2025/01/13 Mon.
久し振りにピアノを弾いた。舞台「魔法使いの約束」の楽曲「出発の序曲」がすごく良かったので、個人の方が書き起こした楽譜をネットで検索して、2時間以上みっちり練習した。ピアノを年にほんの数回弾くか弾かないかといったような人間なのでもちろんすぐに弾けるようにはならなかったけど、鍵盤を叩いてまほステの音を出すのが楽しくて、夢中になった。その間、うるさかったのか猫達はこたつに潜り込んで隠れていた。
明日福岡へ戻るので、かさばる服や重い書籍などを段ボール箱に詰めて、ゆうパックで発送した。キャリーケースを開くと、さっそく中にふくちが入り、もそもそと寝心地を確かめていた。
夜、震度4の地震があった。ゆらゆらと揺れるタイプの地震だった。いきなり揺れるよりは予告があった方が良いのかもしれないし、そういう通知はちゃんと注意が向く音であるべきというのは分かってはいるけれど、スマホから突然ぎゅいんぎゅいんと物々しい大音量が発せられてものすごく心臓に悪かった。猫達は通知が鳴るやいなやソファの下に飛び込んでいた。LINEやメールで安否確認のやりとりをし、恐る恐る姿を見せ始めた猫達をなだめ、どうか余震がありませんようにと願いながら寝た。不安で寝つけず寝不足になって、明日の新幹線で寝過ごして新大阪まで行ってしまったら困るなあと思っていたけど(万一そうなったら改札内で大阪みやげを自分用に買う)、案外すんなり眠れた。
2025/01/14 Tue.
朝、高速バスと新幹線を乗り継いで福岡に戻ってきた。バスで眠りこけ、新幹線の中でも眠かったけれど、新大阪まで寝過ごすことなく無事博多で降りられた。
3週間ちょっと振りの一人暮らしの部屋に帰ってきて、ほっとしたのがとても嬉しかった。実家に帰った時も安心するけど、同じようにこの部屋も安心して帰ってこられる場所になったらしい。
ゆうパックが届く時間帯までまだ時間があるので、先に商店街の八百屋とスーパーに行き、空っぽの冷蔵庫を埋める食材を買ってきた。
さて荷解きをするぞと意気込みながら帰宅して、部屋の中で起きていた大事件に気付いた。最初に帰り着いた時から、部屋の中がなんとなくうっすら臭っていた。生ごみは置いていないはずなのにどうしてだろうと思いながら、買ってきた食材を入れるべく冷蔵庫を開けると、庫内が冷えていない。まさかと思い冷凍庫を開けると、中の食材は全て溶けていた。長い帰省になるからと「冷蔵庫コンセント」と書かれたブレーカー以外のブレーカーを全て落としておいたのだけど、私が冷蔵庫コンセントとして使っているコンセントは「冷蔵庫コンセント」ではなかったらしく、冷蔵庫の電源が3週間超切られていたのだった。冷蔵庫はともかく、冷凍庫の中身は大惨事だった。冷凍していた肉類、野菜、作り置きおかず、ごはん、食パン、アイス、それら全てがどろどろに溶けている。当然腐っているので、酸っぱいような悪臭も庫内に充満している。ああ、やってしまった……。
とりあえず、何重かに重ねたごみ袋に腐った食材を詰め、手元にある掃除用品で庫内を掃除した。燃えるごみを出す日が明後日であることに気付き、思わず天を仰ぎたくなった。2日間、このごみ袋を部屋の中に置いておかなければならないのか。掃除がひと段落した所でドラッグストアに行き、キッチン用アルコール消毒スプレーや冷蔵庫・冷凍庫用の消臭剤を買ってきた。とりあえず見た目はきれいになったものの、凄まじい臭いはまだ消えそうにない。ここに食材を入れたら、たちまち傷んでしまうんじゃないかと思うほど臭い。
冷蔵庫のブレーカーを落としていたこと自体は不運だったけど、この失敗をやらかしたのが真冬だったのは本当に幸運だった。もしもこれが真夏だったらどうなっていたことか、考えるだに恐ろしい。ポジティブなことが必ずしも良いこととは限らないけれど、このがっかりするような出来事を「真冬で良かった」「賃貸の床を汚していなくて良かった」と捉えられたことも、自分のメンタルの健康状態がどうやら良好であるらしいと思えて嬉しい。マンションの部屋が寒いことに、まさかこんなに感謝する日が来ようとは。本当に、本当に冬で良かった。
パスタを茹でて晩ごはんを食べ、実家と違うひどく狭い浴室でシャワーを浴び、布団に潜り込んだ。この部屋に帰ってきて安心できたことも嬉しければ、トラブルに対して割と冷静に対処できたことも誇らしい。これからもまた一人暮らしをやっていけそうだと、先のことを悲観せず考えられることも喜ばしい。とはいえ、来月また猫達に会いに帰ってくればと父が言ってくれたので、来月も2泊3日くらいで猫目的の帰省をしようと考えている。父がそう言ってくれたのが何より嬉しかったし、晩ごはんを作れば母も喜んでくれるし、お茶をしに行けば祖母もすごく喜んでくれる。働き始めればこまめな帰省はできなくなるだろうから、今のうちにちょこちょこ帰っておこう。相手が誰であれずっと一緒に暮らしているといらいらしたり不満が溜まったりするものだけど、こうして実家を出てみると、家族のことを大好きでいられるちょうど良い距離感というものがあることに気付ける。
2025/01/15 Wed.
久し振りの就労移行支援。重要事項説明書や利用契約書について、職員さんと一対一で説明があった。
スーパーに寄って食材を買って帰ったものの、腐臭漂う冷蔵庫に入れるのがためらわれる。交差点で信号が変わるのを待っていたら、スカートの裾が風でなびいて足に触れて、一瞬とらふくのしっぽがかすめたかと錯覚してしまった。あのかわいくて気ままで愉快な2匹のふわふわがもう恋しい。
2025/01/16 Thu.
路線バスに乗ったら、すぐ隣の人と上着などが接触する感触が嫌で嫌で、こんな不快な思いをするくらいなら30分歩いた方が良かったかもしれないと内心で呻いた。通勤電車なんてとても無理だ。隣の人が汚いとかそういう話ではなく、「自分以外の他人」や「他人が触った物」がどうしても駄目だ。文学部の学生時代に講義でウィルトゥスという概念が出てきて(確かウィルスの語源だった気がする)、「キリストが触れた物が聖遺物になる」という話があった。詳しくは覚えていないからうろ覚えだけど、同じように私にとっては他人が触れた物が全て「人が触った物」に変わってしまう。聖遺物と違って、なんとなく忌避したいような物ではあるが。そんなことを言っていたら世の中のほとんどの物は「人が触った物」なのだけど、それについて考え始めてしまうと私は地上の全ての物に触れられなくなってしまうので、日頃なるべく考えないようにしている。別に自分が清潔で清らかなどとは思っていないけど、なんか嫌なんだよなあ。
先日、通院している精神科の受付で「自立支援医療と障害者手帳の更新時期が今はずれている状態だから、相談員に尋ねて更新時期を合わせると良い」と言われた。色々と説明はあったものの、いまいち仕組みを理解できなかった。また「相談員に聞いてから、病院に電話するように」とも言われていたが、ただでさえ電話が苦手なのに、電話口で何をどう伝えて良いかも分かっていない。分からないならその場で訊けば良いものを、久し振りの家族以外の人との会話に、ただ「はい」「分かりました」「ありがとうございます」を繰り返すのが精いっぱいだった。分かっていないのに。多分、診断書や意見書の類が要る場合は用意するから伝えるようにという意味だったのだろうとは思っている。でも、相談員って誰だ。
とりあえず区役所のそれらしい窓口に行き、自立支援と手帳の更新時期を合わせる手続きをしたいと話した。すると、両者の更新時期は既に同じになっているからその必要はないと言われ、更新時期は来ているからその手続きなら今できるとのことだった。自立支援医療の更新なのか、手帳の更新なのか、両方なのか、それすら理解できていない。私ってこんなに頭が悪かったのか。訳が分からないまま数枚の書類に記入し、その更新手続きは済んだ。診断書は要るかと尋ねると、今年は提出しなくて良い年なのだと言われた。じゃあ、精神科には電話しなくて良いのかな。頼むからそうであってくれと祈る心地。
ともかく必要な手続きは済んだらしいので、そのまま天神をうろうろした。地元にはないかわいい雑貨や文房具を心ゆくまで眺めて楽しかった。ただ、欲しいと思ってもレジで人と接するのがストレスになるので、今日は何も買わなかった。物欲が強い自分にとっては、社交不安障害が衝動買いのブレーキになっているらしい。良いことなのか、そうでないのか。レジで小銭を出すのにもたついたり、「ありがとうございます」と言うも滑舌の悪いぼそぼそ声だからか聞き返されて気まずくなったりという場面は日常でしょっちゅうある。
久々に、一日の歩数が一万歩を超えた。この調子でなるべく歩いて、帰省中に若干増えた体重をなんとかしたい。
自分みたいな不美人がピンクなんてかわいい色を着ちゃいけない、という呪いが長年染み着いていたものの、最近になってようやくその呪いを解こうという気になっている。注文していたピンク色のスウェットが届いたので、さっそく着てみた。くすんだピンクだから着やすいというのもあるけれど、自分には駄目だと固く思い込んでいた割に、着てみれば案外なんともない。机を買い替えたのもそうだし、一人暮らしを始めたのもそうだけど、ピンクの服を着てみたことについても「無理だと思っていたけど案外なんとかなるらしい」と思えた。就職や、親からの経済的自立といった課題についても、そんな感じで案外なんとかなってほしい。
商店街の八百屋さんでキウイが4個250円で売られていたのを買ってきた。いちいち切るのが面倒だからと全部一度に皮を剥いて、一口大に切ってタッパーに入れたものの、今の冷蔵庫に入れたら間違いなく腐臭が移ると気付き、一気に全部食べてしまった。おいしかったけど、当然のように舌が痛くなった。
2025/01/17 Fri.
朝、布団の中があまりにも快適で、なかなか出られない。就労移行支援の契約期間が始まってしまった以上、あまり休みたくはないので、なんとか這い出して家事と身支度を終わらせた。
就労移行支援で、Wordで文書を作る練習問題に取り組んだ。解答の「~との報告が経理部より発表がありました」という言い回しにすごくもやもやした。私だったら、「経理部より、~との報告がありました」とか「~との報告が、経理部より発表されました」とかにしたい。
脱臭炭を冷蔵庫と冷凍庫にそれぞれ2個ずつ突っ込んではいるものの、まだまだ改善の兆しが見えない。ボトルの水出し緑茶にまで異臭が移っている。
軽い気持ちで前髪を切り始めたら、どう見ても切りすぎてしまった。視界はとても良好になったので、鏡さえ見なければ問題はない。
Blueskyから
・「社交不安障害を治せば”普通”になれるはず」「社交不安障害を治して”普通”にならなければいけない」っていう世の中由来の思い込みでずっと苦しかったのがやっと「社交不安障害でも私は私のままで良い」と自分自身を認められるようになったんだけど、就労移行支援に通ってるとやっぱり病気は病気なんだなってやんわり突き付けられる心地がする
・こういう場面や状況が苦手ですと伝えて「それはこういう理由でですか?」とか訊かれても、そういう病気の症状だからとしか答えられないし、私がここ10年で何百回何千回考えても分からないことが臨床心理士でもない会ったばかりの人に理解されるとも思えず
・こちらとしても説明しようがないし他の利用者さん達がいる場所であれこれ言いたくないから「そうかもしれないですね〜」ってぼかしちゃってそれで向こうは納得してるみたいなんだけど、なんだかな〜
・職員さんがこちらのこと理解しようとしてくれてるのは分かるから、つい職員さんが理解しやすく納得できる(と私が勝手に想像する)ような答えを捻り出して提供してしまう
・分かりやすい答えだと「知能指数が高いから色々考えて不安になりやすいのかもと心理士の先生からは言われました」があるけど周りに他の人がいる状況で言えないすよ
私も「こういう理由でこんな場面に不安を感じるので、この方法で改善していきたいです」みたいにはっきり分かりやすい回答ができたらって思うよ 私がどれだけ原因探し理由探しをしてきたことか
・考えて分かるものじゃないのに、分からないから自分の努力や意欲が足りないんじゃないかと自身を責めるまでがセット
・「治せば幸せになれる、治さないと幸せになれない」から「治らなくても幸せになれるし幸せになっていい」の境地にやっと至れたのに、なんか、やっぱり駄目か〜にさせないでほしい
2025/01/18 Sat.
前髪を切りすぎたと思っていたけど、一晩経ってみると、これはこれで良いかもしれないと思えた。悲嘆に暮れる必要はなかったらしい。
就労移行支援。Excelの練習問題を解いた。本来は、1問解くごとにスタッフさんに確認してもらわなければいけないんだろうけど、手が空いているスタッフさんがいなかったのもあって、解いた5問全てを一度にまとめて確認してもらった。
夕方、妹とカフェでおしゃべりして、とても楽しかった。コーヒーもケーキもおいしかった。店内にはコーヒーの木の鉢植えがあり、店先にはつぼみをつけたリュウゼツランらしき植物が植わっていた。私が育てているコーヒーの木と同じくらいの大きさかと思ったけど、帰宅して自分のを見たら、こちらの方がひと回り大きかった。ちょっと勝った気分(?)。
大嫌いなお風呂掃除をやっつけようという意欲が突如湧き、スマホでまほステの音楽を聴きながらいそいそと頑張った。その勢いで湯船にお湯を張り、心ゆくまで長風呂した。晩ごはんは、適当に作った炒め物と、昨日作った鶏そぼろの残りと、ごはん。丁寧な暮らしとまではいかなくても、人間らしい生活をしている実感があって良い。
2025/01/19 Sun.
特別展「九州真宗の源流」を見に、福岡市博物館へ行った。何の気なしに展示を見ていたら、実家から徒歩5分の場所にあるお寺の所蔵品がいくつも展示されていてびっくりした。せっかく障害者手帳で無料だからと他の展示室も覗いてみると、ゲーム「刀剣乱舞」でおなじみの圧切長谷部と日本号が展示されていて、またびっくりした。受付に長谷部と日本号のわんぱくぬいまである(ちょうど昨日、歌仙兼定のわんぱくぬいを注文した所だったのでなんだかタイムリー)。常設展の金印も眺めて、ミュージアムショップに立ち寄ると、刀ステの日光一文字のパネルが置いてあってまたまたびっくりした。とうらぶ、すごいなあ……。
以前この博物館に来た時、某極右政党の代表によるヘイト本がミュージアムショップに置いてあって絶句したのだけど、今日ざっと見た限りではその著者の名前は見当たらなかった。私が見落としていたのではなく、本当にその場になかったのなら、すごく安心できる。あんな物を公共施設に置いておいて「アジアのリーダー都市に!」なんてキャッチコピーを掲げるなんて、あんまりにもあんまりだから、ひとまず良かった。
そのまま福岡市総合図書館に寄ろうかと思ったものの、お昼にありつきたくてマークイズももちまで歩くことにした。とはいえ土日なのでフードコートが埋まっているかもしれないと気付き、途中のパン屋さんに寄ってイートインで食べた。この判断は大正解で、マークイズももちの店内は凄まじい人の多さだった。どこもかしこも人だらけで、ここではとてもごはんは食べられなかったと思う。
観葉植物を売っているお店に、コーデックスの小さな鉢植えがあってすごくテンションが上がった。アルブカとオキザリスとものすごく迷いに迷って、オーニソガラム ジュンシフォリウムの鉢を買ってしまった。これがなんと、つぼみがついている。北西向きの日の当たらない部屋だけど、咲いてくれるといいなあ。
天神で地下鉄を降り、歩いて帰宅。道行く人に声を掛けては「建物内に入ってチラシを受け取ってくれるだけで良い」と言う営業の人にまたしても捕まってしまい、「すみません、すみません、ごめんなさい、お疲れ様です」と平謝りしながらなんとか逃げ切った。はっきり拒絶できない私にも問題はあるのだろうけど、何も悪いことをしていないのになぜ私は謝り倒しているのか。「建物に入らなくても、入口の前まで来てくれれば良い」「30人にチラシを配らないといけないから」と食い下がられて、苦しかった。こういう営業の仕方をされてその会社に好印象を抱く客はごくごく少ないだろうに、このやり方を指示している経営者は一体何を考えているんだろう。