
2024/07/22 Mon.
漫画のプロット作り。通信制の大学で学んだ時期の後半と、半分自活計画(一人暮らし)について考えている今に至るまでをネタにした。夢中で取り組めて嬉しかった。
2024/07/23 Tue.
読みたい本、気になる本のリストをUpNoteに作った。ジャンルごとに分類すると、自分が興味のある分野がひと目で分かって良い。私はこういうおもしろそうなものに興味を持てる私が好きだなあと思えた。ジャンルは以下の通り。
日本文学、海外文学、植物・園芸、薬物・サイケデリックス、文化・歴史、宗教、魔術、心理学・精神医学、自殺、社会・ジェンダー・フェミニズム、生活・実用書・雑誌、書く(ライティング)、エッセイ
2024/07/24 Wed.
お盆休みの時期に会えるのが楽しみなせいか、二晩続けてきょうだい達が出てくる夢を見た。
明日明後日は「真夏の本屋巡り2024」を決行するので、その荷造りをした。たかだか一泊二日なのに、どうして荷物がこんなに重くなってしまっているのか自分でも分からない。
2024/07/25 Thu.
真夏の本屋巡り2024と題して、一泊二日の福岡一人旅。何年か前の夏にも同じようなことをしてすごく楽しかったので、またやってみたいと思っていたのだった。旅費を少しでも浮かせるために、往復とも新幹線でなく高速バスを予約した。大学生の時(約10年前)に帰省だ何だでよく利用していた頃に比べ、びっくりするほど料金が値上がりしている。バス停の椅子はすべてひなたになっていて、直射日光を避けようがなく暑かった。
行きの高速バスに乗り込むと、窓のカーテンがすべて閉め切られていた。高速道路で窓から見る山々や家々を眺めるのが好きなので残念。自由に開けていいと運転手さんがアナウンスで伝えていたけど、カーテンを開ける最初の一人になる勇気がない。諦めて、乗っている間の半分はぐっすり寝て、もう半分は『百年の孤独』の続きを読んだ。もう随分長いこと読んでいるような気がするのに、まだ五十年分の孤独くらいにしか到達していない。高速道路を降りて一般道に入り、酔うので読むのをやめた。これから何らかの虐殺事件が起こるという、先が気になる部分で中断。
久し振りの福岡! 大学時代を思い出してとても懐かしい。天神地下街で、行ってみたかったスープストック トーキョーで早めのお昼を食べる。オマール海老のビスクと、豚トロのビンダルーカレーを食べた。おいしかったけど、しばらく汗が止まらなくなった。かわいい雑貨を見たくてマルシェ ド ブルーエ プリュスを覗くと、我が家の猫(ふくちゃんの方)にそっくりな猫が描かれた掛け時計があった。すごくいいなと思ったけど、さすがに今からこのサイズの時計を持ち歩くのもかさばるし、なんなら良い値段もするので今日は我慢。おとなしく地下鉄に乗る。
都会は本当に、おしゃれでかわいくてきれいな人が多くて驚く。人口が多いからおしゃれな人の数も田舎と比べて相対的に増えるんだろうけど、それにしたって、横顔のシルエットとか肌のきめとか、私と同じヒトとは思えないくらいきれいで慄く。そういう点に注目している自分が気持ち悪いし情けない。どうして肩とか背中とかを露出できるんだ。私も腹部が出てはいるが出してはいない。せっかく街中に行くからと浮かれて手指の爪をグリーンピースのような緑色に塗ってきたけれど、私のような芋ブスが下手なネイルもどきをして、誰かに笑われたり馬鹿にされたりしているんじゃないだろうかと被害妄想が膨らむ。面と向かって容姿をからかわれる中学校はとうの昔に卒業したのに。恥ずかしくていたたまれなくて、とにかくネイルを落としたい。誰も私のことを気にしてなんかいないのに。そして、汗をだらだらかいている私に比べて、涼しげな表情をしている人の多いこと。そうでない人、私と似た状況にある人もこの暑さだから少なくはないはずなのに、汗ひとつかいていないかのように澄ました人ばかりが目につく。ああ嫌だ、私はめいっぱいおしゃれを楽しんでいる人のファッションが視界に入る度に嬉しくなりたいだけなのに、なんで自分なんかと比べて劣等感をこじらせているんだろう。
地下鉄の中でうじうじしつつも、六本松駅で降り、六本松421の中にある蔦屋書店を覗く。蔦屋だなあという感じ。行ってみたい本屋さんの開店時間まで時間を潰すべく、科学館に入ってみた。障害者手帳で無料。夏休みなので子どもや家族連れでごった返している上、筋金入りの文系にはあまり興味の持てない内容だったのですぐに出てきてしまった。科学館に図書館のようなスペースがあったので、そこで本でも読もうかと思ったものの、「本日動画撮影しています」みたいな貼り紙がしてあり、ごついカメラの準備をしている人達がいるので退散。とにかく涼しい所で座って過ごしたい。足裏やふくらはぎが、日頃歩いていなかった報いを一身に受けている。近くにあるチェーンのカフェを検索してみると、どうやらスタバとシアトルズベストコーヒーしかないらしい。イスラエルによる虐殺に抗議したい以上、スタバと、サブウェイと並んでいるシアトルズは利用したくない。
開店時間にはまだ早いけど、移動することにした。途中に誰もいない公園があり、日陰になっている椅子に腰掛ける。ベンチというベンチが排除ベンチになっていてむかむかする。ちっせえ人間だなあと行政に向かって吐き捨てたい気分。しかも、ベンチはどれも日陰になっておらず、直射日光に晒されている。ベンチなのに人を休ませようという気が一切ない意地悪ベンチ。私が座った大きな石(多分座っていいやつ)は、いくらかは木陰にあったけど、それでも気温が気温なので特に涼しくはない。
その辺に個人経営らしきおしゃれカフェがちょこちょこあるので、勇気を出して行ってみることにした。入り組んだ所にある分かりにくい入り口を探し出し、中に入ると、いかにも洗練された都会の人というようなさわやかな店員さんとお客さんが語らっている。田舎の芋としてはただただ臆するばかりだけど、ドアを開けた以上「やっぱり帰ります」などと言う度胸があるはずもなく、おどおどしながら席へ案内してもらった。店内にはコーヒーのすごく良い香りが漂っていて、この香りを嗅げたから勇気を振り絞ったかいがあったなと思えた。メニューを見る限りコーヒーだけを扱っているようで(コーヒー屋さんだからそれもそう)、コーヒー以外の飲み物があればそれを頼もうと思っていたので内心戸惑う。コーヒーは大好きなのに、飲むと高確率でお腹を下しがちなので、賭けに出ざるをえなくなった。でもコーヒー屋さんのコーヒーだから、絶対おいしいに決まっている。腸の薬は市販薬を3種類持ち歩いているから、いざという時きっとどれかは効くはずだ。浅煎りの水出しアイスコーヒーを注文した後に、デカフェのコーヒーもメニューにあることに気付いた。しまった。店内は、常連なのか顔馴染みらしきお客さん達がカウンターで店員さんと親しげに話していて、紛れ込んだよそ者としてはただただ萎縮するしかない。自分のこういう卑屈さがみじめでならない。でも運ばれてきたコーヒーはおいしかった。酸味が強く、コーヒーではないような感じさえする。おすすめの飲み方だというのでシロップを加えてみると、コーヒーの苦みはうっすらありながら、甘酸っぱいような味の不思議な飲み物になった。せっかく来たのだからと、お店オリジナルのドリップコーヒーも購入した。
おしゃれコーヒーを飲み干し、今回の本屋巡りで一番行きたかった店といっても過言ではない、「本と羊」さんへ。サイトにあった「『誰かの背中を少しだけ押せる』ような本をセレクトしています」という紹介文がとても素敵で、是非とも訪れてみたいと思っていた。明るい水色のドアがとてもかわいい。お店のSNSを見たら、お店の方がコロナにかかり療養期間が明けたばかりとあったので、さっきドラッグストアでヴィックス メディケイテッド ドロップを買っておいた。客とはいえどこの誰かも分からない人間から飲食物を押し付けられるのはありがた迷惑じゃないだろうか、かえって気を遣わせないだろうかとすごく迷ったけど、このご時世に安心して立ち寄れる本屋さんを営業してくださっていることへの感謝を伝えたくて、勇気を出した。気になったZINEを2冊購入し、「ご迷惑でなければ…」とごにょごにょ言いながらドロップを渡すと、喜んでくださって本当に嬉しかった。お店の方は気さくな優しい方で、少しお話しできて楽しかった。本が好きな学生さんを支えるためという募金箱があったので、これまた素敵だと思いささやかな額だけど募金した。後でお店のSNSを見ると、私が渡したドロップをかわいい羊の人形と一緒に写真を撮って、SNSに投稿してくださっていた。自分がなけなしの勇気を振り絞って行動を起こした結果喜んでもらえるというのは、こんなに嬉しいことなんだと思えた。人に優しくして喜んでもらえるって本当に嬉しい。嬉しすぎて投稿をスクショした。これからも勇気を出して誰かに優しくしようと思えたから、本当に背中を少しだけ押してくれる本屋さんだった。
六本松駅に戻って地下鉄に乗り、薬院大通駅で降りる。薬院駅とは別物らしいことを今になって知る。駅から10分ほど歩いて、「くらすこと」へ。たかだか10分程度となめていた。脚が疲れているのでやたら遠く感じるし、たった10分の間に腕が日焼けした。晴雨兼用の折り畳み傘じゃなくて、ちゃんと日傘専用のものを持ってくれば良かったかもと後悔。くらすことの店内は、「丁寧な暮らし」ってきっとこんな感じなんだろうなと思うような空間だった。2階の書店で、気になっていた漫画『家が好きな人』(井田千秋、実業之日本社)を買い、3階の雑貨販売とギャラリーも覗く。丁寧な暮らしここに極まれりといった雰囲気だった。素敵な品物ばかりだったけど、値段を見る勇気はない。
薬院駅まで迷わず歩けるか少し怪しかったので、さっき来た道を戻って薬院大通駅に行く。再び地下鉄に乗り、今度は博多と中洲川端で乗り換えて箱崎宮前駅で下車。箱崎「ぐう」ではなく箱崎「みや」らしい。さあこれから12分、駅からブックス キューブリック箱崎店まで歩くぞという時に、スマホに「今から猛烈な雨が降ります」という旨の通知が来た。今の今まで晴れていたのに、夏はこれが困る。幸い、目的地に着く直前に降り出したので、あまり濡れずに済んだ。日傘専用じゃなくて、晴雨兼用の傘を持ってきていて良かった。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅香帆、集英社新書)と、明日の朝ごはん用にパンを3個購入。チーズカレーパンと、紅茶葉入りのメロンパンと、レモンクリームとクランベリーのパン。おいしそうだから欲張ってしまった。
パンを潰さないように気を配りながら、書店からすぐ傍の箱崎駅へ。JR鹿児島本線で千早駅に向かい、駅構内のレガネットで晩ごはん用に小さい味噌カツ丼とサーモンのお寿司、野菜生活とお茶を買った。せっかく旅先だからと、欲望に忠実に今食べたいものを買った。もう足が疲れすぎているので、夜はホテルの部屋でのんびり食べたい。西鉄千早駅から西鉄貝塚線に乗り、名島駅で下車。今夜泊まるホテルCRYSTAL & RESORT FUKUOKAは大きな建物で、これまた大きな新宗教の施設のすぐ隣にあった。私の地元にも施設がある宗教で、窓には「お気軽にお立ち寄りください」と貼り紙がしてあった。ホテルの内装は、サイトで見ていた通り独特だった。薄いピンク色の壁には天使や花が飾られ、赤いビロードのようなソファには金色の猫脚が付いている。おもしろがって部屋の写真を撮って少し涼んだ後、近くのローソンへ行って除光液とアイス、リポビタンフィールを買った。部屋に戻って晩ごはんを食べるも、お寿司に醤油が付いていないことに今気付いた。うかつだった。グリーンピース色のネイルを落とし、シャワーを浴びて、レモン味のソフトクリームを食べ、精神科と皮膚科の薬を飲んで、荷物を整理して、歯を磨いて寝る。とにかく足が疲れたので、持ってきためぐりズムの足に貼るシートを貼ってみたけど、貼るなり秒で剥がれた。本当に貼るために作られた製品なのか疑わしくなるほど剥がれやすく、寝返りも打てないのですぐ剥いだ。大通りに面しているせいか、夜でも車の音がうるさい。救急車やパトカーのサイレンが鳴り響く。なんなら、部屋のエアコンまでもがごうごうと音を立てて耳につく。それでも、疲れていたのでぐっすり眠った。
2024/07/26 Fri.
真夏の本屋巡り2024、二日目。9時過ぎにホテルをチェックアウトして、名島駅から西鉄貝塚線に乗り、貝塚駅で乗り換え。福岡市地下鉄箱崎線へ天神に向かう。往路で通るであろう改札口の近くのコインロッカーに、重たいリュックサックを預ける。貴重品を入れたサコッシュと、エコバッグ代わりの大きいトートバッグで天神地下街をうろうろする。雑貨屋さんでかわいい生活雑貨を見るのは楽しい。途中でてんちかの積文館書店の前を通ったので、一応そこにも入ってみた。
ソラリアステージのINCUBEで、我が家のアイドルとらちに似た猫の図柄のコースターがあったので、それを買った。都会はおしゃれな人ばかりで慄くけど、INCUBEの化粧品フロアでは何も買わなかったし、ほとんど素通りしてろくに見もしなかった。顔に塗る粉や液を買うなら、そのお金で本を買いたいと思って、そういう自分のことは嫌いじゃないと思えたことが少し嬉しかった。自分の顔に色を塗り足した所でたかが知れているし、化粧品や基礎化粧品を駆使すれば整った顔になれるような素質のある顔じゃない。-100が-80になった所で0にはほど遠く、+の数字になるなど不可能だ。だったら本に投資した方が、私にとってはきっと良い。もちろん、なんだかんだ理屈を捏ねても、かわいい女の子やきれいな女の人達がコスメ選びを楽しんでいる空間に、妖怪のような自分が足を踏み入れるのは気が引けすぎて無理というのも大きい。
お昼はソラリアステージのちゃぶや咖喱魚で野菜スパイスカレーを食べた。カラフルな野菜のおかずが4種類と、揚げた野菜がたくさん乗っている。自分では作れない味の、スパイシーなのに辛すぎないおいしいカレーだった。私は自分で思っていた以上にカレーが好きなのかもしれない。セットで注文した和紅茶のアイスティーも、あっさりした甘さでおいしかった。
一駅分でも歩きたくない暑さと、体力温存のために、地下鉄に乗って赤坂へ移動した。ブックス キューブリックけやき通り店まで歩く。徒歩8分の道程が、気温の暑さと日差しの熱さでやっぱり遠く感じられた。通りすがりの男子グループが「あっつ、まじえぐい」と呟いていたのが妙におもしろかった。日傘の柄に取り付けるクリップ付きの扇風機を使っている人を見かけて、そんなアイテムもあるのかと驚いた。華奢なサンダルで歩いている人もいて、都会は徒歩移動が多いだろうにそれでよく歩けるものだと感心した。けやき通りは、街路樹としてこんな高さの樹もありなのかと驚くほど背の高いけやきがたくさん植わっていて、まさしくけやき通りだった。歩道のほとんどは木陰になっていて涼しく、東京で木を伐るだのなんだの喚いている政治家はなんて馬鹿なことを考えているんだろう。ブックスキューブリックでは、前から読んでみたかった『生きのびるための事務』(坂口恭平、道草晴子、マガジンハウス)を買った。
再び地下鉄に乗って天神に戻る。次はジュンク堂書店福岡店へ。さすが大きい書店だけあって専門書が充実していて、心理士になる夢を諦めていない時に来ていたら買い込んでいたであろうと思われる本がたくさんあった。未だに、書店へ来ると心理学の棚を確認してしまう癖が抜けない。植物に関する棚もきちんとチェックして、『観葉植物の文化誌』(マイク・マウンダー、原書房)を買う。母からLINEが来て、事故のため帰りの高速道路が上下線とも通行止めになっているという。出張から帰る母と途中で合流しようということになり、予約していた帰りの高速バスをキャンセルして新幹線を予約した。
足が疲れた。足さえ疲れていなかったらジュンク堂をもっとじっくり眺めていた所だったけど、もうとにかく疲れてしまって、歩き回る元気がない。どこか涼しい場所で、冷たい飲み物を飲みながら座って休みたい。でも、この時間帯だからカフェはどこも人でいっぱい、さあどうしよう。岩田屋の前を通りかかると、文喫の看板が見えて、これだと思った。2時間1100円の料金を払って、おかわり自由の冷たい煎茶を啜りながらゆっくり休憩した。有料ブース内は冷房が効いて寒いくらい涼しく、静かに座って休めて天国だった。『魔術師列伝──魔術師G・デッラ・ポルタから錬金術師ニュートンまで』(澤井繁男、平凡社)があったので読む。期待したファンタジックな世界観とはまったく異なる、ヨーロッパの歴史書といった内容と語り口だった。文章が頭に入ってこないので、本を読むふりをしてうとうとと舟を漕いだ。
岩田屋のきらびやかな化粧品フロアは、日光に晒されたモグラやみみずのような体で逃げるように後にした。本当に化粧品を買うことが目的なのだろうかと疑いたくなるような振る舞いや身なりの高齢男性が、ブランドものの化粧品を扱うお店の若い女性に親しげに話しかけていて、Twitterでたまに見かける美容部員さんの愚痴はこういう場面で発生するのだろうなと思った。多分こういう化粧品のブランドが顧客として想定している主な属性(30代前半の女性)だけは当てはまる自分でも己の醜さを恥じて到底近付けもしないのに、デパートの美容部員さんに無料で接待してくれるキャバクラのように接する中高年男性の心臓の毛深さ、神経の図太さには舌を巻く。もちろん、褒めてはいない。
文喫でいくらか体力を取り戻したので、15時開店の「本のあるところ ajiro」に移動。親不孝通りという場所にあるらしい。『パーティーが終わって、中年が始まる』(pha、幻冬舎)と『モトムラタツヒコの読書の絵日記』(モトムラタツヒコ、書肆侃侃房)を買った。
朝に見かけて買わずにいた、猫の形の花瓶をやっぱり買おうと思い、天神地下街のBIRTHDAY BARを再び訪れた。ふくちにそっくりなそれを買い、ほくほくしながらコインロッカーでリュックを回収。地下鉄に乗って博多へ向かった。
博多バスターミナルの紀伊國屋書店も覗きはしたものの、直前にどこかの紀伊国屋書店が歴史改竄主義のヘイト教科書をポップ付きで面陳しているというツイートを見かけた所だったので、じっくりは見なかった。ほとんど歩いて通り過ぎたような感じ。荷物も重いし、とにかく疲れているので、カフェ・ド・クリエでレモンスカッシュを頼んで座って飲んだ。乾いた喉にしみ渡るようだった。2階のブルーブルーエも眺めて、博多駅に戻る。両親や祖母へのおみやげを買い、自分の晩ごはん用に駅弁を買い、博多駅発の新幹線に乗り込んだ。早めにホームに並んでいたから座れたものの、高速道路が通行止めになったからか、指定席の乗車率は100%で、自由席にも座れない人がいるほど混んでいた。その後、母と合流して帰宅。
家に帰ると心底ほっとした! 猫達が伸び上がって出迎えてくれて嬉しい。ふくちが私の匂いをくんくん嗅いでいた。駅弁は鶏そぼろごはんとチキン南蛮が入ったものを買ったけど、そぼろは味がしなかったし、チキン南蛮は宮崎県民が激怒しそうな味だった。おでかけもすごく楽しいけど、家も家で居心地が良い。荷解きやお風呂、寝る支度を済ませて自分のベッドに潜り込むと、帰ってきたなあと安心できた。私は一人暮らし先のアパートなりマンションなりの一室で、こんな風に帰巣本能が満たされる住みかを作り上げることができるんだろうか。
2024/07/27 Sat.
両脚が筋肉痛。二日続けて15000歩歩いたので、運動不足の身にはなかなかな負荷だった。それでも安心できる寝床でぐっすり眠ったので体力気力も回復し、洗濯物をたくさん干して、家じゅう掃除機をかけ、あちこち片付けて、メイクブラシや基礎化粧品の旅行用小分けケースを洗い、家の中をせっせと動き回ってすっきりさせた。その後は机に向かって、昨日一昨日の旅行の日記を書いたり、Excelに出費記録をつけたり。
昨日買った2冊のZINEを読む。はっさくさんのZINE『日記を読めば大丈夫』を読んだ。私と年齢が近いらしい方が書かれている日記本で、優しく穏やかな文章と雰囲気のある写真がすごく良かった。一昨日訪れた書店「本と羊」さんのことも書かれている。「薄い膜」というエッセイには特に共感した。私は自分が他者と関わることについて「着ぐるみを被るように、猫を被ってしまう」と考えていたけど、なるほどこういう表現もあるんだと思い、人と親しくなることへのこうした悩みは自分だけが抱えているものではないのだと安心した。それから、夏森かぶとさんのZINE『本のある生活』も読んだ。私は書店員という仕事に密かな憧れを抱いているから、実際に書店員として本屋さんで働いている方の本とのリアルな関わりが読めておもしろかった。人から借りた本はどうも頭に入ってこないこと、疲れている時に読みやすいのが日記本ということなど、確かにそうだなあと頷きながら読み進めた。今の私は本を一冊読み切ることのできるような読書用の体力(?)があまりないので、こういう時にZINEは手に取りやすくてありがたい。書いた人の生活や考えに触れて、ああこの人もどこかで生きているんだと心強さのようなものを覚える。ZINE、いい文化だなあ。
畑の枝豆がいよいよ収穫できそうだったので、6株とも引っこ抜いて茹でた。採れたて、茹でたての自家製枝豆は豆の味が濃いような感じで、なかなかおいしかった。家族もぱくぱく食べてくれた。枝豆は初めて育ててみたけど、思ったより虫もつかなかったし、世話も簡単で育てやすい。豆類自体育てたことがなかったから(観賞用のスイートピーくらい)、新鮮でおもしろかった。
夜は、昨日買った『生きのびるための事務』を読んだ。漫画形式だから読みやすくて助かる。素敵な生き方だなあとしみじみ思った。私も「こんな風に生きていきたい」という漠然としたイメージだけは持っているけど、どうやればその理想に辿り着けるかはさっぱり分からず、途方に暮れている節がある。でも、この本を読むと、なんだかんだ良い方向に進めるんじゃないかという前向きな気持ちが湧いてくる。さっそく、明日にでもノートに今と未来の一日の過ごし方を書いてみようと思う。
2024/07/28 Sun.
『家が好きな人』を読んだ。どのページのイラストも、それぞれの登場人物の暮らし方もすごく素敵で、一人暮らしが楽しみになる本だった。一人暮らしへの不安が紛れる。それから、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』も読み始めた。この本はTwitterで話題になり始めた時から気になっていたのだけど、無職の自分が読んではいけないのではないかと変に気が引けていたのだった。読み始めると、おもしろい! 読書という趣味がこの国の人々にどう普及していったのか、そしてなぜ現代人は本を読めずにいるのか、なるほどと納得がいく。新書という形をこの頃はほとんど読んでいなかったけど、手に取りやすいし読みやすくていいものだなあ。