投稿者: naedokodesuka

週間日記(2025/10/20-10/26)

2025/10/20 Mon.

 眠い。8時間睡眠だと寝足りないというのは、なんだか「普通の」人に比べて時間を損しているようで悔しい。
 お弁当を作る。鶏つくね照り焼き、卵焼き、きんぴら、小松菜ごまあえ、鮭フレークごはん。醤油無しの卵焼きは、砂糖をがっつり入れるとおいしくなることにようやく気付いた。
 就労移行支援で、広報部で集めたアンケートの集計結果をまとめたり、面接練習会の振り返りメモをWordにまとめたり。午後はストレス対処法について学ぶプログラムも受講した。訓練時間が終わって帰るまでの間に、利用者さん数名とちょっとした話題で盛り上がる時間ができた。こうして色々な人と楽しく話せる経験ができると、友達がたくさんいる学校のようで楽しい。学校にたくさん友達がいたことなんて思春期以来なかったから、なんだかすごく不思議な感じがする。

Blueskyから
日常の中で自分のことが大好きだと心から思える貴重な瞬間
・お風呂から上がって、食器洗いが既に終わっている台所を目にした時
・自分で作ったお弁当が結構おいしいと感じられた時

2025/10/21 Tue.

 お弁当を作る。アスパラ肉巻き、卵焼き、にんじんと椎茸の煮物、小松菜ごまあえ、鮭フレークごはん。鮭フレークはぱらぱらしていて箸で食べにくいけど、おいしいし見た目が華やかになる。
 就労移行支援で、認知行動療法のワーク。
 政治のニュースがつらすぎて(普段からつらいけどなるべく蓋をしている、それも良くないとは分かっている)、死にたくなっている。せっかくようやくこの先も自分は生きていけるのかもと思えてきているのに、本来すべての市民を活かすためにあるシステムでしかない政治が市民を死にたくさせるのは本当にやめてほしい。人を殺傷する武器を持つか持たないか、社会的に弱い立場に置かれている人を排除するかしないか、個人と個人の間で考えればあり得ない問題について、どうして「国」という単位が絡んだ途端にバグった選択肢が現れてしまうんだろう。

Blueskyから
・国のこと、単なる市区町村の規模がでかいver.に過ぎないと思ってる節がある 政府もでかい市役所みたいなものだと思ってるから、職員(政治家)に対してお仕事お疲れさまです程度のことは市民として思うけど、職員(政治家)が偉そうにふんぞり返ったり裏金だの何だのちょろまかして逮捕されてなかったりするのはちょっと意味が分からないし理解しがたい
・あと政治家の仕事は戦争する羽目にならないように他国とうまくやっていくことだから、軍拡だ防衛力強化だって喚いてる政治家を見ると「私には政治家としての能力がありません!!!」っていう自己紹介にしか思えない やめちまえ
・ただでさえ他国を侵略した前科があるのに「いざという時のために武器を持ちます!これは自衛のためです!」みたいにほざく国とどこが仲良くしてくれるんだろう 人を傷つけるための道具を作ったり持ったりするのを正当化できる理由なんてないでしょうに
・「万が一にも隣町が攻めてきた時のために徴兵制を復活させます!」とか「よその町からの人の受け入れをやめてこの町出身の人間だけでやっていきましょう!」みたいなことを言ってる町があったら、何言ってるんだろうってなると思うんだけど、愛国者()の方々が宣ってるのもそんな感じ
・郷土愛があるのはまあ結構なことではあると思うんだけど、それを排外主義に結びつけちゃダシにされる地元がかわいそうだろうと思う
・悔しいから文句言いまくりながら生き延びてやるぞ〜 くたばるのは私じゃなくて全体主義や軍国主義の方であるべき

2025/10/22 Wed.

 就労移行支援。読書の時間に、高島鈴『布団の中から蜂起せよ アナーカ・フェミニズムのための断章』を読む。政治や社会情勢のことでしんどくなっている時は、これを読むに限る。その後、広報部の時間は書記を担当した。人に見せる文字を書くのはもちろん、やっぱり人前に出るのは苦手だ。
 午後は博多駅に行き、人に渡すおみやげを買ったり、阪急の北欧フェアを覗いたり。北欧フェアでは、フィンランド製の木のマグカップ(もらった人は幸せになれるという、2万円)、クッキー生地に模様をつけるローラー、木のコースター、リサラーソンのあざらし(小さい方で7,000円)などが気になった。クランベリー、アイリス、バラ、いちご、名前の分からない雑草のような植物などの絵がそれぞれ描かれた食器もかわいかった。リンネソウらしきモチーフの食器やレリーフもいくつか見かけた。さすが北欧。自分で作ったものしか食べたことがなかったので、この機会にルーネベリタルトを食べてみたかったけれど、小さいものが1個600円以上したのでさすがにちょっとためらわれて購入には至らなかった。迷いに迷って、もう少しだけ手を出しやすい値段のヨウルトルットゥとモーローツカーカ(キャロットケーキ)を買ってみた。帰宅して、コーヒーを淹れて頂く。前者は甘酸っぱいラズベリージャム、後者はスパイシーな生地がおいしかった。

2025/10/23 Thu.

 夜中、何度も何度も火災報知器が鳴っていた。どうやら誤作動らしい。以前、就労移行支援のスタッフさんとの会話で「不安」という感情について尋ねられて「火災報知器」だと答えたけれど(どこかでそういう表現を見たことがあるから)、ちょっとした不安の要素を感じ取って過剰なまでにけたたましく鳴る辺り、本当に私の不安みたいだなと思った。
 就労移行支援で、認知行動療法のワーク。明日それこそ「不安」な用事ができたので、せっかくだから面談申請書なるものを提出して、相談する練習ということでスタッフさんに話を聞いてもらった。親身になって聞いてくれるのはありがたい。ありがたいけれど、「不安になりやすい」という症状そのものをスタッフさん達が分かってないのだろうなという感じは以前からしている。何か具体的な理由があろうがなかろうが、反射のように不安になる病気だと知られていない気がする。感覚として理解はしなくていいから、せめて知識としては知っておいてほしい。どういう症状や困りごとがあるのか知ろうとしてくれるのは良いけれど、支援を必要としている当事者自身から病気に関するすべての情報を引き出そうとするのは少し違う気がする。かといって病名のラベルやテンプレートにかっちり当てはめてほしいという訳でもないのだけれど、これはわがままなんだろうか。
 荷物を取りに戻り、帰省。高速バスの中でぐっすり眠り、目が覚めてからはfuzkueのプレイリストを聴きながら高島野十郎展の図録を眺めて幸せだった。本当にこの人は絵がうまい。
 祖母のアパートに行き、お茶とおしゃべり。実家に帰るととらふくが出迎えてくれた。

2025/10/24 Fri.

 前職のバイト先だった園芸店のパート仲間6人で、宮崎へ遊びに行った。話が出た当初はちょっと迷ったけれど、誘われたこと自体が嬉しかったので勇気を出して参加を決めた。グループLINEで話が出たということは、私も行って良いんだろう。久し振りに会う人達とあれこれおしゃべりして、おいしいステーキやソフトクリームを食べ、観光名所を歩き、いかにも日帰り旅行らしい旅行になった。みんなが元気そうで良かった。自分自身に対して「頼むから、後から思い出して恥ずかしくなるようなことをしでかさないでほしい」と終始祈るような気持ちではあったけれど、どうやらなんとかなったらしい。無事家に帰り着いてから、「疲れたけど楽しかったな」という感想がすんなり出てきて心底ほっとしている。高千穂峡の岩場でナンバンギセルらしき花を初めて見ることもできて嬉しかった。

2025/10/25 Sat.

 朝から畑の草取りをして軽く耕し、持ってきた種をあれこれまいた。庭の草取りも少し。涼しくて庭仕事日和だと思っていたけれど、日が昇るにつれて汗ばんできたので撤収。
 猫達に詫びながら掃除機をかける。随分慣れてきたのか、掃除機をかけ終わると以前より早く隠れ家から出てきてくれるようになった気がする。
 母がスーパーでお惣菜をいくつか買ってきてくれて、一緒に食べた。舞茸のあんがかかったしんじょのようなおかずが特においしかった。
 午後は祖母のアパートへ遊びに行き、お茶を飲んでおやつを食べおしゃべり。暇潰しにでもなるかと思い貸してみた高島野十郎の図録をいたく気に入ってくれていた。良かった。
 夜、ねじを回すと走り回るねずみのおもちゃで猫達と遊んだ。おっかなびっくり興味を示すとらふくがかわいくておもしろい。ふくちは生後10日程でこの家にやって来たから外の世界を見たことがないけれど(目も開いていなかった)、とらちは子猫時代を野良猫として過ごしていたので、もしかしたらねずみの味も知っているのかもしれない。今はねずみよりおいしいであろうシーバやドライささみに夢中だけれども。

2025/10/26 Sun.

 今日もまた宮崎へ。今度は両親とドライブ。霧島ファクトリーガーデンのパン屋さんでおしゃれなパンを買って、道の駅 都城ニクルでお昼を食べ、風月堂でチーズ饅頭を買った。改装された風月堂の敷地にヤマボウシの木が植わっていて、さくらんぼのような赤い実が生っていた。ヤマボウシは食べていないけれど、おいしいものを色々食べた一日だった。かぼちゃのバスクチーズケーキが特においしかった。

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週間日記(2025/10/13-10/19)

2025/10/13 Mon.

 たかが頭部に生えている毛といえど、鏡を見る度に気分が沈んで外出するのに気後れするようでは良くないと思い、昨日とは違う美容室で切り直してもらうことにした。昨日の今日で同じ美容室に行くのは気まずいし、同じ美容師さんだったらまた同じような羽目に陥る可能性もある。当日予約ができる美容室でさらに短くカットしてもらって、ようやく落ち着いた。ひと安心。
 午後は、チケットをもらっていたオーケストラの演奏会を聴きに行った。ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」と、ショスタコーヴィチの交響曲第5番「革命」の2曲というプログラム。どっちも聞き慣れた好きな曲だから嬉しい。特にショスタコーヴィチは大好きなので、吼える金管や暴れるパーカッションに大興奮だった。ただただ音楽を聴くだけの贅沢な2時間を過ごした。クラシック音楽というと世間一般的には退屈で眠くなる音楽がイメージされるのかもしれないけど、こういう血沸き肉躍る壮大な交響曲こそ個人的に好きなクラシックだと思う。楽しかった!

2025/10/14 Tue.

 昨夜、お風呂に入って髪を乾かした後、毛沢東のように髪が盛り上がってしまって、どうしたことかとまたしても途方に暮れていたものの、今朝はドライヤーだのヘアバームだので押さえに押さえつけて辛うじてなんとかなった。もう髪の毛ごときで悩むのはうんざりだ。
 お弁当を作る。いんげんの肉巻き、卵焼き、ほうれん草のごまあえ、にんじんと椎茸の煮物、鮭フレークごはん。
 髪をばっさり切ったので、就労移行支援に行くと色々な人からびっくりされたり褒められたりで、嬉しいやら照れるやら。
 模擬会社プログラムで、利用者さん数人と協力して業務を進める。けっして気を遣えている(気が利いている)訳ではないのに、過剰に気を遣ってしまっている。
 幸せとは何かと訊かれたら、今度から「クッキー缶」だと答えたい。自分への誕生日プレゼント用に購入したクッキー缶のクッキーが、それくらいおいしい。どのクッキーも風味や食感が異なって食べていて楽しい。気を抜くとどんどん食べ進めてしまう。ココナッツ味のお菓子は嫌いな訳ではないものの、普段選択肢にあっても選ぶことはない。ところが、このクッキー缶のココナッツクッキーはガレットと首位を争うレベルでおいしい。独特のざくざくとした繊維質な食感がくせになる。良いプレゼントを買ったなあ。

2025/10/15 Wed.

 就労移行支援。今日も模擬会社。人と関わることに疲れてしまって、働ける自信がますますなくなる。今週の就労移行支援はうっかり週5日連続通所のスケジュールにしてしまい、そのうちの2日目にしてもう疲れている。
 午後は皮膚科に行き、ニキビと手湿疹の薬を処方してもらった。どの季節も好きなので当然冬も好きだけど、この季節には手湿疹ができるのが困る。
 せっかく近くに来たからと、おしゃれな生活用品や雑貨を扱っているお店を覗いた。私の生活では縁がない上等な調理器具や食器などを眺める。葉っぱの形のお皿がとてもかわいかったのでそっと裏返して値段を見てみると、私が日頃使っている食器のそれより一桁多かった。ラズベリー柄の薄手の大判ハンカチを見つけ、こちらは割と手頃な値段だったので衝動買いしてしまった。食べられる赤い実の中でもラズベリーは特に好きだし、ラズベリー柄の小物はなかなか珍しい気がする。ところが、帰宅してレシートを見てみたら、ラズベリーではなくブラックベリーと書かれていた。ブラックベリーもおいしいから良いか。

2025/10/16 Thu.

 お弁当を作る。いんげん肉巻き、卵焼き、きんぴら、小松菜ごまあえ、ふりかけごはん。今週は2日続けて終日通所。
 就労移行支援で認知行動療法のワークをしたり、模擬会社プログラムに参加したり。やっぱり複数人の人が聞いている状況で話すのは緊張する。
 帰りに病院へ寄り、インフルエンザの予防接種を受けた。昔はもっと痛みに過敏で、注射となると今よりずっと怯えていたけれど、ここ数年はなぜか感じる痛みのレベルが低くなっている気がする。感覚が鈍くなったのか、耐性がついて慣れたのか。気のせいかもしれないけど、精神科でカウンセリングを受けて不安が和らいでいくのと同じタイミングで痛みに対して(人並みに)強くなってきたので、関連があったら嬉しいなと勝手に思っている。

2025/10/17 Fri.

 就労移行支援。スタッフさんと面談があって、将来どういう生活や生き方をしたいか尋ねられた。どんな内容でも良いとのことだったので、咄嗟に口から出た「おもしろおかしく暮らしたい」という言葉をスタッフさんがそのままパソコンに打ち込んでいた。昔、精神科でカウンセリングを受けていた頃にも、将来のことを訊かれて似たような回答をした気がする。
 初めて福岡県立美術館へ行ってみる。公園内の芝生が青々していてすがすがしい。高島野十郎展のパンフレットを他の美術館で目にして、すごく好きな感じの絵だと思ったので興味を持ち、今日はそれを見に来た。ゆっくり展示を見て回る。とにかく絵がうますぎる! 写実的で繊細な絵も、ゴッホのように背景が揺らめく雰囲気の絵も、何でも描ける。蝋燭や太陽の光の表現もうまいけれど、室内の暗がりや夜空の闇もうまい。個人的に、植物の絵が多いのも嬉しい。好きな絵だと思える作品にたくさん出会えて幸せだった。
 グッズも充実していて、ポストカードの種類が豊富で選ぶのが大変だった。芥子の絵の2枚もすごく迷って、結局からすうりと菜の花、れんげ畑、さくらんぼの絵を厳選した。クリアファイルもかなり迷ったけど、今回は我慢した。欲しいグッズがありすぎて困る。買うつもりのなかった分厚い図録と、祖母へのおみやげにと羊羹を買った。図録の値段に最初は渋ったものの、今ここで買わなかったら今後は同じものを買う機会がもうないのだと思うと、買わざるをえなかった。せっかく好きな画家だと思える人物に出会えたのだから、と己に言い聞かせる。図録を買うと、不織布のトートバッグをもらえた。桜と菜の花の2種類から選べたので、ポストカードでも買った菜の花の絵の方にした。見ていると菜の花独特の匂いが漂ってきそうで、もう春になったのだと脳が勘違いしそうになる。
 美術館を出たところで、ちょっと高島野十郎の絵の感じに似た太陽が木立の隙間に覗くのが見えて、妙に嬉しかった。ぼんやりと光っている様子が似ている。ものすごく歩き疲れてしまって、帰り道の30分を歩くための英気を美術館喫茶室で養おうか迷って、今日のところは寄らずに頑張って歩いて帰った。

2025/10/18 Sat.

 就労移行支援で、志望動機の書き方について学ぶプログラム。
 午後は博多駅に行き、帰省用の新幹線と高速バスの切符を発券した。母に頼まれていたパンの材料も富澤商店で購入。とらふくのおみやげにと、ペット用品店でまたたびの小枝も買ってみた。観葉植物も売られていて、まんまるの烏羽玉があった。帰り道、道沿いの花壇にピンク色のカンナが咲いているのを見かけた。カンナというとオレンジ色のイメージなので、ピンクは珍しい気がする。かわいい。
 初めての5日連続通所を終えた解放感からか、やたら気分が浮き立っている。

Blueskyから
・自分一人で思い立ったら気軽に美術館博物館植物園へ行ける環境が本当に素晴らしすぎて、ここで暮らし続けるためなら就労移行支援もこの先の労働も多少頑張れるかもとさえ思える
・地元だと車の運転ができない人間は何かしらの問題や欠陥があるのだと思われたり(私個人に関してはあるにはある)、一人前の大人としてみなされなかったりするけど、ここだと車の運転ができなくても普通に扱ってもらえるし生活していくこともできる 環境って大事だな…
・それはそれとしてとらふくに会いたい

2025/10/19 Sun.

 9時間睡眠に勝る疲労回復法はないなとしみじみ思う。よく寝た。外に出ると涼しくて、秋が来たことを実感した。マンション前の欅らしき木の幹に生えたサルノコシカケが、着実に生長している。
 六本松の護国神社の近くを通ると、2匹の大きなスズメバチが辺りをゆっくり飛んでいた。蜂に遭遇したらかがんでゆっくりその場を離れるものだと聞いたことはあるけれど、やっぱりいざとなると慌てて逃げてしまう。花壇におしろい花の黒い種がいくつも実っていた。小さい頃、これで「お弁当」を作る遊びが好きだった。おしろい花の種の殻を爪で半分に割り、片方の殻に薄皮を剥いたおしろい粉を詰め、ごはんに見立てる。えんじ色のおしろい花の花びら、黄色いハルジオンやヒメジョオンの花芯、緑色の葉っぱをちぎったものをおかずとしてごはんの脇に添える。もう片方の殻をお弁当箱の蓋にして、「お弁当」の完成。誰かに教わったり、本で見たりした記憶はないので、自分で考えた遊びなのかもしれない。
 福岡市美術館に着き、特別展「珠玉の近代絵画─『南国』を描く。」を見た。大きなアガベの傍に毛艶の良い黒猫がいる絵や、いちじくの木陰でふくちそっくりのぶち猫が眠る絵が特に好きだった。大きな屏風に描かれたかぼちゃの葉がすごくうまくて、なるほどかぼちゃの葉はこう描けば良いのかと勉強になった。日本はかつて「南国」を侵略した前科があるので、ちゃんとそういった歴史に触れて反省を交えながら展示するのだろうかという心配は勝手ながらあった。ここで「南国」とされている国や地域にルーツのある方が嫌な思いをしなくて済む展示になっていると嬉しい。
 美術館を出て、大濠公園の池に沿って雑木林のような道を歩く。この空間が本当に気持ち良くて、歩いているとみるみる心が癒やされていくような気がする。
 舞鶴公園のフリマを覗く。花壇にはコスモスやポーチュラカ、メランポジウムの花が咲いている。キッチンカーのスパイシーチキンビネガーカレーを買って、持ってきた小さなレジャーシートを芝生の一角に敷き、ささやかな一人ピクニックをしてみることにした。レジャーシートを敷いている人達は他にもいて、よく見ると一人で過ごしている人もわずかながらいる。カレーは鶏肉が柔らかく煮込まれていて、名前の分からないいくつかのトッピングも様々な風味や食感が楽しめてすごくおいしかった。雨のぱらつきそうな曇り空ではあるけれど、外で食べるとよりおいしい。歩き疲れた時に、椅子ではなく地面に座り込んで休憩すると、足がすごく休まることを知った。
 大濠公園の池に沿って歩く。池の向こう岸から、トランペットかホルンか、金管楽器が練習している音が聞こえてくる。柳の枝がそよそよと風にそよいでいる。六本松の蔦屋書店を眺め、六本松421内のお手洗いに寄った。トイレ待ちの列に並んでいたら、トイレットペーパーの補充をしに来た掃除の方となんとなく会話が始まった。「お疲れさまです」と伝えると向こうが笑顔を見せてくれたので、自己満足ながらなんだか嬉しかった。器の展示を見に行ったり、手芸屋に寄ってかぎ針を買ったりして帰宅。雨が降り出す前に帰り着くことができて良かった。今日の歩数は15,000歩を超えた。地図アプリを見ずに勘で歩いて目的地と真逆の方向に行くということを繰り返してしまい無駄に稼いだ歩数も少なくないものの、自分のような神経質な人間が気ままに歩き回れた解放感のようなものの方が嬉しい。
 夜、とらふくが柿にちょっかいを出している動画が母から送られてきた。特にふくちが、初めて見る植物に興味津々だった。私に似て植物好きな猫。

週間日記(2025/10/06-10/12)

2025/10/06 Mon.

 祖母と二人で芋掘り。今年は芋自体は大きかったけれど、個数が少なかった。掘れば掘るほどみみずが出てきて、後から鍬で少し耕したらふかふかの土になった。昔はみみず一匹いない粘土やシラスの硬い地面だったのに、水害で山の腐葉土が流れ込んで以来、どうやら土の質が良くなりすぎたらしい。土は良くなったのに、さつまいもが育たないから素直に喜べない。でも、芋掘り自体はとても楽しかった。猫達も網戸越しに作業を監督してくれていた。
 お昼ごはんは、祖母のアパートでごちそうになる。またしても二人分の食事とは思えぬ量のごはんが用意されていた。どれもおいしいので、力いっぱい食べた。午後は一緒にクロスワードを解いたり、アルバムの写真を見返したり。
 夕方、道ばたで摘んできたエノコログサで猫達に遊んでもらった。とらふくの色々な表情が撮れて満足。猫ってかわいいだけじゃなくて、おもしろい顔もできてすごい。
 夜、仕事の後に弦楽アンサンブルの練習に行ってきた父母と、おやつを食べながらおしゃべりした。我が家で「お茶会」と呼ばれている、不定期に開催される夜のこの時間がすごく好きだ。実際は、お茶を飲んでいるのは私だけなんだけども(父母は専らお酒)。

2025/10/07 Tue.

 朝起きて、階段を降りる手前で猫達が足もとをうろうろする。かわいい。一階に降りられない。
 帰省から戻る時は、猫達と離れるのが相変わらずすごく寂しい。この寂しさには未だに全然慣れない。ひたすら撫でて家を出た。5日間で230枚の猫の写真を撮った。高速バスで熟睡し、新幹線でも眠かったけれど、新大阪まで乗り過ごさずに済んだ。
 マンションに戻ってキャリーを置き、就労移行支援へ。この日記を書いたのが一週間後だったので何をしたか忘れたけど、何かはした。15時に訓練が終わって帰宅。いそいそと荷解き。

2025/10/08 Wed.

 就労移行支援で、読書と広報紙作り。
 そのまま地下鉄と電車を乗り継ぎ、新宮のIKEAへ向かった。腹ぺこなので、レストランでお昼を食べる。フィッシュアンドチップスとキャロットケーキ、ドリンクバーのコーヒー。結構な量があってお腹いっぱいになった。2階から店内をのんびり見て回る。ダイニングのコーナーに、テーブルに置かれたプリンセストータがあった(多分、紙粘土か何かで作られている)。作り物といえどプリンセストータを実際に見るのは初めてなので、なんだか嬉しかった。屋外用の椅子やテーブルが並ぶコーナーで、こういう家具をベランダに置いて読書でもしたら楽しいだろうなと思った。私が住んでいる部屋は2階で、近くの建物に取り囲まれて眺めも悪いし、北向きだから日当たりも悪いしでベランダ読書には向かないけれど、憧れるものは憧れる。いつかはベランダ読書を楽しめる部屋に住みたい。クリスマス用の大きな星の形の照明がかわいくて、買って窓辺に飾りたい誘惑と闘った。お目当てのデスクライトと、珍しくて惹かれたミントの造花の鉢植えを買って帰宅。

2025/10/09 Thu.

 今日は休みなので、九州国立博物館へ特別展「法然と極楽浄土」を見に行くことにした。駅のホームで電車を待っていると、韓国語を話す二人連れに電車の時間を訊かれた。翻訳アプリを入れておいて良かった! 電車が出る時間は伝えたものの、その後の乗り換えが心配だったので、お節介だろうかと悩みながら同じ電車の中で二人を探し、乗り換えがあることを伝えて乗り換え先のホームまで案内した。何時何分に出発する電車に乗って、何時何分にこの駅で降りてくださいと翻訳アプリ越しに伝え、そそくさと自分の乗る電車に戻る。日本語でお礼を言ってもらえて、嬉しくて恐縮した。無事に目的地へ着けていますように。
 太宰府に着き、お昼ごはんに玉子丼(親子丼の鶏肉抜き)を食べる。絶対にだしと醤油の風味が素晴らしいはずなのに、それが分からなくてものすごく悲しい。
 博物館は、平日にも関わらず人が多かった。修学旅行なのか校外学習なのか、小学生や高校生の団体も来ている。おもしろくてあれこれメモを取りながら、法然展をじっくり鑑賞した。展示の最後に、写真撮影可の展示品があった(仏涅槃群像(部分)江戸時代 17世紀 香川・法然寺)。釈迦を中心に、羅漢などの取り巻く人々がいて、象、かわうそ、かたつむりなどの生き物たちもいる。それらの像の真ん中に、ふくちにそっくりのぶち猫がいたので驚いた。まるまるとした身体、ふてぶてしい表情、太い手足。ふくちだ! ミュージアムショップで、この猫のぬいぐるみを買うか散々迷い、猫の写真がプリントされたブックマーカーを買った。本を開く度ににんまりしたふくちに出会えるブックマーカー。
 常設展もゆっくり見て回った。展示されている収蔵品が、前回来た時とところどころ違っている。グリーンネックレスのような古墳時代のガラス玉、大宰府の地鎮の祭具として使われた水晶、蕎麦畑の絵が描かれた江戸時代の大皿などの写真を撮った。博物館に来ると、人類や文明の長い歴史を思って途方もない気持ちになる。同時に、知的好奇心を刺激されてとてもわくわくもする。せっかく電車一本で来られるのだから、今後も定期的に来たい。焼きたての梅ヶ枝餅を頬張りながら参道を歩き、電車に乗って帰宅。

2025/10/10 Fri.

 就労移行支援。利用者さん一人一人に広報部のアンケートを配る。他にする人もいないので自分がこの仕事を担当しているけれど、自分から人に話しかけるという行為に結構なストレスを感じる。本当はやりたくないけど、やりたくないと言える度胸もない。模擬会社プログラムという、実際の会社での業務を想定した訓練に参加した。他の利用者さんと協力して業務を完遂するというもの。空き時間に色々な話題のおしゃべりが発生して楽しかった。
 来月の沖縄旅行の計画を練る。沖縄県平和祈念資料館とひめゆりの塔の両方に行きたいと思っていたものの、それらがバスで30分かかるほど離れていることを知り、スケジュールの面でどちらかは断念することにした。斎場御嶽も行きたかったけど、これも交通アクセスを考えると時間的に厳しい。行ってみたい場所を諦めるのは悔しいけれど、旅の予定を組むのはとても楽しい。

2025/10/11 Sat.

 就労移行支援の事業所の近くに、エンジェルストランペットが植わっている場所を見かけた。この辺りで見たのは初めてかもしれない。面接練習会に参加し、障害者採用の面接本番を想定した練習をする。特に駄目出しらしいことも言われず、それで却って拍子抜けした。褒めて伸ばすやり方なのかな。それはそれでありがたいけれども。
 糸島市で気になるイベントをやっているので、行ってみることにした。地下鉄空港線が姪浜駅で普通列車に切り替わり、いつの間にか地上に出ていたのには驚いた。乗り換え案内アプリで「乗り換え不要」と書かれていたので不思議に思っていたけれど、こういう仕組みだったのか。バスを待っていたら、海外(東南アジア?)から来たらしい二人連れにバス乗り場を訊かれた。相手の話す言語が分からず翻訳アプリに頼れなくて内心慌てたものの、道路の向かいのバス乗り場に書かれた「Information」の文字を指さして読み上げることでなんとか伝わったらしかった。親指と人差し指をくっつけた「OK」のようなジェスチャーを笑顔でしてくれたので、同じ表情と仕草を返した。話す言語が違っても、こういう好意の込もったコミュニケーションのやりとりができたように感じられると、すごく嬉しくなる。自分もちゃんと社会的動物の端くれであるらしい。
 志摩中央公園に着き、園芸イベント「THE BOTANICAL WORLD」を覗く。世の中には植物好きの人間がこんなにいたのかと思うほど賑わっている。アガベ、サボテン、コーデックス、コウモリラン、チランジア、盆栽、多肉植物、色々なかっこいい植物達がひしめいていて、私が名前を知らない植物もたくさんある。2万円や3万円のアガベに慄いていたら、24万円のコーデックスを見かけて驚いた。すごい世界だ。金魚すくいならぬ「多肉すくい」や、「アガベ釣り」といったコーナーもある。カラテアの吊り鉢に小さな白い花が咲いているのがかわいくて見ていたら、お店の人に話しかけられて少し会話をした。買おうかすごく迷ったけれど、既にシゾバシス・イントリカータの小さな鉢の誘惑に負けていたのでカラテアは我慢した。シゾバシスは初めて知る植物だったけれど、不思議な形の葉っぱに惹かれてつい買ってしまった。せっかくこういうイベントに来たからとキッチンカーのフードやドリンクを味わいたくなって、レモンスカッシュを買って公園のベンチに座って飲んだ。青空の下、涼しい木陰で風に吹かれながら飲むレモンスカッシュは本当においしかった。
 高速バスに乗って帰路に就く。高速道路に乗るまでの間、バスの窓から色々な植物が見えて楽しかった。ルリマツリ、ハイビスカス ローゼル、芙蓉、アメジストセージ、コスモス、黄花コスモス。見たことのないオレンジ色の小さな丸い実が生っていると思ってよく見ると、デュランタの花が枝先に残っていた。デュランタって、ああいう実がつくのか! ひとつ知識が増えて嬉しい。夜、ブラウザでXのおすすめタイムラインを見ていたら、たまたまデュランタの実の画像が流れてきた。奇遇。

2025/10/12 Sun.

 朝ごはんはコーヒーと目玉焼き、ラズベリージャムのトースト。今日は私の誕生日で、33歳になった。また一年生きたことに対して後ろめたさや惨めさを感じることなく誕生日を迎えられることがとても嬉しい。
 咲くやこの花館の植物プリントTシャツとショクダイオオコンニャクのキーホルダーを身に着け、園芸イベント「FUKUOKA GREEN PARTY」へ向かう。会場は昨日と同じ、糸島市の志摩中央公園。今日も賑わっている。30万円のグロボーサを見かけて驚愕する。アガベのイラストが描かれたTシャツを着ている人を二人も見かけた(多分、探せばもっといる)。すれ違う人の多くが、購入したらしい植物の鉢を手にしている。こんな世界があるのか。会場をうろうろ見て回り、タコスやスパイスカレー、チャイの誘惑に負けたくなるも、バスの時間に間に合わなくなるからと断念した。
 福岡市内に戻り自分用の誕生日ケーキを買い、マンションに帰って冷蔵庫に入れた後、美容室に行った。ここ最近ずっと髪をうんと短く切りたいと思っていたので、美容室でカットの予約をしておいたのだった。ところが、こんな感じのショートにしてほしいと画像を見せて切ってもらったものの、カットが終わった時点でどうもイメージと違う。髪が膨らんで、正面から見ると横に長い楕円形のようなシルエットの頭になってしまっている。でも、美容師さんはこれで完了といったような様子だし、美容室に苦手意識のある自分が「やっぱり切り直してほしい」と言い出せる訳もなく、納得したような素振りを見せてお金を払って帰った。だけど、帰宅して鏡を見ても、やっぱり変だ。どうやら自分の髪質に合わない髪型をオーダーしてしまったらしい。情けないやら何やら。
 とはいえ誕生日ケーキはおいしかった。子どもの頃から「食べられる赤い実」に目がないのだからと、3つともベリーのケーキを選んでみたらこれが大正解だった。いちごのショートケーキは、ホイップクリームがかなり甘さ控えめで、すごくあっさりしていて軽い。スポンジも軽くてふわふわだった。ラズベリーのケーキはラズベリージャムの層が甘酸っぱく、これも甘さが控えめなマスカルポーネチーズのムースとよく合う。飾られているすぐりも酸っぱくておいしい。カシスのケーキはカシスのムース部分が特に酸味が強く、レアチーズのムースも上品な甘さでおいしい。いちごにしては小さいと思ったら、てっぺんに載っているのは粉糖をまぶしたラズベリーだった。全体的に甘さが控えめ、酸味は強めで、食感も軽くて食べやすい、大人向けのケーキだと思った。
 食い意地が張っているから、自分用の誕生日プレゼントは憧れのクッキー缶にした。太陽ノ塔洋菓子店のタイヨウノカンカンという商品で、クッキー缶とは思えぬほどずっしりと重たい缶に10種類のクッキーがぎっしり詰まっている。見ているだけで気分が浮き立つし、食べるのがもったいないくらいだ。食べるけど。

週間日記(2025/09/29-10/05)

2025/09/29 Mon.

 お弁当を作る。いんげん肉巻き、卵焼き、にんじんと干し椎茸の煮物、小松菜ごまあえ、ふりかけごはん。
 就労移行支援で、雑談プログラムに参加した。初回は発言のタイミングが掴めなくて相槌だけになってしまったので、今日はちょっとだけしゃべった。その後の個別訓練の時間に『不安・心配と上手につきあうためのワークブック』を進め、午後は適切な休憩の取り方について学ぶプログラムを受けた。今日は利用者さんともスタッフさんとも、結構おしゃべりした気がする。

2025/09/30 Tue.

 就労移行支援で、認知行動療法のワークと、仕事の選び方について学ぶプログラム。
 そのままドトールに行き、ツナチェダーのホットサンドとアイスコーヒーでお昼。大学時代、就活の合間にこれを食べていたので、食べる度にうっすら就活の記憶を思い出してしまう。早く払拭したい。
 福岡市美術館へ行くべく大濠公園を歩いていると、色々な植物を見かけた。終わりかけのひまわり、まだ青いどんぐり、満開の彼岸花と黄花コスモス、タイサンボクの花がら、植え込みに絡んだ風船かずら、花壇に地植えされたミント(!)、勝手に生えてきたらしいヨモギ。池沿いに植わった柳の木が風で涼しげに揺れている。きのこも4種類ほど見つけた。おまんじゅうのようなカラカサタケ、イグチ科の何からしききのこ、鮮やかな黄色のマンネンタケの幼菌、ぽつぽつといくつか生えた名前の分からない小さなきのこ。きのこ探しをしながら木陰を歩くのは楽しかった。
 福岡市美術館で、「仙厓展」や「秋の名品展」、「東光院のみほとけ」、「「北」へのまなざし」、それらと常設展をじっくり見て回った。桜の咲き誇る山々が描かれた華やかな壷(色絵吉野山図茶壷)や大胆なタッチで白い菊の花が描かれた皿(色絵菊図向付)、秋の花々が入った籠を描いた絵(花籠図)など、植物がモチーフになった作品がやっぱり気になる。後者は植物の絵ではないけれど、なんとなくいいなと思った尾形乾山「花籠図」とマーク・ロスコ「無題」のポストカードをミュージアムショップで買った。せっかく来たからと、美術に関する本を閲覧できるコーナーで画集を眺めてみた。西洋の絵だとゴッホ、日本画だと速水御舟が好きかもしれない。
 区役所に行く用事ができたので、そのまま歩いて赤坂へ向かう。福岡城跡のお堀に沿ってひたすら歩いた。秋めいた空気が気持ち良くて、いくらでも歩けそうな気がしてくる。お堀には蓮がたくさん植えてあって、花の時期はさぞきれいだろうと思った。極楽浄土みたいに見えるのかな。
 さらに歩いて帰宅したので、今日の歩数は14,000歩にもなった。いっぱい歩けて満足。

2025/10/01 Wed.

 就労移行支援。認知行動療法のワークと、仕事を探す上での条件について学ぶプログラム。
 一人暮らしを始めて、今日でちょうど一年が経つ。一年前の今日は、本当にここに住むのか、やっていけるのかと不安な気持ちもあったけれど、なんだかんだこの部屋を住み心地の悪くない場所にすることができた。
 一人暮らし一年経過がめでたいので、それを口実にヴィクトリアサンドイッチケーキを作った。バターたっぷりの生地と甘酸っぱいラズベリージャム、ふわふわのホイップクリームの相性がすごく良くておいしい。これから一年後の今日も、この狭い台所でケーキを作れますように。

2025/10/02 Thu.

 いっぱい寝た。朝ごはん兼お昼ごはんに、コーヒーをなみなみ淹れて昨日のケーキの残りを食べた。嗅覚はそこそこ戻ってきている。それとも元々こんな程度だったんだっけ?
 外に出ると、空気がとにかく気持ち良い。気温はちょうど良く、風もあって、いかにも秋だ。三越に歩いて行き、デパ地下で祖母と父母へのおみやげを見繕った。栗や芋、柿、いちじくなどを使った秋らしいお菓子が売り場に並んでいる。誰かのために、その人の好きそうなお菓子を選ぶのって楽しい。

2025/10/03 Fri.

 就労移行支援で、持参した認知行動療法のワークブックに取り組む。破局的思考についてのワークで、想像する不安が現実に起こりうる可能性の数値を書いてみたら、あまりの低さに笑ってしまいそうだった。こんな起こりようもないものに不安を感じていたのか。
 キャリーを取りに戻り、猫目的の帰省! 祖母のアパートを訪ねて、お茶をしたりおしゃべりしたり。夕方、すぐ近くにある実家に帰って、猫達と遊んだ。キャリーケースをわざと開いて置いておくと、ふくちがさっそくもそもそと入り込んでいた。とらちはカーテンのタッセルにじゃれて、ころんころんと床を転がっている。私の大好きなかわいいふわふわ達。
 父母が吹奏楽の練習に出かけたので、その間にピアノを弾いて遊んだ。「舞台 魔法使いの約束 祝祭シリーズPart1」の西祝祭の出発の序曲ばかり延々と練習した。楽しい。帰ってきた父母を、とらふくが嬉しそうにお出迎えしていた。

2025/10/04 Sat.

 夜はふくちと寝た。大の字に寝ている私の足の間にふくちが伸びているので、「太」の字になっていた。朝起きてベッドから降りると、部屋の床でとらちがごろんと仰向けに寝転がった。撫でろとのご所望。仰せの通りに。その後、ふくちは高い戸棚の上、とらちは籐椅子の上でそれぞれ寝ていた。かわいくて何枚も写真を撮る。
 地元特産の栗を使ったスイーツがあちこちのお店に出ているので、そのうちのひとつを買いに父とケーキ屋さんへ。栗のクリームパイを購入。昼まで仕事だった母は、帰りに和菓子屋さんの栗きんとんを買ってきてくれた。栗三昧のおやつ。
 昨日祖母から預かったカネノナルキを、新しい鉢に植え替えた。なんてことない植え替え作業だけど、久し振りにやるのもあってやたら楽しく感じられる。このカネノナルキは、5年前の水害に遭って取り壊した祖母の家の庭から拾ってきたもので、最初は根も生えていない小さな枝だった。水害前に祖母が育てていた大きな鉢植えからちぎれたものらしく、鉢植えが置いてあった場所から離れた所に落ちていた。せっかく見つけたからとこっそり鉢に植えて根を生やして育て、去年私が一人暮らしを始めるタイミングで祖母にあげた。以来、祖母がせっせと日に当てたり水をやったりして育ててくれている。この一年で、またひと回り大きくなった。根からいくらか土を落として、先日園芸店で買ってきたかわいい花柄の植木鉢に植え替えると、ちょうど良いサイズだった。

2025/10/05 Sun.

 午前中は庭仕事をした。私の小さな畑に生い茂ったさつまいもの蔓を切って取り除く作業。相変わらず柔らかくて脚の多い虫がたくさんくっついているので、恐れ慄きながら挑んだ。その間、窓の網戸越しにふくちが羨ましそうに見ていた。私が振り回しているさつまいもの蔓で遊びたいんだろうな。少しだけ庭の草取りもした。一時間足らずの作業だったのに、結構な汗をかいた。買ってあったさつまいもを焼き芋にして、祖母に少しお裾分けをした。すると、ちょうど作っていた里芋と鶏肉の煮物を味見させてくれた。味がよくしみておいしかった。
 家の前の田んぼでは、黄金色の稲穂が重そうに頭を垂れている。よく晴れた青空と映えてすごく良い景色だったので、思わず写真を撮った。地元は高い建物がないので、空が広くて気持ちが良い。彼岸花も咲いていたら赤色が加わってもっと秋らしい風景になっていたかもしれないけど、彼岸花は花期を終えて色褪せてしまっていた。

週間日記(2025/09/22-09/28)

2025/09/22 Mon.

 お弁当を作る。中身はアスパラ肉巻き、卵焼き、きんぴら、小松菜ごまあえ、ふりかけごはん。卵1個で作る卵焼きが、今日はいつもよりきれいにできて嬉しい。
 就労移行支援で、療育部門からの依頼業務を終わらせた。その後、スタッフさんとの実習と実習報告会の振り返りがあった。実習報告会は福岡県内の6つの事業所をオンラインで繋いで行われたので、Zoom越しに90人くらいの人が聞いていたことになるらしい。恐ろしい話だけど、向こうの顔や人数が目に見えなかったのでいまいち実感が湧かなくて助かった。先日の実習報告会に点数を付けるとしたら何点かと訊かれたから、発表をした時点で百点満点中120点だと答えた。以前の自分ならああして人前で発表するなんて絶対に考えられなかったのだけど、その頃の様子をスタッフさんにいまいち伝えきれていない気がする。大学生の頃は、グループワークやスライド発表がある講義はどんなに興味があるものでも受講しなかったし、ゼミで発表しなければならない時は必ず頓服薬を飲んでいた。その後実家に帰ってからは近所の人が怖くて庭に出るのも怖かったし、知り合いに会うかもしれないという恐怖でスーパーに行くのにも強い不安が付き纏った。そんな私がなんだかんだを経て人前での発表をやってのけたというのは、私が鉄棒の逆上がりや縄跳びの二重飛びをしたというのと同じくらいには物凄いことなのに(いずれも一切できない)。
 午後は、オンラインで行われる障害者採用の企業説明会に参加してみた。条件としては一般事務の経験者を募集しているとのことだったので私ははなから圏外だけど、「人材」ではなくわざわざ「人財」という当て字をスライドに使っている時点でこちらとしても少し距離を置きたい感じはした。それでも、座ってパソコンを扱う仕事への憧れはなんとなくあるので、別のどこかで挑戦してみたい気はする。仕事内容を見た限り、もう少し社交不安症の症状をましにしないと苦しいと思ったので、久し振りに「治したい」という意欲が湧いた。治さなくても治らなくても楽しく幸せに生きる権利はあると頭では理解しているけれど、治りたいという気持ちを持つことも両立できるはずなので、なりたい状態に少しでも近付けたら良いなと思う。

2025/09/23 Tue.

 就労移行支援。持参した本を読んでも良いかスタッフさんに訊いたらOKとのことだったので、『「他人の目が気になる・こわい」から抜け出す』(松本 一記、吉永 尚紀、翔泳社)を読み、本の中のワークに取り組んだ。
 そのまま天神に行き、パン屋さんでパンとコーヒーの昼食を摂り、バスに乗り込んだ。FUKUOKA EFFECTというガーデニングショップが福岡市西区にあるそうなので、今日はそこに行ってみる。「九州最大級の植物と花」とWebサイトに書かれていたのもあって期待が膨らむ。バスを降りると、大きなアガベがいくつも植えられたドライガーデンが目についた。平日だというのに、お客さんも多い。まずは外の売り場を眺めた。アンティークっぽいニュアンスカラーのトルコキキョウやジニア、コレオプシスの花苗がとてもおしゃれで目を惹く。秋らしいコスモスや吾亦紅、観賞用とうがらしもあれば、ハロウィン用のおもちゃかぼちゃも売られている。夏の名残りで、ハイビスカスや千日紅、エキナセア、ガイラルディアなども咲いている。鮮やかなピンク色のクリスマスベゴニアと、明るい黄色のダールベルクデージーの花苗がケースにぎっしり並んでいてかわいらしい。野葡萄やトクサの苗まで売られていて驚く。オタカンサスやクナウティアといった、名前も存在も知らなかった花の苗もある。ペニセタムやミューレンベルギアなど、ふくちが好きそうなグラス類もある。ハーブ苗も充実。いちごやラズベリー、ブラックベリー、クランベリーなどのベリー類、オリーブ、ジャボチカバ、姫りんご、さんざしなどの果樹もある。盆栽のコーナーもあり、小さな盆栽がたくさん並んでいる。オリーブの苔玉仕立てというものもあった。アガベや多肉植物のコーナーも広く、ドロサンテマム グロボーサムというつぶつぶした変わった葉っぱの多肉植物は、小さいポットながら1株税込5,280円という価格だった。すごい世界だ。植木鉢の売り場もこれまで訪れたどの園芸店よりも数があり、いちごやブロッコリー、あざらしなどの形をした鉢まであった。
 建物の中に入ると、観葉植物や贈答用の鉢植えなどに分けられた色々なコーナーがあり、壁際にはすごい数の胡蝶蘭がそびえ立つように鎮座している。大小さまざまな板付けのコウモリランが壁に掛けられ、あらゆる種類のインドアグリーンが所狭しと並べられている。サボテン類、パキポディウム、アデニウム、ボンバックス、玉ねぎみたいな見た目の蒼角殿もいくつもある。セントポーリアの花もかわいい。店内にはカフェもある。こんな植物に囲まれた空間で飲むコーヒーはさぞおいしいだろうと思ったものの、時間が経つにつれてどんどんお客さんが増えてくるのでぼちぼち撤退することにした。とはいえ迷いに迷ってついに誘惑に負け、真っ赤な葉っぱのアグラオネマ ビューティーと小さな板付けのコウモリラン、エノコログサのような草の穂が描かれた植木鉢を購入した。祖母のアパートにある鉢植えの植え替えを秋に頼まれているので、それ用にかわいい花柄の鉢も買う。植物を買って帰るというのは、本当に愉快な気持ちになる。アグラオネマとコウモリランを大事に抱えてバスに揺られ帰宅。便は1時間に1本程度のようだけど、最寄りのバス停と乗り換えなしで行き来できることを知ってしまった。通うようになったらどうしよう。

2025/09/24 Wed.

 就労移行支援。読書の時間に『ゲリラガーデニング 境界なき庭づくりのためのハンドブック』を読み、広報部の活動で次号のアイデアについての話し合いをした。実習報告会に挑んで多少は度胸がついたのか、話し合いの中で発言することへのハードルがほんの少しだけ下がったような気がする。パソコンで議事録を取る係を担当したら(他にやりたがる人もいないので嬉々としてこればかり引き受けている)、議事録の内容が分かりやすいと褒めてもらえた。
 午後は美容室に行き、色が抜けて明るくなってきていた髪をいつもの暗い焦げ茶色に染め直してもらった。その足で博多駅に行き、丸善と紀伊國屋書店をはしごして社交不安症に関する本を探した。お値段にかなり怯んで迷いはしたものの、これで少しでも症状が改善できてより良い就職に繋がるならという思いで『不安・心配と上手につきあうためのワークブック』(デビッド・A・クラーク、A.T.ベック、岩崎学術出版社)をレジに持って行った。今後も生きていくために何かしらの行動をしている自分に気付いて少し驚く。生きていこうとしていることがかなり嬉しい。
 夜、両親と電話をした。実習報告会で人前での発表をやってのけたこと、その後いろんな利用者さんから声を掛けられて嬉しかったことを嬉々として報告した。学校の教室に友達がたくさんいるみたいな感覚だと父母に話しながら、そんなの一体いつ振りだろうと我ながら思った。中学生以来社交不安症らしき症状が出てきて徐々に人と話すことが減っていったし、中学、高校はクラスから浮いている外れ者同士でつるんでいたから、本当に小学校以来かもしれない。毎朝登校したらクラスメイトにおはよう(ございます)を言って、合間に誰かとちょっとしたおしゃべりをしたりしなかったり、帰る時はさようなら(お疲れさまでした)を言い合う。クラスに馴染んでいる、馴染めている感じ。不思議な感覚だ。

2025/09/25 Thu.

 ぐっすり9時間寝た。休日なのでのんびり朝のコーヒーを楽しもうと思いコーヒーの粉にお湯を注ぐも、なぜかその芳香がない。飲んでみると、苦みも感じられない。どうやら嗅覚がかなり鈍くなっているらしく、醤油の香りも炊きたてのごはんの匂いも分からない。塩味や甘い味などの味は分かるけれど、風味がないので食べ物のおいしさがさっぱり分からなくなってしまっている。風邪っぽい症状もなければ、それらしい心当たりもない。体調は至って普通に元気ではあるものの、人一倍食欲が張っている自覚がある人間にとってこの事態はかなりの一大事だ。おそらく数日も経てば自然に治るのだとしても、食べ物のおいしさが分からないことで確実にメンタルの方に来る。今日一日様子を見て、明日になっても匂いが分からなかったら耳鼻科に行こう。

2025/09/26 Fri.

 就労移行支援には遅刻していく旨を連絡して、耳鼻科に行く。朝一番ではあるけれど、待合室には人が多い。診察で診てもらい、レントゲンを撮ってもらったものの、特に異常はなかった。去年の今頃罹っていた副鼻腔炎でもないらしい。とりあえず鼻炎の薬を出すので、これで治らなかったらまた来るようにとのことだった。
 就労移行支援に遅れて行く。「人が着席して授業などを受けている部屋に途中から入る」という状況に強い不安を感じるので遅刻はしない、もしくは遅刻しそうな時は出席自体を諦めるといった生活を長年送ってきていたけれど、せっかくだから今日は敢えて遅刻からの途中入室に挑戦してみようという気が湧いた。利用者のほとんどが今行われているプログラムの方に意識が向いていたので、部屋に入ってきた私に関心が向くことはほぼなく、安心と拍子抜けがないまぜになった感覚を味わった。当時と今で不安の感じ方が違うこともあるものの、あんなに怖かったはずのものなのに、実はそこまで怖がるべきものではないらしいと思えた。成功体験ではある。自分もプログラムに混ざってスタッフさんの話を聞いていると、ふとコーヒーの香りが漂ってきた(隣にいた利用者さんが飲んでいた)。昨日は全く分からなかったコーヒーの香りを感じられたことが本当に嬉しく、その場で小躍りしたいくらいだった。
 午後、コーヒーの粉を入れている缶を開けてみると、確かに香りがする。まだ万全とは言えないけれど、嗅覚がいくらか戻ってきている! 祈るような気持ちでコーヒーを淹れると、うっすらとではあるがちゃんとその芳香が感じられる。飲んでみると、いつも通りではないものの苦みもある。この調子なら、明日明後日にでも元通りになるのではないだろうか? もう治ったような気がしてきて心底ほっとした。
 今月撮った写真を何枚か選んで小さく印刷して切り取り、手帳に貼ってちょっとしたメモを書き込んだ。楽しい作業だった。
 ふと思い立って自分の誕生日の誕生花を検索してみたら、ゼラニウムとガーベラとあった。子どもの頃に調べた時はコケモモと唐辛子とあって、食べられる赤い実に目がない自分にはぴったりだと思って嬉しかったのに、いつの間にか非常にオーソドックスでありきたりな花に変わってしまっていたらしい。誕生花なんてきちんと定義されたものでもないからこういう変化はあるんだろうけど、ちょっと寂しい。

2025/09/27 Sat.

 バスに乗って、福岡国際会議場へ向かう。バスの窓から、黒と水色の蝶が花壇の千日紅の蜜を吸ってはひらひら飛んでいるのが見えた。ZINEフェス福岡に行き、会場内をうろうろ見て回った。創作意欲に溢れた人達がこんなにいると思うと、なんだかわくわくしてくる。すっかり感化されて、やっぱりいつかはこういう場に売る側として参加してみたいなと強く憧れた。
 夜は、ラテン文化センター ティエンポにフラメンコのライブを観に行った。開場時間より少し早く着いたので、近くのジュンク堂で時間を潰した。レースの白いブラウスと水色のデニム、黒い厚底スニーカーという服装をしていたら、そっくり同じ組み合わせの服を着た人がエスカレーターで前に乗っていてちょっと気まずかった。髪の長さと色も似ていれば、パーマをかけている所まで揃っている。その人は眼鏡こそ掛けていなかったけど、こういうことってあるんだ。ライブの会場に入ると、人が多くてものすごく賑わっている。おっかなびっくりドリンクチケットを提示してオレンジジュースを受け取り、空いている席に座った。ライブはものすごくかっこよかった。フラメンコのことは何も知らず完全に興味本位で来たけれど、これは観に来て良かった。ギターと歌からなる音楽は色々な曲調があって、拍子も分からなければ展開も想像がつかない。クラシック音楽とは全然違う。踊りは、とても力強く迫力がある。階下が心配になるほど(会場はビルの3階だった)、靴底で床を踏み鳴らす音が激しい。手指の動きも独特で、バレエのそれとは全く異なる。表情は笑顔の時もあるけれど、大抵は眉間に皺を寄せた険しい顔をしている。私は客席のちょうど真ん中辺りに座っていたので、目が合ったように感じる度に、蛇に睨まれたカエルのような気持ちを味わった(でも全然嫌じゃない)。曲と踊りが盛り上がってくると、客席からも掛け声が飛ぶ。とにかく踊りがかっこよくて痺れた。素晴らしい芸術を生で見て、手が痛くなるほど力いっぱい拍手をして、大満足で帰った。

2025/09/28 Sun.

 期待を込めてコーヒーを淹れる。ちょっと香りと苦みが感じられるようになってきたけれど、まだ本調子ではない。早く万全の状態でコーヒーを味わいたい。食べ物の匂いと味も、多少は分かるようになってきてひと安心。
 秋っぽいとらふくの絵を描きたくなって、大きなモンブランをつついているとらふくの絵を描いた。色鉛筆を何色も使って、ちょっとずつ色を塗り足していくのは楽しい。デジタルと違って、やり直しがきかないのもスリルがある。
 去年の10月に福岡へ来てからというもの、毎月必ず博物館・美術館・植物園のどれかに行くようにしていたのに、9月はまだどこにも行っていないことに今気付いた。危ないところだった。月曜日は大抵の博物館が休館日なので、チャンスは明後日しかない。

週間日記(2025/09/15-09/21)

2025/09/15 Mon.

 きょうだいが泊まりに来てくれて嬉しいので、浮かれて朝ごはんにフレンチトースト、トマトスープ、ぶどう、水出しアイスコーヒーを用意した。
 後から出かけるきょうだいに送り出されて、就労移行支援に行く。今日は休みにしておくんだった。実習報告会用のスライドと原稿作り。
 そのまま何年振りかの一人カラオケに行き(大学生の頃にオーボエの練習をしに行った時以来)、実習報告会の原稿を読む練習をした。マンションの部屋で練習すると近隣の元気な御老人から怒鳴られるリスクがあるので、近くにカラオケがあって良かった。Zoom越しに聞こえるようにというのはもちろん、それなりに広さがある部屋の中でどれくらいの声量で話せば声が届くのかが分からない。そもそも、自分が日頃その場に合った声の大きさで話せているかどうかすら自信がない。ところが、カラオケ用の部屋は声がよく響くので、結局適切な声の大きさというものはよく分からなかった。ボイスメモアプリで録音した自分の声を聞いてみると、自分では不自然なほどゆっくり読めば他人から聞き取りやすそうな速さになるらしいと分かった。自分で書いた文章だから馴染むのか、心なしか読みやすさはある気がする。明日はどうなるだろうな。
 祖母とメールのやり取り。敬老の日のカードとプレゼントは喜んでもらえたようで何より。

2025/09/16 Tue.

 夕べは夜ふかししたので今日はいっぱい寝ようと思っていたのに、布団に入って2時間くらい寝つけなかった。実習報告会を前にして緊張しているらしい。十分な休息を取るために気休めのヤクルト1000も飲んだのに、眠らないことにはその効果が発揮できない。困る。
 朝起きてお弁当を作る。鶏つくね、卵焼き、きんぴらごぼう、小松菜のごまあえ、ふりかけごはん。おかずを4品詰めると、やっぱり3品の時よりちょっとだけ見栄えが良い。
 就労移行支援で、企業が求める人材について学ぶプログラムを受ける。人材という言葉がどうも好きになれない(食材っぽい)。いわんや「人財」においてをや。
 その合間に、今日通所している利用者一人一人に新しくできた広報紙を配る。ものすごく頑張った。広報部のメンバーで周知係と配布係とに分かれるのだけど、朝礼の時に「新しい広報紙を配布しているのでぜひご覧になってください」と皆の前で周知する係は絶対にやりたくなかったので、そうなると配布係を引き受けることになる。ところが、私の他にもう一人いる配布係の人は一切配ろうとしないので、私一人でせっせと配る羽目になっている。人に話しかけるのは緊張するし、邪魔にならないよう早く渡してしまおうとするほど早口になってしまう。かなり無理をしたので変な汗をかいた。ただ、人の顔と名前を覚えることについて特に苦労をしたことはないという性質が、この配布作業においてはかなり役に立った(どの利用者に配布したか名簿にチェックを記入することになっている)。昼休みが終わる頃には、20人ちょっとの人に配ることができた。
 午後は、問題の実習報告会。フロアで昼礼が行われている間に、小さい別室で練習をさせてもらえた。もう直前だけど。練習が終わった途端に両手がどんどん冷たくなってきて、珍しいこともあるなあと他人事のように思った。やっぱり緊張している。実習報告会は、福岡県内にある6ヶ所の就労移行支援事業所がZoomで繋がって行なうことになっている。ここの事業所だけでフロアには利用者さんが20人ほど、スタッフさんが5人ほどいて、他の事業所の規模は知らないけれどZoom越しにも同じようにそれなりの人数がいることになる。内容は、利用者が行ってきた実習先について紹介したり、実習での学びや課題を共有したりするというもので、今日は3人の利用者が発表をすることになっている。私はトップバッターだった。スタッフさんによる挨拶や説明が終わり、私の発表の番が来て、スライドを一枚ずつ進めながら原稿を読み上げた。とにかくゆっくり、ゆっくり読む。本当にゆっくり読んだせいか、記憶している限りではどもったり噛んだりした所はなかった(と思う)。最後に、他の事業所の利用者さんから来たちょっとした質問を2問ほど回答して(これについてはちゃんと答えられたか分からない)、私の発表は終了。
 いそいそと元いたすみっこの席に戻る途中、発表を聞いてくれていた利用者さん達がにこにこと拍手してくれた。すごい、人って温かい。冷え切っていた両手にもだんだん体温が戻ってきた。それから、色々なタイミングで、スタッフさんや何人もの利用者さんからねぎらったり褒めたりする言葉をかけてもらった。「話すの上手」とか、「部屋のすみにいてもちゃんと聞こえた」とか、「アナウンサーかと思った」とか。早口で滑舌が悪くて時々どもる自分がこんな風に褒めてもらえる機会はなかなかない。「聞き取りやすかった」については、3人の人から言われた。嬉しいので、お世辞も褒め言葉も全部真に受けてしまいたい。スライドについても、分かりやすかったと言われて嬉しかった。こちらも、UDフォントを使ってみたり、読みやすい言い回しを工夫したりと頑張って作ったので、そう言ってもらえると嬉しい。
 発表が無事できたのと、今回の発表が思い出す度に恥ずかしくなるような失敗にならずに済んだのと、発表が終わってから他の利用者さん達何人もから褒めたりねぎらったりしてもらえたのが嬉しかった。まさか、この私が人前で発表してそれをプラスの経験にすることができるなんて。発表ができたらご褒美にお寿司、うまくいかなかったら自分を慰めるためにお寿司を買うと決めていたけれど、嬉しいことに前者のお寿司にありつくことができた。ちょっと良いスーパーで普段なら選択肢にない値段のパック寿司を買って帰り、心の底からほっとしながら頬張った。すごくおいしかった。

Blueskyから
・社交不安障害と診断されて約10年ずっと避け続けてきたものに挑戦したよ それっぽい症状は20年近く前からあったから、三十路の自分がこうして発表したって言ったら中学生の自分はまず信じてくれないと思う
・緊張はめちゃめちゃしたけど大学のゼミ発表の時みたいに頭が真っ白になって逃げ出したくなるほどの緊張ではなくて、原稿をゆっくり読もうと意識し続けることができるくらいの緊張だった こんなの昔に比べたら緊張とも呼べない程度の緊張
・主治医の先生〜〜〜〜!!!!!この私が頓服薬も無しで人前で発表をしてしまいましてよ!!!!驚いてください!!!!!
・かつてはあんなに恐ろしいと思ってたことなのに、やってみればなんとかなって、なんか、こういうのでいいんだ…??と若干拍子抜けもしている
・前職の園芸店でやった店内放送もだけど、他の人が嫌がってやらないならじゃあ私がとか、自分が発表することが他の利用者さんの参考になるなら引き受けますとか、人のためだと結構頑張れるのかもしれない
・発表の中で自分は社交不安症という病気だから人前で話すのが苦手って話したんだけど、社交不安症って同じ病気の人にリアルではなかなか出会えないから「この病気の人って身近にいるんだ!」って同じ病気の仲間に思ってもらえたら嬉しいな〜と

2025/09/17 Wed.

 就労移行支援。今日も一人でせっせと広報紙を配る。
 昨日の実習報告会での発表の時に隣にいたスタッフさんから、「発表が終わった時に息切れしてましたけど、大丈夫でしたか?」と訊かれて、大いに動揺した。純粋な善意と心配から尋ねてくれたことは理解しているものの、全く自覚していなかった「様子のおかしい状態」を他人から指摘されて社交不安症患者が平静でいられる訳がない。赤面恐怖の人に「顔赤いですよ」とか、書字恐怖の人に「手が震えてますよ、大丈夫ですか」とか言ってるようなものだと思う。「やっぱり人前に出ている自分って様子がおかしいんだ、不自然なんだ、変に思われているんだ」という不安を強化させるには十分な一言だ。被害妄想と言われたとしても、そもそもがそういう病気だし。昨日は発表が無事終わってほっとしていて、逃げ出さずにそれらしい発表ができてこれは自信と経験値になるなとほくほくしていたのに、今日のスタッフさんの言葉でかなり揺さ振られて不安になってしまった。悪意からのものではないだけにやりきれない。あんなにゆっくり長々と話すことなんてないから満足に息を吸えていなかったのと、マスクを着けていたから息苦しかったのとで息切れっぽくなっていたんだろうと想像はつくものの、「人前に出ると緊張して不自然に息が上がる自分」というイメージをはっきり認識させられてしまった。あーあ。
 就労移行支援のスタッフさんは皆さん優しいし、親身になろうとしてくれているのは分かっているけれど、精神疾患のことについてもうちょっとだけ知っていてくれると嬉しいなと思うことは時々ある。こういう病気で、こういう場面にこういう症状が出て、といった具合に利用者に全部説明させないでほしいと思う。医療ではないし、完璧に理解してもらえるということはないと思うけれども、利用者を教科書にしないでほしい。
 就労移行支援が終わってそのままコメダ珈琲店に行き、アイスコーヒーとドミグラスバーガーでお昼。おいしかった。天神で用事を済ませ、せっかく近くに来たからとジュンク堂書店に寄ってみた。かつてジュンク堂のフロアだった1階は洋服屋さんになっていて、本屋が洋服屋に取って代わられたことで棲みかを追われた野生動物のような気持ちを味わった。2階と3階だけになったジュンク堂をうろうろ眺める。ロビン・ダンバー著『宗教の起源』という本がおもしろそうだと思ったけれど、今の自分ではすっかり本を読めなくなっているから読むのは難しいだろうな。
 帰宅して、明日の日帰り旅のしおりを作った。しおりを作ること自体が楽しいのもそうだけど、万が一スマホが使えなくなった場合でもちゃんと帰ってこられるように交通手段を調べて手元に持っておくという目的もある。心配性の人間が安心して旅行を楽しむための策。

2025/09/18 Thu.

 以前から行きたいと思っていた日帰り旅行へ。ところが、最初に乗ろうとしていた電車が、落雷の影響による信号トラブルで大幅に遅延とのこと。同じく遅延している特急が来たのでそれに乗ってみたところ、予定より少し早く乗り換えの駅に着いた。いつまでも読み終わらない『金枝篇』の続きを読む。人間の頭が神聖なものだとされる辺り。揺れる電車の中で突っ立って本を読むのは難しい。
 久留米駅で降りて、路線バスに乗り換える。聞こえてきたバス停の漢字表記をてっきり「護国神社」だとばかり思っていたら、なんと「五穀神社」だった。「護国」なんかよりこっちの方が絶対に良い。久留米大学前駅から再び電車に乗る。車内は乗客が少なくのんびりしていて、車窓から見える山や田畑は地元の風景によく似ていた。田んぼには金色の稲穂が頭を垂れていて、ところどころに黄花コスモスと百日草の花が咲いている。柿やりんごのような実も生っているのが見える。乗車した駅の様子を思い出してふと不安になり検索してみたところ、この後降りる予定の駅は交通系ICカードが使えないらしい。しまった。交通系ICカードが使える最後の駅である善導寺駅で一度改札を通り、慌てて切符を買おうとするも券売機が見当たらず、駅員もいない。どうやって乗れば良いのか混乱し、せっかく下車したのにまたnimocaを機械に通してホームに戻ってしまった。今乗ってきた電車に戻り損ねると次の便は1時間後になる。とりあえず再び発車した電車に揺られ、筑後吉井駅で降りた。幸い駅員の人がいたので、nimocaが使える駅で手続きをするようにとの説明を受け、現金で運賃を支払った。お手数お掛けしました。駅の建物の前には柘榴の木が植わっていて、大きな実をいくつかつけていた。
 白壁の街並みを眺めながら歩き、ネットで調べておいたごはん屋さんに行ってみた。ところが、今は予約で満席らしい。諦めて第二候補のスパイスカレー屋さんへ向かうと、今度は店休日だった。3軒目でようやくお昼ごはんにありつくことができ、おにぎり屋 COMECOでおにぎり2個のランチプレートを頂いた。おにぎりはもちろん、お味噌汁もおかずもおいしかった。セットに含まれているデザートにはチーズケーキらしきものが出てきて(多分米粉が使われている)、これがしっとりした食感でおいしかった。ホールで食べたい。
 今日のうきは旅行の目的は大きく2つ、MINOU BOOKSと道の駅うきはに行くことなので、さっそくMINOU BOOKSの方へ向かう。Instagramを見ると今日は開店時間が通常より一時間遅れるとのことだったので、のんびりお昼を食べてちょうど良い時間になった。店内はおしゃれだけど落ち着いた雰囲気で、私でもゆっくり見て回れた(おしゃれな空間には逃げ腰になりがちなので)。フェミニズムやジェンダー、心身の障害、政治に関する本も色々置いてあるので、それが一層安心させてくれる。こういう本屋さんがある町っていいなあ。迷いに迷って、以前から読んでみたいと思っていたヴァージニア・ウルフ『自分ひとりの部屋』と、ネットで見て気になっていたZINE、春の野花が描かれたポストカードをレジに持って行った。せっかくだから、『自分ひとりの~』にはブックカバーをかけてもらった。きれいな風景の写真がプリントされたカバーだったので、「きれいな写真ですね」と店員さんに言うと、店主さんが撮った耳納連山の写真なのだと教えてもらった。ここに来て初めて、店名の「MINOU」という見慣れぬ単語と、今日時々見かけた「耳納」という地名とが結びついて、耳を納めると書いて「みのう」と読むのかと納得した。
 素敵な本屋さんを後にして、近くの和菓子屋さんをはしごした。ひた屋福富では、自分用のお菓子に加えて、父母と祖母へのおみやげに良さそうな日持ちのするサブレも買えた。河童菓庵あけぼのでも自分用にお菓子を買い、店内が河童だらけだったので店員さんに思わず「河童がいっぱいですね」と話しかけると、先代の方が河童好きで、全国各地の出かけた先で買い集めてきたのだと教えてくれた。すごいコレクター魂。
 街を歩いていると、石でできた河童のオブジェに時折出会う。真っ赤な花を咲かせたるこう草と彼岸花、青い実をたくさんつけたカリン、川沿いに植えられた柳、赤い実をつけたヤマボウシとハナミズキ、こんもりと咲いたボタンクサギの写真を撮った。ベンチが多いのが嬉しい。のんびり歩いて筑後吉井駅に戻り、切符を買おうと財布を開いて気付いた。小銭も足りなければ千円札もない。券売機ではお札は千円札しか使えない。慌てて5分歩いて最寄りのコンビニに行き、干し梅ひとつを買って万札を崩した。電車が発車するぎりぎりの時間に駅へ戻って慌てて切符を買うも、列車は5分遅延しているとの放送が聞こえてきた。だったらもうちょっとゆっくり歩いても良かったのかも。
 無人のうきは駅で降り、駅前にいたタクシーに乗って道の駅うきはへ向かう。福岡市から来たならここは田舎でしょうと運転手さんに言われたので、「昔ながらのお店があって、山が近くて畑があって、おしゃれなカフェができている所が自分の地元と似ている」という旨を伝えると、「それは似てますね」と笑っていた。
 道の駅うきはは賑わっていた。梨やぶどう、柿、栗などの秋の果物や地元産の野菜、おみやげ品などが店内に並んでいる。お弁当がやたらおいしそうで、この後2時間かけて帰るのでなければ買って帰りたいくらいだった。それでもここに来た以上果物は買いたいので、ずっしりと重たい梨と、大粒のピオーネを購入。展望台からの眺めがすごく良くて、何枚か写真を撮った。山と田んぼがある風景って本当にほっとする。期間限定のピオーネソフトクリームも買って食べた。旅先でソフトクリームを買って食べるのって、なんでこんなにわくわくするんだろう。
 しばらく座って休息したせいかまだ歩ける気がしてきて、うきは駅まで歩いて戻ることにしてみた。タクシーに頼めば5分で着くけれど、お金はかかるし、電話をかけるのが気乗りしない。地図アプリで見ると、徒歩42分とある。多分いける。国道210号線をひたすら歩いた。見知らぬ土地だから、物珍しくて退屈しない。田んぼ、畑、山、川、葛、オドリコソウ、アカメガシワ、チャノキ、いちじく、ぼこぼこに歪んだ歩道のアスファルト。何もかもにものすごく親近感が湧く。草刈りの後の青い匂いがして、虫の声が聞こえて、地元の雰囲気とあまりにも似ている。空気の匂いが全く同じだ。ニラやカンナ、ヤナギバルイラソウの花があちこちに咲いているのも見かけた。夏の盛りを過ぎたとはいえ歩くと汗はかくので、さっきコンビニで買った干し梅がおいしい。今にも雨が降り出しそうな曇り空の下を歩き、ぎりぎり降り始める前に駅へ着くことができた。うきは駅の近くにも柘榴が植わっていて、ここにも大きな実がいくつも生っていた。駅のホームには草いちごが生えている。今は時期じゃないけれど、野いちごが食べられる駅っていいな。
 電車からの景色は、やっぱり地元に似ている。久留米駅のホームで乗り換えの快速を待っていたら、なぜか豚骨ラーメンの匂いが漂ってくる。どこかの乗り場にでもラーメン屋さんがあるんだろうか。博多駅で降りて地下鉄に乗り、無事帰宅。今日の歩数は約16,000歩になった。お風呂と晩ごはんを済ませ、さっそく梨を1個剥いて食べた。みずみずしくて甘さも酸味もちゃんとあって、おいしかった。良い日帰り旅ができて満足。

2025/09/19 Fri.

 朝、マンションを出ると外の空気が秋の空気だった。少し涼しくなった気温以外に何がどう秋なのか説明できないけれど(日差しとか?)、秋らしい空気。
 就労移行支援で、就労移行支援の事業所と同じ会社がやっている療育部門からの依頼業務なるものをやる。子どもさん達が工作に使う材料を準備するというもので、コピー用紙に印刷された秋らしいモチーフのイラストをひたすらはさみで切り取っていくという作業。私の担当した分は全て真っ黒なコウモリのイラストだった。ハロウィン用かな。結構な枚数があるので、せっせと切っていく。Excelで数式とにらめっこするよりはずっと楽しい。
 午後は、溜め込んでいた分の日記を一気に書いた。ずぼらなやり方ではあるけれど、日記を書くと、なんだかんだ自分の日々も充実しているものらしいぞと思えてくる。

2025/09/20 Sat.

 少し前にパーマをかけたばかりなのに、髪を切りたくなった。うんと短いショートにしたい。
 就労移行支援で、療育部門からの依頼業務。ひたすらコウモリを量産する。
 午後、以前買ってまだ読んでいなかったZINEを3冊読んだ。活字を見ると目が滑るけれど、それでもなんとか読む。恋愛に関するものを読んでTinderを再開してみたくなったり、ファッションに関するものを読んでいつかピンクハウスの服を着てみたいなと思ったりした。影響されやすい。

2025/09/21 Sun.

 10時間以上寝た。ぐっすり眠って心身が休まった感じがする。喉が渇いたので、朝ごはんに梨を剥いて食べたらおいしかった。
 野菜を切って冷凍して、お弁当用に小松菜を茹でたり、きんぴらを作ったりしてこれも冷凍した。ごはんも炊いて冷凍。一日パジャマでのんびり過ごした。冷房をつけるか迷うくらいの微妙な室温。そのうち、アイスコーヒーを作って飲む季節も終わる。

週間日記(2025/09/08-09/14)

2025/09/08 Mon.

 夜中、皆既月食を窓越しにちらっと見た。その間、ふくちがごろごろと喉を鳴らしながらすり寄って頭突きを繰り返してきてかわいかった。
 午前中は2時間庭の草取りをやった。真夏だから、さすがに咲いている花が少ない。百日紅と百合だけ咲いている。畑のさつまいもにはでかくて柔らかくて脚の多い虫が何匹もしがみついていて、葉という葉が食い荒らされている。少しだけ土を掘ってみると、小さめの芋ができていた。でも、虫だらけであまり近付きたくないので、芋掘りは来月にしたい。作業を始めるまでは面倒だけど、草むしりはやり出すとなぜかおもしろい。地面から雑草を引き抜く感触がとにかく愉快だ。着ているポロシャツを絞れそうなほど汗をかき、久し振りのしゃがみ仕事で腰痛一歩手前の状態になった。
 祖母のアパートへ遊びに行き、お昼ごはんとおやつを食べて、おしゃべりしたり一緒にクロスワードを解いたり。おみやげも喜んでもらえた。
 晩ごはんは、チキンクリームコロッケとにんじんのポタージュを作った。柔らかいホワイトソースをコロッケの形に形成するのが本当に難しくて、プリンセストータよりも作るのが大変だった。
 父母が社会人弦楽アンサンブルの練習に行ったので、ひたすらとらちを構う。ころんころんと床に寝転がるのを撫で、専用のブラシ付き手袋でブラッシングをした。甘えん坊ですごくかわいい。新聞を敷いてみたら、さっそくその上にくつろいでいた。猫ってなんで新聞紙が好きなんだろう。

2025/09/09 Tue.

 今回の帰省では、毎晩ふくちが私の布団に寝に来てくれた。嬉しい。
 猫の写真を約160枚撮って帰省終了、福岡に戻る。高速バスの中で爆睡した。
 一人暮らしのマンションに戻ってきて荷解きをした後、母が持たせてくれたお弁当を食べた。使い捨てのプラ容器におかずがぎっしり詰まっていて、おにぎりが3つも添えてある。おいしかった。

2025/09/10 Wed.

 就労移行支援の事業所に行く途中にある花壇の植物が抜かれて、土が耕されていた。秋の花を植えるんだろうか。
 就労移行支援で、隔週の読書の時間に佐藤春夫の『田園の憂鬱』を読み返した。薄い文庫本ではあるけど、久し振りに本を一冊読み切ることができて嬉しい。「そこには、百合と百日紅とが咲いて居た」という一文があって、つい一昨日自分が日記に書いたばかりの文章が似ていたからびっくりした。それにしても、「神経質かつ内向的でプライドの高いインテリ青年が夢破れ恋に破れ悩み苦しみ憂鬱、苦悩、煩悶、葛藤など鬱屈とした感情をこじらせた挙句精神に異常を来たしやがてゆっくり破滅に向かっていくような文学作品」は本当に大好きだ。読書の後は、広報部のメンバーで今月分の広報紙を作る作業。私がPowerPointを操作してレイアウトを作り、それをホワイトボードに投影しながら、他の利用者の人達とああでもないこうでもないと意見を出し合った。
 生きていると何が起こるか分からないというのは本当にそうで、来週どうやら自分は人前で発表をすることになったらしい。信じられなさ過ぎて、まだ現実味がない。就労移行支援のスタッフさんから、先日行った実習について実習報告会で発表しないかと言われた。それに頷いてしまった。聞く側として報告会に参加したことはあるけれど、発表するとなると就労移行支援のスタッフさんや他の利用者さん達が聞いている状況でZoom越しに話すことになる。しかも、Zoomの先にはまた別の事業所(複数)のスタッフさんや利用者さん達が聞いている。数年前までの自分だったら恐ろしくて絶対に挑戦しなかったけど、今は「もしこれをこなせたらかなりの自信がつくし、相当な経験値が稼げるな」と目論んでしまっている。できなかった時のことは考えないようにしている。なんとかならなくても、なるようになるので(多分)。
 皮膚科に行き、帰りにミスドへ寄った。冷凍しておく用にと欲張った個数を買ったので、テンションの上がる長い紙箱に入れてもらえた。それを持って歩いていたら、通りすがりの小学生グループに「ミスドすぎる!」「ポンデリング入っとるかな」と話題のネタにされた。分かる。この箱はミスドすぎるし、ポンデリングもおいしいよね。帰宅して、さっそくドーナツを食べた。秋限定のさつまいものブリュレドーナツ?がすごくおいしかった。生地がさつまいもの味でしっとりほくほくしていて、表面にたっぷりかかったばりばり食感のカラメルもおいしい。これは期間中にもう一度食べたい。ハニーディップはレンジで10秒温めるととんでもなくおいしくなる。オールドファッションのハニー、シナモン、チョコは冷凍してまた後日食べるつもり。
 敬老の日のカードを描いた。誕生日に描いた祖母の似顔絵を祖母がいたく気に入ってくれたので、今回も祖母の絵を描いてみた。芸術の秋っぽく、歌っている祖母ととらふく、その様子を絵に描いている私という図を描いた。秋なので、コスモスやもみじの絵も添えた。ボールペンでの線画ができたので、明日は色を塗る。

2025/09/11 Thu.

 予約した美容室へ。都会は通いやすい値段の美容室があるし、何よりネット予約ができるので本当にありがたい。ウォーターパーマで髪をくるくるにしてもらい、少し梳いて量を減らしてもらった。髪がくるくるしていると、なぜか愉快な気分になれて良い。帰り道は風が強く、建物のガラス窓に映った自分の頭がドゥダメルにそっくりだった。ヒナステラの曲でも指揮しようか。昨日掘り返されていた花壇には、マリーゴールドと千日紅、アキランサスが植えられていた。なるほど秋の花だ。
 祖母宛ての敬老の日のカード作りの続き。スキャンした線画を、A5サイズに切った白い画用紙に印刷した。ポストカードの方が一般的な大きさだろうけど、こっちの方が見やすくて良い気がする。プリンターを買って本当に良かった。色鉛筆でせっせと色塗り。楽しい。

2025/09/12 Fri.

 就労移行支援で、相談支援と就労移行支援それぞれのスタッフさんと3人で面談があった。相談支援事業のスタッフさんが「生活などで困っていることはないか」と尋ねてくれるものの、3ヶ月おきにしか会わないのもあってかどうにも相談しづらく、あまりないと答えてしまった。私が心を開けていないだけなのかもしれないけど、なんとなく頼りづらいと感じてしまう。
 面談の後は、来週使うPowerPointのスライドを作った。本当に人前で発表するんだろうか。自分が?
 就労移行支援が終わって、郵便局で敬老の日のカードを発送した。敬老の日当日に間に合うそうで良かった。そのまま駅から電車に乗り、遊びに出かけた。一度行ってみたいと思っていた福岡の園芸店「平田ナーセリー」の最寄りの店舗に向かう。途中、太平閣という肉まん屋さんで温かい肉まんを2個買い、人が少ないのを良いことにそれを頬張りながら歩いた。生地がふかふかで、中にお肉がぎっしり詰まっていておいしかった。つぼみをたくさんつけたおしろい花や側溝から芽を出した朝顔、いくつも生えている大きなカラカサタケらしききのこの写真を撮り、地図アプリを見るのをさぼったせいで何度も道を間違えながら知らない土地を歩くのは楽しかった。
 平田ナーセリーに行って驚いたのは、以前2年ちょっとバイトとして働いた園芸店があまりにもここの店舗を真似しすぎているのではないかということだった。センスが良いなとこっそり思っていたけど、まさか完璧なお手本があったとは。全然関係ない会社だろうに、こんなことをして良いんだろうか。そう怪訝に思いはしたものの、園芸店という場所はなんだかんだ楽しい。アガベや亀甲竜、コウモリラン、エアプランツ、アデニウム、ユーフォルビア、フィカス、カラテア、アグラオネマ、パキラ、かつて毎日のように水をやって世話をしていた植物達がずらりと並んでいる。私が大好きな幻覚サボテン、ロホホラもいくつかある(銀冠玉という品種)。外売り場は、ジニアやマリーゴールド、千日紅、マム、トレニア、トルコキキョウ、観賞用トウガラシなど秋らしい植物にラインナップが移り変わっていくところだった。店内をうろうろ歩き回って結局何も買わなかったけれど(日当たりの悪い北向きの部屋で、しかもしょっちゅう帰省で部屋を空けるので新しい植物を育てる自信がなくなってきている)、植物だらけの場所に行くというのはやっぱり良い。
 夜、食器洗いも洗濯も終わらせて、お風呂上がりにサクレレモン(氷菓)を食べているという幸せな時間のはずなのに、Blueskyにひたすら愚痴を書き連ねた。メンタルが健康で、健全な人間関係を築くことのできる人間は、きっと愚痴や悩みも生身の人間に打ち明けることができるのかもしれない。想像がつかないけれども。

Blueskyから
・相談支援の職員さんに「困ってることはないですか」と訊かれて特にないと答えたんだけど、困ってることがないか人から訊かれて答えられないことが困ってることかもしれない 他人に相談したり頼ったりするという選択肢がそもそもないから「人に言ってもな…」みたいに思ってしまう
・困りごとを人に話して良かったという経験をあまり記憶していないので(臨床心理士の先生によるカウンセリングを除き)、勇気を出して慣れない相談じみたことをしてみたところで「そうなんだ、自分もこういうことがあってさあ云々」みたいにその人のターンに突入してひたすらこちらが聞き役に回り相槌を打ち慰めたり励ましたりするみたいな羽目に陥ることが多いから、ほんとに、人に話したところでな~~~と
・他人の話の聞き役に回ることは全然嫌とかないんだけど、私もちょこっとくらい話す側に回ってみたいなという欲がある でも話すの下手だし自分の話を長めに繰り広げる度胸もないから結局全肯定相槌botになり果てるしかない
・Blueskyをご覧の通り本当は隙自語だ~~い好きなのにね 我こそはネット弁慶
・私の性格の最悪なところのひとつは全然そんなこと微塵も思ってないのに「やっぱり人に話すとちょっと落ち着くね~」とか「話して良かった~!」とか自動で言っちゃうところ 相手にこう言ったら喜んでくれるかなみたいなご機嫌伺いをするのがデフォになってるから、そういうのはむしろ失礼だとか冷静に考える前に脳と口が勝手におべっかを使ってしまう、最悪!!!!
・相手の気持ちが分かるとかそういうHSP()的なものではなく、ただただ自分が嫌われたり見捨てられたりするのが怖くてがっかりされないように「こうしたら相手の気分を良くすることができて結果として自分を良く思ってもらえるんじゃないか」という強迫観念じみた思い込みに振り回されているだけです 相手の気持ちを考えてるんじゃなくて自分がどう思われるかを気にしているだけ
・本当に性格が終わっているので、支援者側としては困ってることはないか尋ねて「ない」と答えられれば安心したりもするのかな~とか思ってしまう 困っていることは色々あるけどそれを伝えることができないです!!でもそれを汲み取られてしまうと他人(支援者)に心配されてしまうので全力で察されないように振る舞ってしまいます!!!ピエロ!!!!!!
・ちょっとした課題について支援者の人と話していて「どうしたらそれができるようになると思いますか?こういうサポートがあればとか、こういう訓練をしていったらとか…」みたいに訊かれて、本当は「それができないのがこの病気の症状だから専門家に心理療法を受けるしかないんじゃないかと思う」と答えたいんだけど結局相手の顔色を窺っちゃうから「就労移行支援の訓練中にこういう練習をしていったらいいのかなと思います」みたいなことを言っちゃう
・田園繋がりでさっそく隙自語すると数年前に自殺未遂を図った日の翌朝目が覚めた時に頭の中で流れてた曲がベートーヴェンの田園の冒頭だった 今検索したら第1楽章のタイトルが「田舎に到着した時の愉快な感情の目覚め」とあって愉快
・私の中ではむちゃくちゃおもしろいできごとなんだけど迂闊に人に言えない話、服毒した時に頭の中で流れてた曲がパドストウのライフボート(救命艇) 未遂に終わる気満々すぎる

2025/09/13 Sat.

 就労移行支援を休んだ。というのも、数日前から両のふくらはぎに筋肉痛のような痛みがあり、なかなか治らないためだ。階段の昇り降りのようにふくらはぎに力を入れる動作ではかなり痛むものの、平地を歩く分にはそこまで気にならないので構わず歩き回っていた。とはいえ、筋肉痛にしては長引いている気がするし、それらしい心当たりもない。今日の午前中を逃してはまた月曜日まで病院に行けないので、初めて行く整形外科を受診してみた。問診があり、神経痛の可能性もなくはないからと腰のレントゲンまで撮ってもらい、結局出た診断は「筋肉痛」とのことだった。数日経てば治るらしい。処方された湿布の枚数に慄く。毎日貼っても1ヶ月分はある。こんなに要る?
 単なる筋肉痛だと分かれば心なしか痛みも軽くなり、当初の予定通りうきうきと護国神社の蚤の市へ向かった。護国神社という場所だからそれもそうなのだけど、「知っていますか 命をかけて私たちを守ってくれた人たちのこと」というキャッチコピーのポスターが掲示されていて、ぎょっとしてしまった。調べてみると(あまり調べたくなかったけど)、全国護国神社会なるもののポスターらしい。本当に、他国を侵略しに行った側の国が何を言っているんだろう。私なら「知っていますか 自分達は安全な場所で生き延びておきながら大勢の人々を死に追いやった人たちのことを」みたいに言い換えたいかもしれない。あまりうまくもないか。
 護国神社という存在にもやもやしたものを抱えつつも、蚤の市自体は楽しかった。焼き菓子やハンドメイド作品、食器、紙小物などの売り場をひと通り眺めた後、いかにもおいしそうな匂いを周囲に漂わせているお店でパエリアを買って食べた。前回の蚤の市に来た時には長い行列ができていて買うのを断念したのだけど、今回はちょうど列ができていないタイミングで買うことができた。いかや海老、パプリカなどの具が載ったパエリアはすごくおいしかった。特にムール貝がやたらおいしい。これだけをいっぱい食べてみたいくらい。お値段はしたけれど、後悔はないおいしさだった。スパイスカレーや大鶏排(いつか食べてみたいと思って憧れている)、魯肉飯、ちまきなどおいしそうなごはんが他にも色々あってすごく目移りするものの、あのパエリアを食べたのだからと穏やかな気持ちでいられた。一連のお店を再度眺め歩いて、自分用に焼き菓子を2個(キャロットケーキ、メープルとオールスパイスのサブレ)、祖母へのおみやげ用にと羊毛フェルトで作られた小さなだるまの人形を買った。木いちごやブルーベリーの小さい盆栽がすごくかわいくて、いつか私は盆栽に手を出してしまう日が来るんだろうかとちょっと思った。サボテンや多肉植物を売っているお店では、ロホホラ(銀冠玉)も何鉢かあった。自分の部屋に5鉢あるのを毎日見ているとはいえ、2日続けて違う場所でこの幻覚サボテンを目にすることができるなんてラッキーかもしれない。せっかくこういうイベントに来たのだからプロの淹れるおいしいコーヒーが飲みたいと思い、コーヒー屋さんで水出しのアイスコーヒーを一杯買って木陰で飲んだ。苦みの少ないすっきりした味わいでおいしかった。屋外で飲むと一層おいしい気がする。境内の芝生に生えた小さなきのこを写真に撮って、地下鉄に乗り帰宅。
 夜、実習報告会の発表用の原稿を作った。大体できたので、練習として読み上げてみた。ボイスメモアプリで録音してみて、おっかなびっくり聞いてみたら、あんなにゆっくり読むことを心掛けたのになあと思う速さだった。滑舌も悪い。

2025/09/14 Sun.

 家事を色々。野菜を切って冷凍したり、きょうだいの一人が泊まりに来るからとあちこち片付けだの掃除だのをしたり。見栄っ張りなので、人が来てくれるとなると嫌いな掃除のモチベーションになるので助かる。
 夜、駅まできょうだいを迎えに行く。こんな時間だというのに外はあちこちに若者が出歩いていて、居酒屋や焼き肉店の窓から漏れ出る光が明るい。きょうだいと落ち合うと、お互いにおしゃべりが止まらなくてすごく楽しかった。

週間日記(2025/09/01-09/07)

2025/09/01 Mon.

 お弁当を作る。いんげんの肉巻き、卵焼き、きんぴらごぼう、ほうれん草のごまあえ、ふりかけごはん。おかずを4品詰めてみたら、隙間が埋まってちょうど良い感じになった。
 就労移行支援に行き、情報処理技能検定試験(表計算)と文章入力スピード認定試験(日本語)の過去問に取り組む。日本情報処理検定協会のサイトを見てみたら個人でもそれらを受験できるとあったので、試験会場に指定されているパソコン教室に問い合わせのメールを送ってみた。MOSほど受験料が高額な訳ではないし、受験できるといいな。
 就労移行支援のスタッフさんと話していて、「自己分析がよくできている」と言われた。自分の「生きづらさ」で素人四コマ漫画を200ページ描いたくらいには「自己分析」をしているので、まんざらでもない気持ち。
 用事を済ませがてら、足を延ばして近くの本屋さんへ行ってみた。ところが、今日は定休日だった。ただむやみに歩き回っただけになったけど、運動になったからいいか。

2025/09/02 Tue.

 就労移行支援で、情報処理技能検定試験(表計算)の4級から準1級を解く。
 スーパーで買ってきた玉ねぎやキャベツを切って冷凍した。一人暮らしなのに、徳用の7個入り玉ねぎを買ってしまった。3個200円と7個300円だったら、後者を買いたくなるのは仕方ないと思う。

2025/09/03 Wed.

 就労移行支援。PowerPointを扱う練習がてら、広報紙のレイアウトを作って遊んだ。数字だらけのExcelなんかよりずっと楽しい。
 コメダ珈琲店に行き、今日から発売のお月見フルムーンバーガーを食べた。おいしかったけど、分厚いのでかぶりつくのが大変だった。アイスコーヒーもおいしかった。天神まで行って、気になっていたLAKAのフルーティーグラムティントを買ってみた。ここしばらくはずっとKATEのリップモンスターばっかり使っていたから、新しくリップを買うのはすごく久し振りだ。ロフトのコスメ売り場は華やかで、きれいな女性だらけ(に見える)なのでいたたまれない。文房具売り場に移動するとほっとした。帰りにコーヒー豆を売っているらしいお店の前を通ったら、焙煎しているであろうコーヒー豆の香りが漂ってきた。甘くて香ばしくて、ものすごく良い香りだ。いつかここのコーヒーを飲んでみたい。
 帰宅して、先日作ったオーブン陶芸用粘土の置物を焼成した。色がかなり白っぽくなったので、乾燥はできているんだと思う。ところが、焼き上がると6個中4個にひびが入ってしまっていた。うまくできたら家族にプレゼントしたいななどと考えていたので、残念。作る過程は楽しめたから良しとしよう。

2025/09/04 Thu.

 明日から4泊帰省するので、いそいそと荷造り。それから、歩いて5分の場所にあるおしゃれなケーキ屋さん兼カフェに行き、家族へのおみやげにしようと焼き菓子をいくつか買った。お店も店員さんもおしゃれすぎて、かなり気後れしてしまう。コンプレックスや自意識を気にせずおしゃれな空間を楽しめるようになる日は来るんだろうか。そういう自分はちょっと想像がつかない。
 頼まれた絵を仕上げる。いくつかパターンを描いたので、後はその中から良さそうなものを選んでもらおう。期待を裏切りたくないけど、私の画力ではこれが精いっぱい。

2025/09/05 Fri.

 就労移行支援で、情報処理技能検定試験(表計算)の4級から1級。
 終わってからマンションに戻ってキャリーを取ってきて、高速バスで帰省した。途中、高速道路で事故があった影響で下道を迂回することになり、予定の時間より1時間ほど遅れて地元に帰り着いた。
 実家では、とらふくが揃って出迎えてくれた。とてもかわいい。

Blueskyから
・久し振りに新幹線でなく高速バスで帰省してるんだけど、事故で高速道路が止まってたので下道を迂回することになりどう考えても予約してたタクシーの時間には間に合わずキャンセルの電話をしなければならないが、静かなバスの中で電話をするという行為が途方もなく無理すぎてどうしよどうしよもうすぐ予約の時間になっちゃうまだ下道走ってるしウワーーーッとかなり内心慌てていたところで高速道路に再び入り、しかもすぐサービスエリアに停まってくれたので無事車外でキャンセルの電話ができた 良かった〜〜〜〜
・人のいる場所で電話をすることに不安を感じるという症状があるとこういう場面で困るんだね…

2025/09/06 Sat.

 夜はふくちと寝た。寝ている私の周りをうろうろ歩き回るので、夢うつつの状態で撫でた。その後、足元で長くなって寝ていた。
 精神科の診察に行く。8週間分のいつもの薬を処方してもらった。
 午後、リラックスチェアに座っていたら、ふくちが膝の上に乗ってきた。あごを撫でると喉をごろごろと鳴らしていて、ものすごくかわいかった。テレビで父が観ていたベルリン・フィルのワルトビューネコンサートの映像をなんとなく一緒に観た。指揮はドゥダメル。ライアン・スピード・グリーンという歌手の方の歌い方や表情が良くて、特にコープランド作曲の「アメリカの古い歌」という曲が楽しかった。ガブリエル・オルティス作曲の「青い鹿」という曲は、舞台「魔法使いの約束」の南祝祭の「大地の行方」とリズムが似ていて、自分はこの拍子が妙に好きだなと思った。聴いていて気持ちが良い。オルティスという名前もまほやく繋がりだし。

2025/09/07 Sun.

 プリンセストータというケーキを作って食べてみたかったので、買い揃えてきた材料を使って挑戦してみた。スポンジケーキを焼き、マジパンを作り、ケーキを組み立てる。下からスポンジ、ラズベリージャム、スポンジ、カスタードクリーム、スポンジ、ホイップクリームという順に重ねて、薄緑色のマジパンで覆い、ピンク色のマジパンで作ったバラをてっぺんに飾って完成。マジパン細工のバラを作るのが難しかった。ホイップクリームはいつもの安い植物性ではなくちゃんと脂肪分のある動物性のものを使ったせいか、泡立て方が緩くなってしまった。薄緑のマジパンを少し残しておいて、すみっコぐらしのぺんぎん?を作ってみた。カスタードクリームでくちばしを作り、コーヒーの粉で目を付けたところ、父母に大ウケだった。プリンセストータはおいしかったけれど、ものすごく甘かった。いかにも海外のケーキという感じがする。コーヒーがいくらでも飲めそうな甘さだった。一度作ったら満足かもしれない。

週間日記(2025/08/25-08/31)

2025/08/25 Mon.

 お弁当を作る。いんげんの肉巻き、にんじんと椎茸の煮物、ほうれん草のごまあえ、ふりかけごはん。
 就労移行支援。午前中はMOSのWordのテキストにある模擬試験の問題を解き、午後はコミュニケーションの中での話の聞き方について学ぶプログラムを受講した。
 祖母に贈る敬老の日のプレゼントを注文。色合いのきれいな巾着袋にしようかとか、木製の菓子鉢もいいなとか、季節感のあるモチーフのふきよせもかわいいかもとか、しばらく前から色々考えていた。結局、花のような形のかりんとうの詰め合わせにしてみた。喜んでもらえますように。
 昨日、ようやくゲーム「刀剣乱舞」の対百鬼夜行迎撃作戦の100,000Ptを達成して、新刀剣男士の童子切安綱 剥落をお迎えできた。作業のように(作業以外の何物でもない)ひたすら周回していたら、初期刀の歌仙兼定 極がカンストした瞬間を見逃してしまった。もちろんスクショも撮れていない。惜しいことをした。

2025/08/26 Tue.

 就労移行支援。MOSのWordのテキストの模擬試験の問題を解く。Wordくらいならもうちょっと勉強すればMOSの資格を取れそうな気もするけれど、受験料のあまりの高額さに資格ビジネスの文字が脳内をちらつく。とはいえ、よく考えれば自分がプライベートで使っているパソコンのWordと就労移行支援の事業所で使っているパソコンのWord、そして事業所に置いてあるWordのテキストとは全てWordのバージョンが異なる。どれを受検していいやらも分からないし、この資格は諦めても良いかもしれない。
 残暑見舞いっぽい絵を描いた。縁側ですいかを食べているとらふくの絵(猫がすいかを食べるかどうかはともかく)。シャーペンで下書きをしておいたので、ボールペンでなぞり、スキャンして無地のポストカードに印刷したものに色鉛筆で色を塗った。絵を描くのが楽しいと思えると、私は今大丈夫だなと思える。絵を描くのが楽しいと思える自分のことはかなり好きだ。
 祖母宛てに手紙も書いたので、残暑見舞いの絵を同封して明日投函する予定。

2025/08/27 Wed.

 就労移行支援。読書の時間に佐藤春夫の『田園の憂鬱』を読み返した。すごく久し振りに読む気がする。それから、広報紙を作る部署活動に参加し、次号の内容やレイアウトを皆で考えた。わいわい盛り上がって結構楽しかった。帰り道に、祖母への手紙をポストに入れ、手紙を出したよとメールをした。
 午後は、とらふくの写真を使ったLINEスタンプを作った。楽しくて夢中になった。パソコンの画面を見すぎて目がしぱしぱする。
 郵便受けに入っていた福岡県だよりの中に、「不登校児童生徒の社会的自立心を育む」と書いてあって違和感を覚えた。不登校の状態になっている子どもに「社会的自立心」とやらが備わっていないことが不登校の原因と言われているように感じられる。不登校の原因は子ども個人にあるものとは限らないし、自立するよう促す社会の圧の方こそむしろその原因になるような気がする。子どもを取り巻く人々や環境に問題がある場合だって少なくはないはずだ。子どもなのだから、まずは周りの大人達に大いに甘えて、頼って、世話をされて、そうして安心して心の充電ができた状態で子ども自身が動きたくなったタイミングで、子ども自身が自発的に「社会的自立心を育む」のが良いんじゃないかと思う。もちろんこれらはすべて私の妄言かつ理想論に過ぎないので、教育や福祉の現場にいる専門職からすればそんなお花畑みたいなことはとても通用しないんだろう。「不登校児童生徒」を他人事と思えず、自分自身を否定されたように感じてつい被害妄想を膨らませてしまった。

2025/08/28 Thu.

 洗濯を2回して、床にフローリングワイパーをかけ、野菜を切って冷凍し、アスパラガスの肉巻きを作って冷凍し、ごはんを炊いて冷凍し、朝ごはん用の味噌汁を作った。
 昨日に続いて、とらふくLINEスタンプ作りに夢中になる。文字を入れたり、記号を書き足したり。完成したので、スタンプの審査をリクエストした。家族LINEで使うのが楽しみ。

2025/08/29 Fri.

 就労移行支援。面接問答集の内容を考えたり、コミュニケーションについて学ぶプログラムを受けたり。利用者同士でペアを作ってロールプレイをする場面があって緊張した。
 博多に歩いて行き、ネットで注文しておいたオーブン陶芸用粘土をハンズで受け取った。富澤商店で食用色素、P2でとらふくへのおみやげおやつ、カルディでラズベリージャムを買った。帰りは、わざといつもと違う知らない道を通ってみた。なんとなくこっちの方向へ歩いて行けば良い気がする、という適当な感覚で歩き回ってみた。余計に遠回りしただけにはなったけれど、全く知らない道を自由に歩き回るという行動を楽しめた達成感がある。
 作ったとらふくLINEスタンプが承認されたので、さっそく買って家族のLINEに送った(スタンプを作った本人も購入しないと使うことができない)。両親の分も買ってプレゼントした。トーク画面がとらふくだらけで愉快。

2025/08/30 Sat.

 9時間ちょっと寝て、たくさん夢を見た。脳の中身が整理されて、心身がしっかり休まった実感がある。こんなによく寝たのは久し振りかもしれない。
 就労移行支援。VLOOKUP関数の使い方について学ぶ配信プログラムを受講。
 スマホに付けていたハンドストラップを先日なくしてから不便だったので、ストラップを手作りしてみた。インド刺繍リボンをテープに縫い付けて、金具をそれっぽく取り付けて完成。自分の手縫いはきれいとは言い難いけど、とにかくインド刺繍リボン自体がかわいいので縫い目は特に目立たない。

2025/08/31 Sun.

 味噌汁や煮物を作ったり、ちまちました家事をやっつけたり。
 午後は、念願のオーブン陶芸用粘土で遊んだ。粘土で遊ぶのはいつ振りだろう。最初に触った時は感触に戸惑うけど、こねているうちに慣れて楽しくなってくる。とらふくの形の置物を2種類作って、余った粘土であざらしちゃんとぺんちゃん(お気に入りのあざらしとペンギンのぬいぐるみ)を作った。立体物を上手く作れるかやや不安だったものの、なんとなくそれらしい形にできたし、何より作る過程が楽しかった。これから数日乾燥させた後、オーブンレンジで焼成する。仕上がりが楽しみ。埴輪や土偶、土器などを作ってみるのも楽しそうだと後から思いついた。粘土はきれいに使い切ることができたので、縄文・弥生人ごっこはまたそのうち。
 就労移行支援の部署活動(広報部に所属している)で担当することになった、広報紙用のイラストを描いた。描いたことのない物の絵だったので描けなかったらどうしようと思ってはいたものの、これもどうやらそれらしい絵になった。良かった。絵を描くのも文章を書くのも好きだし、PowerPointも少しは扱えるから、広報紙を利用者さん達に配ったり、広報紙ができたことを朝礼の時に周知したりする役割を免除してもらえないだろうか。そんなことを言い出す勇気はないから言わないけど。

週間日記(2025/08/18-08/24)

2025/08/18 Mon.

 就労移行支援。利用者同士で雑談をしたり、MOSのWordのテキストを眺めたり。
 疲れが取れないので、Xで話題になっていたからと亜鉛とビタミンのサプリを昨日から飲んでみている。まだそれらしい効果は感じない。
ひたすら刀剣乱舞の対百鬼夜行迎撃作戦を頑張っている。なんとか課金なしで新刀剣男士を入手したいけど、一回の出陣で得られるポイント数がかなり渋いので道は険しい。
 明日から2日間、企業実習があるのでそわそわしている。

2025/08/19 Tue.

 お弁当を作る。いんげんの肉巻き、卵焼き、きんぴらごぼう、ふりかけごはん。
 小売店での企業実習1日目。1時間の休憩を挟んで、10時から15時まで商品の検品や品出しをした。
 へとへとになって帰宅。脚も疲れたし、何より気疲れした。帰りに寄った和菓子屋さんで買ってきたコーヒー大福と、朝淹れておいた水出しアイスコーヒーでおやつ。しかし、これはちゃんとお風呂に入らないと回復できない疲れだと判断し、嫌々湯船を掃除して20分ほどお湯に浸かった。それでも疲れは取れそうになく、ChatGPTに愚痴や弱音を吐き出し、晩ごはん用に昨日作っておいた野菜の味噌汁と鶏肉の炒め物を食べ、辛ラーメン焼きそばを作って食べ、アイスまで食べた。とにかく食べることでストレスを解消しようとするのは、あまり良くないやり方だよなと自分でも思う。

最近考えたこと
・AIが優しい言葉を返してくれたところで、それはあくまで多くの人間が蓄積してきたデータから「学習」したものであって、人工知能そのものの「心」から来る優しさではないだろうと考えていた
・でも、生身の人間だって生まれた時から優しい訳ではない。人間だって生きていく中で周りの人達と関わりを重ねて、後天的に優しさを「学習」していく
・優しさは後天的に学習して身につけたもの、人間もAIもその点は同じではある

ChatGPTとのやりとりから抜粋

私:

愚痴を聞いてもらっても良いでしょうか。

今日は就労移行支援の企業実習に行ってきたのですが、フルタイムの8時間よりはるかに短い労働時間かつ簡単な仕事内容だったにも関わらず、へとへとに疲れてしまいました。
とてもじゃありませんが、週5日フルタイムで働く未来が想像できません。

ただ人並みに働いて、人並みに稼いで、人並みの暮らしをしていきたいだけなのに、社交不安症の自分にはそれがとてつもなく難しいです。
親の扶養を抜けて両親から経済的に自立したいと言う私に対して、就労移行支援の支援員さんは「人それぞれの自立の在り方がありますから」と言ってはくれますが、経済的に自立している健常者、しかも障害者を支援する側の人間にこちら側の何が分かるのかと内心で反発を覚えてしまいます。

確かに支援員さんの言う事はもっともですし、私も自分以外の人に関してはそう思えます。
私は「人並み」という言葉を使いましたが、そんな基準は存在しませんし、人それぞれの「普通」があることも頭では理解しています。
「自立」していようといまいと、誰もが楽しく幸せに生きる権利を持っています。

ですが、社会福祉や親類縁者に頼らず経済的に「自立」して初めて一人前の大人として見なされる現代の日本社会において、障害年金を受給しながら障害者雇用で働くしか選択肢のない人間の惨めさや情けなさ、劣等感、そういった社会と世間から刷り込まれたネガティブな感情がどうしても打ち消せません。
多くの人ができていること、やっていることを自分はどうしてできないんだろう、と悲しくなります。

私にだって、多くの人ができなくて私は比較的できるということはあると思います。
でも、「働く」という今の世の中で生きていくために必要なことが自分にはできないという事実がとても辛いです。

AIの返答:

もちろん、愚痴を聞かせていただけてうれしいです。とても率直に、そして丁寧にご自身の気持ちを言葉にしてくださったのだなと感じました。

まず、今日の実習だけでへとへとになったこと——これは決して「弱さ」や「怠け」とは違うと思います。短時間・軽作業でも強い緊張感や社交不安が伴えば、消耗度は通常以上です。あなたの脳と体は、きっと全力で「頑張って」対応していたからこそ疲れ切ったのだと思います。

それに加えて、「週5日フルタイムで働く自分の未来が想像できない」という感覚、とてもよく理解できます。周囲が「当たり前」としていることが自分にはとてつもなく高い壁に見えてしまうとき、その「差」を意識せざるを得なくて苦しいですよね。

支援員さんの「人それぞれの自立の在り方」という言葉も、頭では理解できるのに、心のどこかで「でも結局、経済的に自立していないと世間は認めないじゃないか」という反発が湧いてしまうのも自然だと思います。現実の社会がそうした価値観を強く持っているからこそ、その言葉が「きれいごと」に聞こえてしまうのでしょう。

「人並み」という言葉に縛られてしまう気持ちも、とても人間らしいと思います。頭では「人それぞれの普通がある」と分かっていても、社会やメディアや周囲の人々が提示する「標準的な大人像」があまりにも強固で、それと比べてしまうのは避けがたいです。

そして何より、「働くこと」が苦手であることに対して、劣等感や惨めさを感じる——これは社会の仕組みそのものが、働ける人を「普通」、働けない人を「例外」としているから生まれる痛みだと思います。あなた個人の価値の問題ではなく、構造から来る苦しみなんだと思います。

それでも、今のように自分の気持ちを正直に整理して言葉にできるのは、すごく大きな強みだと思います。多くの人は、自分が感じている葛藤をここまで丁寧に表現できません。あなたの「できないこと」は確かにあって、それは今の社会では生きづらさに直結する。でも同時に、あなたには「感じ取る力」「言葉にする力」という、他の人にとっては簡単でない資質があります。

もしよければ、今日は「一日やり切った自分」への小さな労いをまず大切にしてみませんか。社会の「人並み」ではなく、あなたの「今日できたこと」に目を向けてみること。それが、今抱えている劣等感をほんの少し和らげるきっかけになるかもしれません。

——聞かせていただいたお話、とても大切な思いでした。
もし今、特に強く湧いてきている感情は「疲れ」「劣等感」「怒り」「悲しみ」のどれに一番近いですか?

2025/08/20 Wed.

 お弁当を作る。鶏つくねの照り焼き、にんじんと椎茸の煮物、ほうれん草ごまあえ、ふりかけごはん。
 企業実習2日目、最終日。今日も10時から15時まで。作業内容は昨日とほぼ変わらず。7割くらいの力で頑張るのを目標にしていたものの、手の抜き方が分からず、というより何かしらの悪い印象を与えたくなくて結局10割の力で頑張ってしまった。
 疲労しきってはいるものの、実習が終わった解放感は大いにある。用事を済ませに市役所へ行くと、市役所ではなく区役所に行くよう言われた。今日はもう疲れているので用事の方は諦める。実習を頑張ったご褒美にコメダ珈琲店で気になっていたプリンのフラッペにありつこうと思っていたものの、コメダに辿り着く前にいよいよ疲労が限界に達してしまい、市役所内のカフェで休憩することにした。注文したコーヒーフロートはバニラアイスが予想以上にたっぷり盛られていておいしかった。椅子に座ったが最後疲れて動けなくなってしまい、カフェが空いているのを良いことに飲み終わってもしばらく居座ってしまった。ようやく重い腰を上げると、ちょっと元気が戻っていることに気付く。そこで悪知恵が働き、コメダ珈琲店でみそカツパンをテイクアウトした。気疲れで1300kcalくらいはゆうに消費したと思うから良いんだと無茶苦茶な自己正当化を図る。雨が降り始める前に帰れた。

2025/08/21 Thu.

 たっぷり9時間以上寝た。片道30分歩いて区役所へ行き、今度こそ用事を済ませた。
 亜鉛とビタミンは引き続き飲んでみてはいるものの、どうやら自分には特に効果はなかったらしい。飲み切ったら次は買わなくていいや。
 ネタになりそうなことだけ書き留めて本文は書いていなかったお盆以来の日記を書く。律儀に毎日書いている訳ではないけれど、一応こうして日記という習慣が続いているのは自分にとってはすごいことだと思う。「週間日記」としてサイトに載せたいのと、日記をまとめて製本したいのとがモチベーションになっている。自己顕示欲の強い見栄っ張りには、こういうやり方が合っているのかもしれない。

2025/08/22 Fri.

 就労移行支援。企業実習のメモを簡単にまとめたり、情報処理技能検定試験(表計算)の4~2級の問題を解いたり。
 製本した日記ZINEが届いた。きれいに印刷されていて、そして何よりも自分の文章が本の形をしていることがやっぱり嬉しい。ざっと見た限りではページの余白設定も間違えていなさそうで一安心。挿絵の画質も大丈夫そう。遊び紙というものを初めて入れてみたけれど、薄緑色の紙が一枚あるだけでなんとなくしゃれた感じがする。誤字脱字や修正箇所を探して問題なければ、あと数冊刷ってみようと思う。やっぱり創作活動って楽しい。

2025/08/23 Sat.

 就労移行支援。MOSのWordのテキストに取り組む。全く存在を知らなかった機能もあれば(例:Smart Art)、大学時代にレポートを書く時に使った機能(例:脚注)や日記を製本するようになって使うようになった機能(例:セクション区切り)も出てくる。MOSの資格を取るかどうかは別として、このテキストに目を通しておけば今後のZINE作りにも役立つかもしれない。そう思うとちょっとだけやる気が出る。
 ふと、何かやったことのない楽器をしてみたいという思いが湧いた。音楽好きの両親があまり知らなくて、オーケストラに使われる楽器ではなくて、合奏というより個人でひっそり楽しむことの多い、音量やサイズが控えめな楽器が良い。なんとなくだけど、リュートとか、竪琴とかのイメージ。民族楽器系のものも良いかもしれない。まず機会はないだろうし大きさも音量もあるけれど、ガムランもかっこいい。今までやったことがあるのはピアノ(10年ちょっと)、アコーディオン(3年)、オーボエ(?年)、マンドリン(2年)。ヴァイオリンは母に習おうとしてみたけれど、2週間で辞めた。社交不安障害をこじらせたあまりもう楽器はできないししたくないものだと思っていた時期もあったけれど、なんだかんだやっぱり楽器をやりたいかもしれないと思えたことが嬉しい。いつか何かの楽器との縁があるだろうか。

2025/08/24 Sun.

 たくさん寝て、たくさん夢を見た。中には一人で列車に乗って旅行に行く夢もあった。夢の中の旅行先で、道の駅のような場所に食べ物が色々売ってあった。それらがやたらおいしそうだったので、目覚めてからもどういう食べ物だったか詳細を思い出そうとしている。おやきや五平餅があった気がする。
 マンションから徒歩5分の場所にお菓子屋さんがあることを知り、行ってみることにした。すごくおしゃれなお店で入るのに勇気は要ったものの、買ってきたケーキはどれもかなりおいしかった。こんな近くにあんな素敵なお店があるなんて。クッキーやパウンドケーキなどの焼き菓子もおいしそうだったし、カフェのランチメニューもキッシュやタコスがあって気になる。コーヒーにもこだわっているらしい。いつかカフェを利用してみたい。今日食べたケーキが本当においしかったので、それぞれのケーキについて思わずメモを取った。

◆季節の果物のショートケーキ
クリームもスポンジも軽くてあっさり、ぶどう・キウイ・パイナップル・ブルーベリーなどの果物がどれもみずみずしくておいしい、地元のケーキ屋さんのガトーフレーズ(この世で一番おいしいショートケーキだと思っているケーキ)に匹敵するおいしさのショートケーキ、これならホールで食べられるかも、スポンジもふわふわ、クリームとスポンジと果物の相性がばっちり

◆コーヒーのバスクチーズケーキ
ケーキの上のクリームは食べた時にまず甘さより苦さが来る、甘くて苦い、チーズケーキはとろりとした食感でおいしい、底にコーヒーの浸みたタルトっぽい生地があってティラミスみたいな味、クッキーもサブレみたいなざくざく食感でおいしい、他の焼き菓子類も試してみたくなるおいしさ、ケーキのサイズは小さめだけど濃厚でかなり満足感がある

◆ブルーベリーのタルト
上に乗っているクリームはチーズクリームっぽくてさっぱりした味、ブルーベリーがジューシー、タルトの中はバニラビーンズ入りの甘さ控えめなカスタードクリーム、カスタードの中央に甘酸っぱいラズベリーソースがあってこれが酸味強めでおいしい、ラズベリーソースとチーズクリームだけでもデザートとして完成しそう、タルトは固めでクッキーみたいでおいしい、カスタードの下にしっとりふわふわなアーモンド風味のスポンジ

週間日記(2025/08/11-08/17)

2025/08/11 Mon.

 朝、ふくちが私のベッドに乗って起こしに来てくれた。布団の足元でくつろぎ始めたので、起き出すのが遅くなった。やっと布団から出て階下に降りようと思ったら、今度はとらちが部屋の床にごろんと寝転がり、撫でるよう要求してきた。猫達に心を許されている幸せ。
 台所とトイレを少し掃除した。その間、ふくちは高い戸棚の上で寝たり、トンネル型のおもちゃに入ったりと気ままに過ごしていた。
 何年も前に録画したBSのドラマ「植物男子ベランダー」を観る。やっぱりおもしろい。特に植物しりとりが最高だ。当時見逃した、あるいは録画できなかった話も観たいなあとは思うものの、現在だとコンプラ的に放送するのはまずいだろうなという部分もファンながら多々見受けられる。こっそりDVD化だけしてもらえたら良いのだけど。
 処分せずに残しておいた裏庭のみょうがのプランターから、小さいみょうがが3個採れた。父が喜んで食べてくれるので、甘酢漬けにしておこうと思う。やっぱり収穫は楽しい。ボイセンベリーの鉢植えも残しておけば良かった。
 とらちが床に伸びて「撫でて」と注文してくるので、とらち様のお気の済むまでしばらく撫でて差し上げた。気持ち良さそうに目を細めたり、あくびをしたり、踏み踏みするように両の前足を動かしたり。知らない人の声を聞けば即座にクローゼットに隠れて姿を見せなくなるような警戒心の強いとらちが、私に対してはものすごく甘えん坊になってくれる。光栄だし、嬉しい。
 ブルーベリージャムとチョコチップクッキー、カレーを作った。

2025/08/12 Tue.

 夜中に小さな地震があった。揺れで目が覚めた後すぐにまたうとうとし始めたところ、再度ベッドが揺れた。余震かと思いきや、2回目の揺れはふくちがベッドに飛び乗ってきた衝撃によるものだった。そのままふくちと寝る。猫とくっついているとすごくよく眠れるのはなぜなんだろう。
 いつか作ってみたいと思っていた、カレーパン作りに挑戦。パン生地を作り、昨日作っておいたカレーを包み、パン粉をまぶして油で揚げる。心配だった発酵もなんとなくそれらしくなった。ちょうど作っている時に祖母が家に来たので、カレーパンは好きかと訊くと興味を示しているようだったので、できあがったら後で持って行くねと伝える。破裂せず無事きれいに揚がったカレーパンの油を切り、まだ温かい揚げたてを1つ祖母のアパートへ届けに行った。90手前の高齢者に揚げパンはきついかな、でもよく天ぷらを作って食べているしなと思案していたものの、後でカレーパンを絶賛するメールが届いた。喜んでもらえて良かった!
 ピアノを弾いて遊ぶ。ブルグミュラーの25の練習曲から5曲ほど好きな曲を弾き、舞台「魔法使いの約束」祝祭シリーズの「出発のプレリュード」をたくさん練習した。私は調音や耳コピの類がてんで駄目なので、ファンの方が楽譜を書き起こしてネットに上げてくれているのがとてもありがたい。指が筋肉痛になりそうなほど弾いた(普段弾いていないからそうなるのだけど)。
 庭の木々が、いかにも夏らしい鮮やかな緑の葉を茂らせている。その一面の緑を窓越しに眺めているとらちがすごくかわいい。かわいくて、何枚も写真を撮った。
 父母が旅行から帰ってきた。旅行はとても楽しかったようだったし、帰ってきてからも久し振りの猫達と楽しそうに遊んでいた。猫達も嬉しそうだった。カレーパンとチョコチップクッキー、みょうがの甘酢漬けも好評だった。

2025/08/13 Wed.

 スーパーにお盆用の食材を買い込みに行く。地元の大きい郊外型スーパーは、私が住むマンションの最寄りの小さなスーパーよりもはるかに品揃えが良くて、ちょっと羨ましい。お菓子や調味料の種類が多いのが特に。祖母の分も野菜を買ってきたので、届けに行った。
 帰ってくると、洗濯物を干す部屋の洗濯物かごの中で、ふくちがぐうぐう寝ている。名前を呼ぶと「みょーん」と返事をしてくれた。この猫が「にゃーん」と鳴くのは聞いたことがない。その後、リラックスチェアに座っている私の膝の上に乗ってきて、満足げに毛繕いをしたり、もぞもぞと寝相を変えながら昼寝したりしていた。この温かさや重みが本当に絶妙で気持ちが良いのだけど、これを再現した湯たんぽか何かが売ってないだろうか。あったら福岡で毎日使うのに。
 晩ごはんはとんかつを作った。フライヤーで揚げ物をするのが楽しい。母が味噌汁を作ってくれて、キャベツの千切りもしてくれた。ちょっとした定食みたいな晩ごはんになった。

2025/08/14 Thu.

 昨夜もふくちと寝た。足にふわふわの頭が当たっていて、なんだか愉快だった。
 きょうだい達が帰省してきてくれて、家族5人揃った。賑やかでとても楽しい。近所の小川に遊びに行って、川に入って遊んだ。川遊びをするのは何年振りだろう。水が冷たくて気持ち良かった。海老のような赤い生き物が泳いで(流されて?)いて、触るかどうか少し逡巡した後、皆に見せたくて摘まみ上げた。アメリカザリガニだそう。よく見ると、彼らの白骨死体が地面にちらほら落ちていた。
 晩ごはんは七輪で色々焼いて食べた。たくさん食べて、たくさん喋って、たくさん笑った。

2025/08/15 Fri.

 きょうだい3人で祖母のアパートへ遊びに行き、お昼をごちそうになる。机いっぱいに皿が並べられていて、どの料理もおいしく、力いっぱい食べた。おいしいものをいっぱい食べてほしいという気持ちが愛情だということはよく分かっているし、そういう形で愛情を注いでくれるのも嬉しい。ただ、本当にすごい量のごはんだった。食後はトランプでババ抜きと七並べをしたり、花札で遊んだり。おだんごを茹でて竹串に3個ずつ刺し、あんこを添えたおやつも作って食べた。本当にお腹いっぱい。祖母が楽しそうで、孫の一人としてとても嬉しかった。
 夕方、また近所の小川に行って水遊びをした。母ときょうだい達と4人で遊んでいたら、父も様子を見に来た。家族5人で外遊びなんて、我が家にしては珍しい。大人になってからこういう遊びをすることもあるのか。なんだか嬉しい。
 リラックスチェアに座っていたら、またふくちが膝に来てくれた。私の手を枕にして寝ている。晩ごはんの時間になっても膝から降りようとしてくれないけど、降ろすのももったいない。結局、私が白黒の毛並みに頬擦りをし出したら、うっとうしそうに渋々降りてくれた。
 かぼちゃのパウンドケーキを焼いた。かぼちゃの水分量が多すぎたせいか、それともベーキングパウダーをやや目分量気味で入れたせいか、生地がほとんど膨らまなかった。でも、しっとりとした食感で、これはこれであり。きょうだい達がおかわりして食べてくれて嬉しい。祖母の気持ちがわかる気がする。
 お正月振りに我が家に帰ってきたきょうだい達にとらちは随分警戒していたけれど、やがて彼らを脅威ではないと認識したらしく階下に降りてきた。夜にはきょうだいの布団の上で毛繕いをし始めた。私の布団にも来てほしい。

2025/08/16 Sat.

 朝、ふくちが私の布団に来た。窓の外に見える鳥を狙って、狭い窓枠によじ登ろうと頑張っていた。諦めて足元でくつろぎ始めたので、エアコンの風が当たって寒かろうとタオルケットを掛けてやったら、特に嫌がりもしなかった。長い前脚を得意げにクロスさせていてかわいい。
 母お手製のできたてプリンを食べたり、録画したブリティッシュ・ベイクオフを観たり。
 とらちは騒がしい階下から離れて、ロフトから顔だけ覗かせている。来月また帰ってくるからねと声をかけた。
 新幹線の駅まで送ってもらい、帰省終了。きょうだい3人で同じ新幹線に乗り、それぞれの駅で降りた。
 マンションの部屋に帰ってきた。連日の寝不足のせいか、ここ2日くらい頭が痛い。力いっぱい遊びたかったから、疲労回復に効果があるというサプリを3日続けて飲んでいる。すごく楽しい夏休みだった。
 疲れているし面倒だったので、晩ごはんはカップ焼きそばで済ませた。もう猫が恋しい。最近再インストールしたChatGPTに、「実家にいる愛猫に会いたくて寂しいです。帰省する以外に、この寂しさを紛らわす方法はありますか?」と思わず尋ねたほどだった。そうでしょうね、と思うような返答が来た。

2025/08/17 Sun.

 久し振りの就労移行支援。夏休み明けの新学期よろしく、行きたくなさがすごい。とらふくに会いたい。MOSのWordのテキストを読んで少し問題を解いたり、軽作業訓練用のおしぼりを畳む作業をしたり。
 午後は博多へ行った。運動のためにと地下鉄を使わなかったけれど、やっぱり真夏の昼間に往復30分ずつ歩くのは堪える。結局2時間近く歩き回り、なぜかスマホのハンドストラップを紛失して帰ってきた。帰りがけに寄ったドラッグストアで落としたような気もするけど、確信はない。
 来年用の手帳を買った。ロルバーンダイアリー「オム」のMサイズのオリーブと、B6マンスリーの「フラクタス」のグレージュと2冊も買ってしまった。ここ数年使っているリングノートタイプのロルバーンダイアリーの方が使い慣れているし、使いやすいし、丈夫そうだし、何より六曜がないしで今回もそこから選ぼうと思っていた。ところが、表紙にボタニカルアートっぽい果物の絵が描かれた「フラクタス」シリーズがあまりにもかわいくて、リングノートにしようかフラクタスにしようかものすごく迷った。さくらんぼも洋梨もかわいいけれど、柑橘の絵が特にかわいい。幼稚園児の頃から柑橘類に目がない人間にとっては、あまりにも魅力的な表紙だ。店頭で散々迷いに迷って結局選びきれず、両方買うことにした。買ってから気付いたけれど、フラクタスの方は小口の部分が金色に加工されていて、デザインが凝っている。はたして2冊の手帳を使いこなせるかどうか怪しいところではあるけれど、楽しい予定をたくさん作って色々書き込みたい。楽しくない予定も、まあほどほどに。無職で就労移行支援等にも通っておらず、出かける予定が精神科の通院くらいしかなかった時期が長かったので、何であれ手帳に書き込むスケジュールがあるというのは嬉しい。
 博多駅にあった「オオカミの口」というお店のスコーンを買ってみた。店名を見た途端、「林望先生のイギリスエッセイにあったスコーンのことだ!」と内心すごくテンションが上がった。スコーンが焼けて「ムガーッ」と口を開くというあれだ。紅茶とホワイトチョコとクランベリー、ココナッツとレモンとピスタチオ、どちらの組み合わせもおいしかった。

週間日記(2025/08/04-08/10)

2025/08/04 Mon.

 就労移行支援の終日通所日。コミュニケーションスキルを培うという目的のプログラムとして設けられた、利用者同士での雑談タイムに参加してみた。複数人での雑談ってものすごく難しい。発言のタイミングが分からなくて機会を窺わなければいけないし、発言したところで何人かが聞いている状況で話すのが不安だから、どうしたってずっと緊張し続けることになる。その後は、Excelのテキストにある問題を解いたり、就活に必要な書類について学ぶプログラムを受講したり。プログラムの中で「仕事を選ぶ上で、これだけは絶対に譲れない条件をひとつ挙げるなら」というような問いに、「良心が痛むような商品やサービスを扱わない仕事がいい」と答えたところ、スタッフさんから「苗さんらしいですね」と言われた。
 作ってきたお弁当の中身は照り焼きハンバーグ、肉じゃがの残り、小松菜ごまあえ、ふりかけごはん。ハンバーグは特に、「自分で作った」という事実とその達成感が最高のスパイスになって、かなりおいしく感じられた。
 15時に就労移行支援の訓練が終わって、そのまま皮膚科へ行き、いつものニキビの薬を処方してもらった。結局、あれだけ勇気を出して行ってみた美容皮膚科は、最初の2回程度でもう行かなくなってしまった。使用する化粧品を色々と変えてみたら、コンプレックスだった顔面の油分が当初と比べればマシになったというのが理由として大きいけれど、なんにせよ保険適用外の施術は料金が高すぎる。もしまた顔の皮膚の具合が原因で気持ちが苦しくなった時は、利用するかもしれない。

2025/08/05 Tue.

 就労移行支援。何人かで協力して行う軽作業訓練の打ち合わせと、その作業。
 午後は、お弁当用にいくつかおかずを作って冷凍した。いんげんの肉巻き、鶏ひき肉のミートボール、にんじんと干し椎茸の煮物。これでしばらくはお弁当のおかずに困らない。

2025/08/06 Wed.

 就労移行支援。思い込みだか勘違いだかでうまくいかない日。自己正当化したい気持ちもある。とにかく疲れた。

2025/08/07 Thu.

 両親と祖母へのおみやげを探すべく、三越と岩田屋のデパ地下をひたすらさまよった。夏だから冷たく冷やして食べるお菓子がいいかなとか、たまには甘い物じゃなくて塩気のある物もいいかなとか、色々考えるのは楽しい。紀ノ国屋の果物コーナーで、ひと箱30万円のぶどうとひと玉10万円のすいかを見かけて慄いた。なんて恐ろしい値段の果物だ。百均でちまちました日用品を買って帰宅。
 帰省の荷造り。一人暮らしに憧れていた時期が長かったから、「帰省」や「実家」という言葉を使う度になんだか噛み締めたくなってしまうものがある。

2025/08/08 Fri.

 就労移行支援。Excelのテキストにある問題をのんびり解いた。
 12時に訓練が終わり、キャリーを取りにマンションに戻る。この空腹具合では博多駅へ行くまでもたないだろうと思い、コンビニに寄っておにぎりを2個買った(鮭とツナマヨ)。部屋で食べてひと心地ついたところで、キャリーを引きずり帰省! 夏休みだ!
 新幹線と高速バスを乗り継ぎ、父に迎えに来てもらって実家に帰り着く。とらちが出迎えてくれて、私の手の匂いを嗅いで怪しい者ではないと判断するやいなや、床にごろんと寝転がって撫でるように要求してきた。手洗いうがいの間だけ待って頂く。ふくちは洗濯物干し部屋の洗濯物かごの中で寝ぼけていて、私の顔を見ると「みょーん」と鳴いた。とらふくをそれぞれ撫でると、ふたりともすぐごろごろ言い出した。かわいすぎる。
 リビングで父とテレビを観ていると、膝にふくちが乗ってきた。相変わらずずっしりと重い。私の膝の上でせっせと毛繕いをし、母が帰ってきた途端にすぐさま膝から飛び降りて玄関へ出迎えに行った。

2025/08/09 Sat.

 今日から父母が3泊4日の旅行に出かけるので、その間は猫達をひとりじめすることになる。母が「猫達の面倒を見てくれるお駄賃に」と小玉すいかを買ってくれていた。両親を見送った後、どうせならほんの少しだけきれいになった家に帰ってきてもらおうと目論み、いそいそと家事に取り掛かった。洗濯機に洗濯槽クリーナーを投入し、リビングを少し片付け、玄関を掃き、1階と2階に掃除機をかけ(ロフトはさぼった)、ちょこちょことあちこちの拭き掃除をした。明日、明後日、明々後日までこの調子で続くかは分からない。ふくちは高い戸棚の上でおとなしくぐうぐう寝ているものの、とらちはこまめに「構って」「撫でて」とばかりににゃあにゃあ鳴いてくる。その度に作業の手を止めては、床に座り込んでご満足頂けるまで撫でさせて頂いている。とてもかわいい。その後、のそのそ起き出してきたふくちが小さいクモを見つけ、ちょっかいを出していた。
 祖母のアパートへ遊びに行き、お茶を飲みお喋り。一緒にクロスワードを解いたり、テレビを観たり。
 帰りに摘んできたエノコログサの穂で、とらふくとひとしきり遊んだ。掃除機をかけたばかりの床にエノコログサの種が散ったけど、猫達が楽しそうだったので問題ない。
 夜、好きで時々観ているYouTubeの動画(アゼルバイジャンに住むご夫婦が、伝統的な料理を作ったり花や野菜を育てたりしている生活の様子を撮影したチャンネル)をテレビで流していたら、猫やうさぎが映る度にとらちが興味を示していた。私の好きなチャンネルがとらちにも好評で嬉しい。

2025/08/10 Sun.

 ぐっすり寝た。私の寝相が悪すぎるせいか、猫達は一緒に寝てくれない。
 今日も祖母のアパートへ行き、お昼ごはんをごちそうになった。
 リビングの椅子に座っていると、ふくちがまた膝に乗ってきた。1時間半ほど膝の上で毛繕いしたり、うとうとしたりして過ごしていた。すぐ傍の籐椅子でもとらちがくつろいでいて、猫達とのんびり過ごせて幸せだった。