024/07/01 Mon.

 昨夜はずっと雨が降っていて妙に寝つけず、夜中TwitterとPixivを徘徊していた。おかげで寝不足。
 日帰りで出かけて、福岡市内で独立系書店巡りの旅をしてみることに決めた。行きたい書店がいくつもあって、計画を立てていてとてもわくわくした。
 気になって注文していた、G・ガルシア=マルケスの『百年の孤独』が届いた。1時間ほどかけて、最初のきりが良い所まで読んだ。ラテンアメリカ文学というのは今まで読んだことがなかったので、新鮮な気持ちで本を開いた。案外読みやすくてほっとしたし、何よりおもしろい。3月に大阪の国立民族学博物館でアメリカの食文化や服飾品についての展示を見てきたことが、登場人物達の生活の様子を想像するのに役立って嬉しかった。最近は思うように本を読めなくなったリハビリとして、とっつきやすいエッセイ等を中心に読んでいたけど、やっぱり文学作品というのはまた違ったおもしろさがある。おもしろいと感じられたことがとても嬉しい。登場人物の中に「アルカディオ」と名の付く人が5人、「アルレリャノ」も5人とあってかなりややこしくはあるけど、それも文化の違いとして興味深く感じる。

2024/07/02 Tue.

 今年の上半期に書いた日記を自分用に一冊だけ製本しようと思って、原稿を作った。目次や奥付も含めた本文の総ページ数は、256ページになる。Canvaを使って表紙も作った。後は本文の原稿をもう一度確認して入稿するだけになったけど、いかんせんページ数が多いのでなかなか気が乗らない。
 古本と新刊sceneさんで購入したTシャツが届いた。「READING CAN CURE LONELINESS(読書は孤独を癒やす)」というロゴが入っていて、普段ロゴTを着ない自分でも「これは絶対に欲しい!」とひと目見た時から思っていた。いつ着ようかな!

2024/07/03 Wed.

 近所の街路樹のさるすべりに、いつの間にか花が咲いていた。こんぺいとうのような形をしたふわふわの花がかわいい。
 母と話していて、話の流れで「苗さんは一人暮らししたがらないね」と言われたので、「してみたいとは思っているけど…」と白状した所、なんと一人暮らしをすることになった。まだびっくりしている!したいとは思っていたけどできるかどうか分からないことに、挑戦してみることになったのだから。「実家にいれば生活できるけど、やっぱり自立したい」「田舎だと車がないとまともに仕事にありつけないし、知り合いが怖い社交不安障害にとって何かと不自由な所があるけど、都会に出れば車がなくても通勤できるし、すぐに辞めることになっても別の仕事がいくらでもある」「どうせ老後も年金だけでは食べていけないし、だったら少しでも自活できるようになるかもしれない可能性に賭けたい」などと年単位でずっと考えていた考えを伝えると、あっさり、すんなり、OKが出た。勉強机を買い替えた時もそうだったけど、「自分には無理だ」と思っていたことが案外簡単に実現できるということはあるんだなあ。とりあえず、畑に植えているさつまいもの収穫を一緒にしようと祖母に言ってあるので、実際に行動へ移すのはその後になるだろう。

2024/07/04 Thu.

 オンラインカウンセリングで、一人暮らしをしてみようかということになっている旨を話した。念のため、主治医の先生に訊いてみてからが良いと思うと言われ、良い先生だなと思った。自分には無理だと思っていた行動を、他人が肯定してくれたり、気軽に背中を押してくれたりしてくれるというのは、こんなにも嬉しくて励まされることなのかと久し振りに思い出せた気がする。
 一人暮らしをするなら九州一の都会、福岡と決めている。当初の目的である書店巡りは、住みたい場所の下見も兼ねて一泊二日で出かけることにしたので、高速バスの日にちを変更し、ホテルを予約した。ビジネスホテルを取ろうと思ったけど、直前だからなかなか安いプランがなく、探しに探して「推し活」におすすめという変わったホテルにした。なんでも、YouTubeが見放題で、プロジェクターやスクリーンも利用できるらしい。何より、部屋の内装が物凄い。どんな部屋なのかは、実際に行って見てから日記に書こうと思う。
 晩ごはんに、夏野菜の焼きびたしを作った。豚肉、なす、ピーマン、ししとう、ミニトマトを焼いて、めんつゆとお酢を同量ずつ混ぜたたれに浸けるだけで、すごくおいしい夏のおかずができる。レシピを教えてくれたTwitter(Xとは言わない)に感謝。

2024/07/05 Fri.
 以前から賃貸サイトを眺めることはあったものの、いよいよ本気で物件探しをした。すごく良い物件を見つけたけど、なんにせよ主治医の先生の許可を得るまでは、物件については行動を起こさないようにするつもり。不安半分、楽しみ半分、やっぱり楽しみの方が圧倒的に上回る。
 畑の水やりをしていたら、ミニかぼちゃに実が生っているのを見つけた。全然気付かなかった!
 夜に散歩をすると、おしろい花やヤナギバルイラソウの花が咲いているのを見かけた。日差しの下でひまわりやジニアの花を見た時と同様に、夏が来たという感じがする。

2024/07/06 Sat.
 今年の1月から6月までの日記の原稿を入稿した。入稿という単語に対する憧れが強いあまり、使うのに妙な気恥ずかしさがある。去年は私の確認不足で、奇数ページと偶数ページで別に設定していた小口側の余白が、奇数ページなのにページ左側の余白が広かったり、その逆があったりと惜しい仕上がりになってしまった。今年もやらかしそうな気はするけど、自分用に一冊だけ製本するものなのでまあいいか。
 野菜を買いにスーパーへ行ったら、地元産の野菜や果物を扱う売場にバジルの葉が売られていた。しかも、にんにくと並べて置いてある。ジェノベーゼを作ってみたくなったけど、バジルが新鮮なうちに食べるタイミングがこの土日にはなかったので断念した。それにしても、おいしそうだったな。肉類を買いにはしごした別のスーパーには、同じく地元産の野菜のコーナーにすももがあった。真っ赤に売れていて、小さくてころんとした丸い形がとてもかわいらしい。10年近く前に半年だけ勤めた果物ジュース屋で飲んだすももジュースのおいしさを思い出して、少し迷った末に買った。氷とガムシロップと一緒にブレンダーにかけたら、それっぽいジュースになるんじゃないだろうか。
 畑のミニかぼちゃを収穫した。もう少し大きくできるものなのではとも思ったけど、せっかくまだ虫に食われもせずきれいな状態なので、思いきって早めに収穫することにした。小さいながらもかぼちゃらしいずっしりとした重さがある。中身は半分が種とわただろうけど、食べるのが楽しみ。赤と黄色のミニトマトもいくつか摘み取った。値段の手頃さで選んだ安い苗なのに、意外と甘味が強くておいしい。

2024/07/07 Sun.
 大きいショッピングモールへ行く。日曜日の店内の人の多さは凄まじかった。でも、色々な人のファッションが目に入るのは楽しくて、おしゃれを楽しんでいる人達を見るとうきうきしてしまう。黒のチュールのロングスカートを着ていたら、似たようなスカートを身に着けた人を他に2人ほど見かけた。お揃いだ。
 この店に来る度に買おうか迷って買わずにいたグラスを、ついに買ってしまった。我が家の猫のとらふくに似た猫のイラストがそれぞれ描かれているので、店頭にあった2個とも購入した。何か口実をでっちあげるなら、一人暮らしが決まった記念ということにしておこうかな。
 帰りの車の中で父がCDをかけていた曲が、なんかいいなと感じたので誰の曲なのか尋ねると、ラルフ・ルディンの「詩のない歌」という吹奏楽曲だった。曲名は聞き覚えがあると言ったら、「『絵のない絵本』みたい」と笑っていた。夢の中にいるみたいなきれいな曲で、聴いていてうっとりする。父がこの曲の指揮をする仕草をしていて、父が振るこの曲を聴いてみたいなと思った。
 日曜から月曜にかけての夜のTwitterの使用時間がなんと8時間もあった。よくそんなにTwitterを見られたな。ところが、その時にうんざりするまで見たからか、火曜日から今日までTwitterのスクリーンタイムは毎日30分以内で済んでいる。Twitterを見る時間を減らそうと試みては惨敗してきたので、これはかなり嬉しい。このまま維持できますように。七夕の願い事がこれか…。

週間日記(2024/06/24-06/30)

2024/06/24 Mon.

 広いコンサートホールの中で、迷子になったとらちを探し回る夢を見た。目が覚めてげんなりしていたら、元気づけるかのようにふくちがベッドに寄ってきてくれた。
 普段に比べて元気と食欲がないとらちを動物病院へ連れて行くための攻防があった。何かを察したらしいとらちは人間の手が届かないベッド下の奥の方へ潜り込んで、いっこうに出てこない。あの手この手でようやく捕獲に成功し、動物病院で診てもらうと、人間と同じように季節の変わり目で体調を崩したんだろうとのことだった。病気らしい症状も熱もなく、ちょっとした夏バテのような感じらしい。もしくは、ふくちにちょっかいを出されたストレスか、猫が換毛期になりやすい毛球症か、なんにせよ点滴を打って様子を見ることになった。猫は人間のようにどこが痛いとか調子が良くないとか伝えてくれる訳ではないから、もし何か病気でもしていたらどうしようかと心配していたので、本当に安心した。私がほっとしている一方、意に沿わない診察へ無理やり連れてこられた本人は、帰りの車の中で力強く鳴いて怒りを訴えていた。
 帰宅してキャリーの蓋を開けると、とらちは脱兎のごとく飛び出して、再びベッドの下へ逃げ込んだ。好きなおやつでご機嫌取りをしようにも、警戒しきって出てくるはずがないし、そもそも食欲もない。時間が経ってとらちの怒りが鎮まるのを待つしかない。
 安心すると絵を描きたくなって、撮り溜めたとらふくの写真を手本に落書きをした。模写というものを今まであまりしたことがなかったけど、なるほどこれは絵が上達しそうな、良い練習になる気がする。絵が上手くなりたいという気持ちももちろんあるけど、楽しく描くことができたのが何より嬉しい。

2024/06/25 Tue.

 とらちの元気と食欲がかなり平常の状態に近付いた。点滴ってすごいな!匂いを嗅ぐだけで食べようとしなかったかりかりも、少しずつだけど食べてくれている。とらちに元気が戻って、私もなんだか元気になった。猫の体調ひとつに自分でも驚くほど左右されて我ながら呆れたけど、これだけ心配できる対象が身近にいるというのは、それが人間でなくても幸せなことなのかもしれない。

2024/06/26 Wed.

 自室の観葉植物の手入れをした。水と化成肥料をやり、枯れた葉を取り除き、伸び放題になっていたホヤとグリーンドラムを剪定した。植物好きのふくちが興味津々で近寄ってきた。
 とらちはすっかり調子が戻って、いつもの甘えっぷりを見せてくれるようになった。お気に入りのおやつをせがんでにゃあにゃあとお喋りをする様子も、とてもかわいい。
 庭のハーブを摘んで、フレッシュハーブティーを淹れてみた。イングリッシュミント、モロッカンミント、レモンバーム、レモングラス、レモンバーベナの5種類の葉をポットに入れて熱湯を注ぎ、氷をたくさん入れたグラスに移すと、きれいな薄緑色のハーブティーができた。とにかく爽やかなさっぱりとした風味で、夏にぴったりという感じの飲み物だった。
 今日は特にTwitterを見ている時間が多かった。おすすめタブのアルゴリズムが変わったのか、それとも私がうっかりまずいツイートを見てしまったのか、趣味のアカウントなのに変なツイートばかり表示されてしまう。ネトウヨ、民族差別、ミソジニー、トランスヘイト、男女二元論、皇室や天皇がどうのこうのといった内容の、目に入るだけでHPがすり減るようなひどいツイートがタイムラインに湧いて出る。私が見たいのは、推しCP同人誌の新刊サンプルや2.5次元ミュージカルの俳優さんのオフショットなのに…。

2024/06/27 Thu.

 線状降水帯が発生するかもとのことで、気が滅入っている。嫌だなあ。
 近所の神社にヤブカンゾウの花が咲いているのを見かけた。柔らかいオレンジ色が目に鮮やかだった。
 かつ丼が食べたくなって、晩ごはんに作った。豚ロースを買ってきてとんかつを作ったら、衣が剥がれずに揚がっただけでも嬉しいのに、きれいなきつね色をした見るからにおいしそうなとんかつができた。2枚は玉ねぎと一緒に卵でとじて、1枚はそのままとんかつとしてソースをつけて食べてみた。得意料理を訊かれたらとんかつと答えてもいいんじゃないかと思うほどおいしくて、家族にも好評で嬉しかった。手間をかけた料理がうまくいくと、本当に気分が良い。

2024/06/28 Fri.

 身体を動かして汗を流してみるかという気が起こり、軽い気持ちでラジオ体操とYouTubeの「地獄の11分ダンス」と9分間の足パカに取り組んでみた結果、屍と化した。ものすごく汗をかいたし、明日の筋肉痛は確実に約束された。痩せることを目標にすると、決して簡単に達成できるものではないからなかなかやる気が持続しないけど、身体を動かすという行動自体を目標にするなら、10分15分じたばたやればクリアできるので良いかもしれない。
 今日もとらふくの絵を描いた。ボールペンでなぞった線画をスキャンして、デジタルで色を塗った。それなりにかわいく描けて満足。
 Twitterを見る時間を減らしたい!おすすめタブとトレンドを眺めている時間があまりにも不毛すぎる。心が荒むのが分かっていてそれらを見ている訳だから、一種依存に近いものがあると思う。3日間だけと期間を決めてアプリを(Bluesky以外の)SNS断ちをしてみようかとも思ったけど、やっぱりちょっと難しい。せめてSNSに振り回されず、SNSと上手に付き合えるようになりたい。

2024/06/29 Sat.

 一日当たり30分と決めて、TwitterとInstagramの使用時間の制限を設定した。特にTwitterに関しては、おすすめタブやトレンド、フォローしていない人の投稿を見るのは禁止というルールを設けた。スマホを持てばTwitterを開くのがすっかり癖になっているので、意識しないと難しかったけど、なんとか今日の分の使用時間を30分以内に収めることができた。嬉しい!Twitterを見なかった分有意義な時間の使い方ができたかといえばそうとも言い切れないけど、少なくともメンタル面の消耗を防ぐことができた。続くといいな。
 バースデーカードに使うイラストを描いた。とらふくとバースデーケーキ、何種類かの花をちまちまと描き込んで色を塗った。YouTubeで動画を流しながらの作業ではあったけど、集中して取り組むことができた。ケーキのデザインや何の花を描くか考えるのも、黙々とペンを動かすのもとても楽しかった。「ごはんやお風呂を後回しにしてまで今は描いていたい」と思えたのが久し振りで、そういう風に絵を描くことに夢中になれる自分がまだいたことに安堵した。子どもの頃と比べると絵を描く時間を持つことが各段に減ったから、ああ私はまだちゃんとお絵描きが好きなんだと感じられる瞬間があると、心底安心するし嬉しく思う。

2024/06/30 Sun.

 プランターに種をまいていたジニアが咲き始めた。まだ黄色しか咲いていないけど、他にも赤やピンクの花も咲くはずなので楽しみ。地植えしているミニトマトの一株に、ナス科の野菜によく発生する虫がびっしりついてしまった(画像を見たくないので名前を調べられない)。後で連日の雨に洗い流されることを祈って、殺虫剤をたっぷり吹き付けると、大量の虫がうぞうぞと蠢き出して正視できないほど気持ち悪かった。
 一人でちょっとした遠出をしたいという欲が湧き、出かけたい場所の候補をネットで検索してみた。日帰りか一泊二日くらいで、植物園や博物館、独立系書店などを見て回りたい。まだ行くと決めた訳ではないけど、交通手段も少し調べた。以前よく利用していた高速バスは随分値上がりしていて、「悪夢の民主党政権」どころじゃない自民党の悪政に改めてうんざりした。

週間日記(2024/06/17-06/23)

2024/06/17 Mon.

 オンラインカウンセリング2回目。マインドフルネスをやるよう熱心に勧められた。暇というか、手持ち無沙汰というか、マインドフルネスって退屈で苦手なんだよなあ…。「働けるようになりたい」という悩みについて、同じ職場で働く人達が「出会ったばかりの他人」の状態の時よりも、「ある程度親しくなってきた顔馴染みの知り合い」の状態になった時の方がしんどくなるので仕事を続けられなくなると話した。だから、これまでやってきた仕事のほとんどは働き始めて3、4ヶ月経つと苦しくなってきて、半年経つ頃には自殺を考えるほど追い詰められてしまう。その場限りの初対面の人に対してももちろん緊張して気を張るけど、これからまだ付き合いが続きそうな人間に対しての気の張りようはその比ではない。「知り合いが怖い」という長年の困りごとに対して、臨床心理士の先生が意外そうな反応をしていたのが新鮮だった。確かに、見ず知らずの他人よりも知り合いの方が圧倒的に苦手だというのは私の中ではすっかり当たり前になっていたけど、よく考えると、多分普通は親しくなってきた人の方が接しやすいんだろうな。そうか…。
 夜、とらふくの絵を描いたら楽しかった。動物の絵は難しくて書くのに苦手意識があったけど、写真を見ながら描くと格段に描きやすくて楽しいことに気付いた。幸い、猫の資料写真なら無限にあるし。

2024/06/18 Tue.

 久し振りに少し漫画を描き進めた。ペンタブはやっぱり扱いが難しい。今は日々のできごとや考えを主に日記の形で出力しているけど、以前は漫画として表現するのに夢中になっていた。漫画には漫画の良さがあるので、こちらもぼちぼち描いていけたらなと思う。
 父方の曽祖父が描いた絵を久し振りに見返したくて、以前写真に収めたデータをUSBの中から探した。膨大な枚数の写真の中から見つけ出した2枚の画像を見て、やっぱり絵が上手いなあと感心した。曽祖父は戦争で亡くなったそうで、もちろん会ったことはないけれど、スケッチブックに鉛筆でちまちまと描かれた小さなイラストの数々を見ていると、なんだか親近感が湧いてくる。私もこういう小さい絵をささっと描くのが好きだから、ひいおじいちゃんとお絵描きしりとりができたら盛り上がるだろうなと勝手に想像してしまう。

2024/06/19 Wed.

 USBに溜め込んだ、2010年代に撮った写真を見返した。今と変わらず、植物とお菓子の写真が多い。子どもの頃に習っていたバレエのレオタード、野山で見つけた見事なテングタケ、大学の講義中に白河夜船で書いたふにゃふにゃの文字、初めての一人暮らしを満喫していたアパートの部屋、いくつも作ったフェルト製のケーキ、お気に入りだった服や雑貨、半年間だけ正社員をやった時の飲み物とミニトマトしか入っていないレオパレスの冷蔵庫など、思い出の写真がたくさん出てきて懐かしかった。人が撮ってくれた自分の写真を見ると、本当にがりがりに痩せていてびっくりした。当時は特に気にしていなかったけど、20kg増えた今の自分から見ると、不健康そうな痩せ方にさえ見える。とはいえ、現在はやや太り気味なので、ちょっと羨ましくもある。
 今日も少し漫画を描き進めた。残るはペン入れがあと2ページ。

2024/06/20 Thu.

 5年前に考えて放置していた漫画のネタを、やっとペン入れして仕上げた。これで今の所、ネームまで考えた分のネタは全て漫画にしたことになる。多分。サイトに載せた分の漫画を数えたら、合計249ページもあって(きりが良いのであと1ページ欲しい)、よく描いたなあと我ながら感心するような、呆れるような。考えや悩みを四コマ漫画にすると、客観視できるというか、自分の中で扱いやすくなるというのか、当時は昇華の方法としてこれ以上のものはなかった。今はもっぱら漫画よりも文章として日記に書き連ねる方法を採っているけど、漫画には漫画の良さがあるので、溜め込んでいるネタをそのうちまた描けたらいいと思っている。私は自分の自己顕示欲を持て余してうんざりすることが生きていて多々あるけど、こうして何かしら自己表現しないと生きていけない人間なのだろうと最近は良い意味で諦めがついてきたような気もする。
 梅雨入りして最初の、スマホの緊急速報が鳴った。大雨による高齢者等避難と避難所開設の通知だったので、まだ慌てなくては良いものの、この音はとにかく心臓に悪い。4年前の水害の前夜もこの音がひっきりなしに鳴っていて、その晩は大して眠りもせずにせっせと飲み水やタオル、雑巾などを二階へ運んだり、トイレの逆流防止の対策をしたりして過ごしていた。あの時のざわざわした気持ちを思い出して、ただでさえ土砂降りの雨が降っていて不安になるのに、この通知音が余計に不安を煽ってくる。危険に対する正常な反応の範疇だとは思うけど、以前飲んでいたような不安を鎮める頓服薬を梅雨の時期だけ処方してもらおうかという考えさえ浮かんだ。
 雨が不安でも生活はしなければならないので、ちゃんと晩ごはんを作る。鶏肉と卵のさっぱり煮が特においしくできた。できたての温かいごはんを食べると、随分ほっとした。

2024/06/21 Fri.

 朝、目が覚めるとぴったり9時だった。10時間半も眠っていたことになる。寝すぎてちょっと頭がぼうっとするけど、心身がしっかり休まったという感じが確かにある。おろそかにしがちだけど、やっぱり睡眠って大事なんだなあと当たり前のことを思う。
 昨日の大雨はどこへやら、今日はよく晴れている。明日以降はまたしばらく雨が続くので、今のうちにと庭仕事に繰り出した。収穫時期の終わったボイセンベリーを剪定し、枝豆やにんじん、大葉、ひまわりの芽を間引きして、枯れ始めたジャーマンカモミールを引っこ抜き、畑の草取りをした。2時間ほど作業をして切り上げると、着ている服が汗でぐっしょりと濡れて重たくなっていた。家に戻ってぬるめのシャワーを浴びると、信じられないほどさっぱりした。毎晩面倒くさがりながら渋々入っているけど、お風呂ってこんなに良いものだったのか。塩分補給に塩昆布を食べると、塩気と旨味が身体中にしみ渡るようでやたらおいしく感じられた。この夏最初のすいかを冷やしておいたので、大きく切り分けてかぶりつくとこれがまたおいしい。すいかのおいしさは、暑さの中でたくさん汗をかいた後にこそ本領を発揮するものだと思う。汗を流してすいかをたらふく食べて、身体中の水分が新しく入れ替わったような心地がする。今、私の血管の中には血液じゃなくてすいかの果汁が流れているんじゃないだろうか。昨日は不安で心身が硬く縮こまっていたような状態だったけど、今日の私は陽の光を浴びて汗を流し、土と植物に触れ、旬の果物を食べ、生命力が充填されて満足してくつろげている。また雨で不安を感じる日々はしばらく続くとしても、明日の自分は今日のような不安を感じず日差しの下で満ち足りているかもしれないという希望や期待は忘れないようにしておきたい。

2024/06/22 Sat.

 なんとなくだけど、昨日からとらちの動作が少しゆっくりな気がする。食欲もあまりないようだし、どことなくしんどそうな表情をしているように見える。私の杞憂であればそれに越したことはないけど、心配。
 先日買った『長い読書』(島田潤一郎、みすず書房)を読む。引き込まれて、ほとんど一気に読み終えた。短いエッセイが多いから、SNSに慣らされきって長文を読む気力体力がすっかりなくなった自分にも読みやすい。やっぱり読書っていいなと思えて、嬉しかった。
 読書を楽しめた喜びに味を占め、寝る前にベッドで太宰治の『晩年』を少し読んだ。久し振りに読み返してもやっぱりおもしろい。

2024/06/23 Sun.

 「雨が続いているから、また家が浸水したらどうしよう」という不安と、元気がなさそうに見えるとらちの体調が心配なのと、もう何千回何万回と考えた「どうして自分は普通のことができないのか」という慣れ親しんだ自己嫌悪とが爆発して、久し振りに死にたさを味わった。久し振りと言っても、普段は蓋をしたり目を逸らしたりしているだけで、ゼロになっていた訳ではない。今こそ「メンタル終わり箱(メンタルが終わった時に温かい飲み物を飲んで持ち直すための、ちょっといいドリップコーヒーや粉末スープを入れた箱)」を開封すべき時だと思ったけど、自室の床に伸びたきり動けないので、ひたすらスマホを眺めるしかなかった。「死にたい」「つらい」「社交不安障害」などのワードをTwitterで検索しては、自称カウンセラーの無責任で自己陶酔的な発言に憤ったり、センシティブ指定無しに投稿された生々しいリストカットの写真にぎょっとしたり、もちろんそうしてタイムラインに張り付いていて気分が晴れるということはけっしてない。自分でも「SNSを見なきゃいいのに」と内心呆れ果てた。
 先日のオンラインカウンセリングでは、私の不安や考えは基本的に取り越し苦労で考えすぎなだけという旨のことを言われた。それで「なんだ、考えなくてもいいことなのか」と安心できたら良かったものの、こちらが真面目に悩んでいる内容を考えるに値しないものだと一蹴されたような被害妄想をこじらせてしまった。これもきっと、考えすぎだと言われるんだろう。ニュートラルな問題解決思考とマインドフルネスによって手放すべき雑念との違いは、考えていて「うっ」となるものだという。「また水害に遭って家が浸水した時に備えて、防災準備をしておこう」という考えは、私にとってはかなり「うっ」となる。せっかく日常の暮らしを取り戻した我が家がまた大量の泥に塗れると思うと絶望したくなるし、万が一被災した時に水や電気が復旧するまで自宅での垂直避難でやり過ごすための備蓄が万全かどうか、考えるだけで途方に暮れる。また、猫があまり食事を摂っていないことで身体が弱ったらいけないからと、食べられそうなものを模索して与えてみたり、ストレスになりそうな要因を除こうとしたり、「もしも何かしらの病気だったら」を想像して今できることをやるのだって、「うっ」となる。もちろん、人並みに働けるようになるために仕事について考えるなど、勘弁してくれと思わず誰かに泣きつきたくなるほど「うっ」となることだ。これらの問題は自分ではあくまで建設的に考えているつもりだけど、第三者から客観的に見ると単なる雑念に過ぎないんだろうか。考える必要のないものだと切り捨てられるよりも、「不安や問題、イレギュラーな事態などに向き合った時に出てくるごく自然な反応」とか、「これまで生きてきた中で身に着けざるをえなかった考え方」だとか、なんでもいいから肯定してほしかったなと勝手なことを考えている。これも雑念。
 政治や社会のことについても、分からないなりに憤ったり、落ち込んだりしている。どうしてイスラエルとそれを支持するアメリカなどによる虐殺を私達は止められないのか、どうしてパレスチナの人々が「ハマスが隠れているかもしれないから」という横暴がすぎる主張で大勢の命や健康、自由、安全、土地、文化、産業といったあらゆるものを奪われなければならないのか、どうして自民党の犯罪者達は逮捕もされずのうのうと政治家面をしていられるのか、どうして改憲などと言って泥棒が泥棒に都合の良い法律を作るのか、どうして今まで都知事をやってきた人が選挙を前に「大改革!」などと宣えるのか、どうして選挙ポスターを貼る場所で特定の国や性別に対する差別を扇動できるのか、もう本当に何もかも心底嫌になる。こういう悲しみや怒りも、「マインドフルネス」によってニュートラルな考えに仕立て上げなきゃいけないんだろうか。去年の今頃の日記を見返すと、そっくり同じようなことを書いていた。そして、「差別に対して怒ったり失望したりするのは当たり前で自然なこと」「差別に遭遇して怒りや悲しみを感じた時にするべきことは、認知行動療法だのマインドフルネスだので私個人の考えや気持ちを整理して鎮めることではなく、存分に怒って差別にNOと言うこと(思うこと)。差別に対して怒ったり悲しんだりできる自分であること」とも書いていて、去年の自分と固く握手したいような気分になった。分かってるじゃん。怒らなきゃならないような暴力や差別が起きていることは悲しむべきことだし、そうしたものはなくしていかなければいけないけど、暴力や差別に対して怒りや悲しみを抱ける人間であること自体はむしろ良いことなのかもしれない。良いも悪いも何も、人として当たり前のことかもしれないけど。
 夜、30分くらいかけて手当たり次第ノートに頭の中のものを書き出したら、脳内がデフラグだかデトックスだかされて少し落ち着いた。来年の自分と握手できるようなものが書けているといい。