投稿者: naedokodesuka

週間日記(2024/10/07-10/13)

2024/10/07 Mon.
 10月1日に引っ越してきて以来、私にしては食が細くなっていたけれど、深夜にものすごくお腹が空いた。食欲が戻ってきたらしい。このまま食欲が減退した状態が続けばもしかしたら少し痩せられるかも、という期待もなかった訳ではないものの、そんなに健康的な痩せ方でもないだろうと自分を納得させようとしている。
 マンションの外から、知らないおじさんが怒鳴る声が聞こえる。まだ朝の6時台だというのに、すごい元気だ。心地良い目覚めではない。
 朝ごはんは野菜の煮たのの残りと、目玉焼きとウインナー、スライスチーズを乗せて焼いたトースト、ホットコーヒー。自分一人のためにそれらしい朝ごはんを用意して食べるのは、なんだかとてもきちんと生活している感じがあって気分が良い。
 Wi-Fiの機械の設置作業をしてもらった。マンション自体は工事が終わっているので、後は各部屋に機械を置けば良いとのこと。物だらけの散らかった部屋に業者の人を入れるのはかなり抵抗があるけど(そもそも自分の部屋に他人を入れることが厳しい)、Wi-Fiを使うためなら仕方ない。無事に設置が終わり、専用のアプリもスマホに入れて、Wi-Fiの設定をした。パソコンでネットが使えるようになったのがとても嬉しい。
 台所に置くために買ったスチールワゴンが届いた。高さも大きさもちょうど良く、色合いもかわいい。さっそく食器や調味料、調理道具を整頓した。狭くて調理スペースすらない小さな台所だけど、収納場所と物を増やして少しずつでも使いやすくしていくと、なんだか私にもそれなりの生活能力が備わっているのかもという自信が湧いてくる。
 転居の手続きをしようと役所に行こうとしたのに、書類を部屋に忘れてきてしまった。でもせっかく地下鉄に乗って移動したのだしと、お店を回ってちょこちょこと買い物をした。手続きはまた明日リベンジしよう。

2024/10/08 Tue.
 ふくちの湿った鼻を触る夢を見て目が覚めた。猫の鼻息やひげの感触って、なんであんなに癒されるんだろう。夢だけど。マンションの外から、今朝はおじさんではなく猫が怒る声が聞こえる。2匹の猫が激しく威嚇し合っている。互いにひとしきり唸った後、決着が着いたらしく静かになった。人間の怒鳴り声は心底うんざりするけど、猫だとちょっと和む。
 今度こそ書類を持って市役所に行くも、転居の手続きは区役所でするのだと窓口で教えられた。15分ほど歩いて区役所に向かう。ところが、地元の市役所で受け取った書類(2枚)を窓口で渡すと、「転出証明書がないので手続きできない」と言われてしまった。「家に忘れたかもしれないから探してまた来ます」と言ってその場から退散したけど、それらしい書類はどうもそもそももらってないように思う。地元の市役所で手続きをした時は、「もっときちんとした書類っぽいものをもらうんだろうと思っていたけど、こういうもので良いのか」と思うような紙を2枚もらったきりだ。自分の記憶が絶対に正しいとは限らないので、もしかしたら受け取っていてどこかのタイミングで紛失した可能性もゼロではないけれど、明らかに新人さんっぽかった職員さんを少し疑ってしまう。でも、もし渡し忘れたとして、発行した転出証明書はどこに行ったんだろう?やっぱり私がなくしたのかな?
 とはいえ探しようがないので、今から地元に戻って転出証明書の再発行をしてもらうことにした。部屋に戻ってきて30分で荷造りをして、予約した新幹線に乗り込んだ。我ながらフットワークが随分軽くなったものだとほくそえみながらスマホで転出証明書について調べていたら、郵送でも手続きができるとのことだった。もう新幹線に乗ってしまった。こういう事情でこれから帰省すると祖母にメールしていて、とても嬉しそうな返信が来たので、まあ祖母が喜んでくれるならいいか、私も猫達と会えるし。(後で調べてみたら、地元の市役所のサイトの「転出証明書の郵送での手続き」みたいなリンク先のページは存在しなかった)
 今度こそ地元の市役所で転出証明書を受け取った。「再発行」の文字はあるけど、この書類を前回目にした覚えはない。実家に帰ると、愛する猫達は出迎えてくれなかった。とらちは知らない人を見たかのようにビビっているし、ふくちはどこかで寝ているのか出てこない。しばらく話しかけて、鼻先にゆっくり手を近付けて匂いをかいでもらうと、とらちはようやく「なんだ、こいつか」といった風に私のことを分かってくれた。一方のふくちは、のそのそとどこからか出てきて私の存在を認めた途端、「どこに行ってたんだ!」とでも言いたげに珍しくミョオーンと鳴いていた(普段あまり鳴くことはない)。その後、猫達とひとしきり戯れて楽しかった。

2024/10/09 Wed.
 家族サービスならぬ猫サービスをしようと(家族サービスではある)、その辺で摘んできた猫じゃらしで猫達としこたま遊んだ。私が一番楽しかった。
 近所に住む祖母がお昼ごはんを食べに来ないかと言うので行ったところ、すごい量の料理が用意してあった。ありがたくおいしくお腹いっぱい食べて、お茶を何杯もおかわりして、祖母とたくさんおしゃべりをした。

2024/10/10 Thu.
 朝、高速バスと新幹線を乗り継いで福岡へ戻ってきた。一旦マンションの部屋に戻って荷物を置き、それから区役所へ行って手続きを済ませ、ようやく福岡市民になることができた。それから障害者手帳と自立支援医療の住所変更もしようと思ったものの、区役所ではなく違う施設ですることになっているそうなので、15分ほど歩いて向かった。新しく発行する福岡県の障害者手帳に使う顔写真が必要とのことで、慌てて証明写真機を探して写真を撮った。アプリで撮ってコンビニで印刷すればもっと安く済むのに、900円の出費は地味に痛い。何枚もの紙に色々記入して、長い待ち時間を過ごしてようやく手帳と自立支援の手続きも終わった。対応してくれた職員さんが気さくで優しく対応してくれて嬉しかったけど、マイナンバーカードを作ることを勧められて(向こうも仕事だろうから仕方ないとはいえ)少ししょんぼりした。それにしても、やっぱり年上の女性に年下扱いしてもらえるのは妙に嬉しい。それから、近くの年金事務所を探してまた歩き、年金の住所変更もした。こちらは紙一枚に記入するだけで終わった。後は運転免許証の住所変更もしなければならないけど、今日はもう手続きにうんざりしたのでまた後日にしようと思う。

2024/10/11 Fri.
 妹が泊まりに来るからと、張り切ってあちこちの掃除をした。苦手な掃除のモチベーションに繋がるので、これからも定期的に来てもらえるととても助かる。
 商店街の八百屋さんで、安かった大根とアスパラガスを買った。近くにいたお客さんが軽口を叩いていて、それを聞いてレジの店員さんと一緒に笑った。たったそれだけだけど、なんだか人とその場の楽しさを共有できたことがやけに嬉しかった。
 急に「料理をしたい」「ちょっと手間と時間がかかるものを作りたい」という欲求が湧き、スーパーで食材をあれこれ買った。なぜか豚の角煮が作りたくなり、かたまり肉を買ってしまった。小さい鍋しかないのにどうするんだろう。
 まずは、明日の朝ごはんに食べるためのトマトスープを作った。角切りにした野菜とベーコン、市販のミックスビーンズを炒め、水とトマト缶とコンソメを入れて煮て、塩胡椒で味を調えるだけ。台所の調理環境が最初に比べて随分充実してきたので、野菜を切って煮るだけの工程とはいえ随分作業しやすくなった。それから、角煮を作った。まるごとではなく切ってから鍋に入れたので、かたまり肉も小鍋に十分収まった。下ゆでをしている間にごはんを炊き、なんとなく食べたくなっておにぎりを作った。ところが、ただでさえおにぎりというものを作り慣れていないのに、冷ましていない熱々のごはんが本当に熱くて、不格好なおにぎりになってしまった。味はおいしい。下ゆでが終わった角煮を煮つけていくと、食欲をそそる醤油の良い香りが充満して幸せだった。これから泊まりに来る妹には、醤油くさい部屋で申し訳ないけども。
 テーブルと、不足していたデスクチェアのパーツが届いた。テーブルはちょうど良い大きさだし、デスクチェアもとても快適な座り心地で、QOLが一気に上昇した気がする。ようやく机や椅子を使う生活ができる。
 夜、妹を迎えに近くの駅まで迎えに行った。マンションを出る時に、同じマンションに住んでいるらしい人と笑顔を交わして挨拶できたのが嬉しかった。向こうがにこっと笑ってくれたのも嬉しいし、自分が誰かとコミュニケーションを取れたことも嬉しい。外に出ると、町の明るさと人の多さ、車の多さに驚いた。まだ営業している店がいくつもあるし、出歩いている人達も多くて、本当に深夜なのかと疑いたくなるほどだった。懐中電灯なしには歩けない地元の夜とはあまりにも違いすぎる。この時間に外に出ること自体、ここしばらく記憶にないほど久し振りなので、非日常感があって楽しかった。普段なら眠くなるので起きていられないけど、もういい大人だからこういうことをしても別に良いんだよなあと自由を噛み締めた。

2024/10/12 Sat.
 昨夜はたくさんおしゃべりをして、たっぷり夜ふかしをした。すごく楽しかった!
 妹を送り出した後、今日は32歳の誕生日だからと近くのケーキ屋さんを探した。すごくおしゃれなパティスリーが徒歩15分ほどの所にあって、せっかくだからここに行こうと歩いて向かった。お店は高級感溢れるおしゃれなお店で、ショーケースの中にはきれいなケーキがずらりと並んでいて、見ているだけで幸せだった。迷いに迷って選びきれず、いちごのショートケーキ、いちごのミルクレープ、チョコレートのムース、ラズベリーとピスタチオのケーキ、ブルーベリーのケーキを選んだ。欲張ったけど、誕生日なんだから良いということにする。ほくほくしながらケーキの箱を大事に扱って持ち帰り、コーヒーを淹れて堪能した。ケーキ屋さんの生クリームってやっぱりおいしい。スポンジケーキもスポンジケーキと思えないくらいふわふわで、どのケーキも美しくて甘くておいしい。勇気を出して、おしゃれなお店に足を踏み入れたかいがあった。3個食べたところでさすがにお腹がいっぱいになり、これが年を重ねるということかと慄然としながら、残りの2個はまた後で食べようと取っておくことにした。
 晩ごはんには、昨日の角煮を温め直して食べた。味がよくしみていて、脂身の部分がとろとろで、我ながらとてもおいしい。一緒に煮汁に浸けておいた味玉もおいしい。自己嫌悪が募って激しく落ち込んだ時は、私はこんなにおいしい角煮を作れる人間なんだからと思い出して自分を励ましたい。
 久し振りに本を読もうという気になり、読みかけだった『百年の孤独』の残りを2時間かけて読み終わった。夢中で読めて本当に楽しかった。こういうラストになるのか、とただただ圧倒された。普段ついついスマホに手が伸びがちで、読書をするハードルがなんとなく上がってしまっているけど、やっぱり本を読むって良い体験だなあ。
 妹と朝ごはんを食べて、おいしいケーキとおいしい角煮を食べて、おもしろい本を読んで、充実した良い誕生日を過ごせた。引越に伴う諸々の買い物で出費がかさんだので、今年は自分への誕生日プレゼントのようなものは買っていないけど、一人暮らしを始められたこと自体が誕生日プレゼントのようなものだ。誕生日を一人暮らしの部屋で迎えられるなんて、去年の今頃はまったく想像もできなかった。人生、何が起こるか本当に分からない。

2024/10/13 Sun.
 朝ごはんは、昨日のケーキの残りを食べた。朝から幸せ。
 洗濯や洗い物などの家事を済ませ、ケーキをたくさん食べた罪滅ぼしにいっぱい歩いてみることにした。天神まで歩いてみると、20分もかからないくらいで行けて、意外に近かった。わざわざ地下鉄に乗らなくても良かったのか…。天神地下街をうろうろして、ドラッグストアで買い物をした。都会はおしゃれできれいな人達が本当に多い。ケーキをしこたま食べておいてなんだけど、自分の容姿をもう少しましに近付けたいという気になって、ヘアマスクや化粧水を買った。ましになれればいいけども。その勢いで、美容室も予約した。都会はネットで予約できる美容室が多くて良いなあ。

週間日記(2024/09/30-10/06)

2024/09/30 Mon.
 ここ数日、とらふくが交代で私のベッドに寝に来ている。温かくてふわふわでかわいい。
 就労移行支援事業所から電話がかかってきた。枠が埋まっていて、見学できる日は最短で10月後半に入ってからになるという。他の事業所も勧められたけど、自宅から通いやすい場所だからと当初考えていた場所にこだわって見学予約をお願いした。利用者が多いということは、サービスが充実しているのか、それともさばき切れていないのか、どうなんだろうな。
 明日にはここじゃない場所での暮らしを始めている。まだ現実味がない。

2024/10/01 Tue.
 引っ越し! 今日から一人暮らし。両親はいつもと変わらない調子で送り出してくれて、もちろん猫達も普段と何ら変わるところはなく、おかげで泣かずに済んだのでありがたかった。福岡へ出かける時によく利用する高速バスと新幹線に乗るけど、今回は帰りの便の予約をしていない。とてもそわそわする。
 福岡市内に着き、不動産仲介業者の事務所で鍵や書類を受け取り、いざ初めて赴く新居へ。よその建物の植え込みに、アベリアやシモツケ、ツユクサが咲いているのを見かけた。紫式部も実をつけていて、なぜか季節外れの紫陽花まで咲いていた。地下鉄の最寄駅からは近くもないけど、遠くもない。近くにスパイスカレー屋さんがあって、店の前を通るとスパイスの香りがふわっと漂った。花屋さんがあるのも確認。マンションの敷地に煙草の吸い殻が落ちていて、少し不安になる。慣れないオートロックのカードキーを操作して、部屋に入った。古くて狭くてこぢんまりとしている。思ったより静かで、たまに飛行機が飛ぶ音が聞こえた。清掃はしたと聞いていたけど、所々ごみや汚れが残っている。家賃が安い物件だし、こういうのは値段相応なんだろうか。窓の外には、すぐ近くの建物のベランダや壁が見える。景色は良くない。周りのベランダに人が出ていたら、部屋にいる私と目が合いそうだ。北西向きで日も入らず、ほんのり薄暗い。まずかったかなあ、でも頑張って調べた中から選んだ物件だしなあと少しもやもや。
 引っ越し荷物は今から1時間後に届くので、用意していたアースレッドを焚くのは諦めた。多分、外に出ている間中ガス警報器が鳴っていないか心配してしまうと思うので、まあいいか。簡単に床の拭き掃除。その後、荷物以外の物が何もない部屋で、母が持たせてくれた手作りのお弁当を食べた。泣いてなるものかと意地を張っているものの、寂しいのでキャリーに入れてきたぬいぐるみ達を並べて、一緒に弁当箱を囲んだ。本当に私はここに住むのか、生活していけるのかたちまち不安になってきて、ほんのちょっぴり泣いた。
 予定していた時間より早く、引っ越し荷物と注文していた収納ボックスが届いた。荷解きをしようにも収納家具がないことにはしまいようがなかったけど、ひとまずこれで作業ができる。まずは段ボールでぐるぐる巻きにされたコーヒーノキの鉢植えと、段ボール箱にぎっしり入った観葉植物の小さい鉢植え達を出した。これらを並べる棚もないので、とりあえず段ボールを敷いた窓際の一画に集める。
 荷解きもそこそこに、家電を買い揃えなければいけない。オンライン内見ではあちこちの幅や奥行きを測れなかったので、測ってメモをする。洗濯機を置く防水パンがなぜか正方形ではなく長方形で、やたら奥行きが狭い。このままネットで注文しようと思っていたものの、目当てのサイズの物が置けるか怪しいので、お店に行ってそこで購入することにした。地下鉄を乗り継ぎ、15分ほど歩いて電気屋さんに到着。事情を話すと、「この奥行きは狭すぎる。二層式洗濯機用ではないか」「そこまで古くない建物なのに、二層式用というのもおかしい。測り間違いでは」とのこと。結局、かろうじて取り扱いのあった3kg台の洗濯機を購入して、設置できなければ返品ということになった。店員さんの調べ物などを待っている間に別の店員さんから携帯会社の乗り換えをしないかと営業トークがあり、頑張って断った。せっかくだから他の家電もまとめてここで買おうかと思っていたものの、これ以上お店の人の手を煩わすのも気が引けるので、洗濯機の他は冷蔵庫だけ買った。当初は200Lサイズを買うつもりだったけど、冷蔵庫の上にオーブンレンジを置く必要があることに気付き(オーブンレンジを置けるような台を別に買っても置き場がない)、ひと回り小さいサイズにした。家に帰るまでの間に、同じ電気屋さんのネットストアでオーブンレンジ、炊飯器、掃除機、除湿機を注文した。お金がどんどん消えていく。
 帰りに、多分ここが最寄であろうと思われるスーパーに寄ってみた。予想よりとても狭くて小さな、最低限のものしかないような店だった。徒歩10分圏内にスーパーが3店舗あると浮かれていたけど、これは想定外だ。田舎の地元にあるような、郊外型の大きなスーパーに慣れきってしまっていた。肉や野菜の値段がそう高い訳ではなさそうなのがせめてもの救い。さらにドラッグストアにも行ってみたけれど、ここもやっぱり小さい店だった。都会は土地代も高いだろうし、それはそうか…。ハンドソープやボディソープ(ゴッホの星月夜が描かれたビオレのやつ)、ペットボトルの飲み物などを買った。
 晩ごはんはスーパーで買ってきた丼を食べた。気休めに野菜ジュースも飲む。何もかも予定通りで順調、とはいかない初日だったけど、何はともあれ念願の一人暮らしの始まりを祝って、ノンアルコールのレモンサワーで乾杯した。

2024/10/02 Wed.
 なんとか場所を確保した寝床で、ぐっすり10時間も寝た。新しく買ったマットレスはふかふかで、予想以上に寝心地が良かった。朝ごはんは、昨日スーパーで買ったパンを食べた。しょっぱいやつと甘いやつ。コーヒーを淹れたかったけど、鍋もフライパンも買っていないのでまだお湯を沸かせない。荷物を詰めている段ボール箱に猫の爪研ぎ跡があるのを見つけて寂しくなった。服や鞄に猫の抜け毛が付いていた時、ビニール紐を扱っていてもじゃれついてくる生き物がいない時、ヘアゴムやヘアピンをしまわず出しっぱなしにしていいのだと気付く時、足に擦り寄ってくるふわふわがいない時に寂しさを感じる。
 冷蔵庫と洗濯機、ベッドが届いた。3.3kgサイズの小さな洗濯機は、狭い防災パンにぴったり収まった。ひと安心! 冷蔵庫も良い大きさ。荷物だらけの狭い部屋で、ベッドの組み立てに取り掛かった。これがなかなか大変な作業で、何が大変かというと作業スペースの確保が大変だった。本来一人で組み立てるようなものではないんだろうなとは思いつつ、どうしようもないので意地で組み立てた。思ったよりしっかり高さがあるけれど、おかげで昨日届いた衣装ケースがベッド下にすっぽり収まる。かなり良い収納スペースだ。
 とりあえず収納用のこまごましたアイテムや生活用品を買おうと思い、地下鉄に乗って出かける。途中コンビニに寄って、実家で作っておいたマンション周辺の地図をA3用紙にプリントした。おいおいこれに色々書き込んでいきたい。お昼ごはんにサンマルクでサンドイッチもチョコクロを食べた。一食に1000円近く使ってしまったので、早い所自炊を始めないとお金がいくらあっても足りないと焦りを覚えた。せっかく来たからと天神地下街のブルーブルーエを覗いた。地下鉄代210円で好きな雑貨屋さんに来られてしまうのはまずい。通ってしまう。かわいい雑貨がたくさんで癒されたけど、猫モチーフのグッズばかりつい目で追ってしまう。
 ラシックのスタンダードプロダクトとダイソーで色々買い込んだ。初めて行く百均で目当ての物を探すのは難しい。鍋やフライパンも買わないとと思い、無印良品に向かう。洗濯かごやら浴室用の収納メダルラックやらを押し込んだ百均の大きなレジ袋を提げた状態で、大丸のハイブランドがひしめくフロアを通過するのはいたたまれなかった。結局無印には目ぼしいものがなかったので、ソラリアステージのインキューブへ行き、とてもかわいい赤と黄色の小鍋とフライパン、半額になっていた包丁、実家で使って気に入っていたハリオの水出し緑茶ボトルなどを買った。初期投資がかさみにかさむ。おかげで今後は出費を抑えられるはずだからと言い訳する。ソラリアステージのエスカレーターから見た大丸の外壁に、くまモンの大きなタペストリーが掛かっていた。やはりあいつはどこにでもいる。
 重くてかさばる荷物を持ち帰って整理していると、インターホンが鳴って「マンションの設備管理の者です」という作業着姿の人がモニターに映った。会社名を名乗らない所に若干違和感を覚えつつも、マンションの設備管理の人ならとオートロックを解除した。玄関先で話してみると、ネット回線を契約しないかという営業だった。先ほどの違和感はばっちり当たっていた。しかも名刺も資料も渡されなければ、会社名すら分からない。食い下がる相手にしどろもどろで言い訳しながらなんとか断ると、断った途端に「もう用はない」とばかりに表情と態度を変えてさっさと帰っていった。その場で作業なんかするはずもなかろうに、わざわざ作業着を着て管理会社を装って営業周りをしているとは、都会には色々なやり口があるなあ。先日のライフライン手続き代行といい、たった今のできごとといい、なんだか自分の中の性善説を信じられなくなりそうな気がして少しへこむ。そういう手段を取らないと仕事にならない、利益が出ないという資本主義的な現実は頭では理解しているつもりだけど、日々そうやって働いている人の気持ちが荒まないか心配になる(もちろん大きなお世話ではある)。
 そろそろ野菜を摂っておかないとまずいだろうと焦り、晩ごはんはコンビニで野菜サラダとサラダパスタを買ってきて食べた。
 食事の話の直後でなんだけど、浴室に黒光りする素早い虫が出た! 入居してまだたった2日なのにもう奴に遭遇するとは、これから先が思いやられる。手頃な武器をまだ用意していなかったので、咄嗟に浴室用のスリッパで叩き、ボディソープの泡をたっぷりかけて息の根を止めた。かわいいパッケージに入ったラベンダーの香りのボディソープなのに、こんな使い方をする羽目になるとは…。何枚も重ねたティッシュ越しに掴み取り、ビニール袋に入れて捨て、念入りに手を洗って闘いは終わった。
 気分を上げようと、ふくちに似た猫のイラストが描かれたグラスを荷物から取り出して、ミネラルウォーターを注いで飲んだ。ペットボトルで飲むよりも、食器を使った方がおいしく感じるのはなぜなんだろう。
 一人暮らしってこんな感じだっけ、という心細さがある。大学生の時もこうだったっけ。固い床の上に座るのに早くも飽きたので、ラグを注文した。

2024/10/03 Thu.
 昨夜も10時間寝た。疲れたんだろうな。夕べ作っておいた水出し緑茶と、コンビニおにぎりで朝ごはん。
 一昨日行ったのとは別のドラッグストアに行き、洗濯用の洗剤、食器用洗剤、ハエ叩き、殺虫スプレー、ティッシュぺーパー、トイレットペーパーなどの日用品を両手で持てる限り買った。植え込みなどによもぎやヘクソカズラ、アカメガシワ、エノコログサなどが生えているのを見かけて、見知った顔に再会したような懐かしさを覚えた。実家の庭に生えていたら目の敵にして引っこ抜くのに(猫が好むエノコログサを除く)。ヨウシュヤマゴボウの実が生っているのも見つけた。
 昨日はファミマだったので、今日はセブンに行ってみた。昼ごはんやおやつ、福岡市指定のごみ袋を買った。お昼は小鍋でお湯を沸かして、カップ麺のきつねうどんを食べた。
 オーブンレンジ、炊飯器、掃除機、除湿機が届いたので開封する。除湿機が来たからには、洗濯物を干せる。溜まった洗濯物を少しずつ洗濯して干した。掃除機は場所を取らないコードレスのスティックタイプを選んだけど、音がかなり大きく感じられる。賃貸でこれを使っても良いんだろうかと不安になるレベル。重いため必ず2人以上で持ち上げることと箱に書かれたオーブンレンジを、1人で冷蔵庫の上に載せた。達成感。ところが、アースの付け方が分からない。それらしいものが冷蔵庫の後ろに見えるものの、アースを検索して出てくる画像とはどうも異なる。
 アースは一旦諦め、おやつにする。コーヒーを淹れ、コンビニのチョコがけオールドファッションドーナツを食べた。おやつを食べると、どうしてこんなにほっとするんだろう。
 非日常感が続いて曜日感覚がさっぱりなので、裏紙に日付を書いた紙を冷蔵庫に貼り、即席の日めくりカレンダーにした。もちろん、ちょっとした落書きも添えておいた。
夕方、ここに来てから初めてのごみ出しをした。部屋の一角を占領していた燃えるごみの山が消えて、すっきりした。
 晩ごはんは、届いたばかりの炊飯器で実家から持ってきたお米(親戚から送られてきた新米!)を炊いて、インスタントのお味噌汁と温かい粉末緑茶も添えた。出来合いの食べ物もおいしいけど、それが続くことに慣れていないので、炊いたごはんとお椀で頂く温かい味噌汁に心底ほっとした。この生活も案外やっていけるかもしれない、となんとなく気分が上向いてくる。

2024/10/04 Fri.
 昨日16時にコーヒーを飲んだせいか、昨夜は22時になっても眠気が来なかった。とはいえ2晩続けて10時間も寝たから別に今日は大して眠れなくても別に良いか、と諦めたくせに、その後8時間寝た。
 朝ごはんはカップスープとコーヒー。お湯が沸かせるだけで食事事情が随分変わる。
 壁際に積み上げていた段ボール箱をどけた所、今度こそアースらしきものが見つかった!これで安心してオーブンレンジを使えるとぬか喜びしたのもつかの間、よく見ると小さく「TEL」と書いてあった。さすがに困ってマンションの管理会社に電話をしてみた所、電子レンジ用の居室のアースはないとのことだった。なるほど…。
 地下鉄と電車を乗り継いで、新宮のIKEAへ行った。デスクチェアの下に敷く床保護用のマットを買おうと思っていたけど、いざ実物を見ると梱包も何もされていないそのままの平らな状態で売られており、これを電車で持ち帰るのは厳しいと判断して諦めた。代わりに、浴室前に置く収納ラックや、キッチン周りの小さいメタルラックなどを買った。お昼はIKEA内のレストランで、スウェーデンミートボールとベリーチーズケーキを食べた。
 マンションに帰ってきてから、今度は近くの商店街に出かけた。最寄りのスーパーが小さくてがっかりしていたけど、なんと昔ながらの商店街が2ヶ所も近くにあったのだ。商店街の百均で収納グッズを買い足し、初めて「八百屋さんで野菜を買う」という体験をした。にんじんと玉ねぎ、白菜を買った。
 買ってきたワイヤーネットをさっそく台所に取り付け、今度はそれを固定するための突っ張りポールと結束バンドがいることに気付く。また後日買いに行こう。
 注文していたラグが届いた。毛足の長い、ふわふわの芝生のような緑色のラグ。大きさもちょうど良く、当たり前だけど固い床の上に座るよりはるかに快適で良い。
 荷解きの続きをして、観葉植物のいくつかに水をやった。これらを並べる場所もそのうち考えないと。
 買ってきた野菜を切って小鍋で煮て、鍋キューブを入れて簡単な鍋料理のようなものを作った。冷蔵庫に入れていたごはんも温めて、晩ごはんに食べた。とても簡単な作業なのに、慣れない環境と狭い調理スペースのおかげでびっくりするほど手間取った。でも、やっぱり作ったごはんは沁み渡る。

2024/10/05 Sat.
 朝ごはんは、コーヒーと一本満足バー。
 本棚とデスクチェアが届いたので、組み立てを始める。ところが、デスクチェアのボルトが探せども探せども見つからない。梱包材と一緒に捨ててしまったのではと何度も探して見るものの、ない。これはもしかして元々なかったのではないかと判断し、サイトで番号を調べて電話をしてみた。担当の方が休みなので、週明けに対応するとのこと。もしも私がうっかりどこかへやってしまっていたのなら申し訳ないけど、なんとかなるといいなあ。
 デスクチェアは置いておいて、本棚を組み立て始めた。これがまあ大変な作業で、汗をだらだらかきながら格闘した。よく一人でこれを作れたものだと我ながら少し感心したくらいだった。悪戦苦闘の末にできた本棚に、持ってきた本とぬいぐるみを並べた。お気に入りのものが詰まった本棚があるだけで、一気に「私の部屋」という実感が増す。頑張ったかいがあった。
 今日はまだ外に出ておらず、せっかく出かけられるように身支度はしたのだからと買い物に行った。商店街のひとつを端まで歩いてみてどんな店があるのかを眺め、百均で突っ張りポールなどを買い、商店街とは別の通りにある初めて行くスーパーに入った。これがおもしろい所で、多分食べ物屋さんをやっている人がメインの客層なのではないかと思えるような品揃えだった。1個単位でなく箱で売られているキャベツから、6,000円の松茸、食用の菊やミニバラに蘭、フレッシュハーブ色々、いかにもお高そうな生ハムやチーズ、見たことのない海外の冷凍食品と、珍しいものが色々ある。見慣れた普通の調味料やお菓子もあるけど、なぜか少し値段が高く設定されている。お惣菜もあって、こちらはリーズナブルなお値段だった。とんかつ弁当と、明日の朝に食べるための食パンとマーガリンも買った。
 帰宅して、昼ごはんか晩ごはんか分からない微妙な時間(夕方)だったけど、とんかつ弁当と、煮た野菜の残りを食べた。地元の大きなスーパーの弁当よりもおいしいかも。

2024/10/06 Sun.
 朝ごはんは、昨日買った食パンとマーガリン、実家から持ってきた蜂蜜で蜂蜜トーストを焼いて食べた。コーヒーとの相性が抜群だった。
 潰した段ボール箱が随分増えてきたので、徒歩7分の所にあるリサイクルステーションに持って行くことにした。ビニール紐で束ねたものが6束あって、とりあえず2束を持って歩いて行ってみた所、重たくかさばるのもあってこれが結構大変だった。あと2往復するのは少しきついと思い、観念して残りはタクシーに頼ることにした。リサイクルステーションでは地域の人と思しきおじさんおばさんが分別作業などをしていて、おばさんがにこにこして「いつもありがとう」と声をかけてくれた。これからお世話になります。傍の公民館の掲示板を見てみると、市民向けの趣味の教室がとても充実していてびっくりした。フラダンスや古文書解読、ポルトガル語教室まである。とにかく種類と開催頻度が多い。田舎との圧倒的な文化的格差に慄いた。一旦マンションに戻り、残りの4束の段ボール箱を階下に運び出し、アプリでタクシーを呼んだ。タクシー待ちの間、同じマンションに住んでいるらしいおじさんに話しかけられ、段ボールはどうやって処分するのかと尋ねられた。近くの公園にリサイクルステーションがあるから、そこに持っていく旨を伝えた。段ボールの束と一緒にタクシーに乗り込み、運転手のおじさんと少し話しながら再度リサイクルステーションにやって来た。運転手さんが段ボールを途中まで運んでくれてありがたかった。
 束ねた分の段ボールを全て捨ててしまえた達成感に包まれながら、今度はまた初めて行くスーパーに行ってみた。20分くらい歩いた。食品がメインで、最寄りのスーパーよりも品揃えが充実していて、プライベートブランドの物も色々ある。せっかく来たからと自炊に必要な調味料だの食品だの何だのをあれこれ買い込み、帰りの荷物がすごく重たくなってしまった。帰り道はGoogle Mapによれば13分だからと、頑張って歩いた。荷物がとにかく重くて、大して暑くもない日なのに汗だくになって帰宅した。エコバッグが破けなくて本当に良かった。
 食料品が一気に増えたのと、いつまでも段ボール箱に詰めていたのでは調理器具が使いにくいからとで、とりあえず段ボール箱で3段の棚を作った。これで少しは取り出しやすくなるだろう。そのうちちゃんとメタルラックなり何なりを買うけど、引っ越してきてからたった数日のうちに何度もクロネコヤマトと佐川急便にお世話になり続けているので、気まずさから少し間隔を空けたい気持ちがある。
 さすがに少し疲れて、ふかふかのラグに寝そべってちょっとだけ昼寝をした。目が覚めるとすっきりして、やっぱり疲労回復に一番良いのは昼寝だなと実感した。

週間日記(2024/09/23-09/29)

2024/09/23 Mon.

 引越用の段ボール箱が足りなくなったので、ホームセンターで買い足した。あんなにたくさんの物を捨てたはずなのに、それでも荷物が多くて驚く。せっせと荷造りを進めていると、キャリーケースにふくちが入り込んできた。福岡までついてくるんだろうか。こんなかわいい生き物を置いて私は家を出るのか…。
 お昼に、モスバーガーのロースカツバーガーとオニオンフライを食べた。マクドナルドやケンタッキーを長いこと食べておらず、食べたい気持ちもあるけど、食べた後で罪悪感に駆られるだろうことは間違いないのでボイコットを続けている。
 晩ごはんは、肉野菜炒めと味噌汁とごはんを用意した。白ごはん.comのレシピで作ると、シンプルな肉野菜炒めであってもとてもおいしくできるので本当にありがたい。

2024/09/24 Tue.
 ジモティーで、月末まで取りに来れないそうだからと取り置きしておいた最後の一鉢を人に譲った。マユハケオモトを渡した代わりに、お礼にと鳴門金時を頂いた。さつまいもは大好きだから嬉しい。ほんのちょっとだけど世間話もできて、他者と関わることを楽しめたことも嬉しかった。
 知らない電話番号から2回ほど着信が入っていて、どうせ何かの営業だろうし用があれば留守電を残すだろうと思って出ずにいた。すると、不動産仲介業者から電話がかかってきて、Kという会社から電話が来なかったかと訊かれた。不動産仲介業者と提携しているということは出た方が良いのだろうと判断し、Kにかけ直してみた。とてつもなく長い話を電話越しに訊いている間に「重要事項説明書には電気の欄に九州電力と書いてあったけど、電気と水道の話をしているからどうやらここと契約することになっているようだ」と思い、契約手続きを進めた。しかし、ライフラインの話に続いて何とかいう補償サービスもつけないかという話題が始まった。話を聞いていても、内容がいまいちよく分からない。必要ないと最初は断ったものの、相手は「端末(携帯電話のことか?)が故障した時に使える」「皆さん利用されている」「初月は無料だから」と食い下がってくる。じゃあ契約だけしてすぐに解約しますと答えると、それで向こうも納得したようだった。ところが、さらにウォーターサーバーを使わないかという勧誘まで始まる。この辺りでさすがに怪しいと確信するも、まだこの会社がどういうものなのか分からない。ウォーターサーバーは絶対に要らないので、頑張って断った。ようやく長い長い電話が終わり、ショートメールでURLを送るので契約手続きを完了させる段になった。その前にネットでKと、会話の中に出てきた電力会社の名前を検索してみた。すると、Kはライフラインの契約手続きを代行する会社で、今回の電話で電力会社Sと契約手続きをするらしいことが分かった。このSという会社が良くない会社らしく(電気代がかなり高くつく上、九州電力のWebサイトによく似たWebサイトを作るなど悪質と言えるようなやり方をしたことある)、このまま契約を完了させる訳にはいかないことをここに来てようやく理解した。慌ててKに連絡し、全てのサービス(ライフラインの手続き代行とよく分からない謎の補償サービス)を解約させてほしい旨を伝えた。LINEなので、返信はまだない。そして、ライフライン手続き代行サービスを介さずに九州電力と福岡市水道局に使用開始の申し込みをした。世の中にはこういうこともあるのだと勉強にはなった。

2024/09/25 Wed.
 自転車を漕いで市役所に行き、転出届の手続きをした。
 昨日のライフライン手続き代行会社Kから電話がかかってきて、改めて解約の旨を伝え、無事解決した。ひと安心。
 観葉植物のコーヒーノキの実がいよいよ赤く色づいてきた。赤い実というのは、見ているとなぜかむしょうにわくわくする。前世はヒヨドリか何かだったんだろうか(前世とかは信じていないけど)。シンニンギアの花も咲いた。

2024/09/26 Thu.
 Google Meetで、賃貸の重要事項説明書の説明があった。10分くらいであっという間に終わった。

2024/09/27 Fri.
 引き続き荷造り。
 プランターのみょうがを1個収穫した。とてもきれいな、つやつやした大きいみょうがだった。甘酢漬けにする予定。

2024/09/28 Sat.
 精神科の診察。訊くと、薬は最大3ヶ月分も出せるらしい。今回は環境が変わるからと、いつもと同じくらいの7週間分を処方してもらった。
 お昼は、ちょっと良い洋食屋さんに両親と行った。とろとろのオムライスも、食後のコーヒーもとてもおいしかった。
 「e転居」で転居届の受付手続きをした。わざわざ郵便局に行かずともスマホひとつで手続きができるのは楽で良い。就労移行支援の事業所にも、ネットで見学申し込みをした。3日以内に電話がかかってくるそう。
 スーパーでおいしそうな栗を買ったので、せっせと皮を剥いて栗ごはんにした。渋皮を剥くのが特に大変だったけど、塩加減もちょうど良いとてもおいしい栗ごはんができた。家族にも、お裾分けした祖母にも好評で嬉しい。

2024/09/29 Sun.
 観葉植物の梱包をした。ポリ袋、新聞紙、ガムテープ、ビニール紐などを駆使して頑張った。特に、一番大きなコーヒーノキは大変だった。無事運ばれてくれますように。
 母がふくちの体重を測ったら、200g増えて7.3kgになっていた。保護した当初の170gの体重を思えばよくここまで育ったものだと嬉しい気がするけど、もっとこまめに運動させてあげた方が良いのかもしれない。
 引越しを目前にして、なんだか急に不安になってきた。実はとても馬鹿なことをしているんじゃという考えが頭をよぎる。このまま実家いればのほほんと暮らしていられるのに、苦労すると分かっている方を自分から選ぶことはないんじゃないか。とはいえもう物件は契約してしまったし、やるしかない。

週間日記(2024/09/16-09/22)

2024/09/16 Mon.

 敬老の日なので、以前「あると嬉しい」と言っていたので購入したブルーレイレコーダーだの、手作りのポップアップカードだの、色々な物を持って祖母のアパートへ行った。レコーダーを持ち込んだは良いものの、説明書を見ても設置の仕方がさっぱり分からず、父を呼んで丸投げした。一人暮らしをしていた大学生の時はテレビを持たなかったので、テレビの設置なども未だに全く分からない。来月からの一人暮らしでもテレビを買うつもりはないので、まあいいか。

2024/09/17 Tue.

 自転車を漕いで、肌荒れの薬をもらいに皮膚科へ行った。病院の入口に「本日は担当医が一人体制のため、予約枠の空きが少なくなっています。診察無しで薬の処方だけでも良いという方は、受付にてお伝えください」みたいな貼り紙があったのでその通りにしようと、薬の処方だけお願いできますかと受付で尋ねた所、「薬だけ…?」と怪訝そうな、意外そうなリアクションをされ、こちらも内心動揺してしまった。結局少し待ってから診察無しで薬をもらえたものの、「自分は薬さえもらえれば良かったから他の人に診察時間を譲りたかったんだけど、余計な気を回さず自分も診察を受けた方が良かったんだろうか」と少し悶々としている。こういう、自分では良かれと思ってやったことがなんとなく裏目に出るようなことが、最近の自分の人生では割とよく起こる。お節介と親切の加減を測るのって難しい。

2024/09/18 Wed.

 祖母を誘って、畑の芋堀りをした。去年は安納芋だったので、今年は紅はるかを植えてみた。芋堀りというのは本当に楽しい。土をざくざく掘って赤紫色を見つけた瞬間の興奮、予想外に大きい芋を掘り出した時の感動、芋掘りでしか得られない楽しさというものが確かにある。想像以上の収穫量の芋を、一日日陰で乾かした後に祖母と山分けした。
 祖母が帰った後、一人で庭仕事納めをした。捨てるには忍びなかった鉢植えのニチニチソウ、ジニア、ポットマム、ミニバラを畑に植え替え、残りの鉢植えはばらして処分した。劣化しそうなプラ鉢は捨て、残っていた肥料や土を畑にばらまいて、自分の園芸用品を片付けた。涙こそ出なかったものの、なんだかむしょうに寂しかった。
 今から10年近く前に新卒で入った会社を半年足らずで辞めて実家に帰ってきて、他人も人目も近所の顔見知りすらも怖くて不安で毎日めそめそ泣いていた時期に、外に出る練習だと思って庭の一角を小さいスコップひとつで掘ってはごろごろ出てくる石を取り除く作業をして、そうしてできたのがこの畑だ。当初は栄養なんかまるでなさそうなぼそぼそした粘土質の土だったけど、それでもホームセンターで植物を買ってきては見よう見まねで植えて育てて遊んでいた。4年前の水害で山の腐葉土が流れ込んできて畑の状態に戻すのが大変だったけれども、以来みみずがうようよするふかふかの良い土になって驚いた。メンタルのリハビリ目的で始めたことが大好きな趣味のひとつになって、色々な植物をたくさん植えて枯らして収穫して、すごく楽しかった。長靴とヤッケを装備して不慣れな鍬を振るうことがもしかしたら今後もうないかもしれないと思うと、やっぱりかなり寂しいものがある。陽射しを浴びて土に触れながら野菜や果物を育てるのは本当に楽しくて、室内で観葉植物を愛でるのとはまた全然違ったおもしろさがある。ミニトマトもきゅうりも鉢植えより地植えの方が断然よく育つし、土まみれになって汗をかくのも結構気持ちいい。趣味も10年近く続ければ素人なりに少しは上達するもので、最初は何でもすぐ枯らしていたのに、さつまいももいちごもサニーレタスもパセリもたくさん収穫できるようになった。時間と手間をかけて作ってたくさん楽しんだ私の畑がそのうちただ雑草が生い茂るだけの区画になるのだと思うとむなしい。大好きだったおもちゃを手放すような悲しさがある。もし万が一(そうなってほしくはないけど)一人暮らしが立ち行かなくなって実家に戻ってくることになったら、その時はまた畑をやるだろう。自分一人で生活することがままならなかった無力感や劣等感、絶望感に打ちのめされているだろうから、畑に癒しを求めるしかない。

2024/09/19 Thu.

 そのうち観てみたいと思っていた映画「かもめ食堂」を観た。誰にでも悩みや悲しみがあること、人それぞれ異なる価値観や意見を持っていること、互いの境界線を不用意に踏み越えずに相手を尊重して接するということ、そういう忘れがちだけど大事なことを思い出させてくれる映画だった。内容も良いけど、出てくる女性達が、現代の日本社会で男性から良しとされる態度(いつも愛想良くにこにこして、甘えたような高い声で話す)を取っていない、取る必要がない環境で生きているというのもまた良かった。訊かれれば何でも正直に答えるのではなく時にははぐらかしたりもするサチエ、無理に取り繕わず意見や感情を素直に表出するミドリ、周りのペースに流されず常に悠々としているマサコ、自分が生まれ育った場所のものとは異なる文化に興味や好意を抱くトンミ、他者との関わりを通して自分の悲しみを癒やし立ち直っていくリーサとどの登場人物にも尊敬できる魅力があって、いいなあと憧れた。特にマサコさん! 私は必要以上に周りに合わせようと無理をしてしまう性格だけど、あの貫禄、落ち着き、ゆとり、品、どれも私にないもので、見倣いたいと強く思った。そして、主人公サチエがフィンランドを選んだ「何が何でも日本である必要ないかな」「ここならやっていけるかな」という理由にも、惹かれるものがあった。私も「何が何でも実家のある田舎である必要はない」「都会ならやっていけるかもしれない」という期待と願いを込めて一人暮らしを始めるので、徐々に軌道に乗っていくサチエを見ていると「自分もやっていけるかも」と思えるような心強さがあった。人気があるのも頷ける、良い映画だった。

2024/09/20 Fri.

 昨日届いた賃貸の契約書に目を通していたら、銀行印が必要とあった。ところが、銀行印として登録した印鑑を覚えていない。家賃の振り込みに対応している銀行の中で私が口座を持っているのはN銀行しかないのでN銀行の銀行印が必要だけど、現在住んでいる地域にはATMも窓口もない。最寄りのN銀行の窓口は、自宅から約50km離れた場所にある。26日までに書類を送るとなると、三連休を挟んでからだとぎりぎりになってしまう。となると、今日しかない。思い立って30分で高速バスの予約と出かける支度を済ませ、30分ほど自転車を漕いで高速バス乗り場へ行き、40分ほど高速バスに乗り、路線バスに乗り換えて15分、N銀行の支店に着いた。自分にしては随分フットワークが軽くなったと思う。銀行印の確認手続きは無事に済んだ。
 帰りのバスに乗り、高速バス降り場で下車し、今度は自転車で市役所へ向かった。賃貸の契約手続きに必要な住民票は取っていたつもりだったけど、本籍地に記載が必要との追加情報が分かったので、本籍地の記載有りの住民票を取らなければならなかったのだ。途中小雨に降られながらも汗をかきかきなんとか辿り着き、住民票を発行してもらって帰路に就く。急な大冒険を頑張ったので、自分へのご褒美にアイスを買って帰った。

2024/09/21 Sat.

 ショッピングモールに行って、新しくキャリーケースを買った。3,4泊用の大きい物と迷いに迷って、コインロッカーに入れやすい1,2泊用のサイズの物を買った。プリンのような黄色でとてもかわいい。アイボリーとも迷ったけど、黄色の方が見分けがつきやすくて良い気がしたのでこっちにした。今まで使っていたキャリーケースには、白い物に「ブリュンヒルト」、グレーの物に「アースグリム」と名前を付けていた(『銀河英雄伝説』に出てくる宇宙戦艦の名前)。今回の黄色いキャリーには、両親が「アンデューティネス(親不孝)号」と名前を付けてくれた。画像を検索してみると、確かに似たような黄色のラインが入っている。養育者のヤンから自立するように地球へ旅立ったユリアンのように、私もこのアンデューティネス号と家を出ていくぞ!

2024/09/22 Sun.

 賃貸の契約書についてLINEで尋ねていた質問の回答があったので、それに従って書類を記入した。内容はややこしいし、書く所はたくさんあるしで、部屋を借りるのって簡単にはいかないんだなとしみじみ感じた。何度も確認して封筒に入れ、郵便局に行き、速達で発送した。不備がないことを祈る。
 とらふくの写真を採用してもらった猫めくりカレンダーが届いた。IKEAのリラックスチェアの上で仲良くくっついているとらちと小さな子猫ふくちの写真が、11月24日のページに載っていた。まさか2年続けて載せてもらえるとは思いもしなかったので、嬉しい。
 ケーキ屋さんで、ちょっと早いけど私の誕生日ケーキという口実でケーキを買った。私は栗のクランブルタルトとりんごのタルトを選んだ。どちらもシナモンが効いていて、いかにも秋らしいケーキでおいしかった。

週間日記(2024/09/09-09/15)

2024/09/09 Mon.

 「若い頃に興味を持ったことは今からでもやってみた方がいい」といったような旨のツイートを見てさっそく感化され、ずっと行ってみたいと思っていた文学フリマ東京に行くための飛行機を予約してしまった。あわよくば、そこでも良い影響を受けて趣味の創作活動により打ち込めるようになるといいなと目論んでいる。秋は文学フリマ福岡にも行く予定だけど、東京のは出店者数が桁違いに多いらしい。どちらもすごく楽しみ。
 敬老の日のカードを作った。画用紙を切っては貼り、切っては貼り、少しずつ作り上げていくのがとても楽しい。やっぱり物を作るのって好きだなあ。文章、絵、漫画、工作、手芸、お菓子と、表現をしたり作品を作ったりするのは本当に楽しい。他人と比べて落ち込むことも、思うようにできなくてがっかりすることもあるけど、夢中で作業して心から楽しいと思える瞬間があると、やっぱりやめられない。
 先日のLINEスタンプが承認されたので、販売を開始した。さっそく、大好きなとらふくのスタンプを家族の雑談用LINEに送りまくると、両親も欲しいと言ってくれたのでプレゼントした。
 一昨日ジモティーでやりとりした人が残りの植物もまだ欲しいと言うので、アロニア、ヒメザクロ、ユーカリ、レモンバーベナ、レモンバーム、ルバーブ、すみれ、スターチス2鉢を譲った。おかげで、鉢植えがびっしり並んでいた軒下が随分片付いた。適当極まる育て方とは言え自分なりに手をかけて育ててきた植物を手放すのには寂しさを覚えなくもないものの、植物好きの人の手に渡って、多分私より上手に育ててくれるんだろうことを思えば、まあいいかと納得できる。枯らして捨てる手間も省けたし。

Blueskyからコピペ
・私が”私の”一人暮らしに必要な物を見繕ってると高確率で母が口出ししてくるので、その度に「自分で決めるから大丈夫!」とつっぱねるのを繰り返してる 32歳を目前にしてやっと母親に物申せるようになったね
・私は多分こういう「もしかしたら私じゃない誰かが◯◯かもしれない」という妄想を膨らませすぎて人間関係を上手く築いたり維持したりできないし、人と交わって働いたり車の運転をしたりができないんだけど、この生きづらさの原因に「想像力」とか「他者への気遣い」とかいう名前がもし付けられるなら報われるというか救われるというか
・悲しいのはどんなに気を遣っていても「適切な気遣いができている」とは限らない所 でも私みたいなのが自分自身を「私は気が利く人間!」と思い込むようになったらそれこそ終わりなので、気遣えてるかな大丈夫かな〜と心配してるくらいで丁度良いんだと思いたい

2024/09/10 Tue.

 作りかけだった、敬老の日用のポップアップカードを仕上げにかかった。画用紙だけだと物足りなかったので、シールやマスキングテープをべたべた貼り付けてみた所、かえってごちゃごちゃしすぎてしまった。かといって貼ってしまった以上剥がすこともできないので、妥協するしかない。やっぱり例年通り絵を描けば良かったかなあ。

2024/09/11 Wed.

 1時間半ほど庭仕事をした。日差しこそ若干ましになっているものの気温はまだまだ暑くて、着ていたポロシャツを絞れそうなほど汗をかいた。かつて植物が植わっていた植木鉢の中身を土と鉢底石に分けたり、古くなって劣化してきたプラスチックの鉢を燃えるごみの袋に詰めたり、軒下に残っていた鉢植えの植物を引っこ抜いて処分したりと、庭にある自分の趣味の物を片っ端から片付けていった。実家に帰ってきてからの10年近くの間、庭で植物を育てるのは本当に楽しかったので、趣味から手を引くというだけでなく、自分のアイデンティティの一部を失うような寂しさを覚えた。一人暮らしができる喜びで上塗りできれば良いけど。結局今日だけでは作業が終わらなかったので、また後日続きをしなければならない。
 12月に東京へ旅行する時の計画を立てた。ちょっと神経質すぎるような気もするけど、私は事前に段取りや交通手段をしっかり調べて決めておいた方が安心して旅に専念できるタイプなので、修学旅行のしおりかと思うような細かい計画を練った。文学フリマの他にも行ってみたい場所がたくさんあるので、その中から優先順位や行きやすさを考えて絞りに絞り、自分にとって最高の旅行プランができあがってしまった。博物館に美術館、植物園、独立系書店という具合に、私の好きな場所ばかり。色々なものに見て触れて、この世は広くておもしろいものがたくさんあって、これからも生きるに値する場所なのだと確信できるような良い旅をしたい。
 一番大きなペヨーテに、双子のような形で花が2つ咲いた。今年はなんだかペヨーテの花がよく咲く。育てている植物に花が咲くというのは、何度経験してもその都度むしょうに嬉しい。

2024/09/12 Thu.

 使っているヘアシャンプーとトリートメントの残りが少なくなってきたので、次はどれを買おうか悩んでいる。パッケージのかわいさでは+tmrとYOLUで迷うけど、前者はあまり香りが好みではなかった。後者は悪くない香りだけど、いささか強すぎるきらいがある。それに、YOLUくらいの値段を出すなら、一番好きな香りのTHE PUBLIC ORGANICを買った方が良いんじゃないかとも思えてくる。YOLUの方が若干髪の手触りが良くなる気もするけど、香りが良くて入浴のモチベーションになるのは断然THE PUBLIC ORGANICの方だ。もさもさの髪質が劇的に改善する訳でもなし、少しでも入浴のハードルを下げられる方を選んだ方が良いんじゃないだろうか。それとも、理想の髪質に近付けるシャンプーがこの世に存在する可能性を信じて試してみるべきだろうか。自分の容姿について思い悩むことは特に楽しいことではないものの、コンプレックスが強すぎるあまり容姿に気を遣うことすら自身で禁じていたような時期もかつてはあったので、容姿のことを考えることを許せるくらいには自分のことを認められるようになったのだと思えば、悪いことでもない気がする。もちろん、そう思う一方で、ルッキズムは滅びるべきだと思っているけれども。私や誰かが自分自身のことをどんなに醜いと思っていようが、他人から一方的に美醜を評されるようなことはあってはならないし、「自分磨き」だの「垢抜け」だのに励まずとも醜い(と思っている)ままでのびのびと生きていける社会であるべきだ。私はもさもさの髪を恥ずかしくみじめに思う必要は一切ないし、これを「改善」しなければならない必要性もないのだということは頭の片隅に置いておきたい。
 実家に置いていく本を整理して、UpNoteに一覧を作った。いつかこの蔵書を全て手元に置いておけるようなゆとりのある部屋に住めたら良いけど(もちろん一人で)、とりあえず今は一人暮らしの夢が叶うことを喜んでおこう。

2024/09/13 Fri.

 実家でフライヤーが使える間に挑戦しておこうと、一度作ってみたかったアメリカンドッグに挑戦した。ホットケーキミックスで生地を作り、ウインナーやチーズを包んで油で揚げた。形は崩れたり不揃いだったりになったけど、味はなかなかおいしかった。ケチャップをたっぷりかけて食べた。
 古くなったりんごがあったので、りんごと紅茶のパウンドケーキを焼いた。角切りにしたりんごが甘酸っぱく、紅茶とバターの香りが豊かで、これもおいしくできた。
 「猫めくり2025応募写真採用のお知らせ」のメールが届いた。2024年にもとらちゃんの写真を載せてもらった日めくりカレンダー「猫めくり」に、来年はとらふくの写真が載ることになる。今年は市販のカレンダーに写真を採用してもらえたり、公募の文章をWebメディアに掲載してもらえたりと、なんだか自分の表現が世間から認めてもらえたような感覚があってとても嬉しい。

2024/09/14 Sat.

 梅雨や台風シーズンに備えておいた防災用品を整理した。備蓄している食品の賞味期限を確認したり、持ち出し用リュックに入れておいた荷物を在宅避難用の道具入れに詰め直したり。4年前の水害以来、手回し充電ラジオだの懐中電灯だの色々な物を買い込んだ。自分で買った物だから引っ越し先に持っていこうかとも思ったけど、水害のリスクは圧倒的に実家の方が大きいから、全部置いていくことにした。食品関係の物や衛生用品、工具、タオル類などジャンルごとに分け、何がどこに収納されているかひと目で分かるようにExcelでリストを作って印刷したものを入れておいた。これらの準備が役に立つ機会がなければ、もちろんそれに越したことはない。
 身体を動かしてみようかという気になり、YouTubeの動画を参考に30分ほどエクササイズに取り組んだ。身体が温まって、しっかり汗をかいた。達成感。
 猫達の写真や動画は毎日のように撮っているけど、今日は特に動画をたくさん撮った。撮影したものを見返してはにやにやしている。

2024/09/15 Sun.

 日帰りで両親と遠出した。水俣市の湯の児スペイン村福田農場で、窓越しに海を眺めながらおいしいパエリアを食べた。山に囲まれた場所で暮らす人間としては、青々とした海を見るとどうにもテンションが上がってしまう。甘夏のソフトクリームもおいしかった。外のステージではフラメンコ教室の人達が踊っていて、堂々とした動きや表情がかっこよかった。今まで全くそんなことを考えたことがなかったけど、フラメンコを習ってみたいかもしれないとふと思った。スポーツテストは学年最下位、身体を動かすのは大の苦手、社交不安障害ゆえ今や人前に立つこともできないという、ダンスに向いているとはお世辞にも言えないタイプの人間だけど、これでも子どもの頃に10年ほどバレエを習っていた。当時も今も身体はものすごく固いし、しかも現在は太ってしまったのでバレエのレオタードはとてもじゃないが着られない。でも、フラメンコなら、バレエほどの柔軟性は必要なさそうだし、体格が良くてもむしろ迫力が増すのでマイナスには働かない気がする。スペインのかっこいい音楽に合わせて衣装の裾をはためかせて踊るのは楽しそうだし、堂々と自信ありげな立ち居振る舞いが身に着きそうで、むしょうに「なんだかいいなあ」と思えてくるものがある。昨日、リバーダンスのマリア・パヘスのファイアーダンスをYouTubeで観たのもあって、靴のかかとをかつかつと慣らして踊ることへの憧れが募ってくる。来月から住む都会なら、初心者向けの教室もあるだろう。もうちょっとの勇気が出たら、ピアノ・バレエ・英会話以来の習い事をもしかすると始めてみるかもしれない。
 帰りに寄った道の駅で、地元の工房が作っているらしい湯呑みやティーカップが販売されていた。市販の量産品とは違う味わいのある作りで、これまた「なんだかいいなあ」と思うものだった。今まで食器の類は「安くて、少しかわいければそれでいい」と思う程度のこだわりのなさだったのに、こうした手作りの作品に対して急に強い魅力を感じたので驚いた。麦の穂のような絵が描かれた湯呑みに特に惹かれて、思ったより手の出しやすい値段(なんと1000円しなかった)だったので買おうかものすごく迷った。せっかくだから買えば良かったのに、母親からからかわれそうな気がしてためらってしまい、結局買わずじまいだった。惜しいことをした。

コーヒーさえあれば!

 コーヒーを飲むと、高確率でお腹を壊してしまう。別に日に何杯も飲んでいるという訳ではなく、カップに半分くらいの量でも来る。おいしいコーヒーを飲んだ爽やかな朝に毎回トイレにこもる羽目になることにいい加減うんざりしてきたので、コーヒー断ちをしてみようと思った。
 とりあえず、まずは一週間と期間を決めてみた。コーヒー自体はとても好きなので、今後二度とコーヒーを飲まないと決意できるだけの覚悟はないのだ。そして、あくまでカフェイン断ちではないという点も重要だ。もちろん、カフェイン自体をすっぱりやめることができたら、健康には良いだろう。だが、大好きなコーヒーのみならず、紅茶も緑茶も禁止というのにはいくらなんでも耐えられない。

 コーヒーを飲むようになったのは、確か高校生の頃だったと思う。授業中あまりにも眠いので、眠気を追い払うために飲み始めたのだった。最初はただただ苦いだけで、おいしいとはあまり感じられなかったけども、なんとなくかっこいいからという憧れもあり、見栄を張ってブラックコーヒーを飲んでいた。その頃はコーヒーを飲んでもお腹を壊すということはなく(過敏性腸症候群と診断されたことはあったものの)、その代わりに大抵なぜか頭が痛くなっていた。
 いつしかコーヒーと甘い食べ物の相性の良さに気付き、ブラックコーヒーを喜んで飲むようになった。加えて、頭痛はしなくなったと思いきや、お腹を下すようになった。朝に家でコーヒーを飲むとよく下すのだが、おやつの時間や夜などに飲むと、下さないことがある。外出先で下すことはそんなに多くない気がするのだけど、毎朝のようにコーヒーを飲んではトイレにこもっている事実を思うと、「万が一」の可能性を考えてしまいなかなか賭けには出られない。本当は、カフェなどで気軽にコーヒーを楽しみたいのに。
 カフェインレスコーヒーがあればそれを注文するが、どうも「コーヒーを飲んだ!」という満足感、脳にカフェインが侵入してくる独特の感覚がなく、いまいち物足りない気がする。味は普通のコーヒーにかなり近いもののはずなのに(そんなに舌が肥えている訳でもないと思うため)、何かが違う。学生の頃はさておき、今は別にカフェインを摂取したくてコーヒーを飲むのではなくおいしさを求めてのことなのだから、別にその独特の感覚とやらがなくても支障はないはずなのに、この虚しさは何だろう。
 もちろん、味が普通のコーヒーと異なるという場合もある。近くのスーパーで手頃な値段のカフェインレスコーヒーのドリップパックを買ってみた所、これがどうにも口に合わなかった。ただ雑味ばかりがするような、おいしいとは言い難い代物だったのだ。おかげで、なんとなく家で飲むコーヒーもカフェインレスに切り替えることはできず、「お腹を壊すけど、それでもおいしい方が良いから」と依然普通のコーヒーを飲み続けている。
 もう少し金額を出せば、よりおいしい「普通のコーヒー」に近いカフェインレスコーヒーが味わえるのだろうか?けれど、普段よく飲む物の値段のランクを上げるのにはちょっとした勇気が要る。いや、別に量をたくさん飲む訳でもないのだし、トイレに駆け込まなくて良くなるのなら冒険してみても良いのでは…。とりあえず明日からのコーヒー断ちの一週間の間に、コーヒーがないことに耐えられなくなったら、良さそうな物をネットで探してみよう。

 そう、コーヒー断ちは明日からだ。今朝はもう飲んでしまったのだ。そして、派手にお腹を壊した。コーヒー好きを自負する人間が「コーヒーをやめた方がいいかもしれない」と思い知るほどには。メンタルの健康には腸内環境が密接に関わっていると聞くことがある。詳細は知らないけれども、セロトニンがどうとかいう話らしい。そうでなくとも、腸の調子を整えることで、長年の宿痾たる顔面の肌荒れも治るかもしれない。もちろん、メンタル面が安定するならもちろんそれに越したことはない。健康のためには、コーヒーを控えた方が良いというのはよく分かっているのだ。ただ、コーヒーに対する執着、つまり食欲がそれを妨げているだけで。
 わざわざコーヒーミルを買うくらいにはコーヒーが好きなのに、本当にコーヒー断ちをする必要はあるんだろうか。コーヒー無しに甘いお菓子を食べる空虚さに耐えられるだろうか。本当に健康のことを考えるなら甘い物も揚げ物も食べない方が良いのに、実際は食べているんだから、コーヒーくらい良いんじゃないか。お酒も滅多に飲まないんだし、コーヒーくらい……。しかし、そうやって脳内で囁く悪魔の声を思わず退けたくなるくらいには、今朝はトイレで疲弊した。食べ物の話とトイレの話を行き来して申し訳ないけれども、事実だから仕方ない。
 とにかく、とりあえず一週間だけコーヒー断ちをやってみよう。明日から。

一日目
 コーヒー断ち開始。朝食のジャムトーストをひと口かじる度に、「コーヒーを飲みたい」という欲求が募る。口の中が甘い。コーヒーの苦さでリセットしたい。私が作ったさくらんぼジャムは、甘さと酸味のバランスが程良く我ながらとてもおいしいものだけど、コーヒーがあればもっとおいしいはずなのだ。コーヒーがないと朝食のおいしさが半減するとまでは言いたくないけれども、明らかに物足りない、肝心なものが欠けている感じがする。それから、朝を迎えたという気分にもならない。頭がすっきりせず、半分寝ぼけたままで朝食を食べているような気になってくる。別に、そこまでコーヒーに依存しているつもりはなかった。ただ味が好きだから飲んでいるだけなのだと自分では思っていた。ところが、コーヒーを断って一日目、早くもコーヒーを求めてしまっている。せめて豆の香りだけでも嗅ごうかと魔が差したけれども、余計に飲みたくなるということは分かっているのでやめておいた。とりあえず、ネットでカフェインレスのコーヒーを見繕い、注文した。

二日目
 コーヒーに代わる飲み物が欲しくて、温かい紅茶を淹れてみた。しかし、やっぱり何かが違う。紅茶は紅茶でおいしいのだが、本当に欲しいのはコーヒーなのだ。甘い物のみならず、甘くない総菜パンを食べるのにすらコーヒーを求めてしまう。あの豊かな香りと鮮烈な苦みが恋しくてならない。恋しいというより、依存や離脱症状といった状態に近いものすら感じる。恐ろしい飲み物だ。朝食を食べてしばらくした後、コーヒーを飲んでいないにも関わらずお腹を壊してしまった。原因は紅茶しか考えられない。どうせお腹を壊すならコーヒーを飲みたかった、という自棄な思いがよぎる。調べてみると、紅茶に含まれるカフェインの量はコーヒーの半分程らしい。カフェインの他に原因として考えられるタンニンはというと、見たサイトによって異なるものの、コーヒーのそれを紅茶が上回るということはないようだ。原因はカフェインか、タンニンか、その両方か、あるいはどちらでもないそれ以外の要素なのか。何にせよ、私はおいしいコーヒーを飲みたい。できればお腹を壊さずに。
 午後、ファミレスのドリンクバーでアイスティーを飲んだ。氷を入れたグラスに並々注いで飲み干しても、外出先だったせいかお腹はなんともなかった。調子に乗って、オレンジジュースと温かいアールグレイもおかわりするも、やはり大丈夫だった。それにしても、ファミレスのドリンクバーが470円なんて、随分値上がりしたものだ。自民党が裏金作りのために税金をむしり取っている弊害が庶民の暮らしに如実に現れている。
 スーパーで、買うつもりのないコーヒー豆をじろじろと眺めた末に、600円程度の安いコーヒーミルを買ってしまった。自分が既に持っている木製のミルは見た目こそ良いものの、分解したり洗ったりということができない。今日買ったミルはというと、分解も洗浄もできて、手軽に豆を挽くことができる。自分にはコーヒーをやめるつもりなんかさらさらないことがよく分かった。多分、このコーヒー断ちの一週間を乗り越えられたら、ご褒美のようにこのミルで豆を挽いてコーヒーを淹れるのだ。すっかりカフェインが抜けきった状態で味わう一週間ぶりのコーヒーは、どんなにおいしいだろう。

三日目
 大好物であるミルククリームを挟んだ柔らかめのフランスパンを、コーヒー無しで食べるなんて。コーヒーがない朝食に、毎朝新鮮に落胆している。恐ろしいのは、まだコーヒー断ちは3日目で、一週間の折り返し地点にも達していないということだ。

四日目
 朝食後、お腹を壊してしまった。食べたものは普段と特に変わらない内容で、今日はコーヒーも紅茶も飲んでいない。飲んだ物といえばミネラルウォーターだけだ。こうなると、コーヒーが原因ではないのではないか。確かに、コーヒーが症状をより悪化させるような気はするものの(コーヒーを飲んだ時の方がより確実にお腹を壊すため)、コーヒー無しでこの壊しようなら、そもそも消化器官の調子が良くないのではないだろうか。内科に行くべきか。また過敏性腸症候群と診断されるんだろうか。甘い物や刺激物は控えろなどと言われたらかなりつらい。筋金入りの病院嫌いであるから、病院に行くとなると元々重い腰がますます重くなる。ところで、コーヒーを飲まなくてもお腹を壊すのであれば、もうこのコーヒー断ち自体をやめてもいいんじゃないか。私は何の意味もない苦行に励んでいるだけなのではないか。

五日目
 先日ネットで注文したカフェインレスコーヒーが届いた。開封すると、通常のコーヒーと何ら変わりないコーヒーの芳香が漂い、久し振りに嗅ぐコーヒーの香りに包まれて幸福な気持ちになった。
 待ちに待ったコーヒーを淹れる。カフェインレスだが、ネットでも評判が良い商品だったのできっとおいしいだろう。さっそくドリッパーにセットして湯を注ぐ。期待した程の香りは立ち昇らない。コーヒーの香りではあるが強くなく、カフェイン有りの通常のコーヒーのような鮮烈な香りではない。見た目はコーヒーそのものだ。ひと口飲むと、味はそんなに悪くはない。しかし、淹れ方の問題なのか、苦みが少ない。飲みやすくはあるものの、苦みも香りも薄いので、コーヒーを飲んでいる感じがあまりしない。ごく薄いコーヒーのような、出涸らしのような感じさえする。また、コーヒーを飲んだ時の、カフェイン特有のあのしゃきっとする感じももちろんない。私はコーヒーを求めているのか、それとも単にアルカロイド(カフェイン)を求めているだけなのか?前者であって欲しいと願いながら、板チョコのかけらを口に放り込み、それを食べてからコーヒーを啜る。やはり、もう少し苦みが欲しい。香りも。

六日目
 朝食時に、カフェインレスコーヒーを飲んだ。昨日のは淹れ方の問題だったのか、今日は苦みがまああるように感じる。それでも、本来のコーヒーのものと比べたらやはり少ないんだろう。香りがとにかく薄く、物足りなさを感じる。

七日目
 今日もカフェインレスコーヒーを飲む。どうにも香りの薄さが気になる。コーヒーの魅力の大部分はあの芳香が占めているらしいことを、改めて思い知らされる。朝食を摂ってしばらく経ち、お腹を壊した。このコーヒー断ちにもはや意味はない。しかし、ここまで来ると意地でも一週間のコーヒー断ちを完遂したい気になっている。なんにせよ、今日の一日さえ我慢すれば、明日はコーヒーが飲める。芳醇なアロマと香ばしい苦み、そしてカフェインの刺激を併せ持つ本当のコーヒーが。

 ようやく、コーヒー断ちの一週間が空けた。カフェインレスコーヒーを飲んでいるので厳密なコーヒー断ちではないものの、カフェインを含んだ「本物」のコーヒーが入ったカップを目の前にした今、そうした些細なことは気にならない。
 飲んでみると、一週間ぶりに目が覚めたような心地がした。ぼんやりと霞がかっていた脳内がたちまちクリアになる。ふくよかな香り、こくのある苦み、そして頭も身体もすっきりと目覚めるこの感覚。やはり、コーヒーはこうでなければならない。カップ一杯のこのコーヒーがあることで、朝食もより一層おいしさを増す気がする。
 飲む量はともかく、こうなると自分は立派なカフェイン依存なのかもしれない。お腹を壊してトイレに篭る羽目になるリスクを冒してまで、私はカフェイン入りのコーヒーを求めてしまうのだから。例外なく今朝もお腹を壊したが、心は満ち足りている。

 午後、購入していたコーヒーミルを使うことにした。この日を楽しみにしながら、洗って乾かしておいたのだ。がりがりと音を立てて豆を挽く。思っていたよりも豆が硬く、ミルを抑える左手が痛いくらいだ。手こずっている間に、沸かした湯がどんどん冷めていく。取り出した挽きたての粉は素晴らしく良い香りで、若干震えている左手など問題にならない。慣れない作業でうっかりテーブルに少しこぼしてしまったが、こぼした粉もまた香りが良い。
 そうして淹れたコーヒーは、濃く、かなり苦かった。とても苦い。カフェインレスの苦みの少なさを嘆いてはいたが、何もここまで苦くなくても良かったのにと思うほどの苦みだ。しかし、この苦みをこそ求めていたのだ。そして、香りがまた最高で、鼻からカフェインが脳に到達するような刺激的な香りが非常に良い。飲んだ途端に心身が覚醒し、頭が働き出すような心地良さ、これこそ脳が求めていた化合物だ。
 私はこのアルカロイドが大好きだ。依存でもいい、この毒物の虜になっている。いつにない早さで、腸も刺激されてきた感覚がある。即効性があるようだ。しかし、今回はお腹を壊さなかった。

 結局、10日間ほど記録してみるとそのうちの7日はお腹を壊していたことが分かったので、気が向いたらそのうち内科に行ってみるかもしれない。お腹を壊すのは大抵朝食後なので、コーヒーが原因ではなく、多分お腹を壊しやすい時間帯なのだろう。そういうメカニズムがあるのかは分からないが、コーヒーをやめるつもりは微塵もない。
 バッハのコーヒー・カンタータでは、コーヒー好きの娘に対して父親が「コーヒーをやめない限り、男性と結婚はさせない」と言い張り、娘にコーヒーを飲むことをやめさせようとする。私はこの国の婚姻制度を利用しないと決めているし、結婚というものに何らの魅力もメリットも感じず、また自分が異性愛者かも分かっていないため、私なら迷わずコーヒーの方を選ぶ。それはさておき、娘が父親と家父長制に抗って引き続きコーヒーを楽しみ続けるという内容の、フェミニズム的な色が濃いコーヒー・カンタータのパロディがあったら、ぜひ見てみたい。異性愛者同士で番う必要を感じることなく、幸せにコーヒーを嗜むクィアな娘の姿が描かれていたら、どんなに嬉しいだろう。いや、私自身が自分でそれになってみればいいのだ。世間から「当然こうあるべき」と強いられる在り方から悠々と逃れ、自分が本当に望むものだけを優先して大事にする。異性愛者の男性との婚姻に一切関心を持たず、「社会人」として望ましいとされる「健康」な状態を目指して義務のように己を律することもなく、自分にとって良いもの、自分が心から求めるものをこそ追求する。一杯のコーヒーが私自身の理想とする生き方を思い起こさせ、エンパワメントしてくれるのだ!
 一週間のコーヒー断ちを経て分かったことは、自分が思っていた以上の頻度でお腹を壊していたことと、自身のコーヒーに対する熱意や執着もまた自分が思っていた以上に強いものなのだということだった。そして両者を秤にかけた時、重くなるのは明らかに後者だ。ならば仕方ない。コーヒーを飲むことへの免罪符を手に入れたような気持ちになりながら、午後のコーヒーを淹れることにしよう。

週間日記(2024/09/02-09/08)

2024/09/02 Mon.

 久し振りに歩いて出かけた。まだ日傘は手放せない暑さだけど、田んぼの稲には青い稲穂が実り始めていた。とんぼも飛んでいるし、着実に秋が近付いていて嬉しい。日差しが好きだから夏も好きだけど、秋もすごく好きだ。食欲の秋、読書の秋、芸術の秋、自分の誕生日がある秋。芋栗かぼちゃのスイーツはおいしいし、秋らしい暖色系の服も着られる。毛虫のシーズンになるのが秋の唯一嫌な所だけど、今年からは毛虫などいようはずのない都会で秋を過ごすことになる。良い季節を過ごせるといいな。

2024/09/03 Tue.

 今日は猫のとらちゃんがいつも以上に甘えん坊でとてもかわいかった(もちろんいつもかわいい)。私が数歩歩くごとにごろんと床に寝転がって、撫でてくれとアピールしてくるので、その度にとらちが満足するまで撫でる。猫に愛されているなあという実感が湧いて、しみじみ嬉しい。私は他者に甘えることは迷惑だと思い込んでいる(あるいは思い込まされている)節があるけど、甘えることで人を喜ばせることもできるのだと教えてくれるから、猫という生き物は本当に賢い。当の猫本人はそんなつもりが一切なさそうなのも、人間に恩着せがましく感じさせないのでまた良い。
 庭で大葉を摘んできたら、猫草だと思ったのか猫達が足元をうろうろして、普段鳴かないふくちがにゃおにゃお鳴いていた。この猫は植物を見るとよく鳴く。
 引っ越し先に連れて行かない観葉植物の写真を撮って、ジモティーに無料で出品した。とりあえず、オーガスタ、マユハケオモト、パフィオペディラム、ギンリュウ、アグラオネマ、パイナップル、クセロシキオス、フィロデンドロン、スパティフィラム、ディスキディアを載せてみた所、さっそく譲り受けたいという何人かから連絡が来た。ジモティーは梱包も送料もいらないし、植物の譲渡には便利だ。

2024/09/04 Wed.

 ジモティーを通して、見ず知らずの人に観葉植物をいくつか譲った。1.2mほど育った大きなフィカス・ウンベラータから、アグラオネマ、シャコバサボテン、セイロンベンケイ2鉢、カネノナルキ、ディスキディア、ホヤ、アンスリウム、サンスベリアの小さな鉢まで持って行ってくれた。こちらとしてもせっかく育ててきたものを捨てずに済んで嬉しいし、向こうもとても喜んでくれたので良かった。

2024/09/05 Thu.

 軽い気持ちでゲーム「魔法使いの約束」の4周年ストーリーを読み返し始めたら、やっぱりものすごく良くて泣いてしまった。良いゲームだなあ。
 一人暮らしをする旨をようやく祖母に伝えた。意外にも肯定的な反応をしてくれて心底ほっとした。先日作ってお裾分けしたじゃがいもと豚肉の煮物について、おいしかったと言ってもらえて嬉しかった。お世話してもらうばかりだった人生の大先輩から、作った料理を褒めてもらえることほど光栄なことはない。
 晩ごはんに、だし巻き卵、海老とレタスのスープ、炊き込みごはんを作った。だし巻き卵は初めて作ったけど、白ごはん.comのレシピに忠実に従ったら、我ながらなかなかおいしいものができた。炊き込みごはんは鶏肉とにんじん、さつまいも、油揚げを入れた醤油味のもので、両親が揃っておかわりしてくれる出来だった。自分のことをどんなに駄目人間だと思い込んでいても、おいしいごはんを作れると途端に自分の自分自身に対する評価がかなり上がる気がする。私も炊き込みごはんをおかわりして、二杯目はバターと黒胡椒で味変して食べた。

2024/09/06 Fri.

 ジモティーでクセロシキオス1鉢を譲った。「いいんですか」と喜んでくれていた。
 大きいスーパーへ買い物に行き、ドライヤーやメジャー、バルサンなどを買ってきた。住む部屋が2階だから黒光りする素早いあいつの発生はゼロでは済まないと思うのでバルサンを焚いておきたいけど、何せ初めてやることなので上手くできるか分からない。ノンスモークタイプのものを選んだけど、ガス警報器が鳴らないか心配で、焚いている間中そわそわしそうな気がする。
 プランターで育てているみょうがを収穫した。秋みょうがというやつ。家族の中で植物に興味があるのは私だけなので、外に置いている鉢植えは全部撤去しようと思っていたけど、みょうがは手がかからなくて楽だから残しておこうかと魔が差す。

2024/09/07 Sat.

 今日もジモティーでまた別の人に植物を譲った。オーガスタ、ギンリュウ、パイナップル、パフィオペディラム、グァバ、ティーツリー、レモンユーカリ、ウンリュウヤナギを持っていってくれた。
 ようやく少し涼しくなったので、晩ごはんは家じゅうの窓を開けて(網戸)、七輪で色々な具材を焼いて食べた。さつま揚げ、ピーマン、ウインナー、ベーコン、冷凍のチヂミやコロッケ、鯖、切り餅を焼いた。今日は焼いていないけど、ミニトマト、椎茸、玉ねぎ、キャベツ、鶏もも、いか、おにぎりなどもおいしい。炭火で焼くと、なんであんなに食べ物がおいしくなるんだろう。
 とらふくのLINEスタンプができあがったので、LINE Creators Marketでスタンプの審査をリクエストした。かわいいとらふくのスタンプを家族用LINEで使うのが楽しみ。

2024/09/08 Sun.

 うどんを食べに行ったら、順番待ちの発券機の使い方が分からなくて困っている人が近くにいたので、勇気を出して声をかけた。放っておけなかったというのももちろんあるけど、本当に勇気を振り絞った。発券機の操作を手伝い、「人が多いですね」みたいなちょっとした会話をして、その達成感に包まれて食べるうどんはとびきりおいしかった。
 敬老の日に備えて、祖母に渡すカードのデザインを考えた。いつもは一枚の紙に絵を描いているけど、今年はちょっと趣向を変えて、画用紙でポップアップカードを作ってみようと思う。上手く作れるといいな。

週間日記(2024/08/26-09/01)

2024/08/26 Mon.

 パソコンに向かって何かしたり、部屋を少し片付けたりしたはずだけど、翌日になると「何をしたっけ?」と思うような一日だった。そういう日もある。
 いかにもジェンダーステレオタイプな考えなので良くはないけど、私が趣味としてやったことのある(やっている)「コーデックス栽培」「スパイスカレー作り」「コーヒーをミルで挽いて淹れる」は、もっぱら男性がこだわってやっていそうな趣味だなと思った。だからこそ、女性の私がそれらを楽しんでいると、ジェンダーバイアスのようなものを壊せるような気がしてちょっと気分が良い。もちろん、そうした趣味に興じている間にそんなことを考えることはないものの。後はサウナに通い、カメラに手を出し、蕎麦を打てば完成するかもしれない。私の趣味の中には手芸とお菓子作りもあるけど、これは小学校低学年の頃に「漫画『カードキャプターさくら』の大道寺知世ちゃんみたいに、女の子らしい女の子になりたい」という理由から興味を持ったものだ。今なら趣味と性別は一切関係がないと断言できるし、「女性らしい(とされている)趣味」だけでなく「男性らしい(とされている)趣味」も楽しめるようになったのは良いことなんじゃないかと思う。

2024/08/27 Tue.

 お昼ごはんに、雑な冷やし中華を作った。自分一人のためにちょこちょことおかずを作って見栄え良く盛り付けるような労力はまだ費やせないけど、申し訳程度に切ったトマトと茹でキャベツを添えたり、カップ麺や冷凍食品で済ませずちゃんと鍋や包丁を使って調理したりしたことは、自分の中ではかなり賞賛に値するものだと思う。お菓子なら趣味として楽しく作れるけど、自分一人のためだけの料理はどうにも面倒くささが勝ってしまう。そのうち料理も楽しめるようになれば良いけど、そうではない現状の自分も責めずに許してあげられたらいい。

2024/08/28 Wed.

 台風対策で、植木鉢をしまったり、飛びそうな物を片付けたり。交流のないお隣の家の敷地には、空のペットボトルやポリバケツ等色々な物が散乱していて、これが我が家にも飛んでくるのかなと気が滅入る。停電対策に水を入れたペットボトルを冷凍庫で凍らせ、窓という窓に養生テープを貼り、雨戸も閉め、モバイルバッテリーの充電具合を確かめた。
 部屋が決まった! 管理会社から電話がかかってきて、入居審査に通ったらしい体で話が進むので、借りられるんだと思う。嬉しくて、電話が終わってからぐねぐねと変な踊りを踊ってしまった。私という人間は心からはしゃぐと踊り出すのか、という発見を30年ちょっと生きてきて初めて知った。本当に嬉しい。精神障害者保健福祉手帳と障害基礎年金の存在を伏せないと部屋を借りられないという現実には未だ釈然としないものがあるけど、これについてはすんなり納得できる自分ではいたくないから、もやもやを抱えたままでいたい。

2024/08/29 Thu.

 台風が九州に上陸。できる対策はしたので、一日おとなしく引きこもって過ごした。両親と3人でアニメ「銀河英雄伝説」OVAの第3期を16話分観て楽しかった。もう何周も観ているけど、何度観てもおもしろい作品。アニメを観ながら、四コマ漫画を描いたり、とらふくのLINEスタンプ第3弾を作り始めたり。雨風の音に不安も感じたけど、銀英伝の大音量クラシックに掻き消されて気が紛れた。

2024/08/30 Fri.

 夜の間に台風は通り過ぎてくれたらしい。私の住む辺りこそ目立った被害はなかったものの、市内では停電した所もあったらしい。川の水はまあまあ増えていたけど、とにかく水害が起こらなくて本当に良かった。
 今日も銀英伝を観て(「マル・アデッタ星域の会戦」から「冬バラ園の勅令」まで)、LINEスタンプ作りの続き。パソコンのイラスト作成ソフトの中で見るとらふくの写真もとてもかわいいけど、実物を見るとやっぱりそれ以上にかわいい。
 生協で注文していた飲茶セットを食べた。にらや海老が入った餃子、甘辛いチャーシュー入りの肉まんのようなもの、それぞれの正しい名称は分からないものの、どれもおいしかった。チャーシューまんが特においしかったので、いつかこれを自分で作ってお腹いっぱい食べてみたいと思った。

2024/08/31 Sat.

 台風対策で物置などにしまっていた植木鉢を引っ張り出して、元の軒下に並べた。今月中にはこれらの鉢をすべて人に譲るなり捨てるなりして撤去するつもりだけど、ついぎりぎりまで世話をしてしまっている。世話といっても、私の園芸は極めて雑でずさんで適当なので、まともな園芸愛好家からしたら世話などしていないも同然かもしれない。それでも育つのが植物のおもしろい所だと思う(耐えられなかった植物は枯れていった)。

2024/09/01 Sun.

 父と二人で、地元に新しくできたカレー専門店へ行った。炙ったチーズをトッピングしたチキンカレーを頼むと、色々な種類の野菜のおかずが添えられたカレーが出てきた。すごくスパイシーなのに辛すぎず、とてもおいしかった。今度はポークカレーも食べてみたい。

週間日記(2024/08/19-08/25)

2024/08/19 Mon.

 気になる部屋を5件までは絞れたものの、もうこれ以上は実際に見てみないと分からないという所まで来たので、今日明日で内見に行くことにした。予約した不動産仲介業者の事務所に行き、その場で候補をさらに絞った。第一候補だった物件は室内洗濯機置場がないとのことで、第二候補の物件を見に行くことになった。こうして一人で物件を探すのは何もかも初めてだからと念入りに調べたり準備をしてきたのを見て、担当の業者さんに「几帳面」と言われた。目当てのマンションに着き、写真を撮ったり、あちこち見たり。

・郵便受け周りはまあまあ片付いていると思ったものの、ポストの上はそうでもない。何かの壊れたパーツや、なぜか割った竹などが雑然と置かれている
・マンション内の掲示板はちゃんとしていて、町内会のお知らせなどが貼ってある
・部屋はすごく狭い。1Kってこんな感じだったな
・壁が漆喰のような質感に白く塗ってあってかわいい
・退去後の清掃がまだだから汚いそうなんだけど、「こんな汚い状態で退去していいんだ…」とカルチャーショックを覚えるほど汚い
・東向きの大きな窓からは、すぐ外に大きな街路樹のイチョウが見える。良いかも
・角部屋なので二面採光。観葉植物を置くのに良さそうな小さい出窓がある
・エアコンはあまり古くない型だから大丈夫と言われたものの、後から自分が撮った写真を見たら「2013年製」と書いてあった。不信感が募る
・インターホンにカメラはない
・台所の流し台がとにかく小さい
・台所や浴室の蛇口がレトロな捻るタイプ

 結局、この1部屋だけを見てここに決めた。隣の部屋も空室だからと見せてもらえたけど、ここもやっぱり清掃がまだで、煙草のようなきつい匂いが残っていた。事務所に戻り、手続きをする。何枚も紙を書かされるのかと思いきや、今の時代はデジタルで入居審査の申し込みができるという。個人のスマホを持っていることが前提で話が進むのか…。流れで精神保健福祉手帳を持っている年金受給者であることを伝えると、いくつか質問をされた。病名は社交不安障害で、対人恐怖症のような症状だということ、主治医の許可は得ていることなどを説明した。「目を合わせて話せているし、普通に見える」と言われて、どう捉えていいのか複雑だった。とにかく部屋は決めたので、後は審査が通ることを祈るのみ。
 2日間かけて部屋を探すつもりだったのに、結局初日の昼過ぎには終わってしまった。今から高速バスを予約して日帰りで帰ることもできるけど、ホテルのキャンセル料が八割かかると思うともったいない気もするので、明日ゆっくり帰ることにした。まだ明るいうちにホテルにチェックインして、お惣菜屋さんのお弁当を食べ、ユニットバスじゃないことを幸いに湯船にお湯を貯めて、アメニティの入浴剤を入れてのんびり浸かった。お湯がすごく熱くて、長いこと湯船に突っ立っていたものの(足湯と言い張る)。さっぱりしてから、丸善で買ってきた小鳥書房の『ワンルームワンダーランド』を読み始めた。一瞬頭をよぎった「こんなに古くて狭い部屋でかつかつの暮らしをするために自立したのかなってむなしくならないといいな」という考えが、段々遠く離れていく。生活への不安も期待も、全部ひっくるめて楽しみたいという気持ちの余裕が出てきた。自由は何物にも代えがたいものなんだし、10年振りの一人暮らしを謳歌できたらいいなあ。

2024/08/20 Tue.

 帰りの高速バスの時間を早めて、少し買い物をしてから帰ることにした。新生活に必要な物、それも地元じゃ買えない安くてかわいいデザインのものを買おうかとも思ったけど、かさばるし、とにかく部屋が狭いことを思い知らされたので、ひと通り最低限の物を持ち込んでからおいおい買い足していった方が良いだろう。バスの中でおにぎり専門店のおにぎりを食べ、『ワンルームワンダーランド』の続きを読んだ。

2024/08/21 Wed.

 一昨日見た1Kの部屋が本当に狭かったのが衝撃的で、あの狭い部屋に住むとなると持ち込める本の量がかなり限られることを思い、蔵書の整理をした。ところが、読まなくなった本は最近ブックオフに売ったばかりだったので、手放そうと思える本がない。どうしても手元に置いておきたい少数精鋭を段ボール箱2箱分に詰めたものの、そこから作業が進まない。子どもの頃に大好きで読み込んだ本や、大学の文学部の授業で教科書として使っていた本など、どれもこれも思い入れがある本ばかり。人生でいつかは手放すとしても、まだ今はその時じゃないと言い聞かせ、当面は実家に置かせてもらうことにした。長い人生、もっと広い部屋に住める可能性もゼロではないけど、今は4万円より高い家賃は払えないので、狭い部屋に住むしかない。金がないということは、本を買い集めることはおろか満足に本を所有することもできないのか…。それから、大量の紙類の整理もした。こちらはどんどん捨てられたので、資源ごみの袋3つ分にもなった。「生きていると紙が溜まる」という人生の真理のひとつに気付けた。

2024/08/22 Thu.

 引き続き断捨離。迷った物はどんどん捨てている。そうやって引っ越しに備えて張り切っていたら、不動産仲介業者さんから電話がかかってきて、入居審査が通らなかった旨を伝えられた。正確に言うと、家賃保証会社の審査自体は通ったものの、マンションの持ち主であるオーナーに断られたらしい。仲介業者さんいわく、次回は障害者手帳と障害年金があることを言わずに物件を当たってみましょうとのこと。「そういうこと」なんだと思う。なんだかなあ。私としては訊かれたことに答えただけだし、別に隠すようなことでもないと思っているので、釈然としない。「花粉症ですか」「頭痛持ちですか」と訊かれてはいと答えるのとなんら変わりはないと思うのに。社会勉強になったと思って納得したいけど、こんなこと別に勉強する必要なんかなかった。
 我が家のとらちゃんの母猫である錆猫が、真っ黒な子猫を2匹連れてデッキに来ていた。外見はよく似た子猫でも、好奇心旺盛で勝手口の網戸に近付いてくるのと、臆病なのかなかなか姿を見せないのとがいる。野良猫ゆえにとらちゃんよりもひと回り小柄な錆猫は、悠々とデッキに寝そべって毛繕いをしていて、その様子をとらふくが興味津々で見つめていた。

2024/08/23 Fri.

 この辺りに住んでみたいと思ってこだわっていた駅の周辺にはこだわらず、希望エリアをもっと広くして物件を探すことにした。ネットで物件を調べ、良さそうな部屋を5ヶ所に絞って、仲介業さんに連絡した。そのうちの1部屋をオンラインで内見して、今日のうちに入居審査の申し込みまで進んだ。よく考えてみると、今度の物件の方が大きい駅までのアクセスが良いし、1km圏内にスーパーが3店舗もあり、居室も多分1.5畳くらい広い。難点を挙げるならば、今回は2階なのでもう少し上の階だと良かったとか、窓の外に緑が見えないとか、その程度。今度は契約まで至れるといいなあ。そうでないと困る。
 服と手芸用品の断捨離。「しばらく着ていないけどまたそのうち着るかも」と思って捨てずにいた服や、「今は使わないけどいつか使う時が来るかも」と溜め込んでいた布類を片っ端から資源ごみの袋に詰め込んだ。こんなに物を捨てるのは、大学を卒業した時に身辺整理のつもりで色々な物を捨てた時以来だと思う。あの時は「どうせ自分は近いうちに死ぬから」と鬱々とした気分でそうしていたけど、今は「これから住む新しい部屋で快適に暮らせるように、不要な物は手放さなければ」と前向きな気持ちでやっている。その対比がなんだかおもしろい。

2024/08/24 Sat.

 少し離れた所にある大きい百均まで、自転車で買い物に行った。久し振りに自転車に乗ったので太ももが筋肉痛になりそうな予感があったけど、それにしても自転車ってなんて快適な乗り物なんだろう。歩くのに比べてすいすい進むし、風を切って走るのは気持ちいいし。私は満足に自転車を乗りこなせるようになるまで人の何倍も時間がかかったので、まさかこうして自転車を漕ぐことを楽しめる日が来ようとは、昔は思ってもみなかった。

2024/08/25 Sun.

 畑で採れたミニかぼちゃがあったので、かぼちゃプリンを作った。かぼちゃをまるごと使ったプリンなので、中身をくり抜いたかぼちゃにかぼちゃ入りのプリン液を流し入れ、オーブンで湯煎焼きにした。見た目もかわいく、味もおいしくできた。
 久し振りに、元職場の園芸店へ行った。植木鉢だけ買うつもりだったのに、つい観葉植物まで眺めてしまい、なんとマングローブの木が売られていたので誘惑に負けて買ってしまった。学名を検索すると、マングローブを形成する樹木のひとつであるオヒルギという木らしい。ひょろひょろとした今にも折れそうな苗木だけど、図鑑やテレビでしか見たことのないようなマングローブにある木が手元にあると思うと、どうにもロマンを感じてしまう。引っ越しに備えて植物はしばらく増やさないつもりだったのにと思う気持ちもあるものの、ここで自分の植物に対する情熱や知的好奇心を無碍にしてしまえば、それはそれで良くない気もするからと己に言い訳している。
 『ワンルームワンダーランド ひとり暮らし100人の生活』(落合加依子・佐藤友理、小鳥書房)を読み終えた。とても良かった! 自分だけの生活を作っていく楽しみ、生活がままならないもどかしさ、それでも自分なりに生活をやっていこうと思う意思、そういうものをまるごと愛せるような気持ちになれる本だった。「一人暮らしがうまくいかなかったらどうしよう」という不安も、なんだか当然で自然なものとして受け入れられるような気がする。今度の入居審査は通るかなあ。

週間日記(2024/08/12-08/18)

2024/08/12 Mon.

 庭で育てている鉢植えのラズベリーを何粒か収穫した。食べるのがもったいなくて、お皿に入れて眺めている。
 「ここに住んでいる自分を想像すると楽しい」と思える場所の物件をネットで探して、ようやく5ヶ所にまで絞った。もうちょっと選択肢を減らせたら選びやすいのかもしれないけど、後は実際に見てから決めようと思い、内見に行ってみることにする。
 猫達が本当にかわいくて、「こんなにかわいいふわふわの生き物達を置いて私は実家を出るのか?」と慄くものの、猫達を理由にせっかくの自立チャンスを逃すのも当の猫達にとってはいい迷惑だろうと思うので、やるだけやってみよう。
 お昼ごはんが自分一人だったので、適当にオムライスを作ったら、結構おいしかった。

2024/08/13 Tue.

 帰省してきたきょうだい達と、近所の祖母宅へ遊びに行った。すごくパワフルで楽しい時間を過ごした。おばあがとても嬉しそうで何より。

2024/08/14 Wed.

 夕食時、16 Personalities診断の話題で盛り上がる。星座占いや血液型性格診断とどっこいどっこいの信憑性だと思ってはいるけれど、話のネタとしてはなかなかおもしろい。私はINFP(仲介者)やISFJ(擁護者)と出ることもあるけど、大体INFJ(提唱者)になることが多い。もちろん、内向型に振り切れている。
 以前にも作ったプリンケーキ(カラメルプリンとスポンジケーキが層になっているケーキ)を作った。今回はきちんと冷やしたので、きれいに型から外すことができた。卵を8個使っているだけあって、食べ応えがある。味もおいしかった。

2024/08/15 Thu.

 家族5人ですみっコぐらしのボードゲームで大盛り上がりした後、きょうだい達はそれぞれの場所へ戻っていった。これにて今年のお盆休みも終了、という感じ。半年分くらいのエネルギーを使ってはしゃいだ気がする。楽しかった。

2024/08/16 Fri.

 残っていた卵白を使って、ラングドシャを作った。焼きたてふわふわの状態がおいしくて、冷めてさくさくになる前に結構な量を食べてしまった。

2024/08/17 Sat.

 楽譜作成ソフトの更新手続きを頼まれて、分からないながら調べに調べて格闘してみたけど、駄目だった。「よく分からずに操作してしっちゃかめっちゃかになってから私に丸投げしないでね」という意味のことをオブラートに包んで伝えておいたのに、全くその通りにされてしまった。取り返しがつかなくなってから任されても、こちらも素人だからどうしようもない。2時間頑張ったけど「多分不具合の原因はこの作業をすっ飛ばしてあるからだろう」ということが分かったくらいで、とにかくものすごく疲れた。

2024/08/18 Sun.

 スーパーへ食材の買い出し。「段ボール箱をいくつか買いたいからホームセンターに寄ってもらえないか」と出かける時に頼んで、「じゃあ帰りに寄ろう」という返事が返ってきたのでひと安心したものの、すっかり忘れられてしまっていた。こういう時、また親に車を出してほしいと頼むのは悪いし、気が引ける。「でも、もうすぐ親の手をいちいち煩わせなくても自分一人でどこへでも行ける暮らしを始められるから」と己に言い聞かせる。段ボール箱、いつ買おう。

週間日記(2024/08/05-08/11)

2024/08/05 Mon.

 プランターに種をまいたひまわりがいよいよ咲きそう。真夏だというのに、鉢植えのラズベリーも実が赤く色づいてきた。庭の水やりをした後は、ひたすらパソコンに向かって、四コマ漫画の枠に台詞を入力する作業に打ち込んだ。最近はこの作業に熱中しすぎて、日記を書くのがすっかりおろそかになっている。

2024/08/06 Tue.

 「お盆休みの来客と帰省に備えて」というのは口実で、先日やって楽しかったので今日も庭の草むしりをした。2時間ほど頑張った。笹の根っこをたくさん引っこ抜いたので、しっかりストレッチしておかないと明日は確実に腰痛になるだろう。草むしりはヤッケや軍手を装備して庭に出るまでが億劫だけど、やり出すと本当に楽しい。無心になれるので、マインドフルネスそのものよりよっぽどマインドフルネス的な効果がある気がする(私の場合は)。視界に入る色々な雑草をいかに効率良く取り除くか判断してそのようにするという点で、テトリスに近い感覚さえある気がする。「この草は弱い力で適当に引っ張っても抜ける」とか「あの草は根元を上手く掴まないと、茎がちぎれて地中に根が残りやすい」とか、草によって適した抜き方が違うのがまたゲーム性があっておもしろい。そのうえ、何かを破壊したいという暴力的な欲求も雑草を相手に満たされるので、すかっとする。草むしり健康法。
 ブックオフの宅配買取で買い取ってもらった本の金額を、日本国際ボランティアセンター(JVC)を通じてパレスチナ・ガザ地区支援に寄付できるというサービスを知ったので、読まなくなった本を搔き集めて箱に詰めた。心理学関連の本を10冊、心理学の問題集が9冊、文庫本3冊、箱に入った古書4冊、エッセイや自己啓発本などの本が7冊、もう使うことはない高校入試の問題集5冊、オタク趣味の本が8冊、漫画35冊の合計81冊を買取に出した。イスラエルによる虐殺を未だ止められていないことへの無力感や絶望感がこの程度のことでなくなることは決してないけど、少しでもパレスチナの人達への支援になればと思う。

2024/08/07 Wed.

 漫画を作る作業。ひたすらCLIP STUDIOで文字を打ち込んだ。

2024/08/08 Thu.

 今日も2時間超草むしり。道路に面した所だけだけど、除草剤でも使ったかのようにきれいになったと自画自賛している。
ヤッケまでびしょびしょになるほど汗をかいて、水をがぶがぶ飲んで塩分タブレットをかじりながら冷たいシャワーを浴びて、エアコンの効いた部屋で辛いレトルトカレーを食べた。最高の夏という感じ!

2024/08/09 Fri.

 Twitterで、高島鈴さんと眞鍋せいらさんのスペース「こじらせデミロマRadio」を聴いた。すごく良かった! 私自身はデミロマかどうかいまいち分からないけど(そもそも恋愛対象の性別すら分からない自称クエスチョニング)、マイノリティの生きた会話を聴けることがこんなに素晴らしいものだとは思わなかった。「恋愛」といえばシスヘテロの男女のものが前提とされやすい世界でこうしたスペースがあること自体に、「『恋愛』の話題って私にも開かれているものなんだ!」と自分の存在が認められたような心強さや安心感があってびっくりした。これは今後不安を感じた時の支えになるに違いないと思う言葉がいくつもあって、メモも取った。「自分がそういうセクシャリティであることに実績は関係ない」「自分がそうだと思ったらそうで良い」「証明しなきゃいけないものではない」

2024/08/10 Sat.

 精神科の診察。一人暮らしをしたい旨を話すと、駄目とは言われなかったので自分の良いように解釈した(多分大丈夫…)。「働いて収入を得た場合、障害年金の判断がどうなるか分からない」とは言われたけど、それは自分もずっと考えていたことだったので、「どうせ老後も年金だけでは暮らせないし、だったら少しでも働けるかもしれない方に賭けたい。ここだと車が運転できないと仕事にありつくのが難しいけど、都会なら仕事が長続きしなくても別の仕事がまたすぐ見つかる」と答えた。通院の頻度はここの所ずっと1ヶ月半に1回くらいなので、転院せず引き続きこの精神科に通っても良いそうでありがたかった。帰省の口実にもなるし。
 去年の今頃の日記を読み返すと「”普通”になることを目標に治療を頑張るのはもう疲れた」と言っていて、今は「”普通”になれないなりに望む生き方に近い生活を送りたい」みたいな感じになっているので、その変化がとても嬉しい。十年治療しても自分が理想とする「普通」になれないなら、もう自分にとっての「普通」を受け入れるしかない。

2024/08/11 Sun.

 きょうだい達が帰省してきてくれた。元気そうな二人に会えて、姉はとても嬉しい!
 昨日スーパーで買ってきた地元産のブルーベリーを使って、タルトを作った。パート・シュクレを焼いて、カスタードクリームを作って敷き詰めて、ブルーベリーを乗せて、ナパージュを塗って完成。パート・シュクレは型から外す時によく崩してしまうけど、今日は型にちゃんとバターを塗っておいたのできれいに取り外せた。我ながらおいしくできて満足。

週間日記(2024/07/29-08/04)

2024/07/29 Mon.

 カット済みのすいかを買ってきて食べた。すいかは大きく切り分けてかぶりつくのが一番おいしい食べ方だと思っていたけど、一口サイズに切ってあるのも食べやすくていいな。
 一人暮らしを始めるにあたってどうせ庭の鉢植え達は枯らすなり譲るなりして全て手放すのに、毎日せっせと水やりを続けている。精神科の診察で主治医の先生にオッケーをもらうまでは一人暮らしをすることは確定ではないし、近所に住む祖母にまだ勘付かれないようにするためにも普通に世話をしていないと、と自分に言い聞かせている。畑のさつまいもの葉が随分茂ってきて、今年も(私の畑にしては)豊作が見込めるんじゃないかと期待が膨らむ。これを掘り上げたら引っ越したいと思っているけど、どうなるかなあ。真夏の引っ越しは大変だし、かといってある程度は期限を決めておかないといつまでも延び延びになってしまうかもしれないしで、一人暮らしが実現するなら10月に引っ越したいと思っている。誕生日を一人暮らしの部屋で迎えられたらさぞ嬉しいだろうという目論見。

2024/07/30 Tue.

 歩いて出かけたら、景色がすごく夏らしくて良かった。田んぼの稲が青々と育っていて、空も山も色が濃く、川の水面がきらきら光っていた。隣町の公民館の掲示板には、今年の花火大会のポスターが貼ってあった。
 漫画の続きを描くのに、デジタルで進捗管理ができたら便利だろうと思いNotionと格闘してみたものの、2時間も無駄にしてしまった。関数の欄には「910%」とか「falsefalsefalsefalsefalse」とか、見たことのないエラーが表示され、やっぱり私にはこの便利なツールは使いこなせないなあと思い知らされた。でも、忘れた頃にまた無謀な闘いを挑むんだと思う。

2024/07/31 Wed.

 ペヨーテ4号(以前購入した、4個目のペヨーテ)の花が咲いた。
 桃をまるごと使ったタルトを作った。砂糖入りの甘いタルト台にクレームダマンドを絞り出して焼いて、種を取り除いて皮を湯剥きした桃にカスタードクリームを詰めてタルトに乗せ、ナパージュをかけて完成。母に好評で嬉しかった。
 夕方、久し振りに庭の草むしりをした。暑くてたくさん汗をかいたけど、やっぱり草むしりは楽しい。

2024/08/01 Thu.

 昨日の草むしりが楽しかったので、今日は朝から2時間庭仕事をした。鉢植えと畑に水をやって生い茂った雑草を引っこ抜き、枯れた花柄や伸びすぎた茎を剪定し、さつまいものつる返しをしたり、ボイセンベリーの枝を誘引したり。イグサ ラセンイの鉢に随分伸びたイネ科らしき雑草の花が咲いていると思ったら、よく見るとイグサの花だった。初めて見た。たくさん日差しを浴びて、着ていた服が重たくなるほど汗をかいて、大きな水筒いっぱいに入れた冷たい緑茶を飲み干し、塩分補給タブレットを食べ、うんとぬるくしたシャワーを浴びて着替えてさっぱりして、凍らせた甘いコーヒーを砕いて牛乳をかけたものを食べた。むしょうに「生きてる!」という実感があって、有意義な時間だった。

2024/08/02 Fri.

 玄関に置いている、ニチニチソウの寄せ植えとアズーロの鉢が花盛り。猛暑と適当な水やりにも負けずに小さな花をたくさん咲かせていて、手入れも特にいらないので楽で良い。
 漫画のプロットをある程度作ったので、CLIP STUDIOで四コマ枠に文字を入力する作業に入った。このソフトには機能がたくさんあるはずなのに、全然使いこなせていない。まあ、そのうちにと思っている。

2024/08/03 Sat.

 桃のタルトを作った残りの卵白で、ブルーベリーのシフォンケーキを焼いた。使ったブルーベリージャムは、冷凍しておいたブルーベリーで適当に作ったものだけど、レモン果汁を多めに入れたので私好みの甘酸っぱい味になっておいしい。ケーキもふわふわに焼き上がっておいしかった。

2024/08/04 Sun.

 本の読める店fuzkueさんのオンライン読書会「同時に読む会」に参加した。zoom越しに参加者全員でそれぞれガブリエル・ガルシア=マルケスの『百年の孤独』を読むというもので、これがすごくおもしろかった。時々zoomの画面を見ると、カメラをオンにしている人達が読書をしている様子をリアルタイムで目にできて、みんなも読んでいるんだなあと妙な一体感のようなものがあった。読む時間はまるまる2時間あったけど、こんなに集中して読めたのは久し振りだと思うほどじっくり読むことができた。後におしゃべりできる時間もあって、本について人と話す機会がなかなかないからこれも新鮮で楽しかった。すごく良い午後を過ごせた。