投稿者: naedokodesuka

週間日記(2024/11/25-12/01)

2024/11/25 Mon.
 実家の猫用カメラをアプリで見たら、あざらしのようにまるまるしたとらちが籐椅子の上でごろんと寝ていた。来月末に帰省する頃には、冬毛でもふもふとしているんだろうか。
 ヨドバシカメラまで歩いて行って、ワイヤレスイヤホンを買った。同じ建物の中にあるロピアも覗いてみようかと思ったけど、夕方のスーパーのあまりの人の多さに引き返して、DAISOだけ見て帰った。いつかはロピアのお惣菜を買ってみたい。
 さっそくイヤホンを使ってみたら、これがすごく良かった! 周りの部屋に配慮して音量を絞らなくていいし、料理をしていても音楽や動画の音声がはっきり聞こえる。最近見始めたオモコロチャンネルの食べ物系の動画をBGMに、ホワイトソースを作ってマカロニをゆで、昨日作ったミートソースと一緒にグラタンにした。ホワイトソースはダマだらけだし、ミックスチーズの代わりに買った安いヘルシーシュレッドは味がチーズに劣るけど、器いっぱいのグラタンは我ながらおいしかった。

2024/11/26 Tue.
 相談支援事業所の相談支援員の人が訪問調査に来た。見知らぬ人間が淹れたお茶は飲むのに勇気が要るだろうと思って、直前に近くのコンビニでペットボトルの温かいお茶を買い、保温バッグにカイロと一緒に入れておいたものを出して渡した。そうしてお茶を出すことで却って向こうに気を遣わせてしまうかなとも思ったけど、とりあえず持ち帰ってもらえた(置いて帰るのもそれはそれで勇気が要ると思う)。先日の就労移行支援での面談と同じような内容の聞き取り。何か困っていることはありますかと訊かれても、その状態がそもそもデフォルトだから、第三者から「それは困っていると言っていいよ!」とでも言われないと、自分が困っているのかどうか分からないなと思った。支援者側の人はよく「これはこういうことですか?」と私の悩みの理由をその人なりに解釈して理解してくれようとするけど、初めて会った人がすぐに納得できるような簡単な原因なら私も苦労しないんだよなとも思う。色々正直には答えたけど、もしこれで「福祉サービス(就労移行支援)の利用は適切ではない」と役所に判断されて、就労移行支援を利用できないというようなことはあるんだろうか。訊き忘れた。
 本当に、仕事さえしなければ、割と健康で快適な生活を営める。でも仕事をしないと年金だけじゃこの先も生きてはいけないし、それでも働けないから、だったら死のうかなと思うようになってしまう。働いたところで週5日フルタイムの労働を自分が続けられるかは分からないし、それだけ働いても得られる収入はかろうじて暮らしていける程度にしかならないと思うけど、賃金が低くて税金が高いのは政治の失敗だから、自分が経済的な自立できる可能性を政治に潰されたくない。

2024/11/27 Wed.
 就労移行支援。部署活動というものがあって、その見学をした。
 昨夜寝る前に思いついてどうしてもやりたかったことがあって、帰ってお昼を食べてからそれに着手した。PixivFACTORYで、とらちの写真をプリントしたスウェットを自分用に作る作業。カメラロールの膨大な猫写真の中からとびきりかわいいとらちの写真を一枚選んで、背景を透明化して、縁取りをして、PixivFACTORYにアップロードして位置を調整して完成。スウェットの色は、とらちの毛色が一番映えると思ったネイビーにしてみた。来月の後半に発送予定とあったので、それまでに手芸屋さんでとらちの首輪に似た赤いリボンを選んで、届いたらスウェットに縫い付けようと思う。ひとつ問題があって、服にリボンが垂れ下がっていると、帰省した時に真っ先にふくちの餌食になりそうな気がする。でも、リボンは付けたいしなあ。
 旅行に備えて歩いておきたかったけど、雨が降っていたので午後は大人しく部屋にこもっていた。外は寒々としているものの、温かい飲み物と膝掛けを相棒に自分の住みかでのんびりできて快適だった。一人暮らしを始めてもうすぐ2ヶ月、私の部屋が私にとって住みやすく居心地の良い場所になっていて嬉しい。引っ越してきた当初は「ここに住むのか…」といくらか戸惑ってすらいたけど、巣を作る動物のようにせっせと部屋を整えてきたかいがあった。

2024/11/28 Thu.
 朝、ちょうど出かけた時にひょうだかあられだかが降ってきた。就労移行支援に行き、ワープロ検定の過去問に取り組んだ。
 明日から2泊3日の東京一人旅! すごくわくわくしている。荷造りはばっちり、旅行の計画も多分大丈夫、心身の健康状態もなかなか良さそう。乗り換えはうまくいくだろうか。

2024/11/29 Fri.
 東京旅行! 朝4時に起きて、まだ日が昇らぬ内に出かけた。地下鉄を乗り継いで福岡空港に行く。空港は普段馴染みがない場所なので、「今から遠出するぞ」という非日常感があってうきうきする。早めに着いたのもあって、余裕をもって手続きを済ませて搭乗することができた。いつ離陸するかどきどきする瞬間はいつ体験しても楽しい。雲の上はとても天気が良い。飛行機の窓からこうして一面の青空を見ると、なんだか天国みたいだなと思う。機内バウチャーで飲み物と食べ物を頼めたので、ホットコーヒーとチョコレートマフィンをお願いした。地上から遠く離れた場所で、青空と雲だけの景色を眺めて飲むコーヒーがすごくおいしかった。空を飛びながら飲むコーヒー。着陸に向けて降下するにつれて、例のごとく耳が痛くなってきた。春の大阪旅行で耳抜きを習得したからと余裕ぶっていたものの、今回は耳抜きがうまくできず、両耳が痛いまま成田空港に降り立った。フライト中に、『家父長制はいらない』を読み終えた。
 成田空港の長い通路の壁一面に色々なポケモンがたくさん描かれていて、歩いていて楽しかった。こういうイラストがあると、かなり長いこの通路もうんざりせずに歩けていいなあ。成田空港から京成スカイアクセス線とJR武蔵野線、つくばエクスプレスを乗り継いで、茨城県つくば市へ移動。車窓から赤く色付いたもみじが見えて、そういえば今年の秋は紅葉らしい紅葉を見ていなかったと思い驚いた。樹木なんて腐るほどある地元と比べれば、福岡市内(の、私が住む辺り)は自然がうんと少ない。もみじもハゼもドウダンツツジも目にしない秋を過ごす所だったのか。
 つくば駅のコインロッカーにキャリーケースを預け、つくば市中央公園の中を歩く。良い天気で、野鳥の声を聞きながら落ち葉を踏み締めて歩くのが気持ち良かった。さざんかの花にメジロが飛んできている。街灯に「ロボット実験区間」と書かれた看板があって、学術研究都市らしさを感じた。
 SNSで見ていていつか行ってみたいと思っていた「本と喫茶 サッフォー」へ。読んでみたい本がありすぎて、選ぶのが大変で楽しかった。前から気になっていた『ゲリラガーデニング』と、ZINE2冊を購入。喫茶スペースで頂いたヴィーガンキーマカレーとコーヒーがとてもおいしかった。店内にはフェミニズムや反差別、反戦といったテーマが当たり前のものとして掲げられていて、そういう場所がすごく安心できることをここに来て知った。障害者福祉についての本も、支援してあげようという支援者目線のものではなく、より当事者に寄り添った当事者目線に近い雰囲気のものが並んでいて、一人の手帳持ちとしても嬉しい。セーファースペースというのはこんなに居心地が良いんだ…!
 サッフォーから少し歩いて、国立科学博物館 筑波実験植物園に行く。「いつか行けたらいいな」と思っていた場所へ立て続けに行けるなんて、こんな愉快なことはない。「温帯資源植物」の区画には、「イチゴの多様性」や「食の植物【ベリーの仲間】」と看板が立てられた場所があり、様々なイチゴやベリー類が植わっていて、ベリー好きには天国のような空間だった。地元の野山で見ていたフユイチゴや実家で育てていたブラックベリーも、こんなにもりもりと茂ったのは見たことがない。図鑑でしか見たことのなかったクマイチゴやモミジイチゴもある。いちご天国の隣には色々な野菜を植えた畑があり、キク科の野菜だけを集めたブースや、ネギ、ホウレンソウ、ダイコンなどが植わっている。本当にたくさんの種類の野菜が育っていて、いちご天国と併せてまさに理想の畑だった。それぞれの樹木の札を見ながら、雑木林のような道を歩くのも楽しい。地元の野山のようで落ち着く。ここももみじが真っ赤できれいだった。果樹のコーナーに立てられた「毒毛虫に注意」という写真付きのおぞましい看板に慄く。枝から枝へ飛び移るシジュウカラがかわいい。我が家の庭に生えていたら根絶やしにされる植物達(ヨモギ、オオバコ、ハッカ、ヘクソカズラ)にも、和名と学名と分類が書かれた札が立てられている。支柱まで添えられて、こんなに厚遇されているヘクソカズラなんて見たことがない。絶滅危惧植物温室には、名前も姿も知らなかった植物が管理されていた。熱帯植物の温室には、入るなり大きなエアプランツの株がたくさんぶら下がっていて、百均で売られているような小さなものとは比べ物にならないほど迫力があった。エアプランツってこんなに生命力に溢れていたのか。私が育てている百均のものと違って。蔓を伸ばしに伸ばしたバニラの鉢もいくつもある。バナナの木には花が咲いていたり、実が生っていたり。ゴレンシやドリアンといったトロピカルフルーツもある。スパティフィラムもストレリチアも、園芸店で見るそれと同じ植物とは思えないほど生長している。ここでもタビビトノキはガラス張りの天井に届きそうだった。今年はそれぞれ別々の場所で3回もタビビトノキを見ている。こんな贅沢良いんだろうか。園内を散々歩き回って植物を堪能して、鮮やかな黄色の銀杏を眺めながら天久保公園近くでバスを待った。時刻表より遅れてやってきた筑波大学の循環バスはぎちぎちの満員で、これは歩いてつくば駅へ向かった方が良かっただろうかと後悔するほどだった(でも途中で降りることもできそうにない混み具合)。すぐ隣にいる若いカップルは、学会がどうのこうのという会話をしていて、なんだかやたら偏差値の高そうな車内だなと思った。私が下げているけど。
 再びつくばエクスプレスに乗り、秋葉原でJR山手線に乗り換え。たまたま席に座れて、山手線で居眠りするという初めての体験をした。まるで都会の人みたいと思う所が、私が都会の人ではない証左になっている。東京駅のグランスタに行き、ネットで予約していた駅弁を受け取った。東京に来て、宮城県の駅弁を食べる。伯養軒の炙りえんがわずしというものをえんがわ好きとして一度は食べてみたかったのだけど、九州からでは宮城県はあまりに遠い。ところが、たまたま東京駅で販売していることを知り、こんなチャンスはないと喜んで飛びついた。ありがたい。
 また山手線に乗り、今度は寝ずにビジネスホテルの最寄り駅で降りた。御徒町駅の周辺には、宝石や貴金属を扱うお店がやたら多くて、なぜなんだろうと思い気になった。ホテルの部屋で食べた炙りえんがわずしは、これまで食べたえんがわの中でダントツにおいしかった。おいしいものだとは思っていたけど、えんがわってこんなにおいしいんだ。お弁当を広げている机の前の壁には大きな鏡があって、そこに移った自分の顔がものすごく幸せそうな顔をしていて、自分でも笑ってしまった。私は写真に写るのが苦手で、うまく口角を上げて笑顔を作ることができないんだけど、このえんがわずしを食べながらなら満面の笑みの写真が撮れるかもしれない。
 今日の歩数は16,974歩。

2024/11/30 Sat.
 ホテルでぐっすり寝て、朝ごはんを食べ、駅のホームで電車を待つ。目の前で電車が行ってしまったので、次の電車は何分後かと表示を見てみると、なんと3分後とある。すごいな、山手線! 福岡に来て、地下鉄が10分おきに出ていると知っただけで慄いた人間としては、ただただ都会の公共交通機関の充実ぶりに戦慄するしかない。地元なんて、電車も通っていないのに。上野駅のコインロッカーに自分のキャリーケースを押し込んでいたら、近くにいた老夫婦がコインロッカーの使い方が分からないという風にしていたので、お節介かなと思いながら声を掛けてみた。内心緊張していたけど、精いっぱい分かりやすく使い方を教えたつもり。帽子を取って丁寧にお辞儀をしてくれて恐縮した。でも、喜んでもらえて嬉しい。
 上野公園はどこも人が多くて、公園ってこんなに賑わう場所なんだと驚いた。ここも銀杏がきれい。開館時間ちょうどぐらいに来たものの、東京国立博物館には既に大行列ができていて、館内に入るまでに15分くらいかかった。はにわの特別展をやっていて、色々な形のはにわがいておもしろかった。魚や、ヒナを連れた水鳥の形のはにわがかわいかった。それにしても人が多い。みんなそんなにはにわが好きなんだなあ。常設展もおもしろく、刺繍がいっぱいの歌舞伎の衣装や、きらきらした螺鈿細工の箱が特にきれいだった。ゲーム「刀剣乱舞」でキャラクターとして登場する刀の実物も見られた。
 博物館前の広場でホットドッグを買って食べ(チリソースが辛くておいしかった)、今度はすぐ傍の国立西洋美術館に行った。モネの特別展をやっていたけど、あまりの人の多さ、行列の長さにそれは断念した。それでも、常設展だけでも十分におもしろかった。風景画と静物画が特に好きかもしれない。
 山手線だの東京メトロだのを乗り継いで、千駄木で降りる。気になっていた「雑貨と本 gururi」に辿り着くと、「本日は臨時のお休み」との張り紙があった。タイミング…! こういうのも旅行らしくて良いか。
 東京メトロに乗って、さらに山種美術館へ。日本画っておもしろそうと思えたきっかけの美術館で、いつかは絶対に行ってみたいと思っていたから嬉しい。恵比寿駅のコインロッカーが埋まっていて預け損ねたキャリーを引きずりながら並木道を歩いていたら、お店の前でパイナップルケーキが売られていて、気になって足を止めた。お店の方が試食をくれて、おいしかったのでパイナップルケーキとココナッツケーキをひとつずつ買った。どこから来たのかと訊かれ、ちょこっと会話をして別れた。旅先でこういう交流ができると本当に嬉しい。今回の旅行で行ったどの場所もそうだけど、山種美術館も「来て良かったなあ!」と思える場所だった。前まで日本画というものにはあまり興味がなかったけど、SNSで山種美術館の投稿を見て、なんとなくいいなと思えるようになり、今その実物を見ている。特別展の福田平八郎は、桃と鮎が好きな人らしかった。東京国立博物館と国立西洋美術館でもそうしたように、好きだなと思った絵のポストカードをミュージアムショップで何枚か選んだら、ほとんどが速水御舟の絵になった。なるほど、私はこの人が描く絵が好きなのか。
 JR埼京線と京王井の頭線、名前だけは聞いたことがあるような電車に乗って、下北沢で降りた。壁と看板(?)の隙間に、空のペットボトルやストロング系チューハイの缶に混ざって咳止めシロップの空き箱が捨てられていて、今日何度目かの「都会だなあ」を感じた。下北沢駅のコインロッカーも埋まっていて(正確には、私のキャリーを入れられるサイズのが埋まっていた)、どこか荷物を預けられる場所はないかと検索したら、近くのカラオケ館が荷物預かりサービスをやっているとあった。コインロッカーより値は張るけど、本当に助かる。ちょっと歩いてみた下北沢の町は、何もかもがおしゃれすぎるというか、「カルチャー」の街という感じだった。恥ずかしながら私は、以前話題になっていたオモコロのPR記事「俺の理想通りのめっちゃいい新生活が始まる日」にあるような生活に内心憧れてやまない。正直、福岡市内に出てきたのも、もしかしたら都会ならそういう生活に近付ける可能性があるのではという下心がなかったとは言い切れない。記事にあったのは下北沢ではなく世田谷代田だったけど…と思いながら調べてみたら、下北沢と世田谷代田は隣駅だった。なるほどな。
 商店街「BONUS TRACK」に着くと、もう、眩しいくらいに憧れが詰まっていて目が眩みそうだった。すごかった。具体的にどう表現したら良いか分からないけど、ああ私はこういう場所で楽しく過ごせる人間になりたかった、と痛感した。おしゃれなカフェやスタンドでドリンクを飲んだり、きらきらのイルミネーションの下で静かに本を読んだり、創作仲間と集まってイベントを企画したり、実際の私は社不(※社交不安障害)をこじらせすぎてとてもじゃないがそんな芸当はできない。コンプレックスのあまりおしゃれなお店には近付けないし、飲み食いしている自分が誰かの視界に入るのが怖いし、周囲に人がいる状況で趣味に没頭することはできないし、人付き合いが満足にできないことに現在進行形で苦しんでいる。もちろん、こういう場所で楽しく過ごしているように見える人にだって人には人の地獄があったりなかったりするのだし、私もここに来てみて良かったと心底思いはしたけど、私は「俺の理想通りのめっちゃいい新生活」を送れない人間なんだなと改めて思い知らされた気がした。こんな素敵な場所でここまでネガティブにものを考えるのももったいない気はする。でも、結局私は人と関われないことが色々な悩みの根源にあるんだなと思った。
 それでもおっかなびっくり、BONUS TRACK内のお店に入る。「日記屋 月日」でZINEを2冊買い、「本の読める店 fuzkue」に行った。どちらも本当に素敵な空間で、自分が場違いで挙動不審な振る舞いをしているんじゃないかと恐れおののきながらも、SNSで見ていた憧れのお店にいる喜びを噛み締めた。fuzkueはすごく静かな空間で、自分の声や咀嚼音を気にするタイプの社交不安障害患者にはかなりハードルが高いお店なのではと席に着いてから内心焦ったものの、結果的に居心地の良さの方が勝って安堵した。フヅクエオリジナルのブレンドコーヒーと、チーズケーキがものすごくおいしかった。月日で購入したZINEの1冊を読み、G.ガルシア=マルケスの『エレンディラ』を途中まで読み、『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』を読み終えた。Spotifyで聴いていたフヅクエのプレイリストの曲が店内で本当に流れていて、聞いたことがある曲だと気付けたのがちょっと嬉しかった。2時間ほど過ごして、お会計をしてお店を出た。本を読んだからなのか、当初の若干動転したような気持ちが穏やかになって少し落ち着いた。見かけたキャロットケーキの看板に心惹かれて、YOYOでひとつ購入した。キャロットケーキは自分で作ったものしか食べたことがなかったので、いつかお店のものを食べてみたいと思っていたのだった。憧れの生活には辿り着けなくても、憧れのお店で過ごして、憧れの食べ物を買うことはできて嬉しい。お店の方曰くすごくスパイスが効いているそうで、食べるのが楽しみ。
 小田急線と都営地下鉄でホテル傍の駅まで向かう。福岡でさえ若者の多さにびっくりしていたけど、それにしても東京の人の多さ、特に若者の多さは凄まじい。地方から姿を消した若者達はここにいたのか。ビジネスホテルにチェックインして荷物を置いて、財布とエコバッグを持って近くの成城石井に行ってみた。夜になって割引になったお惣菜やスイーツ(タコスミートのトルティーヤ、シフォンケーキのせプリン)を買って、部屋で食べる。キャロットケーキは想像以上にスパイシーで、とてもおいしかった。ずっしりと濃厚な生地と、軽くてまろやかなチーズのクリームがよく合う。これはちゃんとコーヒーを用意して頂くべきお菓子だった。
 今日の歩数は22,458歩。

2024/12/01 Sun.
 成城石井のパンを食べ、ホテルを出て都営地下鉄に乗る。神保町で都営三田線に乗り換え。神保町もいつかは降りてみたい。白山駅のコインロッカーも全敗。キャリーを引きずり坂を登って坂を下って、小石川植物園に到着。園内にコインロッカーがあって助かった。ここも気持ちのいい植物園で、木々の間を歩いているだけで癒される。いくつもある温室には、見たことのない植物がたくさん並んでいる。時々、見覚えのあるマユハケオモトやセイロンベンケイもいる(以前これらの植物を育てていた)。花は咲いていなかったけど、ショクダイオオコンニャクの大きな鉢植えもあった。タピオカノキ、タマゴノキ、ソーセージノキといったユニークな名前の樹木も。かわいい蘭の花があちこち咲いている。鉢植えだけど、キソウテンガイもいた。冷温室には、色々な山野草が植わった小さな鉢植えがぎっしりと並んでいて、ここも見ていて楽しかった。植物園に辿り着くまでにちょっと時間を食ったのもあり(思ったより距離があった)、のんびり植物を見ていたらいつの間にか電車に乗る予定の時間になっていて、慌ててキャリーを引っ張り出して駅に戻った。薬園植物園を見られなかったのが悔しいので、いつかまた来なければ。
 駅のホームにお花屋さんやケーキ屋さんがあることに仰天しながら移動。運良く当初の予定と変わらない時間に、ゆりかもめに乗ることができた。ゆりかもめは、見慣れない東京の街並みを存分に眺められて楽しい。新橋駅のコインロッカーがいっぱいで諦めかけたところ、幸いにも東京ビッグサイト駅のコインロッカーが空いており、嬉々としてキャリーを押し込んだ。念願の文学フリマ東京は、これまたものすごい人の数だった。一般入場の列に並んでいると、周りから「審神者」だの「ウマ娘」だのといったワードが聞こえてきて、なんだか妙な居心地の良さを感じた。私はこういう場所でこそ楽しく過ごせる人間ということなんだろう。それにしても、ここにいる人はみんな文学が好きなんだと思うと、すごい。ジャンルは多岐に渡るにせよ、「自らが〈文学〉と信じるもの」を愛する人間がこんなに集まるとは。ビッグサイトの西3・4ホールは本当に人、人、人で歩くのも大変だったけど、あらかじめWebカタログで目星をつけておいた本を探して宝探しのように歩き回るのは楽しかった。用意した小銭がすっからかんになるほど買った。本を購入した時にちょこっと会話が発生することもあって、それがすごく嬉しかった。私はあなたの本を買えて喜んでいるし、あなたも本が売れたことで喜んでくれている?
 ずっしり重たくなったリュックのベルトを肩に食い込ませ、キャリーを引きずり出してゆりかもめに乗る。新橋駅でJRに乗り換え、日暮里駅でおにぎりを買い、スカイライナーに乗って成田空港に戻ってきた。途中、車窓から「荒川区立第五中学校」という文字が見えて、「第五!?」「ひとつの区で第五中学校まで!?」と驚いた。本当に人が多い。成田空港で家族へのおみやげを買い、人から飛行機のチケットの見方を訊かれて答え、帰りの飛行機に乗り込んだ。窓の外は真っ暗だったけど、下の方を見るときらきらした夜景が広がっていてきれいだった。さっき買ったばかりのZINEを読み、バウチャーでオニオンスープとアップルパイをもらい(後者は帰宅してから食べることにした)、なぜか帰路は全く耳が痛くならずに済んだ。
 福岡空港から地下鉄に乗ろうとすると、nimoca(交通系ICカード)が見当たらない。コートのポケットに入れたような、ポシェットに入れたような。スカイライナーを降りるまではあったから、成田空港か飛行機の機内でなくしたんだろうか。物が詰まったリュックサックやトートバッグをひっくり返すのも面倒なので、諦めて切符を買って帰路に就いた。マンションに辿り着き、荷物を下ろし手洗いうがいを済ませ、即シャワーを浴びた。うっかり座ってしまいようものなら、きっと疲れて動けなくなるに決まっている。この判断は大正解で、帰宅して1時間も経つ頃には布団の中でぬくぬくすることができた。全ての荷解きは明日やろう。チャージが一万円くらい残っているnimocaは、明日探そう。今回の旅行は、乗換案内アプリと地図アプリを頼りに結構色々うまくいって、私も遠出が随分上達したんだなあとほくほくしていたのに、最後の最後でnimocaをなくした。そんなことでバランスを取ろうとしなくてもいいのに…。でも、見つからなかったら再発行すれば良いし、マンションのカードキーをなくすよりははるかにマシだ。「疲れたけど楽しかった」と思える旅行ができて良かった!
 今日の歩数は19,619歩。

購入したポストカード
・「睡蓮、夕暮れの効果」クロード・モネ
・「ジヴェルニー近くのセーヌ河支流、日の出」クロード・モネ
・「セーヌ河の朝」クロード・モネ
・「花と果物、ワイン容れのある静物」アンリ・ファンタン=ラトゥール
・「果物籠のある静物」コルネリス・デ・へ―ム
・「芥子花」福田平八郎
・「芥子」小林古径
・「芥子(写生)」速水御舟
・「名樹散椿」速水御舟
・「牡丹花(墨牡丹)」速水御舟
・「秋茄子」速水御舟

週間日記(2024/11/18-11/24)

2024/11/18 Mon.

 猫達の写真をたくさん撮った。もちろん、たくさん撫でもした。猫ってなんであんなにかわいいんだろう! 一昨日は最初警戒した素振りを見せたとらちゃんも、すっかり私に甘えてきてくれる。夜中にはふくちが私のベッドに来て足元に陣取ったので、一緒に寝た。すごくよく眠れた。

2024/11/19 Tue.

 朝、高速バスに乗って福岡へ戻ってきた。年末年始の帰省までとらふくに会えないと思うと、すごく寂しい。でも、私はいくら寂しくても良いから、とらふくさえ寂しい思いをしていなければそれが一番良い。寂しいかどうかは、本人達に訊いてみないと分からないけど(訊いても分からない)。
 部屋に戻ってきて、お昼を食べてキャリーケースの荷解きをして、今日はあまり歩いていないからと天神まで行ってうろうろしてきた。おかげで、今日一日の歩数が一万歩を超えた。
 就労移行支援の事業所から電話がかかってきて、相談支援事業所と相談支援員が決まったとの旨を伝えられた。ここに来て初めて知ったけど、就労移行支援と計画相談(?)とやらは別々の場所が担当するらしい。どこかの段階で説明を受けたっけ? 覚えていない。その後、相談支援事業所の相談支援員の人から電話が来た。来週、相談支援員さんが自宅(私の部屋)を訪問して、生活状況だのこれまでの経過だのの聞き取りをするらしい。お茶とか出した方が良いんだろうか。

2024/11/20 Wed.

 昨夜ショックなことがあって、悶々としながら寝た。今朝目が覚めて、ベッドから出る前にそのことを思い出して、また気持ちが沈んだ。自分がどうこう意見できるものじゃないし、他人の考えや意見を自分の思い通りに変えようとするなんておこがましいことだと頭では分かってはいても、悲しい。
 就労移行支援。職務経歴書の作成についてのプログラムを受講した。またしても、例としてテキストに載せられた「きれいな」職務経歴書に嫉妬。
 就労移行支援が終わってそのまま区役所の健康課に行こうと思っていたので、途中のミスドでお昼を食べた。台湾胡椒餅風パイがすごくおいしかった。胡椒ってかなり好きかもしれない。地図アプリを頼りに初めて通る道をせっせと歩いていると、手書きの大きな文字で「植物屋」と書かれた看板を見かけて、とても気になった。気になったけど、なんだか入りづらいおしゃれな一角に置かれているので、気になりながらも通り過ぎた。区役所の健康課で、昨日電話で相談支援員さんから区へ提出するように言われた申請書を書いたものの、マイナンバーの数字が分からないと手続きできないと言われてしまった。数字を覚えていないし、マイナンバーの通知カードも家に置いているので、通知カードを持ってまた明日来ますと伝えてすごすご退散した。浴室の電球が切れていたので、ビックカメラで新しい物を買って、歩いて帰宅。今日の歩数も一万歩を超えて嬉しい。
 帰り道に、自分と年齢が近そうな人が一人ですき家に入っていくのを見かけた。私は一人でごはん屋さんに入ることがとても苦手で、個人のお店はもちろんチェーンの店ですら気後れしてなかなか入れないけど、別に禁止されている訳じゃなし、こうしてお店に立ち寄って良いんだよなあと思った。チェーンのカフェなら辛うじて入れるものの、それだと外出先で食事を摂ることになった時の選択肢がかなり限られる。一人で回らないお寿司やホテルのディナーを食べたいなんて言わないから、せめて牛丼チェーンやファミレスなんかにはためらわず入れるようになりたい。あわよくば、近所のスパイスカレー屋さんや多国籍料理屋さんにも行ってみたい。何でも病気と結び付けて良いものか分からないけど、不安を感じるという点では、一人でごはん屋さんに入れないのも社交不安障害の症状のうちなのかもしれない。
 文学フリマ福岡で買ったZINEを読んだ。人の日記本って、やっぱりおもしろいなあ。自分とは違う誰かの生活や考え、感じたことを活字という形で知ることができて、リアルの会話よりも妙に生々しい所がある気がする。この日記本を読んでいた2時間ほどの間は、他人の人生を生きているような、すぐ傍で追っているような感覚があった。私の日記を読んでくれている人も、私の人生を追体験しているような気分になることがあるんだろうか。そう思うと、一人きりでなく誰かと並んで走っているような感じがして、なんだか愉快で心強い。ZINEを読み終わった頃には、すっかり窓の外が暗くなっていた。
 昨夜のことを自分一人では消化しきれない気がして、オンラインカウンセリングを予約した。この消化薬が少しでも効きますように。

2024/11/21 Thu.

 部屋が寒い。先月はやたら暑かったので、夏は困るけど冬場は良いなと思っていたら、単に外の気温に左右されやすいというだけの話だったらしい。床暖房で家中ぽかぽか温かい実家で長年ぬくぬく過ごしてきたから忘れていたけど、築30年のマンションというのはこんな感じだったなと思い出した(大学生の時も築30年くらいの物件に住んでいた)。
 マイナンバー通知カードを持って、再び区役所の健康課へ行った。マンションから歩くと片道40分かかるので、渋々バスに乗った。バスは乗り場や路線がややこしくて、乗車しても人が多くて落ち着かないからどうも苦手だけど、おかげであまり歩かなくて済んだのはありがたい。計画相談の申請書の手続きは、今度はちゃんとできた。帰りは、天神経由で歩いて帰った。近所の商店街に寄って、店の前で売られていたカレー屋さんのタンドリーチキンとカレーのお弁当を買って帰った。家に帰って蓋を開けると、にんにくとスパイスの香りが辺りに充満した。食べてみると、すごくおいしかった。さらっとしたカレーは結構な辛さで、塩味が強いけどおいしい。タンドリーチキンは、今まで食べた中で一番おいしかった。濃いめの味付けで、肉がとにかく柔らかい。いつかは勇気を出してお店に入って、できたての温かいカレーとタンドリーチキンを食べてみたいなあ。
 昨日の区役所では、新しく発行してもらった福岡県の精神障害者保健福祉手帳も受け取ってきた。カバーの中に入っている「手帳のメリット」と書かれた小さな紙いわく、手帳があれば市営地下鉄の運賃が半額になるらしい。知らなかった! これは助かるとうきうきしながら福岡市地下鉄のホームページを見てみたものの、精神は1級のみが割引対象になるとあった(私は3級)。
 就労移行支援。スタッフさんとの面談が1時間以上あった。主に成育歴の聞き取りで、生まれた時から現在に至るまでのことを色々訊かれて話した。私は自分のこういうプライベートなことを人に話すのにあまり抵抗はない方だけど(四コマ漫画に描いてネットに載せる程度には精神的露出狂なので)、話したくない人にはかなりしんどいだろうなと思った。
 先日のショックだった出来事を消化すべく、オンラインカウンセリングを受けた。やっぱりプロというのはすごいもので、「こういうことがあって嫌な気持ちになった」という心境が「嫌な気持ちになったけど、それで良かった」という風に変わった。ひとまず、私の中で折り合いがつけられそうなくらいには安心できた。どうしようかと思っていたから、本当に良かった。助かった。

2024/11/22 Fri.

 就労移行支援。スタッフさんとの面談が1時間以上あった。主に成育歴の聞き取りで、生まれた時から現在に至るまでのことを色々訊かれて話した。私は自分のこういうプライベートなことを人に話すのにあまり抵抗はない方だけど(四コマ漫画に描いてネットに載せる程度には精神的露出狂なので)、話したくない人にはかなりしんどいだろうなと思った。
 先日のショックだった出来事を消化すべく、オンラインカウンセリングを受けた。やっぱりプロというのはすごいもので、「こういうことがあって嫌な気持ちになった」という心境が「嫌な気持ちになったけど、それで良かった」という風に変わった。ひとまず、私の中で折り合いがつけられそうなくらいには安心できた。どうしようかと思っていたから、本当に良かった。助かった。

2024/11/23 Sat.

 就労移行支援。毎回スタッフの誰かを捕まえて今日は何をしたら良いか尋ねるのだけど、正式な利用が始まるまでずっとこれが続くんだろうか。スーパーや商店街に寄り道しながら帰宅。八百屋さんで、ひと玉税込106円という価格の白菜を見て、切って冷凍しようにも冷凍庫は今ぱんぱんだからと、迷いに迷って買わなかった。でも、まるごと1個で税込171円のパイナップルには負けた。途中に、我が家のとらちに似た麦わらっぽい模様の野良猫を見かけた。とらちに方がひと回りまるまるしている。
 さっそくパイナップルを切り分けた。パイナップルの切り方は、大学を出て新卒で入社した果物ジュース店(半年足らずで辞めた)で覚えた。あの頃は何もかもが本当にしんどくて、メンタルがずたずたになるばかりだったけど、そこで教わったパイナップルの切り方とキウイの皮の剥き方だけは今も役立っている。
 今年の春に実家の畑につる苗を植え、引越直前の秋に収穫して寝かせておいた紅はるかを持ってきていたので、オーブンで焼き芋にした。すごく甘いという訳ではないけど、それなりに甘くてちゃんとおいしい。
 夜、寝る前にホットミルクとクッキーで夜食にした。一人暮らしの部屋でこんな穏やかで楽しい夜を過ごしているなんて、去年までの私だったら想像もできなかったし、羨ましくて歯噛みしていただろうな。
 くすんだピンク色のネイルポリッシュを買ったので、両手の爪に塗ってみた。多分、爪をピンク色に塗るのは人生で初めてだと思う。思春期に入って自分の容姿に強いコンプレックスをこじらせるようになって以来、自分みたいなのがピンクなんてかわいい色を身に着けてはいけないと強迫観念のように自身に対して呪いをかけていた(社会からかけられた呪いでもある)。最近になってようやくその呪いが解け始める兆しが見えてきて、私がどんなに不美人だろうとかわいい色を身に着けたければそうして良いのだと、頭では理解できてきた気がする。ピンク色のぴかぴかした爪を見ると、こんなかわいい色に爪を塗ることができるほど私は私のことを許せるようになっているんだなと思えて嬉しい。
 この時間に、マンションのどこかからか掃除機をかける音がする。離れた場所にある部屋のようでうるさくはない。見知らぬ誰かも同じ建物の中で生活してるんだと思うと、ちょっと安心する。

2024/11/24 Sun.

 目覚ましアラームをセットせずに寝たら、たっぷり10時間も寝た。心身がしっかり休まって、リセットされた感覚がある。
 見ず知らずの人が、もう4回ほどインターホンを鳴らしてくる(4回とも同じ人)。引っ越してきてすぐのネット回線の営業で学習したので、ずっと居留守を使っている。NHKの集金か何かだろうか。
 パジャマのまま、台所で3時間ほど過ごした。小松菜といんげんをゆでて冷凍して、玉ねぎも切って冷凍して、厚揚げと長ねぎの煮物を作って、朝ごはんに食べるトマトスープを4食分作って、ミートソースを多めに作って冷凍して、さつまいも餡団子パイを作った(焼き芋と市販のあん団子を冷凍パイシートで包んだもの)。実家で家族の分もごはんを作っていた頃は、確実においしいものを作りたかったからレシピを見て料理していたけど、自分1人の分なら失敗してもいいし調味料を量らずに作れるようになりたいと思って、分量を何も量らずに煮物とミートソースを作ってみた。ところが、適当に作ったにも関わらず、1回目の味見の時点で既にかなりおいしいものになっていてびっくりした。
 パイを焼く間にも、ちょこちょこと部屋を片付けたり掃除をしたり。自炊するし、洗濯もきっちりやるし、掃除も最低限は嫌々やるし、整理整頓は得意だし、昼夜逆転せず生活できるしごはんも食べるし、仕事さえしなきゃちゃんと生きていけるんだと自分を慰めているような、褒めているような。仕事をすればこれら全てがめちゃくちゃになるけど。私は駄目な人間なんだとめそめそしていた期間が長かったので、色々な自信や自尊心がかなりすり減っていたけど、今回一人暮らしを始めてみると「私にもできることが意外とある」と気付けて嬉しい。できないことには目を瞑っていこう。
 ようやくエアコン周りの掃除をして、暖房をつけてみた。部屋がぽかぽかと暖かいと、すごく気分が穏やかになる気がする(ささくれだっていた訳ではないものの)。温かい飲み物を飲んで初めて「私は寒かったのか」「身体が冷えていたのか」と気付くこともあるので、部屋に温度計を置いて、室温が何度を下回ったら必ず暖房をつけるといったルールでも決めておこうかな。
 真っ赤に熟れたコーヒーの実を収穫した。今年は合計10粒採れて、今日の収穫はそのうちの6粒。先に収穫した4粒はほったらかしていたから、しわしわに萎びさせてしまった。今日の6粒の実から種を取り出して、種の周りのゼリー状の果肉(?)を擦り落とした。乾燥したら、フライパンで炒って焙煎の真似事をしてみようと思う。去年もたったひと口分とはいえこうして自家製コーヒーを作れてすごくおもしろかったけど、まさか今年も同じことができるとは。
 夜、窓の外からTime to say goodbyeが聴こえてきた。誰かが歌っているのか、スピーカーで流しているのか。寒くさえなければ、窓を開けて聴いてみたかった。初めて人間の歌声を美しいと思ったのは、小学生の頃にコンサートでこの曲を聴いた時だった。その時に歌手の人達が着ていたクリーム色のドレスと水色のドレスをなんとなく思い出した。

週間日記(2024/11/11-11/17)

2024/11/11 Mon.

 目覚ましアラームをセットせずに寝たら、なんと11時間も寝た。前日が寝不足気味だったとはいえ、自分でもびっくりした。
 博多駅まで30分歩いて行って、駅ビルとその周辺で買い物をした。4年は使ったパソコンのマウスがついに言うことを聞かなくなったので、淡いペパーミントグリーンのマウスを新しく買った。なんとなく装いたい欲が湧いて、数百円台のプチプラアクセサリーをいくつか買った。アクセサリーを買うのは随分久し振りな気がする。花やリボン、雪の結晶などのモチーフを選んだ。どれもかわいい。「アクセサリーは自分のような醜い容姿の人間が身に着けてはいけない」という呪いがまだ解けきれていないので、実際にそれらを身に着けて出かける勇気が出ないかもしれない可能性はあるけど、とりあえずはそれらを買ったというだけでまずは呪いを解く第一歩としたい。帰りも30分歩いて、今日の歩数も一万歩を超えた。東京旅行に備えて、たくさん歩くことに慣れておかないといけない。
 晩ごはんに肉味噌炒飯を作ってみたら、すごく適当に作ったのにやたらおいしくできてしまった。ただし、調味料の分量が分からないので、同じものは二度と作れない。

2024/11/12 Tue.

 またしても10時間半も寝た。こんなに寝られるものなのかと驚く。
 今週末の帰省の荷造りをしたり、帰省と東京旅行に着ていく服をそれぞれ考えたり。服はたくさんあるはずなのに、それらを組み合わせるとなると途端に何を着て良いか分からなくなるから難しい。

2024/11/13 Wed.

 就労移行支援。スタッフの人から、就労移行支援の利用に向けての調査だか審査だかがあることと、その際に自宅を訪問することがあるとのことを伝えられた。自宅に人が来ると言われるとちょっと及び腰になるけど、それでもどうやら正式な利用に向けて話が進んでいるらしいと分かってほっとした。事業所のサイトを見てみると、就労移行支援の利用が適切かどうか、自治体の職員が生活状況などの聞き取りをするとある。これで万が一審査が通らなかったらどうすれば良いのだろう。その時はその時で考えるしかないけど、ちょっと不安ではある。家事はするし、生活リズムも特に乱れてはいないはずだし、私の場合は仕事さえしなければそれなりに健康的な生活を送ることができる。ただし、正社員としてフルタイムで仕事をした時は、長くは続かなかったとはいえ全てがめちゃめちゃになった。今度はどうだろうな。
 就労移行支援が終わって、そのまま少し遠い方のスーパーへ買い物に行った。橋を渡った時、地元の川に比べるとドブのようだと感じた川の中に魚の群れが泳いでいるのを見つけて、びっくりしたし嬉しかった。ドブなんて言ってごめん。

2024/11/14 Thu.

 旅行に備えてとにかく歩く体力をつけておきたいので、また博多駅まで歩いて往復した。一人暮らしを始めてからというもの、出歩く頻度も一日の歩数もうんと増えている。部屋に一人でこもっているよりは良いはずだ(部屋で一人過ごすのも大好きだけど)。街路樹の間をモンキチョウがひらひら飛んでいるのを見かけて、こんな都会じゃアブラナ科の植物も見つけるのが大変だろうと不憫に思った。マルイでKALDIやBleu Bleuetのかわいいクリスマスグッズを眺めて、チョコレートが入った500円くらいのアドベントカレンダーを買った。アドベントカレンダーというものに憧れていたので、手を出しやすい値段のものがあって嬉しい。絵柄は大きなクリスマスツリーに森の動物達が集まっているメルヘンなもので、とてもかわいい。店頭で見つけられなかったけど、KALDIのサイトで見たドリップコーヒーのアドベントカレンダーも気になる。クリスマスに向けて毎日違うコーヒーが飲めるなんて、ものすごい贅沢だ。帰り道、昨日は魚が泳いでいた川を見たら、一匹の亀がコンクリートのかたまりの上で甲羅干しをしていた。冬の学校のプールのような澱んだ緑色をした川だけど、私が思っている以上には水質が良いのかもしれない。今日は靴底が薄い靴を履いて歩いたからか、いつもよりさらに脚が疲れた。この疲れ具合は一万歩を超えただろうと思ってiPhoneの歩数を見てみると、一万歩まであと500歩だった。惜しい。

2024/11/15 Fri.

 就労移行支援。おしぼりを畳んで袋に入れたり、アイロンビーズを決められた分量通りに測ったりする訓練。手が滑ってビーズを床にぶち撒けたらつらいなと思いながらの作業だったけど、最悪の事態は避けられた。
 近くの駅のコインロッカーに預けておいたキャリーケース(名前は「親不孝号」)を回収して、そのまま帰省。途中、熊本駅に寄る機会に恵まれたので、アミュプラザ熊本のステラおばさんのクッキーにいると聞いた推しのパネルを拝みに行った(期間限定でゲーム「魔法使いの約束」とコラボしている)。まさか見られるとは思っていなかったので、本当と嬉しい。パネルの写真を撮っても良いか店員さんに尋ねると快く許可してくれて、そそくさとスマホを取り出して撮影した。
 乗り継いだ高速バスが、市内の渋滞で遅れに遅れて途中には30分遅れにまでなった。車内は満員だし、前の座席のおじいさんは渋滞に関して大きな声で悪態をついているしで、なんだかぐったり疲れてしまった。おじいさんの悪態の穴埋めをするように気持ち大きめの声で「どうもありがとうございました」と運転手さんに声を掛けながらよろよろとバスを降りて、迎えに来てくれた母の車に乗り込み、実家の玄関で気付いた。バスの荷物棚におみやげを忘れてきてしまった。初めてのことで動揺しながらネットで運行会社の電話番号を調べるも、電話の受付時間はとうに終わっている。とりあえず明日になってから電話をするとして、あーあ。その後、歓迎してくれた猫達のおかげで気落ちは大幅に緩和された。

2024/11/16 Sat.

 営業時間になるやいなやバス会社に電話をかけた。私の忘れ物は宮崎市内にあるという。送ってはもらえないそうなので、明日取りに行きますと内心しょげながら伝えた。悪いのは忘れた私なんだけども。そして宮崎行きの高速バスを予約した。せっかく実家に帰ってきているのに、一人で往復4時間のバス旅に時間を費やすのか…。
 気を取り直して、先々月までずっとやってきたように家じゅう掃除機をかけ、ありったけの洗濯物を干し、物がたくさん置かれたダイニングテーブルの上をすっきり片付けた。それから、両親が出かけている間にと私の小さな畑を軽く耕し、百均で買っておいた6種類の花の種をこっそりまいた。芽が出るかは分からないけど、雑草とは違う切り花用のきれいな花が突然咲いたら悪い気はしないだろうし、特に近所の祖母は喜んでくれそうな気がする。
 精神科までの馴染みの道を歩いていって、診察を受けた。一人暮らしを始めたことと、就労移行支援に通おうと思って今は体験利用に行っていること、結構元気でよく出歩いて歩き回っていることなどを話した。困ったことなどはないかと主治医の先生に尋ねられて、これといって特に具体例が思いつかず、せいぜい昨日のバスの忘れ物くらいだと思った。これから仕事を見つけられるかとか、働き続けることができるかとか、一人暮らしできるだけの収入を得られるかとかといった将来の不安はもちろんあるけど、今は「どうにかなるかもしれない」という希望を信じられているし、現状まだ困ってはいない。「悩みや不安があるにはあるけど、まあ、なるようになるんじゃない?」という、数年前の私がなりたくてなりたくてたまらなかった境地に現在の私が至っているらしい事実に気付いて、すごくびっくりした。
 帰宅して、両親とお昼を食べ、明日高速バスで忘れ物を取りに行こうと思っている旨を伝えると、母が「今日でも良いじゃん」「ドライブしようかな」と言い出した。なんと車を出してくれるらしい! 用事で父が一緒に行けなかったのが残念だったくらい、愉快なドライブになった。クラシック音楽(マーラーの巨人やチャイコの悲愴)を聴きながら母とおしゃべりして、サービスエリアでソフトクリームを買って食べたり、宮崎駅のおみやげ売場でチーズ饅頭や日向夏のお菓子を買い込んだり。忘れ物も無事に回収できた。ずっと一緒に暮らしていると、合わない部分が出てくるし嫌な思いをしたりさせたりするけれど、やっぱりこの人は何でも楽しむのが上手で、とことんポジティブで、私の大好きなお母さんだなと思えて嬉しかった。

2024/11/17 Sun.

 午前中は、昨日取り戻したおみやげを持って近所に住む祖母の家へ遊びに行った。お茶をしに行くと伝えてあったけれど、テーブルの上には食べきれるか怪しいほどの量の天ぷらがひしめいていた。祖母とおしゃべりをして、お腹いっぱい天ぷらを食べて、お茶をおかわりして、一緒にクロスワードを解いた。祖母が嬉しそうにしていてくれて良かった。
 午後は、七輪で色々な食材を焼いて食べた。椎茸にさつまあげ、ウインナー、ピーマン、冷凍のチヂミ、おにぎり、お餅、どれもおいしかった。
 ひたすら食べた一日だった。こわごわ体重計に乗ってみると、なんとここ1ヶ月で2㎏減っていることが分かった。BMIも少し数字が小さくなって、「前肥満」から「普通体重」ぎりぎり(本当にぎりぎり)の範疇に収まっている。甘い物は相変わらず我慢せず食べていたけれど、やっぱり日々たくさん出歩いて歩数を稼いだのが良かったんだろうか。お腹周りが苦しかったデニムも、割とすんなり履けるようになっていたのは、こういうことだったのか。

週間日記(2024/11/04-11/10)

2024/11/04 Mon.

 オーケストラの演奏会を聴きに行った。曲目はマーラーの交響曲第1番「巨人」、ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲と愛の死、リストのハンガリー狂詩曲第2番。オーケストラに関しては複雑な思いが色々あったけど、やっぱり生で聴くオーケストラはすごく良い。自分の楽器を失って、自分はもう演奏する側にはならないのだという安心感があるせいか、ステージの上と客席にいる自分とをほとんど切り離せて他人事として音楽を楽しむことができて、音楽を嫌いにならずにいられたことに安堵した。トリスタンとイゾルデを演奏会で聴くのは多分初めてだったけど、これが特に良かった。深い霧や幾重にも重なったヴェールの中を進んでいくような、泉の水がごぼごぼ湧き出している様子を見ているようなイメージが思い浮かぶ、神秘的で壮大な曲だった。こんなにおもしろい曲だったのかと思い、帰宅してからはYouTubeで何度か聴いた。マーラーの巨人もおもしろかった。4楽章の最後の方でパーカッションや金管が大暴れしているのが、特に楽しくて盛り上がった。アンコールの曲は曲名を知らない曲だったけど、いかにもニューイヤーコンサートで演奏されていそうな、多分シュトラウスだろうなと思う曲だった。
 やっぱりクラシックの演奏会って良いなとしみじみ思い、他にも演奏会に行ってみたいと思い検索してみたところ、演奏会ではなくバレエの公演を見つけた。しかも、バレエ作品の中で私が一番大好きな「くるみ割り人形」! チケットが5,000円するのでちょっと迷ったものの、実際に見るプロのくるみ割り人形を見たらどれだけ心動かされるだろうというわくわく感が勝って、結局チケットを購入した。とても楽しみ。

2024/11/05 Tue.

 一人暮らしを始めてからのここ一ヶ月は毎日のようにどこかへ出かけていたので、いい加減のんびりしておこうと思い、一日パジャマで過ごすことにしてみた。快適だし、洗濯物が少なく済むので良い。
 むしょうに食べたくなって、晩ごはんに肉じゃがを作った。おかげで、今日という日が「特に何もしなかった日」から「おいしい肉じゃがを作った日」に格上げされた。

2024/11/06 Wed.

 就労移行支援。手続きや面談などはしていないので、これは体験利用ということになるんだろうか? 目標を立ててそれに向けて何かをすると決まっている訳でもなく、ただ事業所に来て漫然と過ごしている。今日は職務経歴書の作り方についてのプログラムを受講した。テキストにある職務経歴書の例が、私のように無職期間だらけでぐちゃぐちゃじゃない「きれいな」職務経歴でむしょうに羨ましく、妬ましかった。仕事を辞めるに至った明確で分かりやすい理由があり、長い空白期間もなければ、いくつもの仕事を短期間で辞めてきたということもない。例に挙げられた架空の職務経歴書の持ち主にもその人なりの地獄があるのだろうけど(実在しない人物とはいえ)、他人の芝生の青さに容易に嫉妬する自分が恥ずかしくて情けなかった。プログラムが終わった後、何もせずに過ごす時間が30分ほどあり、つらかった。何をすれば良いかスタッフに尋ねれば良いのだろうけど、どのスタッフさんも別の利用者の対応をしているか、忙しそうに奥で作業をしているかだし、中途半端な時間ともなれば「休憩していてください」とでも言われる可能性がある。正式な利用はいつ始められますかと勇気を振り絞って訊こうかと思ったものの、見学初日に対応してくれたおそらく担当になるのであろうスタッフさんは途中から姿が見えず、話しかけられずじまいだった。
 ぐったりと気疲れしながら、事業所を出てバスに乗った。午後はマンションの貯水槽清掃で3時間ほど断水になるので、図書館で過ごす予定にしていた。図書館の中をうろうろして落ち着けそうな隅の席を見つけ、まだ冒頭しか読めていない『ケルト人の夢』を開いた。幸い集中できて、3時間ほどかけてみっちり読書に励むことができた。3分の2ほど読み進めた。凄惨で残虐な描写もあるので、人間が嫌いになりそうだった。この後に何らかの救いがあると良いのだけど。

2024/11/07 Thu.

 今日も一日パジャマで過ごし、2時間かけて『ケルト人の夢』の残りを読み終えた。すごい物語だった。人間の善性と悪性、信仰や神、愛国心、植民地主義、そうしたテーマについて考えさせられる内容で、読んでいて楽しいという感想が湧く作品ではないけど、良い作品だった。私は愛国心やナショナリズムというものを毛嫌いしていて、そういうものはなければないほど良いと思っていたものの、対するこの歴史小説の主人公はその愛国心やナショナリズムに燃えている。読み進めていくうちに、自分のルーツへの誇りの在り方のひとつなのだと理解を示せるような気がしてきた。他者を攻撃し排外主義を助長させる要因になりうる危険なものではあるけれど、自らのルーツに対する心情だと思えば、のどかな地元愛とも案外地続きなのかもしれない。また、他の国や人種に支配され従属させられている側のマイノリティ性について考える時、自分のルーツというものの重要性はより一層大きくなるんだろう。コンゴとアマゾン、そしてアイルランドの人々が置かれた不当な状況に怒りを覚えると同時に、自分が生まれ育った国はイギリスと同じように他国の人々を虐げる側であった歴史を思うと、やりきれないものがある。そして、パレスチナなどのように、現在進行形で激しく迫害されている人々がこの世界にはいる。

神の存在が一度も問題とはならず、むしろそれは確実であり、その存在のおかげで世界は秩序を保ち、すべてのものに対して、その存在の意義と理由を見出すことができる人々は実に運がいい。(p.415)

 これは「確かに」と強く頷いた一文で、本当にそうだと思った。私は神のような絶対的な存在がはたしているのか自分自身で確かめたいと思っていて、宗教や精神作用性物質、トランスパーソナル心理学にその答えを求めたけれど、いずれもそれが「ある」という前提で話が進むように感じた。対する科学はというと、もちろんそういうものは「ない」とばっさり切り捨てられた世界観だ。自分が心の支えにする対象の存在の有無を疑うことなく、確実にあり揺らがないものとして信じることができたらどんなに救われるだろう。信仰の対象と信仰心が欲しいと願うこと自体が邪な気はするけど、実際そうなのだから仕方がない。
 本の内容とかけ離れた俗な話題になるけれど、実際の「推し活」が「推し」に出会って初めて自然と始まるもので、商業ベースで語られるそれは「推し活をするために推しを探そう」と順序が逆になっているように、私の「何かを信仰したい」という欲求もそれと同じ気がする。自分が推しを本当に好きなのか、推しは実在するのか(?)といったことをぐるぐる考えず、ただ推しが好きというポジティブな感情だけでオタクができたらそれに越したことはない。とはいえ、推せる信仰対象には出会いたい。

2024/11/08 Fri.

 就労移行支援。もしかして私の知らない内に、正式な利用に向けた手続きなんかがスタッフの間で進められているんだろうか。日本語ワープロ検定の過去問に取り組んだ。
 以前食べたみそカツパンがすごくおいしかったので、また食べたいと思いコメダ珈琲店へ行ってみた。アイスコーヒーと一緒に注文して、巨大なみそカツパンを前にわくわくしながら食べ始めた。ざくざくに揚がったカツと甘めの味噌だれがとてもおいしくて、この味噌だれだけでも自分で作れたらなあと思った。3分の2を食べ終えた頃にはもうお腹がいっぱいで満足していたけど、それでも残すという選択肢はもちろんないので全部おいしく平らげた。シェアして食べてくれる人を見つけられない私のような人間は、胃袋が若いうちにこういう食べ物を満喫しておいた方が良いのかもしれない。
 1300kcalの昼食を摂ったせめてもの罪滅ぼしとして、天神まで歩いて行ってぶらぶらして、一万歩以上歩いた(それによって消費したカロリーはわずか300kcalに過ぎない)。百均で買い物をしたついでにニトリを覗いてみたら、すごくかわいいアルパカのぬいぐるみと目が合った。大きめのぬいぐるみだけど税込999円というお手頃価格、そしてもふもふの白い毛並みは手触りが良く、顔立ちもとてもかわいらしい。すごく欲しくなって、店内を一周する間に頭を冷やそうと思ったけど、結局買ってしまった。持参した大きなエコバッグに入れたけど、アルパカ自体が大きいのでバッグの縁からかわいい顔がはみ出した状態で連れて帰った。一緒に散歩をしているような気分で楽しい。帰宅してから、アルパカのぬいぐるみにつける名前を考えた。Wikipediaでアルパカのページを見て、学名にある「ビクーニャ」という名前にすることにした。アルパカの鳴き声について「フェ~」と書いてあって、そのユーモラスな鳴き声も名前の選択肢として迷ったけど、最初に決めたビクーニャにする。なんだかかっこいいし。当のビクーニャさんは、かっこよさとは無縁のとぼけたかわいい表情をしている。

2024/11/09 Sat.

 就労移行支援。文書の作成などに使えるデザインスキルについて学ぶ動画を視聴した。
 帰宅して、明日以降の朝ごはんに食べるための野菜スープを作った。コンソメと塩胡椒で味付けをした。具材が多すぎて、スープというよりポトフのようになってしまった。野菜がたくさん食べられるから良いか。

2024/11/10 Sun.

 月末に控えた東京旅行の計画を練り直した。その場で焦って調べなくても済むように、利用する公共交通機関についても念入りに調べて、食事を摂れそうな場所もある程度下調べをした。持っていく物のリストを作ったり、着ていく服を考えたり。旅行の準備って本当にわくわくする!
 それから、ZINEの形にしてみたいと思っている原稿を作った。文章を書いて、写真も入れて、ちょっとした絵も描いて載せたい。自分が趣味としてやりたい創作が全部盛り込めるから、ZINEというカルチャーが流行っている時代で良かったと思う(それでなくても作りたいけど)。目安として締切を設けないと多分完成しないから、今月中に完成させられたらいいなと思っているけど、義務にすると途端にやる気がなくなるので我ながら塩梅が難しい。でも、私だけの本を作っている時間は本当に楽しい。子どもの頃も紙の切れ端で絵本を作ったりしていたから、その頃とやっていることはあまり変わらないのかもと思うと、少し愉快な気がする。

週間日記(2024/10/28-11/03)

2024/10/28 Mon.

 就労移行支援に行く。3日間の体験が終わり、ここに通所したい旨は伝えてあるので、今日あたり面談などがあって正式な利用に向けた手続きが始まるのかと思いきや、まだそういう気配がない。データ入力練習プログラムを使って顧客伝票の入力間違い探しをしたり、Wordでワープロ検定の過去問を解いたり。おもちゃのお金を使って、リストに指定されたそれぞれの金額を入れた封筒を作る作業をしたり。大したことはしていないけど、就労移行支援の見通しが立たず先が見えないせいか、どっと疲れた。

2024/10/29 Tue.

 天神に歩いて出かけた。PARCOでやっているBOOK MEETS FUKUOKAというイベントに、どんな本があるか見に行くだけのつもりで行ったところが、大手の書店ではなかなか出会えないおもしろそうな本が色々あって、うんと厳選して3冊をレジに持っていった。『家父長制はいらない』と『働くことの人類学』、文学フリマで買い損ねたZINEを1冊。
 足を延ばしてLOFTに行くと、きらびやかなクリスマス用品コーナーができていた。大きなくるみ割り人形も何体か並んでいて、クリスマス気分が高まるようでわくわくした。JELLYCATのかわいいぬいぐるみのコーナーに、小さなペンギンを抱き締めたペンギンのぬいぐるみがあり、すごくかわいかった。ブロッコリーやさくらんぼ、たこのぬいぐるみもかわいい。ぬいぐるみってやっぱり好きだなあ。
 甘辛く煮たじゃがいもが食べたくなって、商店街でじゃがいもを買ってきて煮物にした。煮崩れ寸前まで煮汁が煮詰まり、味がよくしみて我ながらすごくおいしい煮物になった。以前作って冷凍していた大根と鶏肉の煮物を解凍し、賞味期限が迫ったパウチのひじきの煮物も温め、煮物ばかりのラインナップでごはんを食べた。未だ無職だし、就労移行支援も利用が始まらないしでこの先やっていけるのだろうかと不安にはなるものの、おいしい煮物が作れると少し自信を取り戻せる気がして安心する。

2024/10/30 Wed.

 就労移行支援に行く。Wordでワープロ検定の過去問をやった。特にスタッフの人から何か教わるということもなく、一人でテキストを見て学ぶような感じだったので、これはわざわざ就労移行支援に来てまでしなくても良いんじゃないかという気はした。ただ、ここに来れば他のことはできないので集中しやすいという点と、WordやExcelのテキストを無料で見られるという点は良いかもしれない。とりあえず、私にとっては他人のいる空間で過ごす練習が大事なのだと自分に言い聞かせている。でも、元々の知能の特性由来の不安や疲労なら、今さら練習したところで変化するものではないし、ただ疲れるだけで無意味なのではないかとも思える。
 注文していた棚が届いた。大きな家具を購入するのはこれが最後で、床に積み上げた段ボール箱の中身を収納するために買ったので、これを組み立てればいよいよ部屋が完成する。家具が増えていよいよ狭くなった部屋で半ば自棄になりながら組み立てたので、かなり杜撰な仕上がりにはなった。次の引越があるなら、この棚はおそらく耐えられないと思う(壊れるので)。けれど、段ボール箱5箱分の中身がきれいに収納できて、片付け終えた部屋はすごくすっきりした。段ボール箱が部屋の中に積み上げられていないという状態はとても良い。ちゃんとここに腰を落ち着けて、この部屋で暮らすんだという意欲と安心感が湧いてくる。住みかを快適に整えるというのは、思っていた以上にメンタル面への良い影響があるらしい。

2024/10/31 Thu.

 初めて歩いて博多駅まで行ってみた。地図アプリには片道30分とあったけど、意外と歩けるものだった。博多駅近くの電気屋さんに行き、欲しかったtapoのスマート調光LEDライトと、安くなっていた好みのデザインのペンダントライトを買った。他にもお店をうろうろして、また30分歩いて帰った。結局3時間ほど休憩なしで歩き回っていたらしく、さすがに脚が疲れた。
 元々付いていたシーリングライトを取り外して新しい照明に付け替えると、これがとても良かった。電球色はやっぱり暗いけど、部屋全体が暖かみのある雰囲気になってすごく良い。tapoのアプリをインストールして、明るさも調節できて便利だ。そして、tapoのアプリにログインすると実家に設置しているtapoのカメラも見ることができてしまう。一人暮らしを始めてからは、実家を覗き見するのも悪いからとアプリをアンインストールしていた。久し振りに見るカメラには、ひんやりマットの上でぐうぐう寝るふくちが映った。やがて起きて大きなあくびを2回して、立ち上がってぐっと力強い伸びをしてみせてくれた。カメラ越しの映像とはいえ、リアルタイムで見る猫の様子は本当にかわいい。5分に1回の頻度で見てしまいそうだ。

2024/11/01 Fri.

 就労移行支援。テキストを見て、セルフモニタリングについて学ぶプログラムに参加した。行動と気分の関係性についてという内容をスタッフの人が説明し、それぞれワークシートに取り組むというものだった。テキストには、「気分はコントロールしにくいが、行動はコントロールできる」「行動をコントロールすることで、気分をコントロールすることができると言える」とある。ワークシートでは、自分の気分に何らかの影響を与えた行動とその時の気分の種類と程度を書き出した(ex: おやつを食べた、嬉しい70%)。そうして行動と気分を可視化したうえで、自分がネガティブな気分になる行動を減らし、ポジティブな気分になる行動を増やすという目的だそうだ。なんだかなあ、という気持ちになった。そんな簡単な話ならどんなに良いだろう。気分も行動もコントロールできないというのが症状なのに、支援者側から「コントロールできる」と言い切られてしまったら、なんだか気分と行動がコントロールできていない原因が自己責任や努力不足に帰結してしまう気がする(それも症状由来の被害妄想なのかもしれない)。精神科に通院する必要のない、健康な人にとってはこういう主張やワークシートも良いのかもしれないけれど、散々気分に振り回され続けてきて、行動もひどく制限されてきた社交不安障害当事者の一人からするとどうも釈然としない。
 就労移行支援の事業所の帰りは大雨だった。「都会はちゃんと道路が舗装されているからきっと地元より水溜まりが少ないはずだ」とかつては期待していたけど、実際に来た都会は排水が悪すぎて、道路がひび割れてでこぼこだらけの地元を圧倒的に水溜まりの大きさと深さが上回る。膝から下がびしょ濡れになりながら、巨大な水溜まりを避けたり踏んだりして帰った。
 好きなゲームの推しキャラの誕生日なので、キャラが好きそうなヴィクトリアサンドイッチケーキを作った。ここでの最初のお菓子作りを、好きなキャラクターの誕生日に捧げることができて嬉しい。生地の表面は少し焦げたけど、ラズベリージャムとホイップクリームをたっぷり挟んだおいしいケーキができた。
 夕方、意を決してトイレ掃除とお風呂掃除をやっつけた。頑張った。面倒ついでに湯船に熱いお湯を張ってゆっくり浸かり、お風呂が魂の洗濯というのは本当だなあとしみじみ感じた。自分一人が暮らす部屋をきれいに掃除して、自分一人のために溜めたお湯で温まると、なんだか自分という人間は大事に扱って良いものなのかもという気になってきて、夕食をインスタント食品で済ませるのをやめ、作り置きやパウチの和風おかずを温めてきちんとごはんを食べた。布団のカバーやシーツも洗濯して取り換えると、ちゃんと生活をしているという実感がいよいよ増す。この部屋に引っ越してきてちょうど1ヶ月、当初に比べてかなり快適な住環境が整った。狭くはあるけど、自分の好きなデザインの家具を選んで、好きな物ばかりを並べた部屋というのはとても良い。自分が居心地良く、気分良く過ごせるようにあつらえた自分だけの部屋。昼間は防水パンプスの中にまで雨水が溜まってすごく気が滅入っていたけど、今は快適な自分の部屋でお風呂を済ませごはんも食べ、外の雨音を聞いている。とても気分が良い。
 せっかくの良い気分だからうんと良い夜を過ごそうと、温かい飲み物を用意して、ペンタブを出してきて以前描いた絵に色を塗った。チャイティーラテは凄まじく甘くてコーヒーが欲しくなったけど、良い気分で良い夜だから、それも一人で笑い飛ばせた。

2024/11/02 Sat.

 「人と関わりたいけど関われない」という問題を自分一人では解決できそうになく、専門家の手助けが欲しくてまたオンラインカウンセリングを受けてみた。初めてお会いする臨床心理士の方に頼んでみた。精いっぱい正直に悩みを話すと、「嫌われたくない」「がっかりされたくない」「見捨てられたくない」「不機嫌にさせたくない」という他者に対する素直な欲望がつらつらと出てきて、自分でも笑ってしまいそうだった。泣くつもりは全くなかったのに、笑うどころか涙がぼろぼろ出てびっくりした。「理想の自分と今の自分はどれくらい離れていますか」と訊かれて、とっさに思いついた数字として「50kmくらい」と答えた。良い人を演じていない素の自分が何をどう感じているか、言葉にしてみるようにと言われた。理想としている自分と現実の自分の間の今はかけ離れている距離を少しでも縮めるために、その時々の自分が気持ちを都度言葉にしながら50kmをゆっくり移動するというイメージが思い浮かび、俳句を読みながら旅をする松尾芭蕉のようだと思った。50kmかけて自分探しの旅か。モナカうまっ(ギャグ日)。

2024/11/03 Sun.

 福岡市南区にある花畑園芸公園の園芸まつりに行く。昨日までの雨が嘘のような良い天気で、来ている人も多かった。園芸というより地域のイベントという感じだったけど、果樹や樹木が色々植わった園内を歩き回るのは楽しかった。お昼はカフェでメキシカンジャンバラヤとアイスコーヒーのセットを頼み、温室を眺めながら食べた。おいしかった。
 バスに乗って福岡市内へ戻り、今度はけやき通りののきさき古本市に行った。思っていた以上に人がたくさん来ていて賑わっていた。道沿いに並べられた色々なジャンルの古本を眺めて、ブックスキューブリックの店内も覗いた。本好きが集まって楽しそうにしている雰囲気が味わえて良かった。
 そこからさらに歩いて、気になっていた九州レインボープライドの会場に行ってみた。商業色が強いイメージがあり、事前に見たサイトには「FTMとは…心の性は男性、身体の性は女性」との表記があったのでどうかなと思っていたけど、性的マイノリティがお祭り気分を満喫できる空間というのは良かった。ブースのひとつでプログレス・プライド・フラッグを購入し、別のブースでは「PRIDE」と書かれたタトゥーシールを手の甲に貼ってもらった。クエスチョニング・フラッグのアイテムが何かあれば欲しいなと思って、さまざまなフラッグのシールの山から探していたら、カラフルなメイクと服装をしたスタッフさん2人が親身になって対応してくれた。クエスチョニング・フラッグのグッズはなかったけれど、「クエスチョニング」という単語の意味を説明するまでもなくそれがすんなり伝わって、当たり前のもののように会話ができたことがすごく嬉しかった。今まで言われてきたような「何それ?どういうもの?」とか「普通に男性を好きにならないのか?」とか、自分のアイデンティティについて疑問を向けられたり、「普通の」異性愛者ではないのかという質問を投げかけられたりすることがない状況が、こんなにも快適で安心できるのかと驚いた。さすがに歩き疲れたのでパレードまでは見ずに帰ったけど、良い体験ができた。
 マンションに帰ってきて、脚がかなり疲れていたものの、今日を逃すとまた次の土日まで機会がないからとリサイクルステーションに段ボール箱の束を出しに行った。おかげで玄関がすっきり片付いた。

週間日記(2024/10/21-10/27)

2024/10/21 Mon.

 朝、高速バスと新幹線を乗り継いで福岡へ戻ってきた。せっせと荷解きをして、溜まっていた雑用をちょこちょこと片付けた。
 こちらは地元とは比べ物にならないほど若者が多く、カップルも多い。手を繋いだり、腕を組んだりして歩いているカップルをよく目にするうちに、32年生きてきて初めてそういうもの(手を繋いで歩くカップル)に対して羨ましさを覚えて、自分でもとてもびっくりした。他人といるととてつもなく疲弊するけど、それでも誰か特定の親しい相手を作ってみたい。久し振りにそう思って、マッチングアプリを入れてみた。ところが、やっぱり自分からいいねをする勇気がない。当然、何も始まらない。シスヘテロのマッチングアプリで想定されている恋愛市場において、自分のような芋は圏外にいるだろう自覚はあるので、顔写真は載せていない。それでも、中途半端な個性しか取り柄のない自分のような妖怪からいいねが来ることで、嘲笑されるのではないかという恐怖がある。醜い容姿を恥じて人と関われない怪物の気持ちだ。好きなタイプとやらについて考えてみても、他者と関わった経験値が少なすぎて、いまいちぴんと来ない。「眼鏡をかけていたら親近感が湧くかも」「読書や園芸なんかの共通の趣味が何かあれば話が楽しいかも」とぼんやり考えてみても、「じゃあ自分自身でいいじゃん」と完結してしまうような項目しか思い浮かばない。自分とは異なる趣味や価値観を持つ他者と一定以上に親しくなる方法が分からないし、そういう未来も全く見えない。せっかく福岡市内に住んだのだから冬にはクリスマスマーケットに行ってみたいけど、一人で行った所でカップルの多さに恐れをなし、ろくに楽しめもせず尻尾を巻いて逃げ帰るであろうことだけは確実に分かっている。マッチングアプリをする勇気が出ないからカウンセリングを受けるというのも馬鹿々々しい気がするけど、仕事が長続きしない原因と同じ「人と関わりたいけど関われない」という問題が根本にあるので、そう思えばカウンセリングを受けるに値する理由と言えなくもない。臨床心理士による対面のカウンセリングは、ちょっと調べた限りでは1時間程度10000円と高額だったので、受けるとしたら5000円で済むオンラインのものが良いだろう。果たして、積年の悩みがカウンセリングで改善するんだろうか。もう諦めてそういうものだと受け入れてしまった方が楽になるのかもしれない。でも、特別に親しい誰かと手を繋いで歩いてみたい。どうすればいいのかなあ。

2024/10/22 Tue.

 就労移行支援の体験の2日目。提案された作業をする合間に、何もすることがない時間がちょこちょこ発生して、それが苦痛だった。元々「何もしないでいる」状態で過ごすことはとても苦手だ。手元にあるパンフレットはとっくに読み尽くしたし、手頃な場所に読む文字もなければメモに書くような内容もなく、本当にすることが何もない。スタッフさんの手が空いた隙を狙って「終わりました」と報告しに行き、次は何をすれば良いか尋ねるものの、「休憩とかしなくて良いですか?」と訊かれ「勘弁してくれ!」と内心叫びたいような気持ちだった。もう十分休憩時間は取ったし、そもそも他人がいる空間で休憩すること自体が私には難しい。暇ってこんなにつらいんだ…。今日やった作業といえば、パソコンのデータ入力練習プログラムのようなもので、表示されたアンケート画面の文字を入力したり、画面上の顧客伝票と入力画面を見比べて入力欄にある間違いを探して修正したりというようなものだった。タイピングの正確さと速さは問題ないはずだと自分では思っているし、誤字脱字を探すのも本を読む時にしばしば見つけるから得意な方ではあると思う。こういう仕事の求人があるなら、業務内容だけなら大丈夫なのではと思うけど、他人がいる静かな空間で一日これをやれと言われたら話は変わってくるだろうな。働くとなると逃れられない条件ではあるだろうものの。
 先日受検した「タイピング技能検定イータイピング・マスター」1級の合格認定証が届いた。長文が心配だと思っていた割には、普通にちゃんと合格できた。イータイピングはともかく「マスター」という名前が、なんだかポケモンマスターやアイドルマスターを思わせて、資格の名前としては少しシュールな気がする(オタクだからそう思うだけかも)。

2024/10/23 Wed.

 九州国立博物館と太宰府天満宮に出かけた。電車に乗り慣れていないから、電車に乗ると妙な特別感があってうきうきする。太宰府天満宮は外国からの観光客がとても多く、境内も参道も賑わっていた。お守りを販売している所で、Twitterで知って気になっていたお守り「菓子守」を購入した。「製菓業に励む方々のご活躍とご繁栄、そして素敵なお菓子との出会いを祈願したお守り」とあり、和洋菓子のイラストが描いてあってとてもかわいい。お守りという物を買ったのは、おそらくこれが初めてな気がする。食い意地が張っている自覚があるので、これ以上ないお守りだと思う。せっかく神社に来たのだからと浮かれて、つい恋愛おみくじなるものまで引いてしまった。「吉」と出た。おみくじを引いた経験自体あまりないので、大吉よりは悪く凶よりは良いのだろうということくらいしか分からず、中吉や小吉、末吉などと並べるとどういう順番になるのかも分からない。それよりも、結婚と異性愛が前提に書かれた内容に「うわっ」と思ってしまった。婚姻制度を利用するタイプのシスヘテロのみが対象だと、どこかに注意書きでもしておいてほしかった。クィアみくじとかないんだろうか。
 九州国立博物館に行く時の長いエスカレーターは、いつ来てもわくわくする。ガラス張りの大きな建物が見えるとさらに。歴史が得意な訳ではけっしてないけど、土器や青銅器、埴輪、仏像、古文書などを眺めるのはおもしろかった。人類の長い歴史を思うと、自分の短い一生における悩みを一時的に忘れられるような気がする。確か中学生の時に修学旅行で初めて訪れた時にもあったはずの、白檀や丁子などの香木の香りを実際に嗅ぐことができるコーナーや、かっこいいと思ってここでそのキーホルダーを買った三角縁神獣鏡の実物を見られて懐かしかった。当時一番印象に残った、フリーメイソンのモチーフが象られた螺鈿細工の箱だったかは見ることができなかった。私が見逃しただけか、収蔵庫にいるのか。ゲーム「刀剣乱舞」の私の最推しの刀は細川忠興の刀なのだけど、館内をうろうろ見て歩いていたら細川忠興の書状があってびっくりした。まさか博物館に来て、突然公式からの供給があった時のオタクの気分になるとは。
 ミュージアムショップまでしっかり堪能して、神社の敷地内にあるお店で親子丼と梅ヶ枝餅を食べた。どちらもおいしかった。お店を出る時に、梅ヶ枝餅を焼いてくれた店員さんの前を通ったので、ちょっと勇気を出して「おいしかったです」と伝えると「また来てね」と言ってもらえた。すごく嬉しかった。コミュニケーションが取れたのももちろん、年上の女性から、気さくに敬語抜きで年下扱いしてもらえるのがまた嬉しい。参道のおみやげ屋さんや雑貨屋さんを覗き、ソフトクリームの誘惑と闘い、電車と地下鉄を乗り継いで帰宅。

2024/10/24 Thu.

 就労移行支援の体験3日目。事業所の部屋で過ごした時間の半分は、何もすることがない虚無の時間だった。本当に、本当に何もすることがなく、ただただスタッフさんに話しかけられるタイミングを待つだけの、虚無。ぼーっとすることが苦手な私に、ぼーっとするための訓練を強いているのかと勘繰りたくなるほどだった。私はまだ正式に利用している訳ではないし、忙しいスタッフさんの手を煩わせるのも申し訳ないからこうして「今なら話しかけても大丈夫そうかな」という機会を窺うしかないけど、これが実際の仕事だったらまたややこしいんだろうな。人と時と場合によって、「忙しいから後にして」とも「分からないことがあるならすぐに訊いて」とも言われるんだろう。今日の作業は手先を使う作業だった。内容は、指定された色と個数のアイロンビーズを小さなチャック付きポリ袋に入れる作業と、これも決まった色と位置のゼムクリップを紙に留める作業。集中して黙々と業務に取り組めるか、自分で適性を見るような目的があるらしい。なんとなく、賽の河原で石を積んでいるような気分で作業をしていた。実際、親より先に死のうとしたのだから、地獄があるなら実際に賽の河原で石積み作業に励んでいたかもしれない。手芸をするから手先は多少は器用だろうという自負があるし、黙々と集中して作業することもできるどちらかといえばできる方だと思う。でも、正式にここの就労移行支援を利用して、もし毎日この作業だったらちょっとつらいだろうなと思う。仕事で満足な給与が発生するならともかく、「本当にこれをしていて就職に繋がるんだろうか」という不安や疑心暗鬼がどうしても付き纏うだろう。タイピングの練習にしてもそうだ。でも、業界最大手らしいここでこういう感じなら、他も似たり寄ったりだろうとは思う。家から近いし、雰囲気も悪くはなさそうなので通うならここがいいと思っており、正式に利用するつもりではいるけれども。プログラムの豊富さが売りのひとつだそうなので、これ以外にも作業内容があるはずだと信じたい。
 虚無と石積みに疲弊して、何か楽しいことをしたいと思い、「公園で本を読む」という一度やってみたかった行動にチャレンジしてみた。スワンボートが泳ぐ広い池を前にしてベンチに座り、日差しと風を浴びるのは気持ち良かった。パン屋さんで買ってきたパンを食べ、池の水面に時折現れる亀の写真を撮り、持ってきた本のページをめくった。直射日光の下にいるとそれなりに体力を消耗するので、たくさんは読めなかったけど、精神面のエネルギーを回復するにはとても良い時間を過ごせた。かなり大所帯な外国人観光客の団体が来ていて、私が端に座っているベンチで写真を撮ろうとしていたようだったので、他人(私)が写り込まないよう席を譲ってみた。色々話しかけてくれた内容は、中国語(多分)だから全然分からなかったけど、その中で日本語の「ありがとう」を言ってくれて、すごく嬉しかった。観光客グループが中国の国旗を掲げているのをその後に見たので、私も「謝謝」と言えば良かったなと思った。池を泳ぐ大きな鯉を見て、すぐ近くにいた中国人観光客の人と顔を見合わせて笑ったのも嬉しい体験だった。言語が通じなくても、国籍が違っても、鯉のデカさにはしゃぐという共通の楽しさを分かち合える事実がむしょうに嬉しかった。旅行に来た先で一人の日本人を嬉しい気分にさせてくれたあの人達が、観光をうんと楽しめますように。
 昨日「大濠公園の敷地内にきのこが大量発生している」というネットニュースを見たので、読書の後はその辺を散策した。残念ながらきのこの大半はもう狩られて(職員さんに取り除かれて)しまっていたのでなかなか見つからなかったけど、タマゴテングタケとウスキテングタケ、ハエトリシメジっぽいきのこが生えているのを発見して興奮した。それから、松ぼっくりやくぬぎ、スダジイ、種類の分からないやたら大きなどんぐりなどがごろごろ落ちていて、これもテンションが上がった。どんぐりや松ぼっくりを見て楽しい気持ちになれると、私もまだ完全につまらない大人になり下がった訳ではないなと妙な安心感が湧く。自然といっても都会の中でしっかり管理された雑木林だから、本当の自然というやつはもっと雑草や蔓が生い茂って鬱蒼としているんだぞ、こんなこぎれいなもんじゃないぞと変な対抗心を燃やしてしまう。それでも、やっぱり緑の木々の枝葉を眺めながら歩くのは気持ちが良かった。また来よう。できれば雨が降った翌日に。

2024/10/25 Fri.

 二度寝を繰り返して、結局11時間も寝た。こんなに寝ることができるのかと、自分の可能性に驚いている。
 徒歩15分のちょっと充実したスーパーで買い物をして、一旦部屋に荷物を置き、それから徒歩10分の小さいスーパーに行ってミネラルウォーターや牛乳などの重たい物を買ってきた。本当に一人暮らしの量なのかと疑いたくなるような食材を買い込み、リュックサックが重たくて後ろにひっくり返りそうだった。自炊を頑張ろうという意欲に満ち溢れている。
 朝ごはんに食べるトマトスープや、晩ごはんに食べるかぼちゃのグラタンを作り、すぐ使えるように種類ごとに切ってポリ袋に入れたものと、一食分の鍋を作るための切った野菜の詰合せとを同じくポリ袋に入れて冷凍した。実家でならもっとうんと早く終わるような作業内容だったけど、3時間も台所に立っていたらしい。まだ慣れない調理環境ではあるものの、物が揃って随分使いやすくはなった。

2024/10/26 Sat.

 行ってみたいと思っていた福岡市植物園に出かけた。地下鉄の駅から徒歩15分程度なら余裕で歩けるなと調子に乗っていたら、道程の半分くらいは上り坂だった。舐めていた。動物園は本来の生息地から離れた狭い檻の中に閉じ込められている動物が気の毒に思えてあまり好きではないので、ほとんど素通りした。他の動物に食べられる危険性がなく、食事も十分に与えられ、怪我や病気をしても適切な手当てをしてもらえるという点では野生の状態よりずっと良い暮らしをしていると言えるから、かわいそうだと思うのは単なる私の思い込みにすぎないかもしれないものの。植物園は動物園を通り過ぎてさらに坂を上った場所にあり、辿り着く頃には汗をびっしょりかいていた。秋だからそろそろ薄手のニットを着たいと思っていたけど、着てこなくて本当に良かった。雑木林のように植えられた樹木の中を歩き回り(ここも階段だらけで足腰が鍛えられた)、蚊に刺されたりオドリコソウの葉を食い荒らす大きな毛虫に慄いたり、園内の地図と睨み合って自分の現在位置を把握しようと努めたり、冒険しているようで楽しい散策だった。温室は想像以上に充実していて、コウモリランやヒスイカズラ、カスタノスペルマム、ベニヒモノキ、ヤコウボク、コーヒ―ノキ、バニラ、アセロラ、パパイヤ、マンゴー、グァバ、ジャボチカバ、ジャックフルーツ、パイナップル、三尺バナナ、ウツボカズラ、ムシトリスミレ、モウセンゴケ、ベゴニア、フクシア、オオオニバス、犀角と色々な植物があった。春に大阪の咲くやこの花館でも見たけれど、一年の内にまさか二度もキソウテンガイを見る機会に恵まれるとは思わなかった。ここでもタビビトノキは温室の屋根にぶつかっていて、ガラスの天井(比喩ではない)をぶち破りそうな勢いで生長していた。それにしても、自宅から数十分の場所にこんな植物園があるなんて最高だ。帰りは下り坂ではあったけど、近くのバス停まで行く便があったのでバスに乗った。地下鉄はいくらか乗り慣れてきたつもりではあるけど、バスはやっぱりまだ慣れない。狭くて他人との距離が近いし、座席の確保は難しいし。
 夕方、注文していたメタルラックが届いた。観葉植物の鉢植えを並べるために購入したもので、今月は引越で随分お金を使ったのに、生活必需品でない大きな買い物をまだするのかと散々悩んだ挙句、収納家具を買わないことにはいつまでも部屋が片付かないからと言い訳して注文した。狭い部屋でなんとか組み立てて、窓際に置き植物を並べると、これがとても良かった。自分の好きな物をぞんざいに扱っている感じがなくなり、きちんと大事に扱っているように思えてすごく良い。私は私の好きな物を大切にしていると目に見えて分かる。もちろん、床の一角に段ボールを敷いてぎゅうぎゅう詰めに置いていた時より、はるかに見栄えも良い。これは良い買い物をした。

2024/10/27 Sun.

 タクシーを利用してリサイクルステーションまで行き、潰して束ねた段ボールを2束分処分した。すっきり。
 それから、ずっと楽しみにしていた文学フリマ福岡10に出かけた。会場は博多駅から徒歩10分ちょっとの場所にあり、地図アプリを見ながら向かう途中、「もしかして文学フリマに行く人かな」と思うような人達が何人か近くを歩いていた。同人誌の即売会に行く時の懐かしい感じを思い出して、すごくテンションが上がった。会場に入ると、創作意欲と個性に満ち溢れていて、そこにいるだけでわくわくしてくるような場所だった。あらかじめWebカタログで目ぼしいブースはチェックしてあったので、印刷してそれらを書き込んだ配置図を見ながら本を買い求めた。見本誌コーナーで見たらおもしろそうなものもあって、それも買った。本の作者に「こんにちは、これください」と声をかけて直接購入する感覚が10数年ぶりくらいで本当に懐かしかった(即売会に参加した回数は片手で数えられるくらい少ないけど)。一言二言とはいえ会話をすることもあって、人と話すのって楽しいな、しかも創作に関する話題ができるなんてと感動したくなった。こういう時、私は人と関わることがとても苦手だけど、嫌いという訳ではないしむしろそれを求めてはいるのかもしれないと気付かせてもらえる。この日のために用意しておいた小銭を思ったよりも多く使い、10冊ほどの本をほくほくしながら持ち帰った。文学フリマ、良い文化だなあ。冬の東京一人旅では文学フリマ東京39にも行くつもりなので、こちらもとても楽しみ。
 部屋に帰り着いてから、さっそく今日手に入れた本を何冊か読んだ。どれも個性的でおもしろくて、私も絶対に近い将来こういう本を作るんだ、本作りを趣味にするんだという創作意欲が掻き立てられた。

週間日記(2024/10/14-10/20)

2024/10/14 Mon.

 Twitterに戻りたい気持ちになる時もあるけど(今は閲覧専用にしている)、ワコールの件でおすすめ欄やら何やらがトランス差別ツイートだらけになっているのを見ると、やっぱりこんなSNSは利用しない方が良いなと思ってしまう。至極まっとうなことしか言っていないと私は思ったけども。
 美容室に行く段になって緊張し始めた。でも予約してしまったものは仕方ないので、腹を括って行った。美容室の店内にはスタッフさんもお客さんも私以外はお洒落な人間しかいなくて、すごくいたたまれなかった。こういう時、自分がどんなに醜くてもここまで気にせず自然体でいられたら、どんなにいいだろう。実際は「助けてくれ」と叫んでその場から逃げ出したい思いだった。梳いて毛先を整えてもらって、染めたかどうか分からないくらいほんの少しだけ髪色を明るくしてもらった。お会計をして逃げるように美容室を後にして、美容室って一般的にはもっと楽しい気分で行く場所なんじゃなかろうかといぶかりながら帰ってきた。
 マンションの郵便受けを見ると市政だよりが入っていて、一面に福岡市総合図書館の記事が大きくあった。それを見た途端、頭の中が図書館でいっぱいになってしまった。そうだ、図書館! 大きくて蔵書が充実した図書館があるんだった!
 お昼ごはんをさっと作って食べ、図書館へのアクセスを調べてさっそくバスに乗り込んだ。最寄りのバス停から20分ほどで着き、図書館に入ると、人の多さに驚いた。祝日とはいえ、図書館を利用する人がこんなに多いなんて! それから、貼り紙やチラシの数と内容にも驚いた。演奏会、映画、講演会、サークル、文化的なイベントの多さが凄まじい。改めて地元との文化的な格差を思い知らされ、地団駄を踏みたくなるほどだった。私はもう福岡市民だからこういうものに参加できるけど、もし田舎にいたままだったらと思うとやりきれないものがある。貸出カードを作り、まずは館内をひと通り見て回ることにした。広さはもちろんのこと、圧倒的な蔵書数に慄いた。おもしろそうな本がこんなにたくさん、一生かかっても読み切れないほどあるという事実、わくわくとにやにやが止まらず、マスクを着けていて良かったと心から思った。よだれが出そうだった。大学の文学部時代に図書館で読んだ本も何冊もあり、懐かしかった。癖が抜けずについ心理学のコーナーも覗いてしまい、今まで見たことがないほど多い専門書の冊数にびっくりした。また、辞書や事典の多さにも驚いた。ここに来ればどんな調べ物も、「いかがでしたか?」の定型文と大量の不快な広告を目にすることなく可能になる。
 館内をひとしきり見て回って、それから心理学のコーナーから社交不安症に関する本を抜き取って、席に着いてぱらぱらと眺めた。『SSRIとSAD SSRI最前線No.7』(ライフサイエンス)と『社会不安障害』(日本評論社)の中身を覗いてみて、特に後者には「うわっ」と思うような内容が書かれていた。「社交の技術は若年期に学習されなければならない」(p.28)という一文はぐっさり刺さったし、「全般性社会不安障害が、大うつ病と比べても、さらに大きな自殺のリスクを背負っている」(p.41)の文には、無理もないんじゃないかと思った。将来を考えて絶望するには十分な苦しみが、この病気にはあることを知っている。
 せっかく来たからには何か本を借りようと、迷いに迷って以前から気になっていた『ケルト人の夢』(マリオ・バルガス・リョサ、岩波書店)を借りた。読めるかどうか分からないけど、読みたいと思ったこと自体に意義があると自分に言い聞かせて、もし読めなくても自分を責めないでいられたら良い。

2024/10/15 Tue.

 タイピングの検定を受けておいても良いかもしれないと思っていたので、何かないか調べてみた。ところが、個人の外部受検を受け入れている場所が、どうやら九州四国には沖縄にしかないらしい。福岡県内のパソコン教室にもリンクこそ貼ってあるものの、クリックしてもその先のページが存在しない。何万円も払って指定のパソコン教室に通えば、受検資格は得られるらしい。メジャーよりのいくつかの資格は大体そういう感じで困った。唯一、「タイピング技能検定イータイピング・マスター」という検定はパソコン教室に行くことなく、しかも自宅で受検できるそうで、模擬試験を受けてみることにした。7級から1級、特級まであって、まずは試しに3級を受けてみたところ、しっかり合格圏内に入っていた。1級も合格圏内で、特級はさすがに厳しかった。5500円の検定料を支払い、だかだかとキーボードを叩いた。単語と短文は大丈夫そうだったけど、長文でタイプミスをしたのでどうだろう。結果は1,2週間以内に送付されるとのことだった。
 溜め込んでいた3週間分の週間日記をサイトに投稿した。
 天神をうろうろしていたら、おしゃれな観葉植物屋さんを見つけた。火星人やアルブカ、ディスキディアのカンガルーポケットなど変わった植物が色々あって、見ていておもしろかった。きれいな形のペヨーテが1鉢だけあり、買おうかすごく迷って、今日は我慢した。別の建物には広い手芸屋さんもあって、ここは覗くと予定になかった物を買い込んで何か作りたくなってしまうので、そそくさと退散した。

2024/10/16 Wed.

 引っ越してきたばかりだし、当分引っ越さずにここにいたいけど、次に引っ越す時はベランダに出て過ごせる部屋に住みたいと思った。今の部屋は2階なので防犯の面も気になるし、何より周りの建物が近すぎて、人目が気になる。
 スーパーと商店街で食材を買い込んで、作り置きのおかずをいくつか作った。大根と鶏の煮物、アスパラの豚肉巻き、きのこのきんぴら、ひじきの煮物、たたききゅうりを作り、その他野菜各種を切って冷凍し、ごはんを炊いたのもラップに包んで小分けにして、食パンも一枚ずつ冷凍して完了。長時間稼働していたので、IHコンロがかなり熱くなった。
 単なる身分証明書と化した自動車運転免許の住所変更手続きをした。

2024/10/17 Thu.

 就労移行支援の事業所の見学に行った。パンフレットを渡され説明を聞き、各スペースを見て回った。スタッフさんは親切そうだったし、ビジネスの香りはしっかりありつつも、大手だけあってそれなりにちゃんとしていそうだと思った。ネットで調べた限りここが一番良さそうだと判断したけど、「ここで良かったのかな」「自分はここに合っているのかな」という気にもなった。こればかりは実際に通ってみないことには分からない。「悪くはなさそう」という印象。

2024/10/18 Fri.

 就労移行支援の体験1日目。全部で3日間、午前中で終わる。初日の内容は、これが就労移行支援になるのだろうかと疑問が湧くような内容だったけど、人がいる空間で過ごすことに慣れる練習にはなるかもしれないと前向きに考えた。なんとなく、保育園や幼稚園で過ごしているような気がした。他の事業所もこうなんだろうかと思い、後でよその大手のサイトも見てみたけれど、「障害は隠すものではなく生かすもの」という内容のキャッチコピーが書いてあり、ここには通いたくないなと思った。障害は当事者と社会の間にあるものなのに(社会モデル)、なんだか当事者自身が障害を内包しているような印象を(少なくとも私は)覚えたし、生かせないから障害なんじゃないかと反論したくなる。とりあえず、サイトを見た感じでは「えっ?」と思うような表現が目立つということはなかった気がするので、今日体験に行った事業所を利用してみようかな。ためになりそうな内容のプログラムもあれば、明らかにこれは自分には必要なさそう、合わなさそうだと感じるものもある。ただ、就職率は高いらしいので、そこは少し期待している。
 先日お店で見かけたペヨーテが忘れられず、歩いて買いに行った。つい誘惑に負けて、園芸店で働いていた頃から憧れていたウスネオイデスまで買ってしまった。

2024/10/19 Sat.

 就労移行支援(の見学と体験)に行って仕事について考え、不安になってきたからか、嫌な夢を見た。何かの仕事をしていて、ものすごく大きなミスをやらかして、クビになる夢だった。
 住民票を移してからまだ3ヶ月が経っていないので、以前の住所で期日前投票すべく帰省した。猫達とたくさん遊んで、猫達の写真をたくさん撮った。夜はふくちが一緒に寝てくれた。

2024/10/20 Sun.

 選挙に行った。候補者が3人とも「同性婚の法制化に反対」と主張しているらしく絶望ではあるけれど、それでも憲法改悪反対とか増税反対とか言っているまだマシな方に票を入れた。共産党か社民党かで直前まで迷いに迷って、今回は前者に入れた。
 お昼は七輪で色々焼いて食べた。ソーセージも椎茸も、焼きおにぎりもおいしかった。お腹いっぱい食べた後、5000歩ほど散歩して腹ごなしをした。
 夜、とらちが私の布団に寝そべって、一緒に寝てくれるのかとぬか喜びしたのも束の間、私が写真を撮ったら気が済んだかのようにリビングへ降りていってしまった。

週間日記(2024/10/07-10/13)

2024/10/07 Mon.
 10月1日に引っ越してきて以来、私にしては食が細くなっていたけれど、深夜にものすごくお腹が空いた。食欲が戻ってきたらしい。このまま食欲が減退した状態が続けばもしかしたら少し痩せられるかも、という期待もなかった訳ではないものの、そんなに健康的な痩せ方でもないだろうと自分を納得させようとしている。
 マンションの外から、知らないおじさんが怒鳴る声が聞こえる。まだ朝の6時台だというのに、すごい元気だ。心地良い目覚めではない。
 朝ごはんは野菜の煮たのの残りと、目玉焼きとウインナー、スライスチーズを乗せて焼いたトースト、ホットコーヒー。自分一人のためにそれらしい朝ごはんを用意して食べるのは、なんだかとてもきちんと生活している感じがあって気分が良い。
 Wi-Fiの機械の設置作業をしてもらった。マンション自体は工事が終わっているので、後は各部屋に機械を置けば良いとのこと。物だらけの散らかった部屋に業者の人を入れるのはかなり抵抗があるけど(そもそも自分の部屋に他人を入れることが厳しい)、Wi-Fiを使うためなら仕方ない。無事に設置が終わり、専用のアプリもスマホに入れて、Wi-Fiの設定をした。パソコンでネットが使えるようになったのがとても嬉しい。
 台所に置くために買ったスチールワゴンが届いた。高さも大きさもちょうど良く、色合いもかわいい。さっそく食器や調味料、調理道具を整頓した。狭くて調理スペースすらない小さな台所だけど、収納場所と物を増やして少しずつでも使いやすくしていくと、なんだか私にもそれなりの生活能力が備わっているのかもという自信が湧いてくる。
 転居の手続きをしようと役所に行こうとしたのに、書類を部屋に忘れてきてしまった。でもせっかく地下鉄に乗って移動したのだしと、お店を回ってちょこちょこと買い物をした。手続きはまた明日リベンジしよう。

2024/10/08 Tue.
 ふくちの湿った鼻を触る夢を見て目が覚めた。猫の鼻息やひげの感触って、なんであんなに癒されるんだろう。夢だけど。マンションの外から、今朝はおじさんではなく猫が怒る声が聞こえる。2匹の猫が激しく威嚇し合っている。互いにひとしきり唸った後、決着が着いたらしく静かになった。人間の怒鳴り声は心底うんざりするけど、猫だとちょっと和む。
 今度こそ書類を持って市役所に行くも、転居の手続きは区役所でするのだと窓口で教えられた。15分ほど歩いて区役所に向かう。ところが、地元の市役所で受け取った書類(2枚)を窓口で渡すと、「転出証明書がないので手続きできない」と言われてしまった。「家に忘れたかもしれないから探してまた来ます」と言ってその場から退散したけど、それらしい書類はどうもそもそももらってないように思う。地元の市役所で手続きをした時は、「もっときちんとした書類っぽいものをもらうんだろうと思っていたけど、こういうもので良いのか」と思うような紙を2枚もらったきりだ。自分の記憶が絶対に正しいとは限らないので、もしかしたら受け取っていてどこかのタイミングで紛失した可能性もゼロではないけれど、明らかに新人さんっぽかった職員さんを少し疑ってしまう。でも、もし渡し忘れたとして、発行した転出証明書はどこに行ったんだろう?やっぱり私がなくしたのかな?
 とはいえ探しようがないので、今から地元に戻って転出証明書の再発行をしてもらうことにした。部屋に戻ってきて30分で荷造りをして、予約した新幹線に乗り込んだ。我ながらフットワークが随分軽くなったものだとほくそえみながらスマホで転出証明書について調べていたら、郵送でも手続きができるとのことだった。もう新幹線に乗ってしまった。こういう事情でこれから帰省すると祖母にメールしていて、とても嬉しそうな返信が来たので、まあ祖母が喜んでくれるならいいか、私も猫達と会えるし。(後で調べてみたら、地元の市役所のサイトの「転出証明書の郵送での手続き」みたいなリンク先のページは存在しなかった)
 今度こそ地元の市役所で転出証明書を受け取った。「再発行」の文字はあるけど、この書類を前回目にした覚えはない。実家に帰ると、愛する猫達は出迎えてくれなかった。とらちは知らない人を見たかのようにビビっているし、ふくちはどこかで寝ているのか出てこない。しばらく話しかけて、鼻先にゆっくり手を近付けて匂いをかいでもらうと、とらちはようやく「なんだ、こいつか」といった風に私のことを分かってくれた。一方のふくちは、のそのそとどこからか出てきて私の存在を認めた途端、「どこに行ってたんだ!」とでも言いたげに珍しくミョオーンと鳴いていた(普段あまり鳴くことはない)。その後、猫達とひとしきり戯れて楽しかった。

2024/10/09 Wed.
 家族サービスならぬ猫サービスをしようと(家族サービスではある)、その辺で摘んできた猫じゃらしで猫達としこたま遊んだ。私が一番楽しかった。
 近所に住む祖母がお昼ごはんを食べに来ないかと言うので行ったところ、すごい量の料理が用意してあった。ありがたくおいしくお腹いっぱい食べて、お茶を何杯もおかわりして、祖母とたくさんおしゃべりをした。

2024/10/10 Thu.
 朝、高速バスと新幹線を乗り継いで福岡へ戻ってきた。一旦マンションの部屋に戻って荷物を置き、それから区役所へ行って手続きを済ませ、ようやく福岡市民になることができた。それから障害者手帳と自立支援医療の住所変更もしようと思ったものの、区役所ではなく違う施設ですることになっているそうなので、15分ほど歩いて向かった。新しく発行する福岡県の障害者手帳に使う顔写真が必要とのことで、慌てて証明写真機を探して写真を撮った。アプリで撮ってコンビニで印刷すればもっと安く済むのに、900円の出費は地味に痛い。何枚もの紙に色々記入して、長い待ち時間を過ごしてようやく手帳と自立支援の手続きも終わった。対応してくれた職員さんが気さくで優しく対応してくれて嬉しかったけど、マイナンバーカードを作ることを勧められて(向こうも仕事だろうから仕方ないとはいえ)少ししょんぼりした。それにしても、やっぱり年上の女性に年下扱いしてもらえるのは妙に嬉しい。それから、近くの年金事務所を探してまた歩き、年金の住所変更もした。こちらは紙一枚に記入するだけで終わった。後は運転免許証の住所変更もしなければならないけど、今日はもう手続きにうんざりしたのでまた後日にしようと思う。

2024/10/11 Fri.
 妹が泊まりに来るからと、張り切ってあちこちの掃除をした。苦手な掃除のモチベーションに繋がるので、これからも定期的に来てもらえるととても助かる。
 商店街の八百屋さんで、安かった大根とアスパラガスを買った。近くにいたお客さんが軽口を叩いていて、それを聞いてレジの店員さんと一緒に笑った。たったそれだけだけど、なんだか人とその場の楽しさを共有できたことがやけに嬉しかった。
 急に「料理をしたい」「ちょっと手間と時間がかかるものを作りたい」という欲求が湧き、スーパーで食材をあれこれ買った。なぜか豚の角煮が作りたくなり、かたまり肉を買ってしまった。小さい鍋しかないのにどうするんだろう。
 まずは、明日の朝ごはんに食べるためのトマトスープを作った。角切りにした野菜とベーコン、市販のミックスビーンズを炒め、水とトマト缶とコンソメを入れて煮て、塩胡椒で味を調えるだけ。台所の調理環境が最初に比べて随分充実してきたので、野菜を切って煮るだけの工程とはいえ随分作業しやすくなった。それから、角煮を作った。まるごとではなく切ってから鍋に入れたので、かたまり肉も小鍋に十分収まった。下ゆでをしている間にごはんを炊き、なんとなく食べたくなっておにぎりを作った。ところが、ただでさえおにぎりというものを作り慣れていないのに、冷ましていない熱々のごはんが本当に熱くて、不格好なおにぎりになってしまった。味はおいしい。下ゆでが終わった角煮を煮つけていくと、食欲をそそる醤油の良い香りが充満して幸せだった。これから泊まりに来る妹には、醤油くさい部屋で申し訳ないけども。
 テーブルと、不足していたデスクチェアのパーツが届いた。テーブルはちょうど良い大きさだし、デスクチェアもとても快適な座り心地で、QOLが一気に上昇した気がする。ようやく机や椅子を使う生活ができる。
 夜、妹を迎えに近くの駅まで迎えに行った。マンションを出る時に、同じマンションに住んでいるらしい人と笑顔を交わして挨拶できたのが嬉しかった。向こうがにこっと笑ってくれたのも嬉しいし、自分が誰かとコミュニケーションを取れたことも嬉しい。外に出ると、町の明るさと人の多さ、車の多さに驚いた。まだ営業している店がいくつもあるし、出歩いている人達も多くて、本当に深夜なのかと疑いたくなるほどだった。懐中電灯なしには歩けない地元の夜とはあまりにも違いすぎる。この時間に外に出ること自体、ここしばらく記憶にないほど久し振りなので、非日常感があって楽しかった。普段なら眠くなるので起きていられないけど、もういい大人だからこういうことをしても別に良いんだよなあと自由を噛み締めた。

2024/10/12 Sat.
 昨夜はたくさんおしゃべりをして、たっぷり夜ふかしをした。すごく楽しかった!
 妹を送り出した後、今日は32歳の誕生日だからと近くのケーキ屋さんを探した。すごくおしゃれなパティスリーが徒歩15分ほどの所にあって、せっかくだからここに行こうと歩いて向かった。お店は高級感溢れるおしゃれなお店で、ショーケースの中にはきれいなケーキがずらりと並んでいて、見ているだけで幸せだった。迷いに迷って選びきれず、いちごのショートケーキ、いちごのミルクレープ、チョコレートのムース、ラズベリーとピスタチオのケーキ、ブルーベリーのケーキを選んだ。欲張ったけど、誕生日なんだから良いということにする。ほくほくしながらケーキの箱を大事に扱って持ち帰り、コーヒーを淹れて堪能した。ケーキ屋さんの生クリームってやっぱりおいしい。スポンジケーキもスポンジケーキと思えないくらいふわふわで、どのケーキも美しくて甘くておいしい。勇気を出して、おしゃれなお店に足を踏み入れたかいがあった。3個食べたところでさすがにお腹がいっぱいになり、これが年を重ねるということかと慄然としながら、残りの2個はまた後で食べようと取っておくことにした。
 晩ごはんには、昨日の角煮を温め直して食べた。味がよくしみていて、脂身の部分がとろとろで、我ながらとてもおいしい。一緒に煮汁に浸けておいた味玉もおいしい。自己嫌悪が募って激しく落ち込んだ時は、私はこんなにおいしい角煮を作れる人間なんだからと思い出して自分を励ましたい。
 久し振りに本を読もうという気になり、読みかけだった『百年の孤独』の残りを2時間かけて読み終わった。夢中で読めて本当に楽しかった。こういうラストになるのか、とただただ圧倒された。普段ついついスマホに手が伸びがちで、読書をするハードルがなんとなく上がってしまっているけど、やっぱり本を読むって良い体験だなあ。
 妹と朝ごはんを食べて、おいしいケーキとおいしい角煮を食べて、おもしろい本を読んで、充実した良い誕生日を過ごせた。引越に伴う諸々の買い物で出費がかさんだので、今年は自分への誕生日プレゼントのようなものは買っていないけど、一人暮らしを始められたこと自体が誕生日プレゼントのようなものだ。誕生日を一人暮らしの部屋で迎えられるなんて、去年の今頃はまったく想像もできなかった。人生、何が起こるか本当に分からない。

2024/10/13 Sun.
 朝ごはんは、昨日のケーキの残りを食べた。朝から幸せ。
 洗濯や洗い物などの家事を済ませ、ケーキをたくさん食べた罪滅ぼしにいっぱい歩いてみることにした。天神まで歩いてみると、20分もかからないくらいで行けて、意外に近かった。わざわざ地下鉄に乗らなくても良かったのか…。天神地下街をうろうろして、ドラッグストアで買い物をした。都会はおしゃれできれいな人達が本当に多い。ケーキをしこたま食べておいてなんだけど、自分の容姿をもう少しましに近付けたいという気になって、ヘアマスクや化粧水を買った。ましになれればいいけども。その勢いで、美容室も予約した。都会はネットで予約できる美容室が多くて良いなあ。

週間日記(2024/09/30-10/06)

2024/09/30 Mon.
 ここ数日、とらふくが交代で私のベッドに寝に来ている。温かくてふわふわでかわいい。
 就労移行支援事業所から電話がかかってきた。枠が埋まっていて、見学できる日は最短で10月後半に入ってからになるという。他の事業所も勧められたけど、自宅から通いやすい場所だからと当初考えていた場所にこだわって見学予約をお願いした。利用者が多いということは、サービスが充実しているのか、それともさばき切れていないのか、どうなんだろうな。
 明日にはここじゃない場所での暮らしを始めている。まだ現実味がない。

2024/10/01 Tue.
 引っ越し! 今日から一人暮らし。両親はいつもと変わらない調子で送り出してくれて、もちろん猫達も普段と何ら変わるところはなく、おかげで泣かずに済んだのでありがたかった。福岡へ出かける時によく利用する高速バスと新幹線に乗るけど、今回は帰りの便の予約をしていない。とてもそわそわする。
 福岡市内に着き、不動産仲介業者の事務所で鍵や書類を受け取り、いざ初めて赴く新居へ。よその建物の植え込みに、アベリアやシモツケ、ツユクサが咲いているのを見かけた。紫式部も実をつけていて、なぜか季節外れの紫陽花まで咲いていた。地下鉄の最寄駅からは近くもないけど、遠くもない。近くにスパイスカレー屋さんがあって、店の前を通るとスパイスの香りがふわっと漂った。花屋さんがあるのも確認。マンションの敷地に煙草の吸い殻が落ちていて、少し不安になる。慣れないオートロックのカードキーを操作して、部屋に入った。古くて狭くてこぢんまりとしている。思ったより静かで、たまに飛行機が飛ぶ音が聞こえた。清掃はしたと聞いていたけど、所々ごみや汚れが残っている。家賃が安い物件だし、こういうのは値段相応なんだろうか。窓の外には、すぐ近くの建物のベランダや壁が見える。景色は良くない。周りのベランダに人が出ていたら、部屋にいる私と目が合いそうだ。北西向きで日も入らず、ほんのり薄暗い。まずかったかなあ、でも頑張って調べた中から選んだ物件だしなあと少しもやもや。
 引っ越し荷物は今から1時間後に届くので、用意していたアースレッドを焚くのは諦めた。多分、外に出ている間中ガス警報器が鳴っていないか心配してしまうと思うので、まあいいか。簡単に床の拭き掃除。その後、荷物以外の物が何もない部屋で、母が持たせてくれた手作りのお弁当を食べた。泣いてなるものかと意地を張っているものの、寂しいのでキャリーに入れてきたぬいぐるみ達を並べて、一緒に弁当箱を囲んだ。本当に私はここに住むのか、生活していけるのかたちまち不安になってきて、ほんのちょっぴり泣いた。
 予定していた時間より早く、引っ越し荷物と注文していた収納ボックスが届いた。荷解きをしようにも収納家具がないことにはしまいようがなかったけど、ひとまずこれで作業ができる。まずは段ボールでぐるぐる巻きにされたコーヒーノキの鉢植えと、段ボール箱にぎっしり入った観葉植物の小さい鉢植え達を出した。これらを並べる棚もないので、とりあえず段ボールを敷いた窓際の一画に集める。
 荷解きもそこそこに、家電を買い揃えなければいけない。オンライン内見ではあちこちの幅や奥行きを測れなかったので、測ってメモをする。洗濯機を置く防水パンがなぜか正方形ではなく長方形で、やたら奥行きが狭い。このままネットで注文しようと思っていたものの、目当てのサイズの物が置けるか怪しいので、お店に行ってそこで購入することにした。地下鉄を乗り継ぎ、15分ほど歩いて電気屋さんに到着。事情を話すと、「この奥行きは狭すぎる。二層式洗濯機用ではないか」「そこまで古くない建物なのに、二層式用というのもおかしい。測り間違いでは」とのこと。結局、かろうじて取り扱いのあった3kg台の洗濯機を購入して、設置できなければ返品ということになった。店員さんの調べ物などを待っている間に別の店員さんから携帯会社の乗り換えをしないかと営業トークがあり、頑張って断った。せっかくだから他の家電もまとめてここで買おうかと思っていたものの、これ以上お店の人の手を煩わすのも気が引けるので、洗濯機の他は冷蔵庫だけ買った。当初は200Lサイズを買うつもりだったけど、冷蔵庫の上にオーブンレンジを置く必要があることに気付き(オーブンレンジを置けるような台を別に買っても置き場がない)、ひと回り小さいサイズにした。家に帰るまでの間に、同じ電気屋さんのネットストアでオーブンレンジ、炊飯器、掃除機、除湿機を注文した。お金がどんどん消えていく。
 帰りに、多分ここが最寄であろうと思われるスーパーに寄ってみた。予想よりとても狭くて小さな、最低限のものしかないような店だった。徒歩10分圏内にスーパーが3店舗あると浮かれていたけど、これは想定外だ。田舎の地元にあるような、郊外型の大きなスーパーに慣れきってしまっていた。肉や野菜の値段がそう高い訳ではなさそうなのがせめてもの救い。さらにドラッグストアにも行ってみたけれど、ここもやっぱり小さい店だった。都会は土地代も高いだろうし、それはそうか…。ハンドソープやボディソープ(ゴッホの星月夜が描かれたビオレのやつ)、ペットボトルの飲み物などを買った。
 晩ごはんはスーパーで買ってきた丼を食べた。気休めに野菜ジュースも飲む。何もかも予定通りで順調、とはいかない初日だったけど、何はともあれ念願の一人暮らしの始まりを祝って、ノンアルコールのレモンサワーで乾杯した。

2024/10/02 Wed.
 なんとか場所を確保した寝床で、ぐっすり10時間も寝た。新しく買ったマットレスはふかふかで、予想以上に寝心地が良かった。朝ごはんは、昨日スーパーで買ったパンを食べた。しょっぱいやつと甘いやつ。コーヒーを淹れたかったけど、鍋もフライパンも買っていないのでまだお湯を沸かせない。荷物を詰めている段ボール箱に猫の爪研ぎ跡があるのを見つけて寂しくなった。服や鞄に猫の抜け毛が付いていた時、ビニール紐を扱っていてもじゃれついてくる生き物がいない時、ヘアゴムやヘアピンをしまわず出しっぱなしにしていいのだと気付く時、足に擦り寄ってくるふわふわがいない時に寂しさを感じる。
 冷蔵庫と洗濯機、ベッドが届いた。3.3kgサイズの小さな洗濯機は、狭い防災パンにぴったり収まった。ひと安心! 冷蔵庫も良い大きさ。荷物だらけの狭い部屋で、ベッドの組み立てに取り掛かった。これがなかなか大変な作業で、何が大変かというと作業スペースの確保が大変だった。本来一人で組み立てるようなものではないんだろうなとは思いつつ、どうしようもないので意地で組み立てた。思ったよりしっかり高さがあるけれど、おかげで昨日届いた衣装ケースがベッド下にすっぽり収まる。かなり良い収納スペースだ。
 とりあえず収納用のこまごましたアイテムや生活用品を買おうと思い、地下鉄に乗って出かける。途中コンビニに寄って、実家で作っておいたマンション周辺の地図をA3用紙にプリントした。おいおいこれに色々書き込んでいきたい。お昼ごはんにサンマルクでサンドイッチもチョコクロを食べた。一食に1000円近く使ってしまったので、早い所自炊を始めないとお金がいくらあっても足りないと焦りを覚えた。せっかく来たからと天神地下街のブルーブルーエを覗いた。地下鉄代210円で好きな雑貨屋さんに来られてしまうのはまずい。通ってしまう。かわいい雑貨がたくさんで癒されたけど、猫モチーフのグッズばかりつい目で追ってしまう。
 ラシックのスタンダードプロダクトとダイソーで色々買い込んだ。初めて行く百均で目当ての物を探すのは難しい。鍋やフライパンも買わないとと思い、無印良品に向かう。洗濯かごやら浴室用の収納メダルラックやらを押し込んだ百均の大きなレジ袋を提げた状態で、大丸のハイブランドがひしめくフロアを通過するのはいたたまれなかった。結局無印には目ぼしいものがなかったので、ソラリアステージのインキューブへ行き、とてもかわいい赤と黄色の小鍋とフライパン、半額になっていた包丁、実家で使って気に入っていたハリオの水出し緑茶ボトルなどを買った。初期投資がかさみにかさむ。おかげで今後は出費を抑えられるはずだからと言い訳する。ソラリアステージのエスカレーターから見た大丸の外壁に、くまモンの大きなタペストリーが掛かっていた。やはりあいつはどこにでもいる。
 重くてかさばる荷物を持ち帰って整理していると、インターホンが鳴って「マンションの設備管理の者です」という作業着姿の人がモニターに映った。会社名を名乗らない所に若干違和感を覚えつつも、マンションの設備管理の人ならとオートロックを解除した。玄関先で話してみると、ネット回線を契約しないかという営業だった。先ほどの違和感はばっちり当たっていた。しかも名刺も資料も渡されなければ、会社名すら分からない。食い下がる相手にしどろもどろで言い訳しながらなんとか断ると、断った途端に「もう用はない」とばかりに表情と態度を変えてさっさと帰っていった。その場で作業なんかするはずもなかろうに、わざわざ作業着を着て管理会社を装って営業周りをしているとは、都会には色々なやり口があるなあ。先日のライフライン手続き代行といい、たった今のできごとといい、なんだか自分の中の性善説を信じられなくなりそうな気がして少しへこむ。そういう手段を取らないと仕事にならない、利益が出ないという資本主義的な現実は頭では理解しているつもりだけど、日々そうやって働いている人の気持ちが荒まないか心配になる(もちろん大きなお世話ではある)。
 そろそろ野菜を摂っておかないとまずいだろうと焦り、晩ごはんはコンビニで野菜サラダとサラダパスタを買ってきて食べた。
 食事の話の直後でなんだけど、浴室に黒光りする素早い虫が出た! 入居してまだたった2日なのにもう奴に遭遇するとは、これから先が思いやられる。手頃な武器をまだ用意していなかったので、咄嗟に浴室用のスリッパで叩き、ボディソープの泡をたっぷりかけて息の根を止めた。かわいいパッケージに入ったラベンダーの香りのボディソープなのに、こんな使い方をする羽目になるとは…。何枚も重ねたティッシュ越しに掴み取り、ビニール袋に入れて捨て、念入りに手を洗って闘いは終わった。
 気分を上げようと、ふくちに似た猫のイラストが描かれたグラスを荷物から取り出して、ミネラルウォーターを注いで飲んだ。ペットボトルで飲むよりも、食器を使った方がおいしく感じるのはなぜなんだろう。
 一人暮らしってこんな感じだっけ、という心細さがある。大学生の時もこうだったっけ。固い床の上に座るのに早くも飽きたので、ラグを注文した。

2024/10/03 Thu.
 昨夜も10時間寝た。疲れたんだろうな。夕べ作っておいた水出し緑茶と、コンビニおにぎりで朝ごはん。
 一昨日行ったのとは別のドラッグストアに行き、洗濯用の洗剤、食器用洗剤、ハエ叩き、殺虫スプレー、ティッシュぺーパー、トイレットペーパーなどの日用品を両手で持てる限り買った。植え込みなどによもぎやヘクソカズラ、アカメガシワ、エノコログサなどが生えているのを見かけて、見知った顔に再会したような懐かしさを覚えた。実家の庭に生えていたら目の敵にして引っこ抜くのに(猫が好むエノコログサを除く)。ヨウシュヤマゴボウの実が生っているのも見つけた。
 昨日はファミマだったので、今日はセブンに行ってみた。昼ごはんやおやつ、福岡市指定のごみ袋を買った。お昼は小鍋でお湯を沸かして、カップ麺のきつねうどんを食べた。
 オーブンレンジ、炊飯器、掃除機、除湿機が届いたので開封する。除湿機が来たからには、洗濯物を干せる。溜まった洗濯物を少しずつ洗濯して干した。掃除機は場所を取らないコードレスのスティックタイプを選んだけど、音がかなり大きく感じられる。賃貸でこれを使っても良いんだろうかと不安になるレベル。重いため必ず2人以上で持ち上げることと箱に書かれたオーブンレンジを、1人で冷蔵庫の上に載せた。達成感。ところが、アースの付け方が分からない。それらしいものが冷蔵庫の後ろに見えるものの、アースを検索して出てくる画像とはどうも異なる。
 アースは一旦諦め、おやつにする。コーヒーを淹れ、コンビニのチョコがけオールドファッションドーナツを食べた。おやつを食べると、どうしてこんなにほっとするんだろう。
 非日常感が続いて曜日感覚がさっぱりなので、裏紙に日付を書いた紙を冷蔵庫に貼り、即席の日めくりカレンダーにした。もちろん、ちょっとした落書きも添えておいた。
夕方、ここに来てから初めてのごみ出しをした。部屋の一角を占領していた燃えるごみの山が消えて、すっきりした。
 晩ごはんは、届いたばかりの炊飯器で実家から持ってきたお米(親戚から送られてきた新米!)を炊いて、インスタントのお味噌汁と温かい粉末緑茶も添えた。出来合いの食べ物もおいしいけど、それが続くことに慣れていないので、炊いたごはんとお椀で頂く温かい味噌汁に心底ほっとした。この生活も案外やっていけるかもしれない、となんとなく気分が上向いてくる。

2024/10/04 Fri.
 昨日16時にコーヒーを飲んだせいか、昨夜は22時になっても眠気が来なかった。とはいえ2晩続けて10時間も寝たから別に今日は大して眠れなくても別に良いか、と諦めたくせに、その後8時間寝た。
 朝ごはんはカップスープとコーヒー。お湯が沸かせるだけで食事事情が随分変わる。
 壁際に積み上げていた段ボール箱をどけた所、今度こそアースらしきものが見つかった!これで安心してオーブンレンジを使えるとぬか喜びしたのもつかの間、よく見ると小さく「TEL」と書いてあった。さすがに困ってマンションの管理会社に電話をしてみた所、電子レンジ用の居室のアースはないとのことだった。なるほど…。
 地下鉄と電車を乗り継いで、新宮のIKEAへ行った。デスクチェアの下に敷く床保護用のマットを買おうと思っていたけど、いざ実物を見ると梱包も何もされていないそのままの平らな状態で売られており、これを電車で持ち帰るのは厳しいと判断して諦めた。代わりに、浴室前に置く収納ラックや、キッチン周りの小さいメタルラックなどを買った。お昼はIKEA内のレストランで、スウェーデンミートボールとベリーチーズケーキを食べた。
 マンションに帰ってきてから、今度は近くの商店街に出かけた。最寄りのスーパーが小さくてがっかりしていたけど、なんと昔ながらの商店街が2ヶ所も近くにあったのだ。商店街の百均で収納グッズを買い足し、初めて「八百屋さんで野菜を買う」という体験をした。にんじんと玉ねぎ、白菜を買った。
 買ってきたワイヤーネットをさっそく台所に取り付け、今度はそれを固定するための突っ張りポールと結束バンドがいることに気付く。また後日買いに行こう。
 注文していたラグが届いた。毛足の長い、ふわふわの芝生のような緑色のラグ。大きさもちょうど良く、当たり前だけど固い床の上に座るよりはるかに快適で良い。
 荷解きの続きをして、観葉植物のいくつかに水をやった。これらを並べる場所もそのうち考えないと。
 買ってきた野菜を切って小鍋で煮て、鍋キューブを入れて簡単な鍋料理のようなものを作った。冷蔵庫に入れていたごはんも温めて、晩ごはんに食べた。とても簡単な作業なのに、慣れない環境と狭い調理スペースのおかげでびっくりするほど手間取った。でも、やっぱり作ったごはんは沁み渡る。

2024/10/05 Sat.
 朝ごはんは、コーヒーと一本満足バー。
 本棚とデスクチェアが届いたので、組み立てを始める。ところが、デスクチェアのボルトが探せども探せども見つからない。梱包材と一緒に捨ててしまったのではと何度も探して見るものの、ない。これはもしかして元々なかったのではないかと判断し、サイトで番号を調べて電話をしてみた。担当の方が休みなので、週明けに対応するとのこと。もしも私がうっかりどこかへやってしまっていたのなら申し訳ないけど、なんとかなるといいなあ。
 デスクチェアは置いておいて、本棚を組み立て始めた。これがまあ大変な作業で、汗をだらだらかきながら格闘した。よく一人でこれを作れたものだと我ながら少し感心したくらいだった。悪戦苦闘の末にできた本棚に、持ってきた本とぬいぐるみを並べた。お気に入りのものが詰まった本棚があるだけで、一気に「私の部屋」という実感が増す。頑張ったかいがあった。
 今日はまだ外に出ておらず、せっかく出かけられるように身支度はしたのだからと買い物に行った。商店街のひとつを端まで歩いてみてどんな店があるのかを眺め、百均で突っ張りポールなどを買い、商店街とは別の通りにある初めて行くスーパーに入った。これがおもしろい所で、多分食べ物屋さんをやっている人がメインの客層なのではないかと思えるような品揃えだった。1個単位でなく箱で売られているキャベツから、6,000円の松茸、食用の菊やミニバラに蘭、フレッシュハーブ色々、いかにもお高そうな生ハムやチーズ、見たことのない海外の冷凍食品と、珍しいものが色々ある。見慣れた普通の調味料やお菓子もあるけど、なぜか少し値段が高く設定されている。お惣菜もあって、こちらはリーズナブルなお値段だった。とんかつ弁当と、明日の朝に食べるための食パンとマーガリンも買った。
 帰宅して、昼ごはんか晩ごはんか分からない微妙な時間(夕方)だったけど、とんかつ弁当と、煮た野菜の残りを食べた。地元の大きなスーパーの弁当よりもおいしいかも。

2024/10/06 Sun.
 朝ごはんは、昨日買った食パンとマーガリン、実家から持ってきた蜂蜜で蜂蜜トーストを焼いて食べた。コーヒーとの相性が抜群だった。
 潰した段ボール箱が随分増えてきたので、徒歩7分の所にあるリサイクルステーションに持って行くことにした。ビニール紐で束ねたものが6束あって、とりあえず2束を持って歩いて行ってみた所、重たくかさばるのもあってこれが結構大変だった。あと2往復するのは少しきついと思い、観念して残りはタクシーに頼ることにした。リサイクルステーションでは地域の人と思しきおじさんおばさんが分別作業などをしていて、おばさんがにこにこして「いつもありがとう」と声をかけてくれた。これからお世話になります。傍の公民館の掲示板を見てみると、市民向けの趣味の教室がとても充実していてびっくりした。フラダンスや古文書解読、ポルトガル語教室まである。とにかく種類と開催頻度が多い。田舎との圧倒的な文化的格差に慄いた。一旦マンションに戻り、残りの4束の段ボール箱を階下に運び出し、アプリでタクシーを呼んだ。タクシー待ちの間、同じマンションに住んでいるらしいおじさんに話しかけられ、段ボールはどうやって処分するのかと尋ねられた。近くの公園にリサイクルステーションがあるから、そこに持っていく旨を伝えた。段ボールの束と一緒にタクシーに乗り込み、運転手のおじさんと少し話しながら再度リサイクルステーションにやって来た。運転手さんが段ボールを途中まで運んでくれてありがたかった。
 束ねた分の段ボールを全て捨ててしまえた達成感に包まれながら、今度はまた初めて行くスーパーに行ってみた。20分くらい歩いた。食品がメインで、最寄りのスーパーよりも品揃えが充実していて、プライベートブランドの物も色々ある。せっかく来たからと自炊に必要な調味料だの食品だの何だのをあれこれ買い込み、帰りの荷物がすごく重たくなってしまった。帰り道はGoogle Mapによれば13分だからと、頑張って歩いた。荷物がとにかく重くて、大して暑くもない日なのに汗だくになって帰宅した。エコバッグが破けなくて本当に良かった。
 食料品が一気に増えたのと、いつまでも段ボール箱に詰めていたのでは調理器具が使いにくいからとで、とりあえず段ボール箱で3段の棚を作った。これで少しは取り出しやすくなるだろう。そのうちちゃんとメタルラックなり何なりを買うけど、引っ越してきてからたった数日のうちに何度もクロネコヤマトと佐川急便にお世話になり続けているので、気まずさから少し間隔を空けたい気持ちがある。
 さすがに少し疲れて、ふかふかのラグに寝そべってちょっとだけ昼寝をした。目が覚めるとすっきりして、やっぱり疲労回復に一番良いのは昼寝だなと実感した。

週間日記(2024/09/23-09/29)

2024/09/23 Mon.

 引越用の段ボール箱が足りなくなったので、ホームセンターで買い足した。あんなにたくさんの物を捨てたはずなのに、それでも荷物が多くて驚く。せっせと荷造りを進めていると、キャリーケースにふくちが入り込んできた。福岡までついてくるんだろうか。こんなかわいい生き物を置いて私は家を出るのか…。
 お昼に、モスバーガーのロースカツバーガーとオニオンフライを食べた。マクドナルドやケンタッキーを長いこと食べておらず、食べたい気持ちもあるけど、食べた後で罪悪感に駆られるだろうことは間違いないのでボイコットを続けている。
 晩ごはんは、肉野菜炒めと味噌汁とごはんを用意した。白ごはん.comのレシピで作ると、シンプルな肉野菜炒めであってもとてもおいしくできるので本当にありがたい。

2024/09/24 Tue.
 ジモティーで、月末まで取りに来れないそうだからと取り置きしておいた最後の一鉢を人に譲った。マユハケオモトを渡した代わりに、お礼にと鳴門金時を頂いた。さつまいもは大好きだから嬉しい。ほんのちょっとだけど世間話もできて、他者と関わることを楽しめたことも嬉しかった。
 知らない電話番号から2回ほど着信が入っていて、どうせ何かの営業だろうし用があれば留守電を残すだろうと思って出ずにいた。すると、不動産仲介業者から電話がかかってきて、Kという会社から電話が来なかったかと訊かれた。不動産仲介業者と提携しているということは出た方が良いのだろうと判断し、Kにかけ直してみた。とてつもなく長い話を電話越しに訊いている間に「重要事項説明書には電気の欄に九州電力と書いてあったけど、電気と水道の話をしているからどうやらここと契約することになっているようだ」と思い、契約手続きを進めた。しかし、ライフラインの話に続いて何とかいう補償サービスもつけないかという話題が始まった。話を聞いていても、内容がいまいちよく分からない。必要ないと最初は断ったものの、相手は「端末(携帯電話のことか?)が故障した時に使える」「皆さん利用されている」「初月は無料だから」と食い下がってくる。じゃあ契約だけしてすぐに解約しますと答えると、それで向こうも納得したようだった。ところが、さらにウォーターサーバーを使わないかという勧誘まで始まる。この辺りでさすがに怪しいと確信するも、まだこの会社がどういうものなのか分からない。ウォーターサーバーは絶対に要らないので、頑張って断った。ようやく長い長い電話が終わり、ショートメールでURLを送るので契約手続きを完了させる段になった。その前にネットでKと、会話の中に出てきた電力会社の名前を検索してみた。すると、Kはライフラインの契約手続きを代行する会社で、今回の電話で電力会社Sと契約手続きをするらしいことが分かった。このSという会社が良くない会社らしく(電気代がかなり高くつく上、九州電力のWebサイトによく似たWebサイトを作るなど悪質と言えるようなやり方をしたことある)、このまま契約を完了させる訳にはいかないことをここに来てようやく理解した。慌ててKに連絡し、全てのサービス(ライフラインの手続き代行とよく分からない謎の補償サービス)を解約させてほしい旨を伝えた。LINEなので、返信はまだない。そして、ライフライン手続き代行サービスを介さずに九州電力と福岡市水道局に使用開始の申し込みをした。世の中にはこういうこともあるのだと勉強にはなった。

2024/09/25 Wed.
 自転車を漕いで市役所に行き、転出届の手続きをした。
 昨日のライフライン手続き代行会社Kから電話がかかってきて、改めて解約の旨を伝え、無事解決した。ひと安心。
 観葉植物のコーヒーノキの実がいよいよ赤く色づいてきた。赤い実というのは、見ているとなぜかむしょうにわくわくする。前世はヒヨドリか何かだったんだろうか(前世とかは信じていないけど)。シンニンギアの花も咲いた。

2024/09/26 Thu.
 Google Meetで、賃貸の重要事項説明書の説明があった。10分くらいであっという間に終わった。

2024/09/27 Fri.
 引き続き荷造り。
 プランターのみょうがを1個収穫した。とてもきれいな、つやつやした大きいみょうがだった。甘酢漬けにする予定。

2024/09/28 Sat.
 精神科の診察。訊くと、薬は最大3ヶ月分も出せるらしい。今回は環境が変わるからと、いつもと同じくらいの7週間分を処方してもらった。
 お昼は、ちょっと良い洋食屋さんに両親と行った。とろとろのオムライスも、食後のコーヒーもとてもおいしかった。
 「e転居」で転居届の受付手続きをした。わざわざ郵便局に行かずともスマホひとつで手続きができるのは楽で良い。就労移行支援の事業所にも、ネットで見学申し込みをした。3日以内に電話がかかってくるそう。
 スーパーでおいしそうな栗を買ったので、せっせと皮を剥いて栗ごはんにした。渋皮を剥くのが特に大変だったけど、塩加減もちょうど良いとてもおいしい栗ごはんができた。家族にも、お裾分けした祖母にも好評で嬉しい。

2024/09/29 Sun.
 観葉植物の梱包をした。ポリ袋、新聞紙、ガムテープ、ビニール紐などを駆使して頑張った。特に、一番大きなコーヒーノキは大変だった。無事運ばれてくれますように。
 母がふくちの体重を測ったら、200g増えて7.3kgになっていた。保護した当初の170gの体重を思えばよくここまで育ったものだと嬉しい気がするけど、もっとこまめに運動させてあげた方が良いのかもしれない。
 引越しを目前にして、なんだか急に不安になってきた。実はとても馬鹿なことをしているんじゃという考えが頭をよぎる。このまま実家いればのほほんと暮らしていられるのに、苦労すると分かっている方を自分から選ぶことはないんじゃないか。とはいえもう物件は契約してしまったし、やるしかない。

週間日記(2024/09/16-09/22)

2024/09/16 Mon.

 敬老の日なので、以前「あると嬉しい」と言っていたので購入したブルーレイレコーダーだの、手作りのポップアップカードだの、色々な物を持って祖母のアパートへ行った。レコーダーを持ち込んだは良いものの、説明書を見ても設置の仕方がさっぱり分からず、父を呼んで丸投げした。一人暮らしをしていた大学生の時はテレビを持たなかったので、テレビの設置なども未だに全く分からない。来月からの一人暮らしでもテレビを買うつもりはないので、まあいいか。

2024/09/17 Tue.

 自転車を漕いで、肌荒れの薬をもらいに皮膚科へ行った。病院の入口に「本日は担当医が一人体制のため、予約枠の空きが少なくなっています。診察無しで薬の処方だけでも良いという方は、受付にてお伝えください」みたいな貼り紙があったのでその通りにしようと、薬の処方だけお願いできますかと受付で尋ねた所、「薬だけ…?」と怪訝そうな、意外そうなリアクションをされ、こちらも内心動揺してしまった。結局少し待ってから診察無しで薬をもらえたものの、「自分は薬さえもらえれば良かったから他の人に診察時間を譲りたかったんだけど、余計な気を回さず自分も診察を受けた方が良かったんだろうか」と少し悶々としている。こういう、自分では良かれと思ってやったことがなんとなく裏目に出るようなことが、最近の自分の人生では割とよく起こる。お節介と親切の加減を測るのって難しい。

2024/09/18 Wed.

 祖母を誘って、畑の芋堀りをした。去年は安納芋だったので、今年は紅はるかを植えてみた。芋堀りというのは本当に楽しい。土をざくざく掘って赤紫色を見つけた瞬間の興奮、予想外に大きい芋を掘り出した時の感動、芋掘りでしか得られない楽しさというものが確かにある。想像以上の収穫量の芋を、一日日陰で乾かした後に祖母と山分けした。
 祖母が帰った後、一人で庭仕事納めをした。捨てるには忍びなかった鉢植えのニチニチソウ、ジニア、ポットマム、ミニバラを畑に植え替え、残りの鉢植えはばらして処分した。劣化しそうなプラ鉢は捨て、残っていた肥料や土を畑にばらまいて、自分の園芸用品を片付けた。涙こそ出なかったものの、なんだかむしょうに寂しかった。
 今から10年近く前に新卒で入った会社を半年足らずで辞めて実家に帰ってきて、他人も人目も近所の顔見知りすらも怖くて不安で毎日めそめそ泣いていた時期に、外に出る練習だと思って庭の一角を小さいスコップひとつで掘ってはごろごろ出てくる石を取り除く作業をして、そうしてできたのがこの畑だ。当初は栄養なんかまるでなさそうなぼそぼそした粘土質の土だったけど、それでもホームセンターで植物を買ってきては見よう見まねで植えて育てて遊んでいた。4年前の水害で山の腐葉土が流れ込んできて畑の状態に戻すのが大変だったけれども、以来みみずがうようよするふかふかの良い土になって驚いた。メンタルのリハビリ目的で始めたことが大好きな趣味のひとつになって、色々な植物をたくさん植えて枯らして収穫して、すごく楽しかった。長靴とヤッケを装備して不慣れな鍬を振るうことがもしかしたら今後もうないかもしれないと思うと、やっぱりかなり寂しいものがある。陽射しを浴びて土に触れながら野菜や果物を育てるのは本当に楽しくて、室内で観葉植物を愛でるのとはまた全然違ったおもしろさがある。ミニトマトもきゅうりも鉢植えより地植えの方が断然よく育つし、土まみれになって汗をかくのも結構気持ちいい。趣味も10年近く続ければ素人なりに少しは上達するもので、最初は何でもすぐ枯らしていたのに、さつまいももいちごもサニーレタスもパセリもたくさん収穫できるようになった。時間と手間をかけて作ってたくさん楽しんだ私の畑がそのうちただ雑草が生い茂るだけの区画になるのだと思うとむなしい。大好きだったおもちゃを手放すような悲しさがある。もし万が一(そうなってほしくはないけど)一人暮らしが立ち行かなくなって実家に戻ってくることになったら、その時はまた畑をやるだろう。自分一人で生活することがままならなかった無力感や劣等感、絶望感に打ちのめされているだろうから、畑に癒しを求めるしかない。

2024/09/19 Thu.

 そのうち観てみたいと思っていた映画「かもめ食堂」を観た。誰にでも悩みや悲しみがあること、人それぞれ異なる価値観や意見を持っていること、互いの境界線を不用意に踏み越えずに相手を尊重して接するということ、そういう忘れがちだけど大事なことを思い出させてくれる映画だった。内容も良いけど、出てくる女性達が、現代の日本社会で男性から良しとされる態度(いつも愛想良くにこにこして、甘えたような高い声で話す)を取っていない、取る必要がない環境で生きているというのもまた良かった。訊かれれば何でも正直に答えるのではなく時にははぐらかしたりもするサチエ、無理に取り繕わず意見や感情を素直に表出するミドリ、周りのペースに流されず常に悠々としているマサコ、自分が生まれ育った場所のものとは異なる文化に興味や好意を抱くトンミ、他者との関わりを通して自分の悲しみを癒やし立ち直っていくリーサとどの登場人物にも尊敬できる魅力があって、いいなあと憧れた。特にマサコさん! 私は必要以上に周りに合わせようと無理をしてしまう性格だけど、あの貫禄、落ち着き、ゆとり、品、どれも私にないもので、見倣いたいと強く思った。そして、主人公サチエがフィンランドを選んだ「何が何でも日本である必要ないかな」「ここならやっていけるかな」という理由にも、惹かれるものがあった。私も「何が何でも実家のある田舎である必要はない」「都会ならやっていけるかもしれない」という期待と願いを込めて一人暮らしを始めるので、徐々に軌道に乗っていくサチエを見ていると「自分もやっていけるかも」と思えるような心強さがあった。人気があるのも頷ける、良い映画だった。

2024/09/20 Fri.

 昨日届いた賃貸の契約書に目を通していたら、銀行印が必要とあった。ところが、銀行印として登録した印鑑を覚えていない。家賃の振り込みに対応している銀行の中で私が口座を持っているのはN銀行しかないのでN銀行の銀行印が必要だけど、現在住んでいる地域にはATMも窓口もない。最寄りのN銀行の窓口は、自宅から約50km離れた場所にある。26日までに書類を送るとなると、三連休を挟んでからだとぎりぎりになってしまう。となると、今日しかない。思い立って30分で高速バスの予約と出かける支度を済ませ、30分ほど自転車を漕いで高速バス乗り場へ行き、40分ほど高速バスに乗り、路線バスに乗り換えて15分、N銀行の支店に着いた。自分にしては随分フットワークが軽くなったと思う。銀行印の確認手続きは無事に済んだ。
 帰りのバスに乗り、高速バス降り場で下車し、今度は自転車で市役所へ向かった。賃貸の契約手続きに必要な住民票は取っていたつもりだったけど、本籍地に記載が必要との追加情報が分かったので、本籍地の記載有りの住民票を取らなければならなかったのだ。途中小雨に降られながらも汗をかきかきなんとか辿り着き、住民票を発行してもらって帰路に就く。急な大冒険を頑張ったので、自分へのご褒美にアイスを買って帰った。

2024/09/21 Sat.

 ショッピングモールに行って、新しくキャリーケースを買った。3,4泊用の大きい物と迷いに迷って、コインロッカーに入れやすい1,2泊用のサイズの物を買った。プリンのような黄色でとてもかわいい。アイボリーとも迷ったけど、黄色の方が見分けがつきやすくて良い気がしたのでこっちにした。今まで使っていたキャリーケースには、白い物に「ブリュンヒルト」、グレーの物に「アースグリム」と名前を付けていた(『銀河英雄伝説』に出てくる宇宙戦艦の名前)。今回の黄色いキャリーには、両親が「アンデューティネス(親不孝)号」と名前を付けてくれた。画像を検索してみると、確かに似たような黄色のラインが入っている。養育者のヤンから自立するように地球へ旅立ったユリアンのように、私もこのアンデューティネス号と家を出ていくぞ!

2024/09/22 Sun.

 賃貸の契約書についてLINEで尋ねていた質問の回答があったので、それに従って書類を記入した。内容はややこしいし、書く所はたくさんあるしで、部屋を借りるのって簡単にはいかないんだなとしみじみ感じた。何度も確認して封筒に入れ、郵便局に行き、速達で発送した。不備がないことを祈る。
 とらふくの写真を採用してもらった猫めくりカレンダーが届いた。IKEAのリラックスチェアの上で仲良くくっついているとらちと小さな子猫ふくちの写真が、11月24日のページに載っていた。まさか2年続けて載せてもらえるとは思いもしなかったので、嬉しい。
 ケーキ屋さんで、ちょっと早いけど私の誕生日ケーキという口実でケーキを買った。私は栗のクランブルタルトとりんごのタルトを選んだ。どちらもシナモンが効いていて、いかにも秋らしいケーキでおいしかった。

週間日記(2024/09/09-09/15)

2024/09/09 Mon.

 「若い頃に興味を持ったことは今からでもやってみた方がいい」といったような旨のツイートを見てさっそく感化され、ずっと行ってみたいと思っていた文学フリマ東京に行くための飛行機を予約してしまった。あわよくば、そこでも良い影響を受けて趣味の創作活動により打ち込めるようになるといいなと目論んでいる。秋は文学フリマ福岡にも行く予定だけど、東京のは出店者数が桁違いに多いらしい。どちらもすごく楽しみ。
 敬老の日のカードを作った。画用紙を切っては貼り、切っては貼り、少しずつ作り上げていくのがとても楽しい。やっぱり物を作るのって好きだなあ。文章、絵、漫画、工作、手芸、お菓子と、表現をしたり作品を作ったりするのは本当に楽しい。他人と比べて落ち込むことも、思うようにできなくてがっかりすることもあるけど、夢中で作業して心から楽しいと思える瞬間があると、やっぱりやめられない。
 先日のLINEスタンプが承認されたので、販売を開始した。さっそく、大好きなとらふくのスタンプを家族の雑談用LINEに送りまくると、両親も欲しいと言ってくれたのでプレゼントした。
 一昨日ジモティーでやりとりした人が残りの植物もまだ欲しいと言うので、アロニア、ヒメザクロ、ユーカリ、レモンバーベナ、レモンバーム、ルバーブ、すみれ、スターチス2鉢を譲った。おかげで、鉢植えがびっしり並んでいた軒下が随分片付いた。適当極まる育て方とは言え自分なりに手をかけて育ててきた植物を手放すのには寂しさを覚えなくもないものの、植物好きの人の手に渡って、多分私より上手に育ててくれるんだろうことを思えば、まあいいかと納得できる。枯らして捨てる手間も省けたし。

Blueskyからコピペ
・私が”私の”一人暮らしに必要な物を見繕ってると高確率で母が口出ししてくるので、その度に「自分で決めるから大丈夫!」とつっぱねるのを繰り返してる 32歳を目前にしてやっと母親に物申せるようになったね
・私は多分こういう「もしかしたら私じゃない誰かが◯◯かもしれない」という妄想を膨らませすぎて人間関係を上手く築いたり維持したりできないし、人と交わって働いたり車の運転をしたりができないんだけど、この生きづらさの原因に「想像力」とか「他者への気遣い」とかいう名前がもし付けられるなら報われるというか救われるというか
・悲しいのはどんなに気を遣っていても「適切な気遣いができている」とは限らない所 でも私みたいなのが自分自身を「私は気が利く人間!」と思い込むようになったらそれこそ終わりなので、気遣えてるかな大丈夫かな〜と心配してるくらいで丁度良いんだと思いたい

2024/09/10 Tue.

 作りかけだった、敬老の日用のポップアップカードを仕上げにかかった。画用紙だけだと物足りなかったので、シールやマスキングテープをべたべた貼り付けてみた所、かえってごちゃごちゃしすぎてしまった。かといって貼ってしまった以上剥がすこともできないので、妥協するしかない。やっぱり例年通り絵を描けば良かったかなあ。

2024/09/11 Wed.

 1時間半ほど庭仕事をした。日差しこそ若干ましになっているものの気温はまだまだ暑くて、着ていたポロシャツを絞れそうなほど汗をかいた。かつて植物が植わっていた植木鉢の中身を土と鉢底石に分けたり、古くなって劣化してきたプラスチックの鉢を燃えるごみの袋に詰めたり、軒下に残っていた鉢植えの植物を引っこ抜いて処分したりと、庭にある自分の趣味の物を片っ端から片付けていった。実家に帰ってきてからの10年近くの間、庭で植物を育てるのは本当に楽しかったので、趣味から手を引くというだけでなく、自分のアイデンティティの一部を失うような寂しさを覚えた。一人暮らしができる喜びで上塗りできれば良いけど。結局今日だけでは作業が終わらなかったので、また後日続きをしなければならない。
 12月に東京へ旅行する時の計画を立てた。ちょっと神経質すぎるような気もするけど、私は事前に段取りや交通手段をしっかり調べて決めておいた方が安心して旅に専念できるタイプなので、修学旅行のしおりかと思うような細かい計画を練った。文学フリマの他にも行ってみたい場所がたくさんあるので、その中から優先順位や行きやすさを考えて絞りに絞り、自分にとって最高の旅行プランができあがってしまった。博物館に美術館、植物園、独立系書店という具合に、私の好きな場所ばかり。色々なものに見て触れて、この世は広くておもしろいものがたくさんあって、これからも生きるに値する場所なのだと確信できるような良い旅をしたい。
 一番大きなペヨーテに、双子のような形で花が2つ咲いた。今年はなんだかペヨーテの花がよく咲く。育てている植物に花が咲くというのは、何度経験してもその都度むしょうに嬉しい。

2024/09/12 Thu.

 使っているヘアシャンプーとトリートメントの残りが少なくなってきたので、次はどれを買おうか悩んでいる。パッケージのかわいさでは+tmrとYOLUで迷うけど、前者はあまり香りが好みではなかった。後者は悪くない香りだけど、いささか強すぎるきらいがある。それに、YOLUくらいの値段を出すなら、一番好きな香りのTHE PUBLIC ORGANICを買った方が良いんじゃないかとも思えてくる。YOLUの方が若干髪の手触りが良くなる気もするけど、香りが良くて入浴のモチベーションになるのは断然THE PUBLIC ORGANICの方だ。もさもさの髪質が劇的に改善する訳でもなし、少しでも入浴のハードルを下げられる方を選んだ方が良いんじゃないだろうか。それとも、理想の髪質に近付けるシャンプーがこの世に存在する可能性を信じて試してみるべきだろうか。自分の容姿について思い悩むことは特に楽しいことではないものの、コンプレックスが強すぎるあまり容姿に気を遣うことすら自身で禁じていたような時期もかつてはあったので、容姿のことを考えることを許せるくらいには自分のことを認められるようになったのだと思えば、悪いことでもない気がする。もちろん、そう思う一方で、ルッキズムは滅びるべきだと思っているけれども。私や誰かが自分自身のことをどんなに醜いと思っていようが、他人から一方的に美醜を評されるようなことはあってはならないし、「自分磨き」だの「垢抜け」だのに励まずとも醜い(と思っている)ままでのびのびと生きていける社会であるべきだ。私はもさもさの髪を恥ずかしくみじめに思う必要は一切ないし、これを「改善」しなければならない必要性もないのだということは頭の片隅に置いておきたい。
 実家に置いていく本を整理して、UpNoteに一覧を作った。いつかこの蔵書を全て手元に置いておけるようなゆとりのある部屋に住めたら良いけど(もちろん一人で)、とりあえず今は一人暮らしの夢が叶うことを喜んでおこう。

2024/09/13 Fri.

 実家でフライヤーが使える間に挑戦しておこうと、一度作ってみたかったアメリカンドッグに挑戦した。ホットケーキミックスで生地を作り、ウインナーやチーズを包んで油で揚げた。形は崩れたり不揃いだったりになったけど、味はなかなかおいしかった。ケチャップをたっぷりかけて食べた。
 古くなったりんごがあったので、りんごと紅茶のパウンドケーキを焼いた。角切りにしたりんごが甘酸っぱく、紅茶とバターの香りが豊かで、これもおいしくできた。
 「猫めくり2025応募写真採用のお知らせ」のメールが届いた。2024年にもとらちゃんの写真を載せてもらった日めくりカレンダー「猫めくり」に、来年はとらふくの写真が載ることになる。今年は市販のカレンダーに写真を採用してもらえたり、公募の文章をWebメディアに掲載してもらえたりと、なんだか自分の表現が世間から認めてもらえたような感覚があってとても嬉しい。

2024/09/14 Sat.

 梅雨や台風シーズンに備えておいた防災用品を整理した。備蓄している食品の賞味期限を確認したり、持ち出し用リュックに入れておいた荷物を在宅避難用の道具入れに詰め直したり。4年前の水害以来、手回し充電ラジオだの懐中電灯だの色々な物を買い込んだ。自分で買った物だから引っ越し先に持っていこうかとも思ったけど、水害のリスクは圧倒的に実家の方が大きいから、全部置いていくことにした。食品関係の物や衛生用品、工具、タオル類などジャンルごとに分け、何がどこに収納されているかひと目で分かるようにExcelでリストを作って印刷したものを入れておいた。これらの準備が役に立つ機会がなければ、もちろんそれに越したことはない。
 身体を動かしてみようかという気になり、YouTubeの動画を参考に30分ほどエクササイズに取り組んだ。身体が温まって、しっかり汗をかいた。達成感。
 猫達の写真や動画は毎日のように撮っているけど、今日は特に動画をたくさん撮った。撮影したものを見返してはにやにやしている。

2024/09/15 Sun.

 日帰りで両親と遠出した。水俣市の湯の児スペイン村福田農場で、窓越しに海を眺めながらおいしいパエリアを食べた。山に囲まれた場所で暮らす人間としては、青々とした海を見るとどうにもテンションが上がってしまう。甘夏のソフトクリームもおいしかった。外のステージではフラメンコ教室の人達が踊っていて、堂々とした動きや表情がかっこよかった。今まで全くそんなことを考えたことがなかったけど、フラメンコを習ってみたいかもしれないとふと思った。スポーツテストは学年最下位、身体を動かすのは大の苦手、社交不安障害ゆえ今や人前に立つこともできないという、ダンスに向いているとはお世辞にも言えないタイプの人間だけど、これでも子どもの頃に10年ほどバレエを習っていた。当時も今も身体はものすごく固いし、しかも現在は太ってしまったのでバレエのレオタードはとてもじゃないが着られない。でも、フラメンコなら、バレエほどの柔軟性は必要なさそうだし、体格が良くてもむしろ迫力が増すのでマイナスには働かない気がする。スペインのかっこいい音楽に合わせて衣装の裾をはためかせて踊るのは楽しそうだし、堂々と自信ありげな立ち居振る舞いが身に着きそうで、むしょうに「なんだかいいなあ」と思えてくるものがある。昨日、リバーダンスのマリア・パヘスのファイアーダンスをYouTubeで観たのもあって、靴のかかとをかつかつと慣らして踊ることへの憧れが募ってくる。来月から住む都会なら、初心者向けの教室もあるだろう。もうちょっとの勇気が出たら、ピアノ・バレエ・英会話以来の習い事をもしかすると始めてみるかもしれない。
 帰りに寄った道の駅で、地元の工房が作っているらしい湯呑みやティーカップが販売されていた。市販の量産品とは違う味わいのある作りで、これまた「なんだかいいなあ」と思うものだった。今まで食器の類は「安くて、少しかわいければそれでいい」と思う程度のこだわりのなさだったのに、こうした手作りの作品に対して急に強い魅力を感じたので驚いた。麦の穂のような絵が描かれた湯呑みに特に惹かれて、思ったより手の出しやすい値段(なんと1000円しなかった)だったので買おうかものすごく迷った。せっかくだから買えば良かったのに、母親からからかわれそうな気がしてためらってしまい、結局買わずじまいだった。惜しいことをした。