カテゴリー: Diary

週間日記(2025/02/10-02/16)

2025/02/10 Mon.

 先週行き損ねた皮膚科に行き、一ヶ月分の塗り薬と飲み薬をもらった。帰り道に見かけた学習塾の建物に「知恵の木の実」という名前の書店(多分)があり、ここで知識を得たら取り返しのつかない事態になりそうな店名だと思った。楽園から追放されそうだ。
 商店街の八百屋さんに色々な柑橘が並び出したのを見て、すごくうきうきした気分になった。以前よそで食べておいしかったのを思い出し、紅八朔を買ってみた。八百屋さんの店先にあるというだけで、野菜も果物もとびきりおいしそうに見えてしまう。もちろん、実際においしい。
 去年撮ったとらふくの写真でフォトブックを作るべく、写真を選んだ。数千枚の写真の中からとびきりかわいく(あるいはおもしろく)撮れた写真を厳選して、ようやく300枚程度に絞り込んだ。こうして写真を見返していると本当にかわいくて、よくこの魅力的な生き物から離れて暮らすことを決めたなと我ながら驚く。今週末に3泊4日で猫目的の帰省をする予定なので、心ゆくまでかわいがりたい。

2025/02/11 Tue.

 就労移行支援。事務仕事を想定した、伝票整理の訓練。1回の作業は15分足らずで終わり、その都度スタッフに確認をもらわなければならないものの、フロアにいるスタッフさんは大抵他の利用者さんの対応をしているので、なかなか話しかけられるタイミングがない。結局、作業をしている時間よりも、何もせずに待っている時間の方が多かった。
 昨日のとらふくフォトブック作りの続き。しまうまプリントのアプリを使って各ページに画像を配置していき、何度か見返して大丈夫そうだったので注文した。届くのが楽しみ。
 夕方、むしょうにたくさんものを食べたくなり、結構な量の晩ごはんを食べた。大根の煮物、味つけ卵2個、野菜スープ、辛ラーメン焼きそば、紅八朔1個。食べて気分が晴れたということもなかったけど、とりあえず満腹にはなったのでこの辺でやめておいた。臓器から血を流しながら泣き言も言わずに生活しているんだから、いっぱい食べるくらいは別に良いと思う。月一の頻度で生理が来ることなんて滅多にないので、まだ一ヶ月くらいは煩わしい思いをしなくて済むと安堵していたのに、前回の生理から30日程度で来たのでがっかりしている。それが正常なサイクルではあるんだろうけど、面倒くさくて仕方ない。
 泣き言どころか、トイレ掃除やお風呂掃除までしてしまった。偉すぎる。

2025/02/12 Wed.

 夕べたっぷり食べたのに、お腹が空いて目が覚める。健康的な目覚め方ではあるかもしれない。
 就労移行支援。ビジネスメールの書き方を学ぶ。仕事でメールを使ったことはないし、かしこまったメールの書き方もよく知らないので、勉強になった。メールの文章を考えるだけなら良いものの、会社の上司などに送るとなると緊張してしんどいだろうなと思った。
 住めば都とはよく言ったもので、今やすっかり自分の部屋を気に入ってしまった。北向きで日当たりは悪いし、窓の外の景色も良くないし、台所もお風呂も狭いし、床は歩くとぎしぎし鳴る箇所があるしで、不満に思う部分もあるにはある。だけど、それ以上に良い部分がある。何より立地が素晴らしい。天神にも博多にも歩いて行けて、徒歩10分の場所に小さいけれどスーパーとドラッグストア、そして商店街がある。八百屋さんで野菜や果物を買うという行為は、なんともいえない幸せと満足感をもたらしてくれる。もちろん、部屋自体も良い。それなりに静かだし、暖房をつければ暖かいし、水道からはお湯も出るし、冬だからか黒光りする素早い虫も見かけなくなった。私が住みやすいように整えた、私だけの巣。4ヶ月前に初めてこの部屋に足を踏み入れた時は、「ここに住むのか……」と心許なく思ったものだけど、案外なんとかなるものだ。そう感じられることもまた嬉しい。

2025/02/13 Thu.

 日用品を買い足しに、百均へ行く。途中、例の路上での勧誘(「チラシを受け取ってくれるだけで良いので」と建物の中へ案内される)にまたしても捕まってしまった(関係ないけど、路上での勧誘って「舞踏への勧誘」みたいな言い回しだ)。私がそこを通らなければ良い話なのだけど、迷惑な営業を避けるためにこちらが対策を講じなければならないというのもなんだか悔しい。もううっすら顔を覚えた気もする営業の人が、私の姿を見つけるやいなやまっすぐこちらに向かってきて、声をかけてきた。カモになりそうな人間だと認識されているんだろうか。とはいえうんと頷く訳にもいかないので、「すみません、この前もお断りしたので……」とよく分からない断り方をごにょごにょ述べて、「風邪引かないでください、失礼します」と付け足してそそくさと逃げた。変な人だと思われただろうな。でも、笑顔でお礼を言う声が背後から聞こえた。あの過酷な仕事をやっていても笑顔を保てるなんて、素直にすごいと思う。先日、私の前を歩く人がこの営業に声をかけられている場面に出くわした。話しかけられた人の方は、見ているスマホの画面から全く顔を上げず、営業の人に対して完全な無視を決め込み、一切反応を返さずにいた。なるほど、ああいう風に対応するものなのか。自分にできるだろうか。できたらできたで、「あの人も好きであの業務をやっている訳ではないだろう」「道行く人に無視され続けるのは神経がすり減るのでは」と、無駄な想像力を働かせては、なけなしの良心が痛みそうな気もする。自分が初めてのアルバイトでチラシ配りをして驚くほどしんどい思いをしたから(社交不安障害と診断されるきっかけになった)、他人も同じようにつらいんじゃないかと勝手に邪推しているだけかもしれない。
 百均でポリ袋だのウェットティッシュだのを買い込み、INCUBEでかわいい雑貨を眺めるだけ眺めて、ミスドでドーナツを買って帰宅。追加で拭き掃除をしたからか冷凍庫の異臭が随分ましになったので、オールドファッションを冷凍しておこう。うろうろ歩き回ったので、7,000歩の散歩ができた。
 午後、製本された日記ZINEが届いた。あと少し勇気が出たらネットショップなり何なりで販売してみようと目論んでいるので、少し多めに刷ってみた。1冊でも売れるか怪しいところだけど、「作ったZINEが売れる」というより「ZINEを作って販売する」こと自体に憧れがあるので、売れなくても売りさえすれば自分は満足できるはずだ(とはいえ、売れたら売れたでもちろん飛び上がるほど嬉しい)。やっぱり、自分が書いたものが本の形に印刷されているものを見ると、ものすごくテンションが上がる。こんなに楽しい趣味を持つことができて、私という人間はとてつもなく幸せ者なのかもしれないとさえ思えてくる。せっせと日々のことを書き留めてきたかいがあったなあ。創作活動、最高。

2025/02/14 Fri.

 午前中は就労移行支援に行き、その足で帰省する予定だった。ところが、最寄りの地下鉄の駅でコインロッカーにキャリーを預けようとしたところ、ロッカーに空きがなかった。早めの時間に出かけてはいたものの、キャリーを置くために今からまたマンションに戻っていると就労移行支援には遅刻してしまう。じゃあ隣の駅のコインロッカーはというと、やっぱりそちらに行っていても遅刻は確定だ。なんだかやる気を失ってしまい、今日の就労移行支援は休むことにした。どうせ2時間後にはまた出かけるのだと思うと、キャリーを引きずってマンションに戻るのも億劫なので、そのまま博多駅へ向かった。
 バスターミナルのコメダ珈琲店でコーヒーを飲みながら、本を読んで新幹線までの時間を潰した。ずっと積読状態になっていた『チベットの死者の書』をようやく読み始めた。人のいる空間で過ごすという点では、就労移行支援と変わらないと言い訳をする。外食の練習にもなるし。
カフェインレスコーヒーとフィッシュフライバーガーを平らげて、アミュの丸善を覗いた。山川出版社の世界史リブレットというシリーズがおもしろそうだった。心理学の本が充実している棚も、癖で一応眺めた。新幹線で熟睡。
 乗り継いだ高速バスは窓が大きい車両だったので、外の景色がよく見えて楽しかった。薄明るい空を背にした木々のシルエットが美しくて、ずっと見ていられる気がした。葉が落ちたものもそうでないものもきれいだった。
 実家に帰って、ひとしきり猫と遊んだ。とらちは階段の半ばまで逃げかけて、私だと分かると安心したようだった。ふくちはひたすら私の服の匂いを嗅いでいた。父母とあれこれおしゃべりして、楽しかった。夜は布団の足元にふくちが来て、私の足を枕にするようにして寝た。猫と一緒に寝る幸せ。

2025/02/15 Sat.

 ふと思い立って、3時間以上も庭の草むしりをした。ほとけのざ、はこべ、ノビル、オランダミミナグサ、からすのえんどう、すずめのえんどう、やえむぐら、マツバウンラン、よもぎ、ムラサキカタバミといった見知った面々を力の限り引っこ抜いていく。久し振りの庭仕事は本当に楽しかった。ストレス解消になるし、庭はきれいになるしで良いことずくめだ。しゃがみっぱなしによる腰痛の気配がするので、申し訳程度にストレッチをしておいた。
 夕方、珍しくとらちが膝に乗ってきた。床に座った私の膝の上で、時々立ち上がってもそもそと姿勢を変えてはくつろぎ、結局1時間20分ほども膝にいた。とらちが人間の膝に乗ること自体が珍しいのに、こんなに長時間いてくれたことは子猫の頃にだってなかった。すぐには立ち上がれないほど足が痛くなったけど、かわいくて重くて温かくて幸せだった。

2025/02/16 Sun.

 小豆を煮て、ぜんざいを少し作った。その間、卵が多めにあるからと母はカステラを焼いていた。
 おみやげやバレンタインチョコを持って祖母のアパートへ遊びに行き、おしゃべりしてお茶を飲んだ。祖母が楽しそうにしていてくれて良かった。近所の川沿いまで、一緒に少し散歩した。

週間日記(2025/02/03-02/09)

2025/02/03 Mon.

 ルルメリーのお菓子を買いたいがために、六本松の蔦屋書店まで行った。いざ実物を見ると、お値段の高さに怯む。とはいえ、やはりパッケージがかわいい。迷いに迷って自分用にひとつだけ買った。平積みの本で見かけた、リボベジというものが気になっている。捨てる物で手軽に園芸気分が味わえるのは楽しそうだし、手始めににんじんででもやってみようかな。
 天神に戻ってきて、今度は父母と祖母に渡すバレンタインチョコを探し回った。三越と大丸のデパ地下、大丸8階の催事場をうろうろさまよって、ようやくこれと決めて購入した。父母にはデメルの洋酒入りトリュフ、祖母にはメリーチョコレートの紅茶や柚子など色々なフレーバーの詰め合わせ。父母のは地元では手に入らなさそうな物、かつパッケージが小さく個数も少ないので一見値段が張りそうには見えない物、祖母のは食べ慣れた味の日本製のチョコながら、少し珍しい風味が楽しめそうな物。本当に迷いに迷って選び抜いた。無限にある選択肢の中で、お財布と相談しつつの宝探しだった。自分用のチョコなら簡単にいくらでも選べるけれど、欲を出したらきりがないので、ふくちによく似た猫のイラストが描かれたメリーチョコレートのチョコだけ追加で買った(自分用のバレンタインチョコはこれで2個目)。
 帰宅してしばらく経ってから、明日から雪が降るらしいという天気予報アプリの通知を思い出し、今日の内にとスーパーへ食材を買いに行った。八百屋さんをはしごして野菜も買ったので、冷蔵庫の中がとても充実した。未だに異臭はするが。甘夏も買った。レジで思わず、「ここの甘夏をこの前買って食べたら、すごくおいしかったです」とお店の人に伝えてしまった。すると、これからどんどん柑橘が増えてきますよと教えてくれた。良いことを聞いた。
 明日から朝ごはんに食べるためのトマトスープを4食分作って、冷蔵庫の異臭が移らないことを祈りながらタッパーに詰める。これで朝から野菜を摂取できるし、温かいスープが飲める。晩ごはんは、変な組み合わせの料理を食べた。何かおいしいものを食べたいという欲求に駆られて買ってきた294円の刺身用サーモンは雑な丼にして、賞味期限の迫った豆腐はこれでもかと野菜を足してスンドゥブに。後は切って塩を振ったトマト。実家で家族の分まで作るごはんだったら絶対こんな献立にはしないけど、自分一人のためだけに用意したメニューだと思えば、なかなか満足感がある。お手軽な幸せでいいや。

2025/02/04 Tue.

 朝起きたら、ちらちらと雪が降っていた。ベッドにいるまま、カーテンの隙間から窓の外の雪を眺めるのは楽しい。しばらくそうしていたかったけど、いそいそと起き出して身支度なり朝ごはんの準備なりを始めた。いつもより30分早い時間に起きると、朝ゆっくりできていいな。
 外はすごく寒い。就労移行支援で、Wordの練習問題を4つほど解いた。
 帰りに商店街を通ったらつい誘惑に負けて、お店の前で売っていたタンドリーチキンカレーのお弁当と、ひとパック100円のからあげを買ってしまった。このタンドリーチキンが本当においしくて、もう買うのは多分3度目になる。他のメニューも試してみたいのに、おいしすぎるあまりにこればかり選んでしまう。それから、ずっと買いたいと思っていた、八百屋さんの生花も買った。かわいいピンク色のラナンキュラスとスイートピーが1輪ずつセロファンでくるまれていて、300円しない。敷居の高い花屋さんでこの本数を買うのはまだ勇気がないけど、八百屋さんだと野菜のついでという体で買えるので助かる。佐賀県産のレモンもおいしそうだったので、一緒に買った。
 帰宅して、カレーとからあげを食べる。ここのからあげは初めて食べるけど、これがまた想像以上においしかった。カレー屋さんならではのスパイシーな味付けで、冷めているのに衣はざくざくで、すごくおいしい。もちろん、カレーもおいしい。パックの蓋を開けた途端に、食欲をそそるスパイスの香りが辺りに充満して幸せだった。絶対に、いつかは店内でできたてを食べたい。
 さっそくラナンキュラスとスイートピーを一輪挿しに活けて、デスクの端に飾った。園芸店でアルバイトをするまでは、「切り花なんて花の死骸」「育つ楽しみがあってこその植物なのに」と思っていたけど、職場で毎日たくさんの切り花を扱ううちにその魅力が分かるようになってきた。おかげで、今こうして2輪の花を飾り、ひと足早い春の気分を味わえている。部屋に生花があると、すごく気分が華やぐというか、潤うというか、とにかく思っていた以上の良さがある。今度から、気が滅入るようなことがあったら、八百屋さんで花を買うことにしよう。絶対に良い効果があるはずだ。それにしても、スイートピーって本当に良い香りだ。柄じゃないのはもちろん、実家の猫に嫌われたくないし、蜂に寄ってこられても困るので自分が香水を付けることはまずないけど、スイートピーの香りがする香水だったらちょっと欲しいかもしれない。
 ずっと読もうと思っていた『差別はたいてい悪意のない人がする』(キム・ジヘ、大月書店)をようやく読んだ。私も例に漏れず差別をされた経験ばかりに意識が向くけど、自分が無意識のうちに差別してしまわないように気を付けることの重要性を改めて考えるきっかけになった。SNSでよく見る「逆差別」といった主張がなされる仕組みも分かりやすく説明されていて、なるほどそういう視点でものを考えていたのかと腑に落ちた。メモを取りたい箇所がたくさんあったので、後日UpNoteに打ち込まなければ。

2025/02/05 Wed.

 今日も雪がちらつく。
 就労移行支援に行き、ストレスとその対処についてのプログラムを受講した。
 『差別はたいてい悪意のない人がする』のメモしたい箇所をUpNoteに打ち込んだ。記録としては残しておいたので、今度はそれを記憶として定着させるべく、先日用意した知的好奇心ノートに書き写し始める。この内容が必ずしも全部頭に入ってくれるとは限らないけど、少しでも血肉のように生きた知識にしたい。
 晩ごはんは、市販のたれを使ってルーローハンを作ってみた。独特な香辛料の風味がして、「なるほど、こんな味がする食べ物なのか」と思いながら食べた。食べたことのない食べ物に挑戦しようとする意欲は、今後も大事にしていきたい。

2025/02/06 Thu.

 時々雪が舞う。
 皮膚科に行こうと思っていたものの、調べたら今日は休診日とあった。
 チャーシューまんを作った時のラードがまだ随分残っているので、それを使ってポルボロンを作った。さくさくほろほろの食感で、我ながらなかなかおいしい。
 前回宅急便を届けてくれたドライバーの方の対応が、すごく感じの良いものだった。自分が接客業をやっていたらぜひこの人を見倣いたいなと思うような振る舞いで、たった二言三言の事務的な内容(サインは要らないなど)の会話にも関わらず、あんなに丁寧でにこやかな印象を与えられるなんてすごいと尊敬した。せっかくだからと、気持ちの良い接客をしてくれたことへのお礼を、宅急便会社のサイトの問い合わせフォームに入力して送信した。今日またその人が宅急便を届けてくれて、私がメッセージを送ったことへのお礼と、その人が会社で表彰を受けることになったとの旨を伝えてくれた。嬉しそうにお礼を言ってくれたことも、素敵な仕事振りをしている人がきちんと評価されたことも、何もかもとても嬉しかった。また他の機会でも、積極的にこういうことをしていきたい。

2025/02/07 Fri.

 今日も雪。風が強い。
 就労移行支援で、「誤字脱字チェック」という訓練に取り組んだ。印刷した書類から、誤字脱字を探して訂正するというもの。主に漢字の変換間違いが多い。なんだか身に覚えのある作業だと思ったら、先月、日記ZINEの入稿前に散々やっていたことそのものだった。それを思えば、ページ数が3桁に及んでいることもなければ、読む文字数もはるかに少ないので、随分気楽にやれる。
 夜は、九州交響楽団の定期演奏会を聴きに行った。徒歩20分かそこらでプロのオーケストラの演奏を聴きに行けるなんて、本当に贅沢な環境だ。開場時間に合わせて早めに席に着き、持ってきた文庫本を読んだ。広津和郎の「神経病時代」は、読み返してもやっぱりおもしろい。読書がはかどったことも嬉しい。
 演奏会が始まる前に、先月亡くなられた桂冠指揮者の方のために、G線上のアリアが演奏された。その演奏が本当に美しくて、これまでに何度も聞いてきたはずの曲なのに、G線上のアリアで泣くという初めての体験をした。オーケストラの演奏会で感動して涙を流すこと自体が初めてだ(不安や悲しさによって不本意ながら泣いたことは過去にある)。曲が美しいのはもちろん、亡くなられた故人の追悼のためにこの美しい演奏を送るという行為自体がどうしようもなく美しく尊いものに思えて、涙が出て仕方がなかった。
 ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」の「イゾルデの愛の死」は、最近演奏会で聴いて、普段CDで聴く演奏とはまた違った雰囲気でいいなと思い、今回のもやはり良かった。マーラーの交響曲第5番の「アダージェット」とブラームスの交響曲第1番は、大好きなアニメ「銀河英雄伝説(OVA版)」で慣れ親しんでいることもあって、それぞれの場面の台詞や映像が頭の中で再生されて楽しかった。こういう曲が惜しみなくBGMとして使われているアニメ、贅沢すぎる…。ところが、ブラームスの後半で隣の席の人がリズムに合わせて頷くように頭を揺らしたり、音を立てずに手拍子を打ったりし始めた。他人の音楽の楽しみ方にケチをつけるような権利は私にはないので何も言えないし言わないけど、気が散るからやめてほしいなとは内心思った。ともかく、ただオーケストラの演奏を聴くだけの時間を過ごすというのはいいな。読書に集中できた後のような静かな充実感がある。パンフレットに他の演奏会のチラシが大量に挟まれていたので、また気になるものがあったら行ってみよう。
 寒い中を歩いて帰り、小腹が空いたのでコーンスープを飲んだ。胃が温まって気分もほぐれ、とてもおいしかった。よく眠れそう。

2025/02/08 Sat.

 連日寒い。今日もたまに雪が降る。
 就労移行支援で、よその事業所の卒業生の話を聞くオンラインプログラムに参加した。人には人の事情や地獄があるとはいえ、そもそものスペックが高すぎて自分には参考にならないという感じはした。
 事業所を出てそのまま地下鉄に乗り、行ってみたいと思っていた護国神社の蚤の市へ向かう。人がすごく多かった(でも、土日の天神よりは若干マシ)。古い物や手作りの物、色々なおもしろい物が目白押しで、見ていてとても楽しかった。イギリスのティーセット、フランスのフェ―ヴ、猫モチーフの雑貨、羊毛フェルトのマスコット、ぼろぼろのマンドリン、レースにフリル、ガラス製品、鹿の骨、流木、盆栽、花苗、その場で調理したパエリア、食欲をそそる香りのカレー、スパイスたっぷりのチャイ、ごつごつとした大きなスコーン、とにかく様々な物がある。お腹が空いていたので、キッチンカーのチーズステーキサンド(アメリカ発祥のサンドイッチ)を食べ、カレー屋さんのミルクティーを飲んだ。このミルクティーが特においしかった。生姜が効いていて、紅茶独特の渋みがなくて飲みやすい。近くにお店があるそうなので、一人外食ができるようになった暁にはぜひ行きたい。園芸店のブースで、水耕栽培ができる球根を2個買った。ミニスイセン「タリア」とクロッカス「フラワーレコード」。日当たりの良くない自分の部屋で開花まで漕ぎ着けられるか自信はないけど、球根と一緒に春を待つのはきっと楽しいと思う。
 満足するまで蚤の市の雰囲気を堪能した後、天神に移動してさらにうろうろ歩き回ってから帰宅。一日の歩数が13,000歩になった。

2025/02/09 Sun.

 今日は雪が降らないらしい。
 たっぷり10時間寝た。心身がよく休まった実感がある。
 土日だけやっているリサイクルステーションに、段ボールと雑紙を持ち込んだ。これで部屋の中が少しすっきり。
 室温が低いからというのはもちろん、私にしては珍しく毎日水を替えていることもあって、スイートピーとラナンキュラスがまだまだきれいな状態で咲いてくれている。スイートピーの香りは私が吸い込みすぎたのもあってか全く香らなくなってしまったけれど、部屋に本物の花があるというのは本当に良い。花の死骸、侮れない。

週間日記(2025/01/27-02/02)

2025/01/27 Mon.

 布団の中が快適すぎて、なかなか出られない。ぬくぬくとした温かさ、毛布の心地良い重み、何もかもが最高だ。とはいえ寝るのもスマホを見るのも飽きたので、のそのそと起き出した。
 昨日のアップルパイの残りを温め直してコーヒーと食べて、家事や身支度をして出かけた。時折小雨が降る中、30分かけて歩く。途中、お寺が立て続けに3つも並んでいる通りを見かけて、すごい立地だと思って二度見した。川沿いでは大きなミモザの木を見つけて、まだ花は咲いていなかったけど、つぼみがたくさんついているのを見てなんだか嬉しくなった。枝いっぱいに黄色いふわふわが咲いたら、さぞかわいいだろうなあ。花壇には、真冬だというのにラベンダーがたくさん花を咲かせていた。
 目的地の福岡アジア美術館に着き、気になっていた「ベストコレクションⅡ─しなやかな抵抗」展を見た。どの作品も興味深くじっくり鑑賞したけれど、ひとつだけ「刺激の強い表現があります」と注意書きがされた作品のブースがあり、それは覚悟がなかったので見ることができなかった。シンガポールのアーティスト、ホー・ズーニエンによる、サン・ニラ・ウタマの映像には特に見入った。その中に出てきた「自分のルーツを探求しようとするものは、幻しか見つけられない」(うろ覚えなので、正確な言い回しではないかも)という文章が、妙に印象に残った。そういう解釈で合っているのか自信がないけど、「普通の日本人」や現アメリカ大統領に見られるレイシズム、排外主義的な思想に対する風刺のようだと思った。続いて「韓国美術のリアリティ」展も見て、チョン・ジョンヨプの「祭り」が特に好きだと思った。キャンバスいっぱいに大量の小豆を描いた絵画作品で、キャプションを読むと「生活や生きることというのは、こういう風に小さく雑多な要素が隙間なくひしめいているものなのかな」と思えた。現代アートというのは馴染みがなくて、ただ美しいばかりのものとは限らず、複雑なメッセージや批判的な視点、警句、風刺といった色々な問題提起がなされているものが多い気がする(馴染みがないのでなんとなくそう思うだけだけど)。それらを「解釈」できるほどの知識もないので、ただ「なんかすごいなあ」と圧倒されるばかりだけれど、それだけでもなんだか良い経験になる気はする。
 展示室を出た所にあるアートカフェには、色々な美術展の図録やアジア各国の文化芸術に関する本がぎっしり並んでいて、こんなにおもしろそうな本がいっぱいある場所なのかと興奮した。貸出はしていないそうだけど、これなら30分歩いてでも本を読みに来る価値はある。無料だし。カフェにはなんとコピ・ルワックがメニューとして置いてあり、こんな身近な場所で飲むことができるものなのかと驚嘆した。一杯2,000円の希少なコーヒー、人生の中でいつかは一度飲んでみたいかもしれない。
 風で折り畳み傘が裏返っては直すのを繰り返しながら、歩いて帰宅。地下街があって本当に良かった(雨風をしのげるので)。途中、商店街の八百屋さんでほうれん草と椎茸、1個198円の甘夏を買った。別の八百屋さんではチューリップやガーベラの切り花を200円くらいで売っていて、花は別に生活必需品とかではないからとなんとか今日は我慢した。でも、お花屋さんで買うよりかなりハードルが低いし、1,2本のああいう花を部屋に飾ったら、きっとすごく心が潤うだろうな。明日になっても欲しかったら買ってしまおうか。
 煮物と味の濃いおかずが食べたかったので、晩ごはんは肉じゃがとヤンニョムチキンを作った。おいしい煮物を作って食べるととてもほっとするので、これは多分私にとってはかなり良いコーピングの手段になるんだと思う。メンタルの調子が悪い時にその方法を思い出して実行に移せればだけど。

2025/01/28 Tue.

 就労移行支援。Wordの練習問題をいくつか解いた。リーダーの挿入の仕方が分からず調べたら、後はTabキーを押しさえすれば良いというだけだった。
 今日こそ1本220円のチューリップの生花を買おうと意気込んでいたけど、雨風が強くて諦めた。茎が折らずに持ち帰る自信がない。
 本文の推敲や、表紙画像のCMYK変換、PDF化などが終わったので、日記ZINEの原稿を入稿した。不備がありませんように。
 白ごはん.comで知って食べてみたいと思っていた、常夜鍋という料理を作ってみた。昨日の肉じゃがの残りもあったので、お腹いっぱいになった。自分が作った料理で満腹になるという幸せ。
 寝る前に、『パーティーが終わって、中年が始まる』(pha、幻冬舎)を読んだ。男性とそれ以外の性別の人では、見えている世界がこんなにも違うんだなと感じる箇所もあれば、いつか自分にも訪れるだろう「中年」の始まりを恐ろしく感じる部分もあった。一人でいることが楽しくなくなるなんて、そんな時期が自分にも来るんだろうか。できれば、一生をパーティー気分のままで過ごしたい。人と一緒に楽しむパーティーだと気疲れするから、自分一人だけでずっとパーティーを催していたい。やっぱり、それは難しいのかな。

2025/01/29 Wed.

 就労移行支援。袋作りという作業をした。A3のコピー用紙をマニュアルの手順に従って袋状に加工するという軽作業。手先を使うのは得意な方だという自負があるので、黙々とこうした単純作業をするのは多分不向きではないと思う。
 一旦マンションに戻ると再び外出するのが億劫になると思い、就労移行支援が終わってからそのまま天神へ向かった。一人外食の練習として、入りやすいサンマルクカフェに寄った。向かいの席では、どうやらマッチングアプリで知り合ったらしい男女が会話に花を咲かせていた。アプリを介して会うって、こんな感じなのか。もさもさとチョコクロを食べ、コーヒーを飲み、天神をうろうろした。デパ地下の華やかなお菓子を眺め、百均で日用品を買い足し、INCUBEに行って分厚いノートを買った。以前、本の引用やさまざまな知識をノートに書き写す習慣があって、先日久し振りにそのノートの存在を思い出し、再開してみようと思ったのだった。UpNoteに記録した方が検索機能もあって便利ではあるのだろうけど、手書きで書き残した方がなんとなく頭に入りそうだし、文字を書く習慣を取り戻すのにも良さそうだ。いくらデジタルツールに検索機能があったって、その知識を記録しておいたという記憶がなければ検索しようがないし。
 夜、明日の自分のために甘夏の皮を剥いて冷やしておいた。台所が爽やかな柑橘の香りに包まれる。勢いづいて、簡単にお風呂を掃除して湯船にお湯を張り、のんびり浸かった。ほかほかに温まった。実家にいた頃は、一人暮らしをして自分一人のために家事をするなんてできるだろうかと不安に感じていたけど、たまたま今が元気とはいえ案外なんとかなるらしい。
 さっそく、今日買ってきたノートにあれこれ書き込んだ。先日の福岡市博物館で書いたメモや、持ち帰った福岡市博物館だよりの中でおもしろいと思った部分をせっせと書き写す。自分の書く字はお世辞にも上手いとかきれいとか言える代物じゃないものの、嫌いじゃない。ひらがなの書き順もずっと間違えて覚えているけれど、小学校で習う前に見よう見まねで書いて覚えたからだと思えば、自分の知的好奇心や学習意欲のようなものの表れだと思えて、むしろ愛着すら湧く気がする。自分の嫌いな所はいくらでも挙げられるし、自己嫌悪に陥ることはしょっちゅうあるけど、自分の中で「嫌いじゃないし、むしろ好き」と思える部分があることは嬉しい。

2025/01/30 Thu.

 朝から果物を食べる。よく冷えた甘夏は酸味が強くて、とてもおいしかった。
 初めて行く美容室に予約を入れた。カットとカラーと、髪質改善トリートメント。私の髪はハグリッドのそれに似ていると言える髪質なんだけど、少しはなんとかなるだろうか。施術時間の目安が2時間半とあり、慄く。そんなに長い時間を明るいおしゃれ空間で過ごすなんて、耐えられるかな…。それにしても、都会はネットで予約できる美容室が多いから本当に助かる。髪の毛を赤毛のようなオレンジっぽい色に染めてみることに憧れがあって、今度こそそれに挑戦してみようか迷っている。派手な髪色を試すなら、実習や就職活動が始まる前の今が絶好のチャンスだと分かってはいるけれど、あと一歩の勇気が出ない。似合わないかもしれないから、他人から笑われたり馬鹿にされたりしそうだから、とネガティブな「もしも」が頭に浮かぶ。でも、見ず知らずの人間から向けられる嘲笑を理由に、自分がやってみたいことを諦めるというのはとてももったいない気もする。明らかにまずかったら染め直せば良いだけだし、私が私のやりたいことを尊重して実行に移せたら、それ自体が何らかの良い経験値になりそうだとも思う。うーん、迷う。
 祖母宛ての手紙を書く。後はコンビニで写真をプリントアウトして封筒に入れるだけだけど、今日は外に出られるような身支度をしていないので、明日にしよう。いつかはプリンターが欲しいけど、買った所で置く場所がない。
 まだ読んでいなかったZINEをぱらぱらとめくってみたけど、目が滑って内容が全然頭に入ってこない。今日は本を読めない日らしい。何でも白と黒に分けてしまうのは良くないと分かっているけど、「働ける人」と「働けない人」、「パートナーがいる人」と「パートナーがいない人」に勝手に頭が線引きしてしまう。
 むしょうに辛ラーメン焼きそばが食べたい。でも、昨日もカップラーメンを食べたし、まだ常夜鍋の残りと今日が賞味期限のうどん麺があるし。焼きそばの誘惑になんとか打ち勝ち、鍋の残りを温め、うどん麺は具無しの焼きうどんにして食べた。焼きうどんは適当に作ったのに、思いのほかおいしい味付けになった。

2025/01/31 Fri.

 就労移行支援。適切な休憩の取り方について学ぶプログラムを受講した。以前スタッフさんと話した時に、一人で部屋にいる時以外には基本的に気が休まることはないこと、他人がいる空間で休憩を取るように言われても非常に難しいこと、ぼーっと過ごすことは苦手で苦痛ですらあることなどを伝えたけれど、あまり伝わった感じはしなかった。できないことを「しましょう」と言われても、どうして良いか分からない。
 初めて行く歯医者さんに予約を入れて、虫歯などがないか検診を受けた。自分では怪しいと思っていた箇所があったけど、診てもらった結果虫歯はなかった。良かった。
 夜、むしょうにほっともっとのお弁当が食べたくなって、行こうかどうしようかしばらく迷ってから買いに行った。自分一人のためには面倒で作れないハンバーグやからあげをお腹いっぱい食べて、満足した。

2025/02/01 Sat.

 就労移行支援。Excelの表と印刷された紙を見比べて、間違いがないか確認する訓練。文字を読むのは早い方だと思うから(言語理解IQ140はこういう所で活かせているんだろうか)、特に難しい作業ではないと感じた。その後、中途半端な時間が少し余ったので、短時間で終わりそうなe-typingをした。結果は2回とも「Ninja」と出た。1分間に300字くらい入力しているらしい。ふと、テレビの字幕を耳で聞いて文字に起こす仕事が気になって検索してみたものの、ステノキャプショナー(字幕速記者)は普通のパソコンのキーボードとは違う特殊なキーボードを使うそうで、すぐに諦めはついた。
 昼過ぎに、近くの美容室へ行った。前回行った所も別に悪くはなかったけれど、初めて行く場所の方がまだ気が楽だから、別の美容室を予約しておいた。美容師さんは気さくで親切な人で、内心少しほっとしたけれど、ここもやっぱり3ヶ月くらい間が空いたら行きづらくなってしまうんだろうな。髪をオレンジがかった色にしてみたいと勇気を出して伝えたものの、ブリーチ無しのシングルカラーではやはり難しいそうで、代わりに赤茶色っぽいカラーにしてもらった。これはこれで、自分ではすごく気に入っている。髪質改善とは違うトリートメントもしてもらう(髪質改善の方は、最後にアイロンで髪を真っ直ぐにするため)。去年の8月にかけたパーマがまだ残っているのを活かして、少しカットしてくるくるに仕上げてもらえた。顔はさておき、髪だけはすごくかわいい。自分でも毎朝こんな風にセットできたらなあ。
 今日は一日雨が降っていて、とても寒い。でも、髪をかわいくしてもらえたので、気分が良い。

2025/02/02 Sun.

 目覚ましアラームをセットせずに、合計10時間ほど寝た。
 前々からやりたいと思っていたことに着手。日用品の買い置きの数や、部屋にある食材の賞味期限をExcelにリスト化した。これで、まだ買い置きがあったかどうかとか、賞味期限の近い食材はないかといったことが、棚の中身を都度ごそごそ漁らなくてもひと目でわかる。実家でこれをやったら几帳面すぎると笑われるかもしれないけど、一人暮らしの部屋でやる分には、生活する上で煩わしく感じる要素を減らせてとても良い。こまめにチェックすることに飽きるまでは、このリストを活用したい。

週間日記(2025/01/20-01/26)

2025/01/20 Mon.

 オンラインカウンセリングを受けた。静かな場所で話すのが苦手とか、人を頼ることができないとか、こまごました問題を聞いてもらって、目に見えて解決した訳ではないものの気持ちはすっきりした。臨床心理士の先生に「一人暮らしできて本当に良かったですね」と言われ、本当にそうだとつくづく思った。
 一昨日頃からネットの調子が悪く、いよいよWi-Fiが使用できなくなったので、色々調べて対応策を講じてみた。ところが、モデムのコンセントを抜き差ししても、パソコンを再起動しても、どうにもならない。業者の人に見てもらった結果、建物の共用部にある機械の接続が悪くなっていたらしい。どうりで私があれこれしても繋がらなかった訳だ。ともかく、Wi-Fiが繋がってとても嬉しい。
 とらふくの絵を紙に描いて遊んだ。撮り溜めた写真を見ながら無心で描いていると、なんだか写経でもしているかのような穏やかな気分になれる気がする。

2025/01/21 Tue.

 就労移行支援。事業所のルールなどについて一対一で説明を受けたり、Wordの練習問題を解いたり。
 午後は、台所で長時間過ごした。小松菜を茹でて切ったものを冷凍し、白菜・にんじん・玉ねぎを切って冷凍し、鍋セット(白菜・にんじん・大根・ぶなしめじを切って鍋一回分ずつポリ袋に入れたもの)をいくつか作り、下味をつけて後は炒めるだけの状態にした豚肉を用意し(生姜焼きとねぎ塩豚丼の2種類)、朝ごはんに食べるトマトスープを作り、ミートソースとホワイトソースを作り、マカロニを茹でて晩ごはんのグラタンにした。相変わらず冷蔵庫は異臭がするのでこれらの食材にも臭いが移って台無しになってしまう可能性もけっしてゼロではないけど、とりあえず今は自炊らしい作業を完遂させた達成感に包まれている。

2025/01/22 Wed.

 就労移行支援。適切な睡眠習慣についてのプログラムを受講した。ここ一週間の就寝時間や起床時間を振り返って記録するワークがあり、自分がほとんど毎晩9時間寝ていることに気付いた。もう少し睡眠時間を減らせたら日中の活動時間を増やせるのかもしれないけど、7時間程度の睡眠だった頃と比べると今の方が明らかに体調が良いので、多分これが自分に合った睡眠時間なんだろう。時間が少しもったいない気もするけど、寝ることで心身を回復することができているなら、それに越したことはない。導眠剤がないと満足に眠れなかった頃の自分からすれば、夜になると自然と眠くなって9時間ぐっすり眠っている今の自分が信じられないだろうな。
 お昼はコメダ珈琲店に行き、ピザトーストとサマージュースを頼んだ。おいしかった。一人で外食することがどうにも苦手だけれど、月に一度といった頻度を目標にして挑戦してみたら、練習になるし、おいしい物も食べられるしで良いかもしれないと思った。今の所、入りやすいお店はドトール、ミスド、コメダ、モス、チェーンのパン屋さんくらいかもしれない。スタバとマックとケンタッキーは、イスラエルを支持しているそうなので、入れるお店ではあるけどボイコットしている。密かな目標としては、やよい軒やすき家に一人で行ってみたいというものがある。ゆくゆくは、チェーンでないカフェやごはん屋さんにも行けるようになれたらという夢があるけど、まあそれはおいおい。
 天神をうろうろして、バターナイフや傘などを買った。Bleu Bleuetを覗くと、我が家のとらちに似た猫のイラストが描かれたタンブラーが売られていて、しばらく迷ってからレジに持っていった。保温タンブラーはいつか欲しいと思っていたものだし、何よりとてもかわいいし。百均にも用事はあったけど、歩き疲れたので断念した。こういう時、気軽にカフェに立ち寄れたら休憩できて良いのだろうけど。

2025/01/23 Thu.

 行ってみたいと思っていた園芸店へ。その前に、気になっていた雑貨屋さんに寄ることにした。以前バスに乗った時に見えたおしゃれな雑貨屋さんだけど、「確かあの駅の近くだったような」というおぼろげな記憶しかないうえ、店名も分からない。とりあえず駅の周りをうろうろして、20分ほど彷徨ってようやく目当てのお店を見つけた。ところが、営業時間はまだ始まっていなかったので、一旦駅に戻って地下鉄に乗り、先に園芸店へ向かった。行ってみると、私が以前働いていた園芸店よりひと回り、ふた回り小さいくらいのお店だった。でも、外売り場には春の花の香りが漂っていてとても気分が上がる。パンジー、ビオラ、プリムラ、ストック、アリッサム、アネモネ、ポピー、こういう花の香りが懐かしく感じられるようになるなんて、良い職場で仕事をしたなあ。店内の観葉植物も数が多くはないけれど、大きな板付けコウモリランやたくさん並んだ小さな多肉の鉢を見ると、やっぱりテンションが上がる。コーデックス系の植物のコーナーにあったペラルゴニウム オレオフィルムが気になって、その場で画像を検索してみた。なんと、ピンク色の小さい花が咲くらしい。日当たりの悪い私の部屋で育つだろうかという懸念はあったものの、たくさん茂ったふわふわの葉が魅力的なあまり買ってしまった。お会計の際、通りすがりの店員さんから「何ですかこれ、なんかおいしそう」と言われたので、思わず「にんじんみたいですよね」と返してしまったけど、にんじんの葉は普通食べないよなと後で気付いた。にんじんの葉っぱの天ぷらはおいしいけど。
 地下鉄に乗って、先ほどの雑貨屋さんに戻ってきた。おしゃれな生活用品が色々あって、こういう所で買った物を使ったらさぞ素敵な暮らしができるんだろうとわくわくした。ただ、私が普段使っている物に比べれば値段もそれなりにするので、当分ここの商品を日常使いするような日々が訪れる予定はない。でも、「こういうガラス瓶でヒヤシンスの球根を育てるような暮らしがしたい」とか、「そのために南向きの日当たりの良い窓がある部屋に住みたい」とか、未来のより幸せな自分の可能性を少しでも想像できるのは嬉しい。

2025/01/24 Fri.

 就労移行支援。Excelの練習問題をいくつか。
 勢いで、初めて受診する皮膚科を予約して行ってみた。手元にあった皮膚科の薬を使い切ってしばらくすると、またニキビができ出したので、なんとかしたいと思っていたのだった。「ニキビは慢性疾患なので、治療をやめたら再発する」と言われちょっと気を落としたものの、治療している間は改善するんだから良いじゃないかと思い直した。精神科の薬も、同じようにやめたら悪化するんだろうか。ビタミンの錠剤と漢方薬、3種類の塗り薬を処方してもらって帰路に就く。
 帰り道、八百屋さんに寄ってにんじんと玉ねぎ、レモンを買った。気軽に買い物できる八百屋さんが近くにある環境って良いなあと噛み締める。コンビニよりも頻繁に利用している。

2025/01/25 Sat.

 就労移行支援。Excelの練習問題に取り組む。VLOOKUP関数というものが出てきて、テキストを読んではみたものの、まだ全然理解できていない。数学嫌い、数字嫌いの自分としては、関数という単語が出てきた時点で本当は逃げ出したい気持ち。
 すっかり放置していた日記ZINEの原稿作りに勤しむ。本文を読み直して誤字脱字を探すと、結構あってびっくりする。推敲って大事なんだな…。それから、Canvaにログインして表紙を作った。楽しく頑張ってはみたものの、どうにもセンスがない。何をどうしてもダサくなってしまう。楽しいけど難しいなあ。

2025/01/26 Sun.

 久し振りに、一日パジャマで過ごすことにしてみた。洗濯物が少なく済むので、たまには良い。
 ゲーム「魔法使いの約束」のイベントストーリーに出てきたので絶対に作りたいと思っていた、アップルパイを作った。りんごに砂糖とレモン果汁を足して煮て、冷凍パイシートで包んでオーブンで焼くだけ。とはいえ狭いキッチンで作業スペースも使える道具も限られているし、今回はパイ生地を細く切って三つ編みにするなどちょっと手の込んだ形にしてみたので、それなりに手間はかかった。でも、焼き上がったアップルパイはとてもおいしくできていた。レモンを多めに入れたので少し酸味が強いけど、甘酸っぱくてむしろ好みなくらいだ。シナモンはもう少し入れても良かったかも。狭い狭い台所だけど、自分の好きな物を好きに作れる場所として、今後も活用していきたい。
 昨日の表紙作りの続き。しばらくCanvaと格闘し、SAIとも闘い、とりあえず妥協できるものができあがった。変換ツールを使ってCMYKに変換すると、淡い薄緑色が出涸らしの緑茶みたいな濁った緑になってしまったけど、まあいいか。できたとはいえ、一晩経つとまた作り直したくなる可能性があるので(よく描けたと思った絵を翌日見ると下手に見えるあの現象)、頭を冷やして落ち着いた状態になってから入稿したい。
 なんだかむしょうに絵を描きたくなって、この勢いのままに描いたらきっと楽しいだろうとは思いつつ、先にいそいそとお風呂と食器洗いをやっつけた。それから1時間ほど絵を描いた。フリルたっぷりの服を描くと、なんというか、心が整う気がする。

週間日記(2025/01/13-01/19)

2025/01/13 Mon.

 久し振りにピアノを弾いた。舞台「魔法使いの約束」の楽曲「出発の序曲」がすごく良かったので、個人の方が書き起こした楽譜をネットで検索して、2時間以上みっちり練習した。ピアノを年にほんの数回弾くか弾かないかといったような人間なのでもちろんすぐに弾けるようにはならなかったけど、鍵盤を叩いてまほステの音を出すのが楽しくて、夢中になった。その間、うるさかったのか猫達はこたつに潜り込んで隠れていた。
 明日福岡へ戻るので、かさばる服や重い書籍などを段ボール箱に詰めて、ゆうパックで発送した。キャリーケースを開くと、さっそく中にふくちが入り、もそもそと寝心地を確かめていた。
 夜、震度4の地震があった。ゆらゆらと揺れるタイプの地震だった。いきなり揺れるよりは予告があった方が良いのかもしれないし、そういう通知はちゃんと注意が向く音であるべきというのは分かってはいるけれど、スマホから突然ぎゅいんぎゅいんと物々しい大音量が発せられてものすごく心臓に悪かった。猫達は通知が鳴るやいなやソファの下に飛び込んでいた。LINEやメールで安否確認のやりとりをし、恐る恐る姿を見せ始めた猫達をなだめ、どうか余震がありませんようにと願いながら寝た。不安で寝つけず寝不足になって、明日の新幹線で寝過ごして新大阪まで行ってしまったら困るなあと思っていたけど(万一そうなったら改札内で大阪みやげを自分用に買う)、案外すんなり眠れた。

2025/01/14 Tue.

 朝、高速バスと新幹線を乗り継いで福岡に戻ってきた。バスで眠りこけ、新幹線の中でも眠かったけれど、新大阪まで寝過ごすことなく無事博多で降りられた。
 3週間ちょっと振りの一人暮らしの部屋に帰ってきて、ほっとしたのがとても嬉しかった。実家に帰った時も安心するけど、同じようにこの部屋も安心して帰ってこられる場所になったらしい。
 ゆうパックが届く時間帯までまだ時間があるので、先に商店街の八百屋とスーパーに行き、空っぽの冷蔵庫を埋める食材を買ってきた。
 さて荷解きをするぞと意気込みながら帰宅して、部屋の中で起きていた大事件に気付いた。最初に帰り着いた時から、部屋の中がなんとなくうっすら臭っていた。生ごみは置いていないはずなのにどうしてだろうと思いながら、買ってきた食材を入れるべく冷蔵庫を開けると、庫内が冷えていない。まさかと思い冷凍庫を開けると、中の食材は全て溶けていた。長い帰省になるからと「冷蔵庫コンセント」と書かれたブレーカー以外のブレーカーを全て落としておいたのだけど、私が冷蔵庫コンセントとして使っているコンセントは「冷蔵庫コンセント」ではなかったらしく、冷蔵庫の電源が3週間超切られていたのだった。冷蔵庫はともかく、冷凍庫の中身は大惨事だった。冷凍していた肉類、野菜、作り置きおかず、ごはん、食パン、アイス、それら全てがどろどろに溶けている。当然腐っているので、酸っぱいような悪臭も庫内に充満している。ああ、やってしまった……。
 とりあえず、何重かに重ねたごみ袋に腐った食材を詰め、手元にある掃除用品で庫内を掃除した。燃えるごみを出す日が明後日であることに気付き、思わず天を仰ぎたくなった。2日間、このごみ袋を部屋の中に置いておかなければならないのか。掃除がひと段落した所でドラッグストアに行き、キッチン用アルコール消毒スプレーや冷蔵庫・冷凍庫用の消臭剤を買ってきた。とりあえず見た目はきれいになったものの、凄まじい臭いはまだ消えそうにない。ここに食材を入れたら、たちまち傷んでしまうんじゃないかと思うほど臭い。
 冷蔵庫のブレーカーを落としていたこと自体は不運だったけど、この失敗をやらかしたのが真冬だったのは本当に幸運だった。もしもこれが真夏だったらどうなっていたことか、考えるだに恐ろしい。ポジティブなことが必ずしも良いこととは限らないけれど、このがっかりするような出来事を「真冬で良かった」「賃貸の床を汚していなくて良かった」と捉えられたことも、自分のメンタルの健康状態がどうやら良好であるらしいと思えて嬉しい。マンションの部屋が寒いことに、まさかこんなに感謝する日が来ようとは。本当に、本当に冬で良かった。
 パスタを茹でて晩ごはんを食べ、実家と違うひどく狭い浴室でシャワーを浴び、布団に潜り込んだ。この部屋に帰ってきて安心できたことも嬉しければ、トラブルに対して割と冷静に対処できたことも誇らしい。これからもまた一人暮らしをやっていけそうだと、先のことを悲観せず考えられることも喜ばしい。とはいえ、来月また猫達に会いに帰ってくればと父が言ってくれたので、来月も2泊3日くらいで猫目的の帰省をしようと考えている。父がそう言ってくれたのが何より嬉しかったし、晩ごはんを作れば母も喜んでくれるし、お茶をしに行けば祖母もすごく喜んでくれる。働き始めればこまめな帰省はできなくなるだろうから、今のうちにちょこちょこ帰っておこう。相手が誰であれずっと一緒に暮らしているといらいらしたり不満が溜まったりするものだけど、こうして実家を出てみると、家族のことを大好きでいられるちょうど良い距離感というものがあることに気付ける。

2025/01/15 Wed.

 久し振りの就労移行支援。重要事項説明書や利用契約書について、職員さんと一対一で説明があった。
 スーパーに寄って食材を買って帰ったものの、腐臭漂う冷蔵庫に入れるのがためらわれる。交差点で信号が変わるのを待っていたら、スカートの裾が風でなびいて足に触れて、一瞬とらふくのしっぽがかすめたかと錯覚してしまった。あのかわいくて気ままで愉快な2匹のふわふわがもう恋しい。

2025/01/16 Thu.

 路線バスに乗ったら、すぐ隣の人と上着などが接触する感触が嫌で嫌で、こんな不快な思いをするくらいなら30分歩いた方が良かったかもしれないと内心で呻いた。通勤電車なんてとても無理だ。隣の人が汚いとかそういう話ではなく、「自分以外の他人」や「他人が触った物」がどうしても駄目だ。文学部の学生時代に講義でウィルトゥスという概念が出てきて(確かウィルスの語源だった気がする)、「キリストが触れた物が聖遺物になる」という話があった。詳しくは覚えていないからうろ覚えだけど、同じように私にとっては他人が触れた物が全て「人が触った物」に変わってしまう。聖遺物と違って、なんとなく忌避したいような物ではあるが。そんなことを言っていたら世の中のほとんどの物は「人が触った物」なのだけど、それについて考え始めてしまうと私は地上の全ての物に触れられなくなってしまうので、日頃なるべく考えないようにしている。別に自分が清潔で清らかなどとは思っていないけど、なんか嫌なんだよなあ。
 先日、通院している精神科の受付で「自立支援医療と障害者手帳の更新時期が今はずれている状態だから、相談員に尋ねて更新時期を合わせると良い」と言われた。色々と説明はあったものの、いまいち仕組みを理解できなかった。また「相談員に聞いてから、病院に電話するように」とも言われていたが、ただでさえ電話が苦手なのに、電話口で何をどう伝えて良いかも分かっていない。分からないならその場で訊けば良いものを、久し振りの家族以外の人との会話に、ただ「はい」「分かりました」「ありがとうございます」を繰り返すのが精いっぱいだった。分かっていないのに。多分、診断書や意見書の類が要る場合は用意するから伝えるようにという意味だったのだろうとは思っている。でも、相談員って誰だ。
 とりあえず区役所のそれらしい窓口に行き、自立支援と手帳の更新時期を合わせる手続きをしたいと話した。すると、両者の更新時期は既に同じになっているからその必要はないと言われ、更新時期は来ているからその手続きなら今できるとのことだった。自立支援医療の更新なのか、手帳の更新なのか、両方なのか、それすら理解できていない。私ってこんなに頭が悪かったのか。訳が分からないまま数枚の書類に記入し、その更新手続きは済んだ。診断書は要るかと尋ねると、今年は提出しなくて良い年なのだと言われた。じゃあ、精神科には電話しなくて良いのかな。頼むからそうであってくれと祈る心地。
 ともかく必要な手続きは済んだらしいので、そのまま天神をうろうろした。地元にはないかわいい雑貨や文房具を心ゆくまで眺めて楽しかった。ただ、欲しいと思ってもレジで人と接するのがストレスになるので、今日は何も買わなかった。物欲が強い自分にとっては、社交不安障害が衝動買いのブレーキになっているらしい。良いことなのか、そうでないのか。レジで小銭を出すのにもたついたり、「ありがとうございます」と言うも滑舌の悪いぼそぼそ声だからか聞き返されて気まずくなったりという場面は日常でしょっちゅうある。
 久々に、一日の歩数が一万歩を超えた。この調子でなるべく歩いて、帰省中に若干増えた体重をなんとかしたい。
 自分みたいな不美人がピンクなんてかわいい色を着ちゃいけない、という呪いが長年染み着いていたものの、最近になってようやくその呪いを解こうという気になっている。注文していたピンク色のスウェットが届いたので、さっそく着てみた。くすんだピンクだから着やすいというのもあるけれど、自分には駄目だと固く思い込んでいた割に、着てみれば案外なんともない。机を買い替えたのもそうだし、一人暮らしを始めたのもそうだけど、ピンクの服を着てみたことについても「無理だと思っていたけど案外なんとかなるらしい」と思えた。就職や、親からの経済的自立といった課題についても、そんな感じで案外なんとかなってほしい。
 商店街の八百屋さんでキウイが4個250円で売られていたのを買ってきた。いちいち切るのが面倒だからと全部一度に皮を剥いて、一口大に切ってタッパーに入れたものの、今の冷蔵庫に入れたら間違いなく腐臭が移ると気付き、一気に全部食べてしまった。おいしかったけど、当然のように舌が痛くなった。

2025/01/17 Fri.

 朝、布団の中があまりにも快適で、なかなか出られない。就労移行支援の契約期間が始まってしまった以上、あまり休みたくはないので、なんとか這い出して家事と身支度を終わらせた。
 就労移行支援で、Wordで文書を作る練習問題に取り組んだ。解答の「~との報告が経理部より発表がありました」という言い回しにすごくもやもやした。私だったら、「経理部より、~との報告がありました」とか「~との報告が、経理部より発表されました」とかにしたい。
 脱臭炭を冷蔵庫と冷凍庫にそれぞれ2個ずつ突っ込んではいるものの、まだまだ改善の兆しが見えない。ボトルの水出し緑茶にまで異臭が移っている。
 軽い気持ちで前髪を切り始めたら、どう見ても切りすぎてしまった。視界はとても良好になったので、鏡さえ見なければ問題はない。

Blueskyから
・「社交不安障害を治せば”普通”になれるはず」「社交不安障害を治して”普通”にならなければいけない」っていう世の中由来の思い込みでずっと苦しかったのがやっと「社交不安障害でも私は私のままで良い」と自分自身を認められるようになったんだけど、就労移行支援に通ってるとやっぱり病気は病気なんだなってやんわり突き付けられる心地がする
・こういう場面や状況が苦手ですと伝えて「それはこういう理由でですか?」とか訊かれても、そういう病気の症状だからとしか答えられないし、私がここ10年で何百回何千回考えても分からないことが臨床心理士でもない会ったばかりの人に理解されるとも思えず
・こちらとしても説明しようがないし他の利用者さん達がいる場所であれこれ言いたくないから「そうかもしれないですね〜」ってぼかしちゃってそれで向こうは納得してるみたいなんだけど、なんだかな〜
・職員さんがこちらのこと理解しようとしてくれてるのは分かるから、つい職員さんが理解しやすく納得できる(と私が勝手に想像する)ような答えを捻り出して提供してしまう
・分かりやすい答えだと「知能指数が高いから色々考えて不安になりやすいのかもと心理士の先生からは言われました」があるけど周りに他の人がいる状況で言えないすよ
私も「こういう理由でこんな場面に不安を感じるので、この方法で改善していきたいです」みたいにはっきり分かりやすい回答ができたらって思うよ 私がどれだけ原因探し理由探しをしてきたことか
・考えて分かるものじゃないのに、分からないから自分の努力や意欲が足りないんじゃないかと自身を責めるまでがセット
・「治せば幸せになれる、治さないと幸せになれない」から「治らなくても幸せになれるし幸せになっていい」の境地にやっと至れたのに、なんか、やっぱり駄目か〜にさせないでほしい

2025/01/18 Sat.

 前髪を切りすぎたと思っていたけど、一晩経ってみると、これはこれで良いかもしれないと思えた。悲嘆に暮れる必要はなかったらしい。
 就労移行支援。Excelの練習問題を解いた。本来は、1問解くごとにスタッフさんに確認してもらわなければいけないんだろうけど、手が空いているスタッフさんがいなかったのもあって、解いた5問全てを一度にまとめて確認してもらった。
 夕方、妹とカフェでおしゃべりして、とても楽しかった。コーヒーもケーキもおいしかった。店内にはコーヒーの木の鉢植えがあり、店先にはつぼみをつけたリュウゼツランらしき植物が植わっていた。私が育てているコーヒーの木と同じくらいの大きさかと思ったけど、帰宅して自分のを見たら、こちらの方がひと回り大きかった。ちょっと勝った気分(?)。
 大嫌いなお風呂掃除をやっつけようという意欲が突如湧き、スマホでまほステの音楽を聴きながらいそいそと頑張った。その勢いで湯船にお湯を張り、心ゆくまで長風呂した。晩ごはんは、適当に作った炒め物と、昨日作った鶏そぼろの残りと、ごはん。丁寧な暮らしとまではいかなくても、人間らしい生活をしている実感があって良い。

2025/01/19 Sun.

 特別展「九州真宗の源流」を見に、福岡市博物館へ行った。何の気なしに展示を見ていたら、実家から徒歩5分の場所にあるお寺の所蔵品がいくつも展示されていてびっくりした。せっかく障害者手帳で無料だからと他の展示室も覗いてみると、ゲーム「刀剣乱舞」でおなじみの圧切長谷部と日本号が展示されていて、またびっくりした。受付に長谷部と日本号のわんぱくぬいまである(ちょうど昨日、歌仙兼定のわんぱくぬいを注文した所だったのでなんだかタイムリー)。常設展の金印も眺めて、ミュージアムショップに立ち寄ると、刀ステの日光一文字のパネルが置いてあってまたまたびっくりした。とうらぶ、すごいなあ……。
 以前この博物館に来た時、某極右政党の代表によるヘイト本がミュージアムショップに置いてあって絶句したのだけど、今日ざっと見た限りではその著者の名前は見当たらなかった。私が見落としていたのではなく、本当にその場になかったのなら、すごく安心できる。あんな物を公共施設に置いておいて「アジアのリーダー都市に!」なんてキャッチコピーを掲げるなんて、あんまりにもあんまりだから、ひとまず良かった。
 そのまま福岡市総合図書館に寄ろうかと思ったものの、お昼にありつきたくてマークイズももちまで歩くことにした。とはいえ土日なのでフードコートが埋まっているかもしれないと気付き、途中のパン屋さんに寄ってイートインで食べた。この判断は大正解で、マークイズももちの店内は凄まじい人の多さだった。どこもかしこも人だらけで、ここではとてもごはんは食べられなかったと思う。
 観葉植物を売っているお店に、コーデックスの小さな鉢植えがあってすごくテンションが上がった。アルブカとオキザリスとものすごく迷いに迷って、オーニソガラム ジュンシフォリウムの鉢を買ってしまった。これがなんと、つぼみがついている。北西向きの日の当たらない部屋だけど、咲いてくれるといいなあ。
 天神で地下鉄を降り、歩いて帰宅。道行く人に声を掛けては「建物内に入ってチラシを受け取ってくれるだけで良い」と言う営業の人にまたしても捕まってしまい、「すみません、すみません、ごめんなさい、お疲れ様です」と平謝りしながらなんとか逃げ切った。はっきり拒絶できない私にも問題はあるのだろうけど、何も悪いことをしていないのになぜ私は謝り倒しているのか。「建物に入らなくても、入口の前まで来てくれれば良い」「30人にチラシを配らないといけないから」と食い下がられて、苦しかった。こういう営業の仕方をされてその会社に好印象を抱く客はごくごく少ないだろうに、このやり方を指示している経営者は一体何を考えているんだろう。

週間日記(2025/01/06-01/12)

2025/01/06 Mon.

 洗濯物をたくさん干して、猫達に詫びながら掃除機をかけて、部屋のあちこちをちょこちょこと片付けた。ついでに猫トイレの砂も換えた。
 お昼ごはんは、リビングの窓辺の陽だまりに置いたこたつで食べた。日差しがぽかぽかで暖かい。お茶をおかわりして、食後のデザートにお煎餅を何枚も食べた。
 社交不安障害に苦しんで他者との関わりを避け続けてきた(避けざるをえなかった)ので、コミュニケーションスキルが同年代の人より圧倒的に少ないんだろうという自覚がある。プライドだけは年相応に育ち、恥や劣等感などは人一倍くすぶらせてしまった上でこれから少しずつコミュニケーションの経験を積み重ねていかなければならないと思うと、とても気が重い。人と関わりたいけど、人と関わりたくない。人と関わろうと勇気を振り絞っては、こんな思いをするくらいなら初めから関わらなければ良かったと思うようなへまをすることを繰り返している。一生こうだったら嫌だなあ。
 2ヶ月ちょっと振りくらいに生理が来て、面倒だしテンションは下がるし、何よりお腹と腰が痛いしで気が滅入る。市販の鎮痛剤も飲んではみたものの、いまいち効果がない。ただ、ここ数日の落ち込みやイライラをホルモンバランスのせいにできるのではと思えば、ほんのちょっとだけ気が晴れる。私のせいじゃない(多分)。

2025/01/07 Tue.

 昨夜は、とらちが一緒に寝てくれた。足を枕にされているので寝返りが打てず、リリパットに取り囲まれたガリバーのような気分だった。なんてかわいいふわふわのリリパット。
 アニメ「魔法使いの約束」の第1話を観た。ゲームの2Dとは違う、ちゃんとアニメらしい動きをしていて「本当にアニメになっている!」と妙な感動があった。まほやくだからそれが当然ではあるだろうけど、賢者さんのキャラデザや服装に萌えアニメ的な女性らしさの強調がされていなかったり、声も甘えたような高いアニメ声ではなかったりといった点がなんだかむしょうに嬉しい。安心して楽しめる。その手のアニメも決して嫌いではないけど、そうでないアニメがあることもありがたい。しゅがはの声優さん、かっこいいなあ…。推しが出てくるのも楽しみだし、気が早いけど願わくばメインストーリー第1.5部もアニメで観たい。
 読みかけだったZINEを2冊読み終えた。1冊はメンタルヘルスや性的マイノリティについて書かれたエッセイで、静かだけど力強い内容に励まされる心地だった。この国の社会でマジョリティとして想定されている在り方の枠にはまるために自らを歪める必要はないのだと、ふっと肩の力を抜けたような気がする。もう1冊は日記本で、はじめのうちは見ず知らずの誰かの生活についておもしろく読んでいたけど、後半で差別的な表現が出てきて一気に萎えてしまった。本文中に一度だけ出てきた単語だったけど、これから自分の本棚でこの人のZINEを目にする度に「ああいう言葉を使う人なんだ」と思ってしまうのがきつい。
 夜、疲れてお風呂に入れなかった。明日の自分に入浴タスクを丸投げして、諦めて寝る。

2025/01/08 Wed.

 実家のフライヤーを使って、一度作ってみたかったドーナツに挑戦した。イーストは扱い慣れないのもあって、一次発酵の時点ではあまり生地が膨らまず失敗したかもと思ったものの、揚げてみるとふっくらとドーナツらしい形になった。粗熱を取ってから蜂蜜入りのグレーズをかけて、形の悪いものから食べてみたら、とてもおいしかった。ちゃんとふわふわした食感で、まだほんのり温かくて、甘さも強すぎずちょうど良い。家族にも好評だった。
 猫達とひとしきりボール遊びをして楽しかった。柔らかい小さなボールを転がすと、代わる代わるそれを追いかけるとらふくが楽しそうでかわいい。
 夜、またしてもお風呂に入れず。朝は比較的元気なのに、夜になると気力体力が尽きてどうにも頑張れない。福岡にいる時はこんなことなかったのに。「疲れてお風呂に入れない」などと検索すると、「湯船には浸からずシャワーだけで済ませると良い」といったアドバイスが出てきて怒りすら湧いてくる。この怒りを原動力に椅子から立ち上がれれば良いものを、そういうこともできずうだうだしていた。

2025/01/09 Thu.

 シャワーを浴びて、シーツを洗濯。今夜こそは絶対にお風呂に入る。
 とらふくをモデルに、A4用紙いっぱいに落書きをした。絵を描くのが楽しいと思えると、自分のことを少しは嫌わずにいられるような気がする。自分のことを好きになれるような行動を、日々の生活の中で増やしていけたら良いんだろうな。
 今日は夜のうちに入浴できた。良かった。晩ごはんに作ったチキンカツも、とてもおいしくできた。

2025/01/10 Fri.

 なんだかすごい夢を見て、朝からどきどきした。夢の内容を誰かに聞いてほしいような、自分の中だけに留めておきたいような。自分の日記だから書いてしまおう。恥ずかしくなって後で消すかもしれない。夢に、以前5年ほど片思いしていた女の子が出てきた。夢の中ではその子も私も10代で、学校の制服を着ている。関係者以外立ち入り禁止とされている、体育館のような場所にそれと知らず2人で入り込んでしまう。そこには珍しい植物がたくさんあった。侵入がばれて、2人並んで床に正座させられ、教師達に叱られる。教師の中には私が尊敬している臨床心理士の先生がいて、「まさかそういうことをする(立ち入り禁止の場所に入る)なんて」という表情で驚き、困惑している。好きだった女の子は私のすぐ隣、私の膝にその子の膝が触れているほど近い距離に座っている。その子が頭を擦り寄せてきたり、肩をくっつけてきたりしてきて、教師達に怒られている最中なのにとても幸せだった。目が覚めて、こういう夢を見ることもあるのかと自分で自分にびっくりした。
 夢はともかくとして、今日はラッキーだった。とらふくそれぞれのフレーメン顔を見ることができて、写真にも撮れたからだ。猫達はこたつや日なたで暖を取ったり、日陰に移動して涼んだりと、まるでサウナとプールを行き来して整っているようだった。
 DMMで舞台「魔法使いの約束」の祝祭シリーズPart1とPart2を観た。すごく良かった! まほやくらしい心に響く歌詞に泣きそうになったり、魔法で闘う推し(北祝祭のオーエン)のかっこよさに酔いしれたり、ゲームの物語を舞台としてこういう風に表現するのかと感心したり。3時間近い上演時間なのに、長いとは全然思わず夢中で楽しんだ。

2025/01/11 Sat.

 今日は、昨日の夢とは違うタイプのどきどきする夢を見た。5,000円の会費を払って、数回ある手芸のワークショップに参加することにした。初回で参加者の一人と少し親しく話せて、「知り合い」になってしまったので、次回以降参加できなくなってしまった(私は初対面の人より、ある程度親しくなった人と接する方が緊張や不安を感じる)。2回目のワークショップの日、会場の入り口手前まではなんとか来たものの、どうしても部屋の中に入れず立ちすくんでいた所で目が覚めた。こういうどきどきは求めていないんだけどな。
 精神科の診察。70日分のいつもの薬を処方してもらった。2種類の薬について、トリンテリックスには「意欲低下を改善する薬、気分を落ち着かせる薬」、アリピプラゾールには「気分を落ち着かせる薬」と書いてあった。この小さな錠剤がなかったら、私は落ち着かないのだろうか。
 小豆を煮て、おしるこを作った(おしるこ?ぜんざい?どっちだろう)。すっきりした控えめな甘さで、我ながらおいしい。年末についたお餅を焼いて、おしるこに入れて食べた。近所に住む祖母にもお裾分けしたら、喜んでくれた。

Blueskyから
・一度きりの人生、パートナーと呼べる人がいるという体験を一度くらいしてみても良いんじゃとは思うものの、他人と関わることがめちゃめちゃめちゃ苦痛すぎて本当に無理
・この人優しいな仲良くなりたいなとか思う好ましさの度合いとは一切関係なく、ただ自分以外の人間というだけで関わるのにものすごいエネルギーが要る 何ならこの人に嫌われたくないなと思うほど余計に空回りしがち

2025/01/12 Sun.

 育てている鉢植えから収穫したコーヒーの種を持ち帰ってきたので、フライパンで焙煎の真似事をしてみた。弱めの中火で加熱するもなかなか色が変わらず、フライパンが傷みそうだったので、アルミホイルに包んでトースターで焼いてみた。加熱すればそれっぽくなるんじゃないかという算段。すると、ぱちぱちと爆ぜる小さな音がして、焼きむらはあれどそれらしい色になり、しかもほんのり甘いようなコーヒーの良い香りがする。コーヒーミルは福岡の部屋にあるので、戻ったら挽いてみよう。
 昨日のおしるこを、ミルク味のアイスにかけて食べてみた。あいすまんじゅうそっくりの味になった。

週間日記(2024/12/30-2025/01/05)

2024/12/30 Mon.

 夜、私の足の上でとらちがぐうぐう寝ていた。起こしたくないので寝返りが打てず腰を痛めそうだったけど、それ以上に嬉しいし、何しろかわいいので仕方ない。
 お昼に肉うどんを作ったら、うどんつゆにだしを入れ忘れた。白だしを少し足したらおいしくなった。
 庭のさざんかの花を、飛んできたヒヨドリが食い散らかしていた。我が家の庭のさくらんぼを食い荒らす憎い奴だけど、赤い頬とぼさぼさの頭がかわいい。野鳥が飛んでくる庭があるというのは、やっぱりいいなあ。
 きょうだい達が帰省してきてくれた! 元気そうでとても嬉しい。

2024/12/31 Tue.

 父母ともようやく熱が下がる。調子の戻った母が例年通りおせちを作り始め、きょうだいの1人がそのアシスタントをしてくれていたので、その間に私は大量(5人分の冬服)の洗濯物を干したり畳んだり、軽く掃除したり片付けたりと他の家事をした。どうも、2024年も今日で終わりという感じがまだしない。
 台所が空いた隙に、栗でなくさつまいもできんとんを作ってみた。少し柔らかすぎた気もするけど、裏漉しを頑張ったおかげでなめらかなおいしいものができた。
 こうして長く帰省していると、福岡で一人暮らしをしていることを忘れそうだ。今も2階に上がれば、植物だらけの自分の部屋があるような気がする。
 夜は、無理して年明けまで起きていることもないかと思って11時頃には布団に入った。寝る直前まで飲み食いしていたのでなかなか寝付けず、夢うつつの中ジルベスターコンサートのアイーダが聞こえた。ここに来て、ようやく大晦日だという実感が湧いた。


 2024年の目標は、「頑張ろうとまた思えるようになる時まで、気力体力を温存しておく」というものだった。とても何かを頑張れそうという状態ではないので、頑張ってもどうにもならない時に無理して頑張ろうとしないための目標。いつかまた、頑張りたいと思える時が来るのかどうかは、正直なところ疑わしかった。自分に対する期待や信頼をなくしている。
 治療へのモチベーションも、すっかり失ってしまった。どうなれば「治った」状態と言えるのか、そもそも自分の困りごとは治るものなのか、治さないといけないものなのか、昔ならはっきり答えられたことが今となっては全然分からなくなってしまっている。それでも、働いて経済的に親から自立したいという夢はどうしても捨てきれない。

 臨床心理士になるという夢も、ようやく諦めがついた。通信制大学に編入した時は、確かに「もしかしたらできるかもしれない」という希望に満ち溢れていたはずなのに、この変化は何だろう。今後また何か別のことについて最初は「できるかも」と思えても、同じように無力感や劣等感でいっぱいになる時が来るんだろうか。でも、自分が思い描く心理士像にふさわしい「良い人間」にならなければいけないという自分へのプレッシャーがなくなり、悔しいことにほっとした部分もある。
 一応、認定心理士の資格は取得しておいた。これで、「心理学の専門家として仕事をするために必要な,最小限の標準的基礎学力と技能を修得している,と日本心理学会が認定した人」ということになる。

 障害基礎年金を受け取れることになり、遡及請求した分も口座に振り込まれた。「働けないから生きていけない、じゃあ死ぬしかない」という強迫観念が和らぎ、「この先も生きていけるかもしれない」と前向きに感じられるのが嬉しい。行政から「生きていていいよ」とでも言われたような気分。ただし、毎月6,7万円という額では経済的に自立した生活など営めるはずもなく、やはり家族に扶養されることなしに精神障害者が生きる選択肢は、国から想定されていないらしい。
 通院している精神科では、以前から服薬しているアリピプラゾールに加え、トリンテリックスという薬が増えた。これを飲み始めてから、なんとなく日中の活動量が増えた気がする。
 臨床心理士の先生によるオンラインカウンセリングも受けてみた。「話してみて良かった」と心底ほっとする時もあれば、言いたいことが伝わらずもやもやしたり、なんとなく引っ掛かるような物言いをされたりすることもある。ただ、全体的には「悪くはなさそう」という感じがする。いざという時に、お金さえ払えばプロに話を聞いてもらえるという安心感は大きい。

 障害年金の遡及請求で自分にとって大きな額を手に入れたことで、それを資金にある程度の都会へ出て仕事を探し一人暮らしをするという夢の実現を試みることになった。自分にはどうせ無理だろうと思って周りには話していなかったものの、オンラインカウンセリングの中で臨床心理士の先生に背中を押されたことをきっかけに、親や主治医の先生に話してみると、意外にも反対はされなかった。メリットとデメリットを思いつく限り洗い出して考えた結果、チャンスがあるなら挑戦してみても良いのではないかという結論に至った。
 実家にいれば生活はできるけれど、やっぱり親から経済的に自立したい。地方は車の運転ができないと仕事に就くことも通勤もかなり厳しくなるけど、都会に出れば車がなくても仕事もあるし通勤もできる。これまでのように仕事が長続きせずすぐに辞めることになっても、他に仕事はいくらでもある。どうせ老後も年金だけでは生活していけないし、だったら少しでも自活できるようになる可能性に賭けたい。一年前の夏は「普通に働けない」「治療を続けても人並みに働けるようになる訳ではないらしいことを認めたくない」と苦しんでいたのに対して、今年は「普通に働けないなりに、自分の望む生き方に少しでも近付こう」という風に考え方が変わってきている。同じ所でずっとぐるぐる回り続けているような気がしていたけど、少し時間を置いて見てみるとちゃんと変化はあるらしい。10年治療しても自分が理想とする「普通」になれないなら、もう自分にとっての「普通」を受け入れるしかない。

 そうして、10月1日から福岡市内で一人暮らしを始めた。32歳の誕生日を、一人暮らしの部屋で迎えることができた。今は就労移行支援に通いながら、新しい生活に少しずつ慣らしている。
 小さなトラブルやアクシデントもそれなりにありながらも、大学卒業後9年振りの一人暮らしを満喫している。自分一人のために料理を作り、自分一人が暮らす部屋を整え、自分一人が浸かる用に溜めたお湯で温まると、いかにも自分自身の生活を送れている満足感がある。夜に静かな部屋で本を読んでいる時、寒い日に温かい飲み物を飲んだ時などに、はっきりと「幸せ」を感じられる。あちこち出歩いて、買い物をしたり、美術館や植物園に行ったり、演奏会を聴いたり。よく歩くようになったので、体重も2ヶ月で3kg落ちた。
 これから仕事を見つけられるか、働き続けることができるか、一人暮らしできるだけの収入を得られるかなどといった将来の不安は、もちろんある。けれど、今は「どうにかなるかもしれない」という希望を持っているし、現状まだ困ってはいない。「悩みや不安があるにはあるけど、まあ、なるようになるんじゃない?」という、数年前の私がなりたくてなりたくてたまらなかった境地に現在の私が至っているらしい。
 「頑張ろうとまた思えるようになる時」は、ちゃんと来た。このまま現状の生活を続けていても何も事態は変わらないと思っていたけれど、良くも悪くも「何もかもがずっとこのまま同じ」ということはないらしい。それができないなら死にたいとまで思い詰めた「親からの経済的自立」という理想を叶えたいと願い、もしかしたらそれは実現できるかもしれないと自分の可能性を信じることができている。その状態が今後も長く続くとは限らないけど、状況というものは必ずしも不変ではないことを思い出すことができれば、気持ちが上向きになれない時もやり過ごせるのかもしれない。


2024年に読んだ本

2024/01/08『意識をゆさぶる植物 アヘン・カフェイン・メスカリンの可能性』マイケル・ポーラン、亜紀書房
2024/01/24『クルミわりとネズミの王さま』ホフマン、岩波少年文庫
2024/01/28『布団の中から蜂起せよ アナーカ・フェミニズムのための断章』高島鈴、人文書院(再読)
2024/02/12『くらしのアナキズム』松村圭一郎、ミシマ社
2024/02/15『死ぬまで生きる日記』土門蘭、生きのびるブックス
2024/02/17『暮らしの図鑑 フィンランド時間 季節の北欧生活44×基礎知識×実践アイデア』吉田 Öberg みのり、翔泳社
2024/02/19『ティンダー・レモンケーキ・エフェクト』葉山莉子、タバブックス
2024/03/09『私の生活改善運動 THIS IS MY LIFE』安達茉莉子、三輪舎
2024/04/20『脳のお休み』蟹の親子、百万年書房
2024/04/21『かわいいピンクの竜になる』川野芽生、左右社
2024/05/12『自分のために料理を作る 自炊からはじまる「ケア」の話』山口祐加、星野概念、晶文社
2024/06/22『長い読書』島田潤一郎、みすず書房
2024/07/28『生きのびるための事務』坂口恭平、道草晴子、マガジンハウス
2024/08/25『ワンルームワンダーランド ひとり暮らし100人の生活』佐藤友理、落合加依子、小鳥書房
2024/10/12『百年の孤独』G・ガルシア=マルケス、新潮文庫
2024/11/07『ケルト人の夢』マリオ・バルガス=リョサ、岩波書店
2024/11/29『家父長制はいらない』 「仕事文脈」セレクション、仕事文脈編集部、タバブックス
(計17冊)


2025/01/01 Wed.

 朝、皆でおせちとお雑煮を食べた。元々は、午後にきょうだい3人で祖母の家へ行く予定だったけど、きょうだいの1人が今朝発熱したのもあって、さすがに取りやめになった。
 毎年元旦に撮る家族写真の撮影が終わってスマホスタンドを片付けていると、かつて隣家があった空き地に何か動くものが見えた。野良猫かと思って期待しながら窓の外に目を凝らすと、野生の雉だった。しかも、雄が3羽もいる。喧嘩をしている訳でもなく、まとまってのんびり歩いている。写真は撮り損ねたけど、珍しい光景に家族でわいわい盛り上がれて楽しかった。

2025/01/02 Thu.

 ハンドミキサーがある実家にいるからと、チョコレートシフォンケーキを作った。薄力粉をふるうのをさぼったので少しダマになったけど、ふわふわでおいしかった。

2025/01/03 Fri.

 すみっコぐらしの日本旅行ゲームで盛り上がる。私はビリだった。
 インフルエンザに感染していない方のきょうだいが帰省を終えて戻っていくので、近くの新幹線の駅まで家族で送っていった。きょうだい2人が一度に戻ると寂しいけど、今回は1人ずつなので寂しさが薄れて助かる。
 夜、両親とすっかり熱が下がったきょうだいと一緒に、お茶やノンアルコールのチューハイを飲みながらお菓子を食べておしゃべりして楽しかった。1人分空いたダイニングの椅子にはきょうだいの代わりにとらちが座って、おしゃべりを聴き時折撫でられながらすやすや眠っていた。
 今年の目標は、「楽しそうなことは積極的にやる」にした。自分のような人間がやってはいけないのだと自分で刷り込んだ(あるいは世間から刷り込まれた)思い込みをなるべく退けて、楽しそうだと思ったこと、少しでも憧れを抱いたことには気軽に手を出してみようと思う。ZINE作りとか、編み物とか、パン作りとか、少し派手でかわいい服や小物を身に着けるとか。

2025/01/04 Sat.

 七輪で色々焼いて食べた。市販のフランクフルトを炭火で焼いてケチャップをたっぷりかけて食べると、お祭りの屋台で売られているフランクフルトの味になっておいしい。
 夜、なんだかしんどくなってしまって、AIが返事してくれるというメンタルヘルス系のサービスに書き込んでみた。案の定、返ってくる返事にイライラしてしまい、すぐにやめた。AIを用いたこの手のメンタルヘルスケアとはどうも相性が悪い。

2025/01/05 Sun.

 もう1人のきょうだいも帰省を終えて戻っていった。インフルエンザの症状はほとんど治ったようでひと安心。
 冬服がセールで安くなっていたので、ZOZOTOWNでいくつか注文した。せめてLサイズの服が着られるようになれば、安く買える服の選択肢が増えて助かるのだけど、人間が着るために作られた物(服)に合わせて人間が体型を変えるというのは順序が逆にしか思えずどうも釈然としない(今はXLを着ている)。
 とらちが甘えてきてとてもかわいい。人見知りが強く繊細な性格のとらちが、私に対して喉をごろごろ鳴らしてしっぽを震わせながらまとわりついてきてくれて、懐かれている実感があってすごく嬉しい。

週間日記(2024/12/23-12/29)

2024/12/23 Mon.

 おみやげを持って、近所に住む祖母の家へ行く。焼きたてのステーキと、お皿いっぱいのサラダを出してくれた。色々おしゃべりして、楽しそうにしていてくれたので良かった。
 ふくちが私のスカートの裾に興味を示すので、何だろうと思ったらスカートに草の種がたくさん付いていた。歩いた時に、その辺の草の種が引っ掛かったんだと思う。地元に帰ってきたなあと実感。
 晩ごはんにチキン南蛮を作った。フライヤーがあると、簡単に揚げ物ができて良い。

2024/12/24 Tue.

 毎年我が家ではこれと決まっているクリスマスのごちそうを食べた。私はきのこのクリームスープが入ったポットパイを作り、母がチキンを焼き、予約していたクリスマスケーキを父が受け取ってきた。ポットパイは我ながらおいしくできたし、チキンは皮がぱりぱりに焼けていて、ケーキもコーヒーとよく合っておいしかった。チャイコフスキーのくるみ割り人形を聴いて、ノルウェーのスローテレビの暖炉の映像を眺めて、例年通りのクリスマス。
 実家は快適だけど、ずっとここにいるとなると、自由もプライバシーもないので息が詰まるような気がする。でも、時々帰省してくる実家としては最高。

2024/12/25 Wed.

 リビングを中心に、母と2人で床掃除をした。掃除機をかけた時点でとらちは2階に引っ込んでくれたけど、好奇心旺盛なふくちに掃除中うろうろされてはかなわないので、その間ケージに入ってもらった。すごく不満そうに鳴いていた。
 無事に床掃除が終わり、ふくちも解放されてこたつで幸せそうに熟睡。時折起きて、隣にいる私のノートパソコンのキーボードの上に陣取っていた。

2024/12/26 Thu.

 せっかく蒸し器がある実家にいるからと、一度作ってみたかったチャーシューまんの材料をスーパーで買い集めた。豚バラブロック、ラード、オイスターソース、テンメンジャン、黒砂糖。後は家にある物で何とかなりそう。まずはチャーシューを作るので、調味液を作って豚バラを一晩漬け込む。調味液がすごくおいしそうな匂いだった。
 年に一度の予防接種を受けるべく、ふくちを動物病院に連れて行った。行きの車の中では悲しそうに鳴いていたけど、病院に着くとおとなしくいい子にしていた。5種のワクチンを打ってもらった。帰宅して少しすると機嫌を直してくれたようで、お気に入りの籐椅子の上で気持ち良さそうに昼寝を始めた。

2024/12/27 Fri.

 昨日漬け込んでおいたチャーシューをオーブンで焼く。故宮博物館の肉形石のような、おいしそうなチャーシューができた。強力粉やイーストを使って生地を作り、チャーシューを刻んで香味野菜と炒めてあんを作って、包んで蒸してチャーシューまんの完成。包むのがすごく難しくていくつかは成形に失敗したけど、味はとてもおいしい。手間をかけただけある。蒸したてのおいしいチャーシューまんをお腹いっぱい食べるという密かな野望を叶えることができた。
 夜、なんだか疲れてしまって、ひたすらスマホを見ていた。TwitterのおすすめTLを何度も読み込んで興味のないツイートを眺めたり、インスタで昔の知り合いのアカウントをわざわざ探して落ち込んだり。こんなことしなければ良いのにと自分でも思う。

2024/12/28 Sat.

 お昼ごはんに、昨日のチャーシューの残りを使ってあんかけ炒飯を作ってみた。見よう見まねでも、それなりにおいしくできた。チャーシュー自体は漬けて焼くだけで作れるので、手軽でいいな。
 夜、お風呂に入るのがだるくて面倒くさくて、ただただスマホを眺めていた。10月に一人暮らしを始めて以来、動けるし家事もできるし、お風呂にも入れるし、死にたくならないしで自分にしてはかなり調子が良かったものの、帰省して実家で1週間ちょっと過ごした所、なんだかぐったりしてきてしまった。福岡にいた時は「先のことはどうなるか分からないけど現状まだ困ってはいないし、案外なんとかなるのかも」と思えていたのが、地元にいると「なんか、駄目かもしれない」と思えてくる。こういう時、支援職の人に相談しても良いのかもしれない(事業所がまだ年末年始の休みに入っていなければの場合)。就労移行支援や相談支援のスタッフさんからは、何かあったら電話やメールをするようにと言われてはいるけれど、自分からSOSを出すことができるなら、これまでこんな苦労をしてくることはなかった。「別にこの程度大したことはない」と本心にしろ強がりしにしろそういう考えで押さえつけて、何ともないと思おうとしてしまう癖が染み付いている。とらふく会いたさ(と祖母喜ばせたさ)に長めに帰省することにしたんだけれども、まだ2週間もある。いけるだろうか。Blueskyにぶちぶちと愚痴を書き連ねる。次からは、帰省は長くて1週間程度に留めておいた方が良いのかもしれない。観葉植物も枯れるし。

2024/12/29 Sun.

 父母が発熱。病院での検査の結果、インフルエンザA型とのことだった。私だけどうともないので、家事をしたり、病人用に雑炊を作ったり。
 夜、疲れて動けなくなって、22時頃にようやく食器を洗ってシャワーを浴びて寝た。

週間日記(2024/12/16-12/22)

2024/12/16 Mon.

 早朝に、非常ベルのような音が外から聞こえた。非常ベルかどうかも分からないけど、どうやら近くの建物から聞こえてくるらしかった。もしかして火災か何かだろうか、この建物ではないようだけど部屋の外に出るべきなんだろうか。誤作動かと思おうとするのは正常性バイアスによるものだろうか。布団に潜ったままそわそわしているうちに音は鳴りやんだ。安心して二度寝した。
 郵便局で用事を3つ済ませた。自分が今住んでいる部屋の前住人宛てのはがきが来ていたので、その旨を伝えて窓口にはがきを渡した。今回の帰省は少し長くなるので、狭いポストがチラシでぱんぱんになることを考えて、郵便物を止めてもらう手続きもした。それから、ゆうパックの一番大きいサイズの箱を買って帰宅。冬服やおみやげがかさばるので、荷物をゆうパックで送ることにしてみる。郵便局はマンションから徒歩5分程度の近い場所にあるものの、段ボール箱を持って歩くと風を受けて歩きにくかった。葉っぱを運ぶハキリアリの気分。
 段ボール箱を組み立てて、帰省の荷造りをした。服が重い。郵便局に持ち込もうと思っていたけど、これは集荷に来てもらった方がいいかも。
 意を決して、最も嫌いな家事のひとつであるお風呂掃除をやっつけた。頑張った。勢いで湯船にお湯も溜めた。ものすごく温まった。冷えに冷えていた身体を温めると、分かりやすく幸せを感じられる。幸せだと思える頻度が、一人暮らしを始めて以来明らかに増えている。幸せが増えたというより、それに気付けるようになったのかもしれない。いつでも暖かい実家にいると暖かさのありがたみに気付けないけれど、築30年の冷え冷えマンションに住むと、温かいお風呂や温かい飲み物が本当にありがたい。
 先週買った温湿度計が役に立っている。室温が16℃前後になるとさすがに寒いので、一人だと電気代を考えて渋りがちになる暖房をつける目安になっていい。エアコンの音が少しうるさいけど、20℃程度にもなればかなり快適。

2024/12/17 Tue.

 どんどん物が増えていく本棚を整理したり、デスクやデスクチェアの緩んだねじを締め直したり、長いこと着ていない服を搔き集めてごみに出したり。
 相談支援事業所の方から電話がかかってきて、就労移行支援の受給者証ができたとのこと。無事、就労移行支援を利用できることに決まったらしい。
 ゲーム「刀剣乱舞」の連帯戦が始まった。これで新刀剣男士まで入手すれば、刀帳にある195振全ての刀を揃えることができる(現時点で、抜丸と道誉一文字が不在)。超難周回編成を考えた。

・1,2戦目:青江/歌仙/九鬼/富田/後家/孫六
・3~8戦目:江雪/石切丸/雲生/福島/稲葉/鬼丸
・9,10戦目:宗三/五虎退/丙子/火車/大慶/実休

2024/12/18 Wed.

 就労移行支援。情報処理技能検定の問題があったので、4級と3級をやってみた。ROUND関数というものを覚えた。数字が苦手なのでExcel自体になんとなく苦手意識があるけど、テキストを読んで関数をひとつ理解することができたので良かった。
 Pixiv FACTORYで注文していたスウェットが届いた。とらちの写真が大きくプリントされていて、とてもかわいい(とらちが)。買っておいたリボンを蝶結びにして、安全ピンでスウェットに取り付けた。赤いリボンがとらちに映えて、やっぱりかわいい(とらちが)。リボンを外してスウェットは洗濯。着るのが楽しみ。
 ゲーム「魔法使いの約束」の5周年ストーリーを読んだ。読めば感情を大きく揺さ振られるだろうことは分かっていたので、読むのに体力が要ると思って先延ばしにしていたのだった。腹を括って読んでみると、やっぱりとても良かった。今回は派手な戦闘や敵ポジションのキャラなどはなかったけど、キャラクターの関係性をメインにしてこんなにおもしろいストーリーを作れるなんてすごすぎる。一番好きなキャラクターであるオーエンはもちろんのこと、どのキャラも好きだなあと思える話だった。おもしろかった。

2024/12/19 Thu.

 就労移行支援の事業所の人と、相談支援の事業所の人とで面談。自分が伝えたいことと向こうが解釈した内容が微妙に違っていて、その修正が難しかった。でも、いかにも生身の人とコミュニケーションを取っている実感が湧くし、何より他人が自分のために時間と手間を割いてくれるのはありがたい。「人に笑顔を振りまけるし、言葉遣いも柔らかくて会話の中での反応も速いから、面接もすぐに通ると思う」と言われ、そんなに褒められる機会はないから内心かなり照れてしまった。かつては面接試験を受ける度に「今すぐ窓から飛び降りて、死んででもこの場から逃げ出したい」と思っていた人間が、「面接もすぐに通る」なんて言われる日が来ようとは。もちろん、実際に面接を受けてみないことには分からないけども。

2024/12/20 Fri.

 今日の最低気温は1℃、まだ氷点下ではないけれどとても寒い。
 就労移行支援。情報処理技能検定の3級と、日本語ワープロ検定初段の過去問。
 昨日一昨日とさぼった大掃除の続きに着手。とはいえ、狭いワンルームの中で掃除する箇所は多くはなく、最後に残していた台所だけ簡単に掃除をして終了。帰省中に着る衣類を詰めたゆうパックの大きな箱を集荷に出した。

2024/12/21 Sat.

 久し振りに6時台に起きた。荷造りを仕上げて、冷蔵庫以外のコンセントを抜いたりブレーカーを落としたり。帰省中に心配になる可能性があるので、コンセントやブレーカー、きちんと閉めた玄関ドア等の写真を撮っておいた。マンションに戻らずそのまま帰省できるように、最寄りの地下鉄の駅のコインロッカーにキャリーケースを入れておく。
 午前中は就労移行支援に行く。情報処理技能検定の準2級はさすがに分からない箇所が多くなる。テキストを見て、AND関数とOR関数、絶対参照を覚えた(多分)。
 就労移行支援が終わって、コインロッカーからキャリーを取り出して地下鉄に乗り、西鉄天神高速バスターミナルからバスに乗った。高速バス乗り場に来ると、これから楽しい長期休みが始まるんだという大学時代のわくわく感を思い出す。もう10年は前のことなのに。天神バスターミナルから博多バスターミナルまでの道程が、「帰省の時に時々通る道」から「普段歩いてよく通る近所」に変わったのがなんだかおもしろかった。
 高速バスの中で文字を読むと酔うので、本やスマホを見なくても楽しく過ごせるようにとワイヤレスイヤホンを持ってきた。ところが、ただでさえ眼鏡を掛けているのに、マスクの紐と耳掛け式のイヤホンもとなると、さすがに全ては耳に掛けきれない。イヤホンには今にも落ちそうな不安定なぶら下がり方をさせてしまったけど、music for reading by fuzkueのプレイリストを聴きながらバスに揺られていると、気分が良かった。
 父がバス乗降場に迎えに来てくれて、家に帰ってきた。とらふくが戸惑いながらも出迎えてくれて嬉しい。両親と喋ったり、荷解きしておみやげを並べたりしながら、ぱしゃぱしゃとせわしなく猫達の写真を撮る。もちろん、もふもふの冬毛をたくさん撫でた。一ヶ月振りに会う私のことをしっかり覚えてくれていて、足元にまとわりついてすり寄ってきてくれて、本当に嬉しい。
 今日着てきたとらちスウェット(とらちの写真をプリントしたスウェット)は、家族に大好評だった。

2024/12/22 Sun.

 夜中、ごく弱い風が顔に当たる感触で目が覚めると、目の前にふくちの顔があった。風の正体はふくちの鼻息だった。撫でてやるとごろごろ言い、私の周りをうろうろした後、私の足に寄り添って寝た。
 父は吹奏楽、母は弦楽アンサンブルの本番に出かけたので、私は留守番して、洗濯をしたり掃除機をかけたり、あちこち片付けたり。こたつを出すと、猫達が喜んでくれた。
 庭がすっかり冬景色になっている。真っ赤に紅葉したもみじは風が吹く度に葉を落としていくし、鮮やかな濃いピンク色のさざんかがいくつも花を咲かせている。ヒヨドリなどの野鳥がさえずる声も聞こえる。
 今日も猫の写真をいっぱい撮った。カメラロールがみるみる猫だらけになっていく。

週間日記(2024/12/09-12/15)

2024/12/09 Mon.

 10時間寝た。30分ほど歩いて博多駅近くのヨドバシカメラまで行き温湿度計を買い、また30分歩いて帰ってきた。部屋に温湿度計を置いて、室温が下がり過ぎたら暖房を入れるルールにしておけば、むやみに寒さを我慢してメンタルに悪影響を及ぼすことも減るかもしれないという算段。ついでに寄ったロピアで買ってきたヤンニョムチキンとキンパでお昼ごはん。すごくおいしい。
 晩ごはんに、どう見ても一人暮らしの量じゃないかぼちゃシチューができた。豚肉と大根の味噌煮も作ったけど、これは冷凍して作り置きおかずとする。
 昨夜「幸せ」を実感してから、気が付いた。以前、手を繋いで歩くカップルに憧れを覚えたことがあったけど、あれはもしかしたら幸せそうに見えるから羨ましかっただけなんじゃないか。よく考えれば、人と接することにものすごくエネルギーを要する自分が誰かと手を繋いで幸せを感じられるかというと、ちょっと想像がつかない。でも、私は私一人で幸せだと思える時間を過ごすことはできる。幸せの種類や形は違えど。幸せそうに見える他人の幸せが、私にとっても幸せとは限らない。だったら、他人の幸せを模倣しようと追う必要はないんじゃないか。
 10月末にインストールしたマッチングアプリをやめてもいいかもしれないと思った。性別問わず友達作り、あわよくばパートナーもと思って始めたTinderでは、奇跡的にごくごく少数の人とメッセージのやりとりを続けることができていた(実際に会ったことはない)。私のような人間と話してくれるのは嬉しいし、とてもありがたい。ただ、私の「人と関わること全般にものすごくエネルギーを使い疲弊する」という症状なのか特性なのか、もう何年も続くその問題によってどうしても勝手にしんどくなってしまう。場数を踏んで慣れていけばもしかしたらという期待もあったけど、今のところそうした兆しは全く見えない。そこへ、「特定の相手と親しい関係を築かなくても、どうやら私には私なりの幸せがあり、それは私一人で十分完結できるものらしい」という気付きが生まれてしまったら、もうアプリはいいかなという気になってしまう。多分、何ヶ月か経てばまた人と関わってみたい欲求が再燃してアプリを入れるんだろうけど、とりあえず今のところはお腹いっぱいだ。

2024/12/10 Tue.

 9時間以上の睡眠が続いている。十分に休息を取れた満足感があって良い。
 日記ZINEの原稿作り。サイズはA6かB6か、縦書きか横書きか、フォントはどうするか、と色々考えてWordをいじるのは楽しい。当初は9~11月の日記を一冊にまとめようと思っていたけど、もう少し分厚くても大丈夫そうなので、12月の分も加えることにした。ボールペンでちまちまと挿絵も描いた。文章も絵も上手くはないし、複数部刷ったところでそれがどこかで売れるとも思えないけど、何より自分が楽しいので良い。単なる趣味だし。

2024/12/11 Wed.

 就労移行支援。スタッフさんと一対一で面談があって、今後の長期目標や短期目標を考えた。数年前に地元で就労移行支援を利用した時は、いつまでに就職したいか訊かれただけで死にたくなっていたけど、今回は特にそう感じなかった。あの時は就労移行支援どころじゃなかったのかもしれない。色々尋ねられ、「親から経済的・精神的に自立したい」「不安は火災報知器のようなもので、自分の場合は少しの煙にも反応して鳴るが、不安それ自体は悪いものではない(どこかで聞いた表現)」「どういう仕事に就きたいかはまだ決めておらず、就労移行支援に通いながら考えたい」「人といるといっぱいいっぱいになるが、それはもう仕方がないものとして、後から自分でどうリカバーするか」といったような内容のことを答えた。
 ZINEの原稿をいじった後、とらふくLINEスタンプ作りの続きに取り掛かった。YouTubeの動画をBGMにひたすら作業していたら、いつの間にか夜の10時になっていた。時間を忘れてこんなに集中できたのは久し振りだ。ずっと机に向かっていたので肩も腰もばきばきで、目もすごく疲れたけど、創作活動に夢中になれたことがとても嬉しい。とはいえ今日はもう疲労が限界なので、シャワーと歯磨きだけ済ませて、晩ごはんも食べずに寝た。

2024/12/12 Thu.

 泥のようにぐっすり眠った。昨夜せずに寝た洗濯や洗い物をやっつけて、ごく簡単に部屋の掃除をした。今日の午後はマンションの消防設備保守点検があるらしい。ポストに入っていたお知らせには、「ベランダに避難器具が設置されているお部屋は、点検者が入室して器具の点検を行います」とも書いてあった。残念ながら、私の部屋のベランダには「避難はしご」と書かれたそれらしい物がある。どうせベランダには出ることはないからと、窓を塞ぐようにしてメタルラックを置いて観葉植物の鉢を並べていたので、それらの障害物を脇に移動させた。自分の部屋に他人が入ってくるのは非常に気乗りしないけども、仕方ない。
 とらふくスタンプがとりあえず仕上がったので、LINE Creators Marketに審査のリクエストをした。絵が下手すぎるからもっと上手くなりたいという気持ちと、楽しく描けたのだからそれが何よりだという気持ちとがせめぎ合っている。

2024/12/13 Fri.

 9時間たっぷり寝たのでいつも通りすっきり目が覚めるはずが、今朝はどうにも眠い。あまりの眠さに、これは行ってもまともな活動にならないかもしれないと考え、思いきって今日の就労移行支援を休むことにした。働き出したら眠気で欠勤する訳にはいかないので、いつかは無理をしないといけない時が来るはずだけど、少なくとも今はまだその時じゃない。休む旨をメールで送って、さらに3時間眠った。結局、合計12時間寝て、ようやく気が済んだ。
 LINEスタンプの審査が通り、販売を開始できた。さっそく自分用に購入して、家族のLINEグループに送った。自分で使いたいスタンプを作って、実際に使えるのは楽しい。何より、素材が良い。とらふくはかわいいので。
 夜は、桜坂の森本能舞台に「ネイティブ・アメリカンの儀礼歌による「夜の歌」」を観に行った。小学生の頃にネイティブ・アメリカンの文化に興味を抱き、それから20年ほど経ってペヨーテに好奇心を掻き立てられるようになり、という具合に関心を持ち続けているので、ネイティブ・アメリカンの歌を実際に聴く機会だからとチケットを購入していたのだった。前半は、お経をこんなに集中して聴く機会ってなかなかないなと思った。後半は、お経や舞、笙、琴、ガムランという独特の組み合わせの演目で、これもおもしろかった。感想を言葉にするのが苦手なため「何かよく分からないけど、すごかった」という言い方しかできないのがとてももどかしい。なんとなく、シャーマンによる神聖な儀式にでも参加しているかのような気分で能舞台を観ていた。不思議な体験だった。
 21時頃に能楽堂を出て、地下鉄に乗って戻ってきた。小腹が空いたので何か食べたいけど、マンションに帰り着いてからすぐ食べたら、その後お風呂に入るのがとてつもなく億劫になるに決まっている。そこで、駅から途中にあるコンビニで肉まんを買い、食べながら歩いて帰ることにした。人通りは相変わらず(地元に比べて)多いけど、暗いからあまり気にならない。寒い屋外で食べる肉まんってなんでこんなにおいしいんだろう。おかげで、帰宅してすぐに手洗いうがいとシャワーを済ませることができた。明日こそ就労移行支援に行く。

2024/12/14 Sat.

 今日は就労移行支援に行った。就業規則の重要性等について学ぶプログラムを受講。遅刻や欠勤を極力しない安定した勤怠というものがいかに大事かという内容があったけど、その「安定した勤怠」ができないのも症状のうちといったような人達が支援対象になっているだろうに、それがどれだけ重要かと説かれても、なんだかなと思う。困っている個人に対して、できないことをできるようになるよう強いるよりも、困っている個人があまり困らないで済むように周囲の環境を整えるのも支援の在り方なのではないかなと思ってしまう(それもしているのかもしれないけど)。どんな要素であれマイノリティというのは一定数いるのだから、マイノリティがマジョリティに馴染むよう努力させられるより、マジョリティの方こそ器を大きくするべきなんじゃないだろうか。もちろん、すぐすぐには変化しない世の中で生きていくためにはマジョリティに近付こうとする必要があるのだろうけど、当事者にだけ変化を促すことだけが支援だとは思いたくない。
 いつの間にか、街中の花壇の花が植え替えられている。10月に福岡へ来たばかりの頃は、マリーゴールドやニチニチソウなどが植わっていたけど、今はパンジー、ビオラ、アリッサム、プリムラ、金魚草、ノースポールといった冬の花になっている。
 天神に行く途中の道に、マンションだか住宅だかの営業で勧誘している人達が立っている。最初に声を掛けられた時は「チラシを渡すことが目的なので、ちょっと建物内に入ってチラシを受け取ってくれるだけでいい」と言われ、ここでついて行ったら何かが終わるに違いないと確信し「すみません、すみません」と言いながら苦し紛れに通り過ぎた。次にまた同じ人から話しかけられ、「すみません」「ごめんなさい」「お疲れさまです」と弁解しながら逃げた。今日は別の人に捕まり、「すみません、この間お断りしたので、すみません」と平謝りでもしているかのようにぺこぺこ頭を下げながら通り過ぎた。その人が背後から「お優しいですね」と言うのが聞こえた。チラシを受け取ってもらうだけだからと通行人を連れ込ませるやり方はどうせこの会社のお偉いさんが決めたのだろうけど、逆らえない立場にある従業員の人達に、この寒い中に立たせて無謀な営業をさせるなんてとんでもないと思う。物件なんて購入しようと思っている人しか買わないのに、チラシをもらって「じゃあ買おうかな」なんてなるはずがない(多分)。今後はこの建物の前を避けて反対側の歩道を通るようにしたいけど、もしうっかり忘れて通ってしまったら「風邪引かないでくださいね」とか「寒いのに大変ですね」とか言いたい。でも、その心配する声かけから勧誘に繋がってしまったらどうしよう。

2024/12/15 Sun.

 今日から5日間かけて、ちょっとずつ部屋の大掃除をすることにした。洗濯槽クリーナーを使って洗濯機を掃除したり、ベッド下のたんすの奥にフローリングワイパーをかけたり、クローゼットや洋服だんすの整理をしたり、手当たり次第に物を突っ込んでいた棚の中身をきちんと整頓したり。どうかこのやる気が5日間続きますように。
 午後は、人に渡す誕生日カードとクリスマスカードを描いた。相手に喜んでもらいたくて絵を描くのは、私にとってはかなりの愛情表現なんじゃないだろうか。(愛が)重たい紙きれ。それにしても、部屋の照明のLEDライトを買い替えて本当に良かった。当初は暖色の電球にして、暖かな色味に満足していたものの、ただ暗かった。メイクする際に不便だったけど、まあいいかと妥協していた。ところが、先日絵を描いた時に色鉛筆の色が見えにくいことに気付き、暖色にも蛍光灯系の白色にも色味を変更できる電球に慌てて買い替えた。おかげで、紙に塗った色鉛筆の色が前より見えやすくなった。電球を買い替えた理由がメイクのしにくさではなく絵の描きにくさだという自分のことは、嫌いじゃない。そのうちデスクライトを導入するともっと良いかもしれない。

週間日記(2024/12/02-12/08)

2024/12/02 Mon.

 ぐっすり9時間寝た。朝ごはんに野菜をたっぷり入れたスープを作り、3日分の野菜不足の埋め合わせをして、室内干しの限界に挑むような量の洗濯物を干し、荷解きもほとんど終わらせた。
 相談支援事業所のスタッフさんが来て、支援計画を立てたのでサインをするようにとのこと。
 寒い部屋でお茶を飲むと、本当においしい。冬中ぽかぽかに暖かい実家では、このありがたさに気付けなかった。マンションの部屋は寒くて床も冷たいけど、念願の一人暮らしが叶ったからこそのものだと思うと嬉しい。自分一人でマンションの一室に住んで、自分一人のためだけに家事やら買い物やらをして生活しているというだけでこんなに嬉しいのに、これで自分一人を養えるだけの収入を稼げるようになってしまったら一体どうなるんだろう。そんな嬉しいことがあっていいのか。でも、これが嬉しいことだというのは社会からそう思わされてるからだと思う。経済的に「自立」していることが当たり前で、社会の全員がそれを目指すべきだと刷り込まれているから嬉しく感じるだけで、本来は収入の有無や額なんか一切関係なく、誰だって健やかで楽しい生活を送る権利があるのに。仕事をしている人を指して「社会人」と表現することに一生反発していきたい。
 旅行が楽しかったよという話題を祖母への手紙に書いた。イラストや写真、おみやげのポストカードなどを入れたら、ちょっと分厚い封筒になってしまった。喜んでもらえるといいなあ。祖母とも両親とも、一緒に暮らさず物理的に距離を置いてみると、衝突する機会がないから大好きなままでいられて嬉しい。実家だと、部屋と部屋を隔てる壁がなく、自室があるのにないみたいな状態だったから、ようやくプライバシーを保てる自分の部屋を持てた気分。
 美術館で買ってきた額絵を壁に貼った。何もない壁に大きい絵を飾りたかったから、良いのがあって良かった。ゴッホのバラと、福田平八郎の「芥子花」。枕元に芥子があるのがポイント。

2024/12/03 Tue.

 紛失したnimocaの再発行をしにソラリアステージへ行き、2日後以降に新しいnimocaを受け取れることになった。ひと安心。とらちスウェットに縫い付けるためのリボンを手芸屋さんで買って、ドラッグストアとスーパーに寄って帰宅。
 旅行の日記を書いた。楽しかったことや考えたことを忘れたくなくて、あるいは忘れても読めば思い出せるようにしておきたくて逐一書いたら、3日間の日記は8,000字を超えた。頭の中がすっきり整頓されたような気がして満足。

2024/12/04 Wed.

 就労移行支援。ヘルスケアについてのプログラムを受講。
 大きなブロッコリーを買ったので、大量のミモザサラダを作った。りんご抜きのミモザサラダをお腹いっぱい食べたいという小中学生の頃の夢を叶えられる大人になれた(給食のミモザサラダにはりんごが入っていた)。ごはんを炊いてラップに包んで冷凍し、朝ごはんに食べるトマトスープも作った。
 夜、キーウ・クラシック・バレエの「くるみ割り人形」を観に行った。混んでいるバスに乗りたくなかったし、nimocaも紛失してるから小銭の用意も面倒だしで、片道40分の道程を歩いて往復した。頭の中でずっとくるみ割りの曲を流しながら、イルミネーションできらきらした街路樹を眺めて歩くのは、なかなか楽しかった。暗くなってからの外出というものを普段しないから、特別感もある。なぜかチョコレートの踊りだけ冒頭が全然思い出せなくて、5分10分歩いた所でようやく思い出せてすごくすっきりした。せっかくバレエを観に行くのだからと、ロマンティックチュチュのようにふんわりした白いチュールのロングスカートと、タイツ生地の白いハイソックスと、バレエシューズに似たピンクのメリージェーンを身に着けた。後は、普通に黒いカーディガンとか、黒いコートとか。ちょっといかにもすぎるかなと思ったけど、隣の座席の人も似たような白いチュールのスカートを着ていたので、こういうことを考えたのは私だけじゃないのかもしれない。
 初めて観るプロのバレエは素晴らしくて、夢のように美しくて、比較するのも変だけどディズニーランドよりもずっとわくわくすると思った(私はディズニーがあまり好きじゃないし、ディズニーランドに行ったこともないけど、なんとなく大多数の人が楽しいと感じるものの代名詞のひとつだと思っている)。自分もクララのように素敵な夢の中にいるような気分でずっと観ていた。ステージにいる全ての人が美しくて、その誰もを見ていたいので、目が8個くらい欲しかった。人生で初めて人間を美しいと思ったのは、3,4歳頃のバレエの発表会で見た研究科のお姉さん達のコーヒーの踊りだった。それから30年近く経って、初めて客席からプロのコーヒーの踊りを見たけれど、やっぱり美しかった。もちろん衣装も振り付けも違うけど、本当にきれいだった。冒頭のクリスマスパーティーの場面では、舞台の脇で喧嘩の動きをしている子どもたちがいてかわいかった。雪の精の踊りは見たことがない動きだったけど、ちゃんと雪だと分かるし、雪の結晶の形を思わせるような動きがあって感嘆した。我が家のふくちがよくやる、両手を手首の辺りでクロスさせた「瀕死の白鳥」ポーズも出てきた。ロシアのトレパックではなくウクライナの民族舞踊の場面があって、軽やかで力強い曲と動きがとても素晴らしかった。花のワルツは鮮やかなピンクのロマンティックチュチュがひらひらなびいて、美しさにうっとりした。今まで聴いたハープの音色の中で一番きれいだと思った。金平糖の女王のチュチュには、銀色のきらきらした飾りがたくさんついていて、動く度に照明が当たってちらちらと瞬いて本当に美しかった。明日は両腕が筋肉痛になるだろうなと思うくらい、力いっぱい拍手した。観終わってからも楽しい気分が続いていて、スキップかツーステップで帰りたいくらいだった。

2024/12/05 Thu.

 区役所に行って、就労移行支援の利用が適切かどうかの判断をする窓口調査を受ける。担当してくれた職員さんは優しかったけど、見ず知らずの人に自分の病歴や悩み事をべらべら話すという状況がこの所ちょこちょこあったからか、なんだかぐったり疲れてしまった。夕べ寝不足気味だったのもあってか、気分が沈んだ。ソラリアステージに寄って、再発行したnimocaを受け取る。帰りに寄ったスーパーで見事な大根が一本200円で売られているのを見つけて、少しだけ持ち直した。

2024/12/06 Fri.

 就労移行支援。日本語ワープロ検定の過去問。
 昨日買ってきた大根を、鶏肉と干し椎茸と一緒に煮た。味がよくしみたすごくおいしい煮物ができた。こんなにおいしい煮物を作ることができる私という人間のことを、私はもっと大事にしていいはずだと思えた。

2024/12/07 Sat.

 就労移行支援。動画プログラムを視聴。ひたすら眠かった。
 この後オーケストラの演奏会を聴きに行くので、マンションには帰らずそのままホールへ向かうことにした。開演までは時間があるから何か本を読んで時間を潰そう、でも本を持ってくるのを忘れてしまった、これを口実に何か欲しい本を一冊だけ買っちゃおう、と魔が差してジュンク堂へ行くも、今まさに読みたいと思える本がなかなか見つからない。読んでみたい本は無限にあるのに、昔に比べてすっかり本を読めなくなってしまった自分には、とっつきやすさが本選びの最重要事項になってしまう。悲しい。1階から3階までを散々うろうろして、ようやくハン・ガンの『菜食主義者』をレジに持っていった頃には、ゆっくり読書できるような時間は残っていなかった。ドトール(一人での外食がなかなかできない自分にとって一番入りやすい店)でミラノサンドと温かい紅茶を頼み、結構ガーリックが効いている新メニューをもさもさと食べて、演奏会の会場に向かった。途中、クリスマスマーケットをやっているらしい公園を通ったので、それぞれの出店がどんなものを売っているのかちらっと眺めてみた。ほとんど食べ物屋さんだった。演奏会の曲目は、死の舞踏とカレリアとカリンニコフの交響曲第1番。死の舞踏は以前にも演奏会で聴いたことがあるし、カレリアはシベリウス好きの父親がいる家庭で育った人間にとっては子守唄といえるほど慣れ親しんだ曲だけど、カリンニコフはほとんど聴いたことがない。クラシックの演奏会に行って、知らない交響曲を聴いているという状況が新鮮だった。アンコールは、チャイコの眠れる森の美女。自分では作曲家と曲名が思い出せなかったけど、曲自体はすごく聞いたことがあるものだった。オーケストラの演奏会に対して色々ひねくれた気持ちやこじらせた思い出はあるけれど、やっぱりいいなあ。そう思って、パンフレットにチラシが挟まっていた九州交響楽団の定演のチケットを勢いで購入した。せっかく福岡に来たのだから、芸術に触れられる機会を逃すのはもったいない。
 アクロス福岡にあるおしゃれな文房具屋さんを覗いて、松尾ミユキさんのカレンダーをすごく欲しいと思ったけどなんとか我慢して、イオンショッパーズの無印と百均で買い物をした。あくまで必要な物だけを買ったつもりではあるけど、お金を使いすぎている気がする。旅行にも行ったのだから当分は倹約しなければと思うのに、理性で物欲を抑えることがとても難しい。素敵な物、欲しい物が世の中には多すぎる。幼稚園の頃に母が書いてくれていた私の連絡帳には、美しい物への憧れや、素敵だと思う物に対するこだわりのようなものが強いといったような旨のことが書かれていた。美学や美意識のようなものがあると言えば、聞こえは良い(だから、美しくない自分の容姿を許せないんだと思う)。三つ子の魂百まで、三十路の今でもやっぱり魅力的な物への執着は捨てられない。好きなイラストレーターさんのカレンダーを飾りたいし、きらきらしたクリスマス雑貨を部屋に並べたいし、どうせ買うなら手頃な値段だけど気に食わないデザインの物より、これぞと思えるかわいい物を選びたい。素敵な物に対する憧れは多分そのまま持っていても構わないもののはずだから、その欲望を上手くあしらえるだけの収入さえ稼げるようになれればバランスが取れる気がする。それができないからずっと悩んでいる訳だけども。
 帰宅して、昨日の残りの煮物と、賞味期限が過ぎたレトルトの煮物(これも大根と鶏肉の煮物)と、ごはんを温めて食べた。同じ大根と鶏肉の煮物だけど、私が作ったやつの方がはるかにおいしく、私の舌に合っていた。晩ごはんを食べ終えたのになんだかジャンクな物が食べたくて、カップ焼きそばを作って食べた。後悔するのは分かっているのになんで食べてしまうんだろう。物欲を抑えられないのと同じかな。
 食器洗いや洗濯、お風呂を済ませて、せめて夜くらいは煩悩から解放された穏やかな時間を過ごそうと思って、ミルクティーとクッキーをお伴にIKEAのリラックスチェアでZINEを読んだ。他人の日記本っておもしろいなあ。途中に甘酢いかを摘まんでしまった以外は、良い感じの時間を過ごせた。いかもおいしかったけど。白湯を飲んで、ホットミルクも飲んで、この日記を書いて今日はおしまい。

2024/12/08 Sun.

 潰した段ボール箱を束ねて、寒さと面倒くささにしばらく渋ってからリサイクルステーションへ捨てに行った。土日の昼間だけ回収しているので、今日を逃したらまた一週間、狭い部屋の隅に段ボールが陣取ることになる。マンションのエントランスに降りると、いつの間にか大きめのクリスマスツリーが飾ってあった。緑ではなく白い葉に、ピンク系のオーナメントが吊るされていてとてもかわいらしい。共用スペースにこんな素敵なものを用意してくれた人に一言お礼を伝えたい。
 おやつに、山種美術館の近くで買ったパイナップルケーキとココナッツケーキを食べた。お店の方と少しおしゃべりをして、試食もさせてもらって買ったお菓子で、本当に良い旅行ができたなと思い出しながら頂いた。
 夜は、文学フリマ東京で買ってきたZINEを読んだ。一人暮らしの部屋でもこもこの膝掛けにくるまりながら、リラックスチェアに座ってZINEを読む時間があまりにも幸せで、幸せだと思えたこと自体も嬉しかった。仕事もこの先もどうなるか分からなくて不安はあるけど、まあなるようにしかならないし、やりたいことをやっていくしかないなと思えてくる。10年前などは30代以降の人生なんてないものだと思い込んでたのに、30代の今はこの先も人生があるものだと思って、それについて悩んだり不安がったりしている。なんだか悩みの質が変わったというか、贅沢な悩みになったというのか。生きるのをやめるという選択肢を今は持っていない、選びそうにないという状態がとてつもなく幸せだ。

週間日記(2024/11/25-12/01)

2024/11/25 Mon.
 実家の猫用カメラをアプリで見たら、あざらしのようにまるまるしたとらちが籐椅子の上でごろんと寝ていた。来月末に帰省する頃には、冬毛でもふもふとしているんだろうか。
 ヨドバシカメラまで歩いて行って、ワイヤレスイヤホンを買った。同じ建物の中にあるロピアも覗いてみようかと思ったけど、夕方のスーパーのあまりの人の多さに引き返して、DAISOだけ見て帰った。いつかはロピアのお惣菜を買ってみたい。
 さっそくイヤホンを使ってみたら、これがすごく良かった! 周りの部屋に配慮して音量を絞らなくていいし、料理をしていても音楽や動画の音声がはっきり聞こえる。最近見始めたオモコロチャンネルの食べ物系の動画をBGMに、ホワイトソースを作ってマカロニをゆで、昨日作ったミートソースと一緒にグラタンにした。ホワイトソースはダマだらけだし、ミックスチーズの代わりに買った安いヘルシーシュレッドは味がチーズに劣るけど、器いっぱいのグラタンは我ながらおいしかった。

2024/11/26 Tue.
 相談支援事業所の相談支援員の人が訪問調査に来た。見知らぬ人間が淹れたお茶は飲むのに勇気が要るだろうと思って、直前に近くのコンビニでペットボトルの温かいお茶を買い、保温バッグにカイロと一緒に入れておいたものを出して渡した。そうしてお茶を出すことで却って向こうに気を遣わせてしまうかなとも思ったけど、とりあえず持ち帰ってもらえた(置いて帰るのもそれはそれで勇気が要ると思う)。先日の就労移行支援での面談と同じような内容の聞き取り。何か困っていることはありますかと訊かれても、その状態がそもそもデフォルトだから、第三者から「それは困っていると言っていいよ!」とでも言われないと、自分が困っているのかどうか分からないなと思った。支援者側の人はよく「これはこういうことですか?」と私の悩みの理由をその人なりに解釈して理解してくれようとするけど、初めて会った人がすぐに納得できるような簡単な原因なら私も苦労しないんだよなとも思う。色々正直には答えたけど、もしこれで「福祉サービス(就労移行支援)の利用は適切ではない」と役所に判断されて、就労移行支援を利用できないというようなことはあるんだろうか。訊き忘れた。
 本当に、仕事さえしなければ、割と健康で快適な生活を営める。でも仕事をしないと年金だけじゃこの先も生きてはいけないし、それでも働けないから、だったら死のうかなと思うようになってしまう。働いたところで週5日フルタイムの労働を自分が続けられるかは分からないし、それだけ働いても得られる収入はかろうじて暮らしていける程度にしかならないと思うけど、賃金が低くて税金が高いのは政治の失敗だから、自分が経済的な自立できる可能性を政治に潰されたくない。

2024/11/27 Wed.
 就労移行支援。部署活動というものがあって、その見学をした。
 昨夜寝る前に思いついてどうしてもやりたかったことがあって、帰ってお昼を食べてからそれに着手した。PixivFACTORYで、とらちの写真をプリントしたスウェットを自分用に作る作業。カメラロールの膨大な猫写真の中からとびきりかわいいとらちの写真を一枚選んで、背景を透明化して、縁取りをして、PixivFACTORYにアップロードして位置を調整して完成。スウェットの色は、とらちの毛色が一番映えると思ったネイビーにしてみた。来月の後半に発送予定とあったので、それまでに手芸屋さんでとらちの首輪に似た赤いリボンを選んで、届いたらスウェットに縫い付けようと思う。ひとつ問題があって、服にリボンが垂れ下がっていると、帰省した時に真っ先にふくちの餌食になりそうな気がする。でも、リボンは付けたいしなあ。
 旅行に備えて歩いておきたかったけど、雨が降っていたので午後は大人しく部屋にこもっていた。外は寒々としているものの、温かい飲み物と膝掛けを相棒に自分の住みかでのんびりできて快適だった。一人暮らしを始めてもうすぐ2ヶ月、私の部屋が私にとって住みやすく居心地の良い場所になっていて嬉しい。引っ越してきた当初は「ここに住むのか…」といくらか戸惑ってすらいたけど、巣を作る動物のようにせっせと部屋を整えてきたかいがあった。

2024/11/28 Thu.
 朝、ちょうど出かけた時にひょうだかあられだかが降ってきた。就労移行支援に行き、ワープロ検定の過去問に取り組んだ。
 明日から2泊3日の東京一人旅! すごくわくわくしている。荷造りはばっちり、旅行の計画も多分大丈夫、心身の健康状態もなかなか良さそう。乗り換えはうまくいくだろうか。

2024/11/29 Fri.
 東京旅行! 朝4時に起きて、まだ日が昇らぬ内に出かけた。地下鉄を乗り継いで福岡空港に行く。空港は普段馴染みがない場所なので、「今から遠出するぞ」という非日常感があってうきうきする。早めに着いたのもあって、余裕をもって手続きを済ませて搭乗することができた。いつ離陸するかどきどきする瞬間はいつ体験しても楽しい。雲の上はとても天気が良い。飛行機の窓からこうして一面の青空を見ると、なんだか天国みたいだなと思う。機内バウチャーで飲み物と食べ物を頼めたので、ホットコーヒーとチョコレートマフィンをお願いした。地上から遠く離れた場所で、青空と雲だけの景色を眺めて飲むコーヒーがすごくおいしかった。空を飛びながら飲むコーヒー。着陸に向けて降下するにつれて、例のごとく耳が痛くなってきた。春の大阪旅行で耳抜きを習得したからと余裕ぶっていたものの、今回は耳抜きがうまくできず、両耳が痛いまま成田空港に降り立った。フライト中に、『家父長制はいらない』を読み終えた。
 成田空港の長い通路の壁一面に色々なポケモンがたくさん描かれていて、歩いていて楽しかった。こういうイラストがあると、かなり長いこの通路もうんざりせずに歩けていいなあ。成田空港から京成スカイアクセス線とJR武蔵野線、つくばエクスプレスを乗り継いで、茨城県つくば市へ移動。車窓から赤く色付いたもみじが見えて、そういえば今年の秋は紅葉らしい紅葉を見ていなかったと思い驚いた。樹木なんて腐るほどある地元と比べれば、福岡市内(の、私が住む辺り)は自然がうんと少ない。もみじもハゼもドウダンツツジも目にしない秋を過ごす所だったのか。
 つくば駅のコインロッカーにキャリーケースを預け、つくば市中央公園の中を歩く。良い天気で、野鳥の声を聞きながら落ち葉を踏み締めて歩くのが気持ち良かった。さざんかの花にメジロが飛んできている。街灯に「ロボット実験区間」と書かれた看板があって、学術研究都市らしさを感じた。
 SNSで見ていていつか行ってみたいと思っていた「本と喫茶 サッフォー」へ。読んでみたい本がありすぎて、選ぶのが大変で楽しかった。前から気になっていた『ゲリラガーデニング』と、ZINE2冊を購入。喫茶スペースで頂いたヴィーガンキーマカレーとコーヒーがとてもおいしかった。店内にはフェミニズムや反差別、反戦といったテーマが当たり前のものとして掲げられていて、そういう場所がすごく安心できることをここに来て知った。障害者福祉についての本も、支援してあげようという支援者目線のものではなく、より当事者に寄り添った当事者目線に近い雰囲気のものが並んでいて、一人の手帳持ちとしても嬉しい。セーファースペースというのはこんなに居心地が良いんだ…!
 サッフォーから少し歩いて、国立科学博物館 筑波実験植物園に行く。「いつか行けたらいいな」と思っていた場所へ立て続けに行けるなんて、こんな愉快なことはない。「温帯資源植物」の区画には、「イチゴの多様性」や「食の植物【ベリーの仲間】」と看板が立てられた場所があり、様々なイチゴやベリー類が植わっていて、ベリー好きには天国のような空間だった。地元の野山で見ていたフユイチゴや実家で育てていたブラックベリーも、こんなにもりもりと茂ったのは見たことがない。図鑑でしか見たことのなかったクマイチゴやモミジイチゴもある。いちご天国の隣には色々な野菜を植えた畑があり、キク科の野菜だけを集めたブースや、ネギ、ホウレンソウ、ダイコンなどが植わっている。本当にたくさんの種類の野菜が育っていて、いちご天国と併せてまさに理想の畑だった。それぞれの樹木の札を見ながら、雑木林のような道を歩くのも楽しい。地元の野山のようで落ち着く。ここももみじが真っ赤できれいだった。果樹のコーナーに立てられた「毒毛虫に注意」という写真付きのおぞましい看板に慄く。枝から枝へ飛び移るシジュウカラがかわいい。我が家の庭に生えていたら根絶やしにされる植物達(ヨモギ、オオバコ、ハッカ、ヘクソカズラ)にも、和名と学名と分類が書かれた札が立てられている。支柱まで添えられて、こんなに厚遇されているヘクソカズラなんて見たことがない。絶滅危惧植物温室には、名前も姿も知らなかった植物が管理されていた。熱帯植物の温室には、入るなり大きなエアプランツの株がたくさんぶら下がっていて、百均で売られているような小さなものとは比べ物にならないほど迫力があった。エアプランツってこんなに生命力に溢れていたのか。私が育てている百均のものと違って。蔓を伸ばしに伸ばしたバニラの鉢もいくつもある。バナナの木には花が咲いていたり、実が生っていたり。ゴレンシやドリアンといったトロピカルフルーツもある。スパティフィラムもストレリチアも、園芸店で見るそれと同じ植物とは思えないほど生長している。ここでもタビビトノキはガラス張りの天井に届きそうだった。今年はそれぞれ別々の場所で3回もタビビトノキを見ている。こんな贅沢良いんだろうか。園内を散々歩き回って植物を堪能して、鮮やかな黄色の銀杏を眺めながら天久保公園近くでバスを待った。時刻表より遅れてやってきた筑波大学の循環バスはぎちぎちの満員で、これは歩いてつくば駅へ向かった方が良かっただろうかと後悔するほどだった(でも途中で降りることもできそうにない混み具合)。すぐ隣にいる若いカップルは、学会がどうのこうのという会話をしていて、なんだかやたら偏差値の高そうな車内だなと思った。私が下げているけど。
 再びつくばエクスプレスに乗り、秋葉原でJR山手線に乗り換え。たまたま席に座れて、山手線で居眠りするという初めての体験をした。まるで都会の人みたいと思う所が、私が都会の人ではない証左になっている。東京駅のグランスタに行き、ネットで予約していた駅弁を受け取った。東京に来て、宮城県の駅弁を食べる。伯養軒の炙りえんがわずしというものをえんがわ好きとして一度は食べてみたかったのだけど、九州からでは宮城県はあまりに遠い。ところが、たまたま東京駅で販売していることを知り、こんなチャンスはないと喜んで飛びついた。ありがたい。
 また山手線に乗り、今度は寝ずにビジネスホテルの最寄り駅で降りた。御徒町駅の周辺には、宝石や貴金属を扱うお店がやたら多くて、なぜなんだろうと思い気になった。ホテルの部屋で食べた炙りえんがわずしは、これまで食べたえんがわの中でダントツにおいしかった。おいしいものだとは思っていたけど、えんがわってこんなにおいしいんだ。お弁当を広げている机の前の壁には大きな鏡があって、そこに移った自分の顔がものすごく幸せそうな顔をしていて、自分でも笑ってしまった。私は写真に写るのが苦手で、うまく口角を上げて笑顔を作ることができないんだけど、このえんがわずしを食べながらなら満面の笑みの写真が撮れるかもしれない。
 今日の歩数は16,974歩。

2024/11/30 Sat.
 ホテルでぐっすり寝て、朝ごはんを食べ、駅のホームで電車を待つ。目の前で電車が行ってしまったので、次の電車は何分後かと表示を見てみると、なんと3分後とある。すごいな、山手線! 福岡に来て、地下鉄が10分おきに出ていると知っただけで慄いた人間としては、ただただ都会の公共交通機関の充実ぶりに戦慄するしかない。地元なんて、電車も通っていないのに。上野駅のコインロッカーに自分のキャリーケースを押し込んでいたら、近くにいた老夫婦がコインロッカーの使い方が分からないという風にしていたので、お節介かなと思いながら声を掛けてみた。内心緊張していたけど、精いっぱい分かりやすく使い方を教えたつもり。帽子を取って丁寧にお辞儀をしてくれて恐縮した。でも、喜んでもらえて嬉しい。
 上野公園はどこも人が多くて、公園ってこんなに賑わう場所なんだと驚いた。ここも銀杏がきれい。開館時間ちょうどぐらいに来たものの、東京国立博物館には既に大行列ができていて、館内に入るまでに15分くらいかかった。はにわの特別展をやっていて、色々な形のはにわがいておもしろかった。魚や、ヒナを連れた水鳥の形のはにわがかわいかった。それにしても人が多い。みんなそんなにはにわが好きなんだなあ。常設展もおもしろく、刺繍がいっぱいの歌舞伎の衣装や、きらきらした螺鈿細工の箱が特にきれいだった。ゲーム「刀剣乱舞」でキャラクターとして登場する刀の実物も見られた。
 博物館前の広場でホットドッグを買って食べ(チリソースが辛くておいしかった)、今度はすぐ傍の国立西洋美術館に行った。モネの特別展をやっていたけど、あまりの人の多さ、行列の長さにそれは断念した。それでも、常設展だけでも十分におもしろかった。風景画と静物画が特に好きかもしれない。
 山手線だの東京メトロだのを乗り継いで、千駄木で降りる。気になっていた「雑貨と本 gururi」に辿り着くと、「本日は臨時のお休み」との張り紙があった。タイミング…! こういうのも旅行らしくて良いか。
 東京メトロに乗って、さらに山種美術館へ。日本画っておもしろそうと思えたきっかけの美術館で、いつかは絶対に行ってみたいと思っていたから嬉しい。恵比寿駅のコインロッカーが埋まっていて預け損ねたキャリーを引きずりながら並木道を歩いていたら、お店の前でパイナップルケーキが売られていて、気になって足を止めた。お店の方が試食をくれて、おいしかったのでパイナップルケーキとココナッツケーキをひとつずつ買った。どこから来たのかと訊かれ、ちょこっと会話をして別れた。旅先でこういう交流ができると本当に嬉しい。今回の旅行で行ったどの場所もそうだけど、山種美術館も「来て良かったなあ!」と思える場所だった。前まで日本画というものにはあまり興味がなかったけど、SNSで山種美術館の投稿を見て、なんとなくいいなと思えるようになり、今その実物を見ている。特別展の福田平八郎は、桃と鮎が好きな人らしかった。東京国立博物館と国立西洋美術館でもそうしたように、好きだなと思った絵のポストカードをミュージアムショップで何枚か選んだら、ほとんどが速水御舟の絵になった。なるほど、私はこの人が描く絵が好きなのか。
 JR埼京線と京王井の頭線、名前だけは聞いたことがあるような電車に乗って、下北沢で降りた。壁と看板(?)の隙間に、空のペットボトルやストロング系チューハイの缶に混ざって咳止めシロップの空き箱が捨てられていて、今日何度目かの「都会だなあ」を感じた。下北沢駅のコインロッカーも埋まっていて(正確には、私のキャリーを入れられるサイズのが埋まっていた)、どこか荷物を預けられる場所はないかと検索したら、近くのカラオケ館が荷物預かりサービスをやっているとあった。コインロッカーより値は張るけど、本当に助かる。ちょっと歩いてみた下北沢の町は、何もかもがおしゃれすぎるというか、「カルチャー」の街という感じだった。恥ずかしながら私は、以前話題になっていたオモコロのPR記事「俺の理想通りのめっちゃいい新生活が始まる日」にあるような生活に内心憧れてやまない。正直、福岡市内に出てきたのも、もしかしたら都会ならそういう生活に近付ける可能性があるのではという下心がなかったとは言い切れない。記事にあったのは下北沢ではなく世田谷代田だったけど…と思いながら調べてみたら、下北沢と世田谷代田は隣駅だった。なるほどな。
 商店街「BONUS TRACK」に着くと、もう、眩しいくらいに憧れが詰まっていて目が眩みそうだった。すごかった。具体的にどう表現したら良いか分からないけど、ああ私はこういう場所で楽しく過ごせる人間になりたかった、と痛感した。おしゃれなカフェやスタンドでドリンクを飲んだり、きらきらのイルミネーションの下で静かに本を読んだり、創作仲間と集まってイベントを企画したり、実際の私は社不(※社交不安障害)をこじらせすぎてとてもじゃないがそんな芸当はできない。コンプレックスのあまりおしゃれなお店には近付けないし、飲み食いしている自分が誰かの視界に入るのが怖いし、周囲に人がいる状況で趣味に没頭することはできないし、人付き合いが満足にできないことに現在進行形で苦しんでいる。もちろん、こういう場所で楽しく過ごしているように見える人にだって人には人の地獄があったりなかったりするのだし、私もここに来てみて良かったと心底思いはしたけど、私は「俺の理想通りのめっちゃいい新生活」を送れない人間なんだなと改めて思い知らされた気がした。こんな素敵な場所でここまでネガティブにものを考えるのももったいない気はする。でも、結局私は人と関われないことが色々な悩みの根源にあるんだなと思った。
 それでもおっかなびっくり、BONUS TRACK内のお店に入る。「日記屋 月日」でZINEを2冊買い、「本の読める店 fuzkue」に行った。どちらも本当に素敵な空間で、自分が場違いで挙動不審な振る舞いをしているんじゃないかと恐れおののきながらも、SNSで見ていた憧れのお店にいる喜びを噛み締めた。fuzkueはすごく静かな空間で、自分の声や咀嚼音を気にするタイプの社交不安障害患者にはかなりハードルが高いお店なのではと席に着いてから内心焦ったものの、結果的に居心地の良さの方が勝って安堵した。フヅクエオリジナルのブレンドコーヒーと、チーズケーキがものすごくおいしかった。月日で購入したZINEの1冊を読み、G.ガルシア=マルケスの『エレンディラ』を途中まで読み、『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』を読み終えた。Spotifyで聴いていたフヅクエのプレイリストの曲が店内で本当に流れていて、聞いたことがある曲だと気付けたのがちょっと嬉しかった。2時間ほど過ごして、お会計をしてお店を出た。本を読んだからなのか、当初の若干動転したような気持ちが穏やかになって少し落ち着いた。見かけたキャロットケーキの看板に心惹かれて、YOYOでひとつ購入した。キャロットケーキは自分で作ったものしか食べたことがなかったので、いつかお店のものを食べてみたいと思っていたのだった。憧れの生活には辿り着けなくても、憧れのお店で過ごして、憧れの食べ物を買うことはできて嬉しい。お店の方曰くすごくスパイスが効いているそうで、食べるのが楽しみ。
 小田急線と都営地下鉄でホテル傍の駅まで向かう。福岡でさえ若者の多さにびっくりしていたけど、それにしても東京の人の多さ、特に若者の多さは凄まじい。地方から姿を消した若者達はここにいたのか。ビジネスホテルにチェックインして荷物を置いて、財布とエコバッグを持って近くの成城石井に行ってみた。夜になって割引になったお惣菜やスイーツ(タコスミートのトルティーヤ、シフォンケーキのせプリン)を買って、部屋で食べる。キャロットケーキは想像以上にスパイシーで、とてもおいしかった。ずっしりと濃厚な生地と、軽くてまろやかなチーズのクリームがよく合う。これはちゃんとコーヒーを用意して頂くべきお菓子だった。
 今日の歩数は22,458歩。

2024/12/01 Sun.
 成城石井のパンを食べ、ホテルを出て都営地下鉄に乗る。神保町で都営三田線に乗り換え。神保町もいつかは降りてみたい。白山駅のコインロッカーも全敗。キャリーを引きずり坂を登って坂を下って、小石川植物園に到着。園内にコインロッカーがあって助かった。ここも気持ちのいい植物園で、木々の間を歩いているだけで癒される。いくつもある温室には、見たことのない植物がたくさん並んでいる。時々、見覚えのあるマユハケオモトやセイロンベンケイもいる(以前これらの植物を育てていた)。花は咲いていなかったけど、ショクダイオオコンニャクの大きな鉢植えもあった。タピオカノキ、タマゴノキ、ソーセージノキといったユニークな名前の樹木も。かわいい蘭の花があちこち咲いている。鉢植えだけど、キソウテンガイもいた。冷温室には、色々な山野草が植わった小さな鉢植えがぎっしりと並んでいて、ここも見ていて楽しかった。植物園に辿り着くまでにちょっと時間を食ったのもあり(思ったより距離があった)、のんびり植物を見ていたらいつの間にか電車に乗る予定の時間になっていて、慌ててキャリーを引っ張り出して駅に戻った。薬園植物園を見られなかったのが悔しいので、いつかまた来なければ。
 駅のホームにお花屋さんやケーキ屋さんがあることに仰天しながら移動。運良く当初の予定と変わらない時間に、ゆりかもめに乗ることができた。ゆりかもめは、見慣れない東京の街並みを存分に眺められて楽しい。新橋駅のコインロッカーがいっぱいで諦めかけたところ、幸いにも東京ビッグサイト駅のコインロッカーが空いており、嬉々としてキャリーを押し込んだ。念願の文学フリマ東京は、これまたものすごい人の数だった。一般入場の列に並んでいると、周りから「審神者」だの「ウマ娘」だのといったワードが聞こえてきて、なんだか妙な居心地の良さを感じた。私はこういう場所でこそ楽しく過ごせる人間ということなんだろう。それにしても、ここにいる人はみんな文学が好きなんだと思うと、すごい。ジャンルは多岐に渡るにせよ、「自らが〈文学〉と信じるもの」を愛する人間がこんなに集まるとは。ビッグサイトの西3・4ホールは本当に人、人、人で歩くのも大変だったけど、あらかじめWebカタログで目星をつけておいた本を探して宝探しのように歩き回るのは楽しかった。用意した小銭がすっからかんになるほど買った。本を購入した時にちょこっと会話が発生することもあって、それがすごく嬉しかった。私はあなたの本を買えて喜んでいるし、あなたも本が売れたことで喜んでくれている?
 ずっしり重たくなったリュックのベルトを肩に食い込ませ、キャリーを引きずり出してゆりかもめに乗る。新橋駅でJRに乗り換え、日暮里駅でおにぎりを買い、スカイライナーに乗って成田空港に戻ってきた。途中、車窓から「荒川区立第五中学校」という文字が見えて、「第五!?」「ひとつの区で第五中学校まで!?」と驚いた。本当に人が多い。成田空港で家族へのおみやげを買い、人から飛行機のチケットの見方を訊かれて答え、帰りの飛行機に乗り込んだ。窓の外は真っ暗だったけど、下の方を見るときらきらした夜景が広がっていてきれいだった。さっき買ったばかりのZINEを読み、バウチャーでオニオンスープとアップルパイをもらい(後者は帰宅してから食べることにした)、なぜか帰路は全く耳が痛くならずに済んだ。
 福岡空港から地下鉄に乗ろうとすると、nimoca(交通系ICカード)が見当たらない。コートのポケットに入れたような、ポシェットに入れたような。スカイライナーを降りるまではあったから、成田空港か飛行機の機内でなくしたんだろうか。物が詰まったリュックサックやトートバッグをひっくり返すのも面倒なので、諦めて切符を買って帰路に就いた。マンションに辿り着き、荷物を下ろし手洗いうがいを済ませ、即シャワーを浴びた。うっかり座ってしまいようものなら、きっと疲れて動けなくなるに決まっている。この判断は大正解で、帰宅して1時間も経つ頃には布団の中でぬくぬくすることができた。全ての荷解きは明日やろう。チャージが一万円くらい残っているnimocaは、明日探そう。今回の旅行は、乗換案内アプリと地図アプリを頼りに結構色々うまくいって、私も遠出が随分上達したんだなあとほくほくしていたのに、最後の最後でnimocaをなくした。そんなことでバランスを取ろうとしなくてもいいのに…。でも、見つからなかったら再発行すれば良いし、マンションのカードキーをなくすよりははるかにマシだ。「疲れたけど楽しかった」と思える旅行ができて良かった!
 今日の歩数は19,619歩。

購入したポストカード
・「睡蓮、夕暮れの効果」クロード・モネ
・「ジヴェルニー近くのセーヌ河支流、日の出」クロード・モネ
・「セーヌ河の朝」クロード・モネ
・「花と果物、ワイン容れのある静物」アンリ・ファンタン=ラトゥール
・「果物籠のある静物」コルネリス・デ・へ―ム
・「芥子花」福田平八郎
・「芥子」小林古径
・「芥子(写生)」速水御舟
・「名樹散椿」速水御舟
・「牡丹花(墨牡丹)」速水御舟
・「秋茄子」速水御舟