苗床

菌床じゃないよ

週間日記(2024/05/20-05/26)

 

2024/05/20 Mon.

 一ヶ月ぶりのオンラインカウンセリング。今回もあまり手応えはなし。「埒が明かない」という感じすらある。現在の困りごとやこれまでの経過を伝えようとするものの、自分の話し方があまりにも下手で、かつて知能検査で出た言語理解IQ141という数字が信じがたくなるほどの口下手ぶりで、情けなさや無力感が募った。頭では言葉が色々思いついている気がするのに、言葉として口から出力する過程で詰まったり絡まったりして、紙詰まりを起こしたプリンターのようにぐしゃぐしゃの形でしか出せなくなる。おまけに早口で噛むし、どもるし、滑舌は悪いし。口頭での会話じゃなくて文字に書き起こしてのやり取りだったら、頭の中身をもっとスムーズに分かりやすく伝えられるんだろうか。

 外出先で家族以外の人と5時間以上過ごして、ぐったり疲れた。本当に疲れた。晩ごはんは一人だったので、帰宅してからカップ焼きそばと菓子パンを貪り食った。こういう食べ物は手軽で助かるけど、「ごはんを食べた」という満足感のようなものはあまり得られない気がする。それでも何も食べないよりはましだ。IKEAのリラックスチェアに座ると、もう指一本動かしたくないと思うほど、どっと疲れが出てきてしまった。お風呂に入ってから寝たいけど、お風呂に入る気力体力はとうに尽きている。BlueskyなりUpNoteにつけている日記なりに弱音を吐きたいのに、スマホを操作するのさえ億劫だった。結局、夜中までお風呂には入れなかった。床に座り込んでソファの座面に突っ伏して1時間ほど寝ると、今にも充電が切れそうなスマホに10%くらい充電できたような程度のエネルギーが補充できたので、なんとかお風呂と歯磨きを済ませることができた。人と関わってこんなに疲れるような人間に、カウンセラーはおろかカウンセラーになるための学生生活だって到底無理だと改めて思う。働くことさえやっぱり無理なんじゃないだろうか。働けなかったら一生親に養ってもらわないといけないのか、自立に憧れながらみじめな思いで生きていくのは嫌だな、という、もう何百回も考えたいつもの思考が頭に浮かんでくる。幸い、ベッドに入ると強制シャットダウンされたように眠れたので、それ以上悪い方へ考えずに済んだ。

 

2024/05/21 Tue.

 昨夜は日付が変わってから就寝したので、今朝は9時頃まで寝ていた。たくさん寝て気分もすっきりした。やっぱり、睡眠は疲労回復にも、メンタル面にも一番効く。無事復活できたので、午後は祖母のアパートへ遊びに行き、お茶を飲んでおしゃべりしてきた。私にできる唯一の祖母孝行。

 

2024/05/22 Wed.

 祖母も誘って、二人で畑のじゃがいもとミニにんじんを収穫した。じゃがいもは去年も植えたけど、梅雨の雨と湿気で腐ってしまって収穫まで漕ぎ着けることができなかった。その教訓を活かして今年は梅雨入り前に収穫することにした。じゃがいもを育てて収穫するのはなんだかんだ初めてで、はたしてきちんと芋ができているのか心配だったけど、いざ掘ってみるとごろごろ出てきた。芋堀りってなんでこんなに楽しいんだろう!土の中からお宝を見つけ出しては、芋の大きさや収穫量にはしゃいで楽しかった。大して手もかけず適当に育ててもそれなりのものが採れたので、来年も植えてみたい。夕方まで日陰で表面を乾かした後、祖母と山分けした。ゆでてバターと醤油をつけて食べたら、ちゃんとおいしかった。自分で育てて収穫した野菜や果物を食べるのは、本当に楽しい。

 夜、録画しておいたテレビ「ブリティッシュ・ベイクオフ」を観ていたら、ベイカー達が作っているカスタードタルトをどうしても食べてみたくなり、レシピを検索して作ってみた。普段作るタルト生地とは違う砂糖入りの生地だったせいか、柔らかく崩れやすくてとても扱いづらく、タルト型から外す時に崩壊してしまった。確か、ベイクオフでも「崩壊事故が多発!」と司会のスーが言っていた。そこまで真似するつもりはなかったのに…。見た目はともかく、焼き上がったカスタードタルトはおいしかった。底もよく焼けているし、カスタードもしっかり固まっていて、甘さもちょうど良い。本来は冷蔵庫で冷やしてから食べるもののようだけど、焼きたてのまだ温かいカスタードタルトだってなかなかおいしい。自分でおいしいものを作れると、自信だの自尊心だのを回復できるような気がしてほっとする。

 

2024/05/23 Thu.

 昨夜うっかり手を滑らせて猫のごはん皿をひとつ割ってしまったので、新しいのを買いに行った。以前のものより値段も高さも少しアップしたものを選んだ。皿の位置が高くなっていて、猫があまりかがまずに済む、ごはんを食べやすい造りらしい。とらふくが気に入ってくれるといいけど。その足でホームセンターへ行き、じゃがいもを収穫してスペースが空いた畑に植える植物を買い求めた。5月の園芸コーナーには平日にも関わらずお客さんが結構いて、トマトやゴーヤなどの夏野菜の苗をかごに入れていた。同志がたくさんいて心強い。野菜の種と、買う予定のなかった花の苗を買い、自転車のかごに載せてほくほく顔で帰宅した。

 午後は、昨日カスタードタルトを作った際に残った卵白を使ってシフォンケーキを焼いた。前から作ってみたかった、スパイスが入ったレシピにしてみた。シナモン、ナツメグ、オールスパイスを使うレシピだ。スパイシーすぎるんじゃないかと若干心配していたものの、焼き上がったものを食べてみると程良くスパイスが効いていて、食感も抜群にふわふわで、我ながらとてもおいしかった。こんなにおいしいものを私が作ったなんて、と内心で自画自賛したくなる。多くの人が普通にできることが私にはできないけど、誰でもができる訳じゃないことを私はぽつぽつできたりするので(ホームメイドのお菓子作りもその一例)、それでなんとか今日もプライドを保っている。本来なら、何もできなかったとしても、誰でも自己肯定感だの自尊心だのを持っていていいはずなのに。

 二階の自室の大きな窓を開けると、猫達が寄ってきて、網戸越しに外の風を楽しんでいた。鳥の声がする度に注目して、鼻をひくひくさせながら外の空気を嗅いで、気持ち良さそうにくつろいでいる。両手を伸ばしてとらふくの背中を撫でてみたら、2匹とも振り返って私を見て満足そうに目を細めていて、「こんなに幸せなことってないな」と思った。かわいくて温かい小さな生き物が警戒もせず私に気を許してくれていて、うとうととまどろんだり、すうすうと寝息を立てたりと安心しきっている。こういう猫達を見ていると、人間の方も心底安らぐ心地がする。猫と一緒に暮らすというのは本当に最高だな、と毎日思い知らされる。

 

2024/05/24 Fri.

 午前中は庭仕事というより、畑仕事をした。昨日買ってきた枝豆とにんじんと大葉の種をまき、ニチニチソウとアズーロをそれぞれ鉢に植えた。花苗は玄関に置くことにする。外の水道から離れた場所なので水やりが少し手間だけど、玄関に花があると気分も明るくなるので、メンタル面の夏バテ防止(?)のために置いておく。ニチニチソウは夏の暑さに強いとテレビ「趣味の園芸」で言っていたが、アズーロはどうなんだろう。初めて育てるので分からない。アズーロは園芸店で働いていた時によく見ていたのに、何の花の仲間かも知らなかった。調べてみると、キキョウ科ロベリア属だそう。ロベリアについては、「リナリアやサギゴケに似ているな」くらいの印象しかなくいまいちぴんと来ないものの、キキョウの仲間かと思うとなんとなくひ弱そうな気がしてくる。トルコキキョウのすぐにぽきぽき折れる細い茎を思い出すからだろうか。仕事で生花の水替えをする時にどれほど茎を折ったか知れない。ところが、検索するとトルコキキョウはキキョウ科ではなく、リンドウ科らしい。めちゃくちゃだ!

 水やりをした花の鉢を玄関に移動させ、畑の方は見よう見まねで耕して、少し土を盛り上げて表面をならした所に種をまいた。ついでに気休めの化成肥料もばらまく。植物が好きとはいえ、野菜の育て方や肥料に関する知識はほとんどないに等しく、いつも本当に適当にやっている。「ナス科の直後にナス科の植物を植えてはいけない」程度の知識はかろうじてあったので、じゃがいもを収穫した直後の畑にトマトやナスは植えずにおいたくらいだ。きちんと農業や家庭菜園を営む人だったら絶句しそうな適当さだけど、所詮趣味だし、適当に育ててもいくらか収穫があるのが楽しいのだ。ポタジェというものに憧れているので、野菜が植わっている場所に花が咲いていればそれらしくなるのではないかと思い、プランターから間引きしたひまわりを畑の隅に移植し、何が咲くか気になって買ったサカタのタネの「ミックスフラワーガーデン」の種もまいてみた。後者の種は、まき時をすっかり過ぎていることに後から気付いた。まあいいか。耕したふかふかの畑に野良猫避けのとげとげを敷き(公衆トイレとして使用されるのを阻止するため)、ミニトマトの伸びた茎を支柱に固定し脇芽を取り除き、黒っぽく熟れたボイセンベリーをいくつか収穫して今日の作業は完了。4箇所も蚊に刺されていても、植物と土に触れた満足感でいっぱいで、気分が良い。

 現在私の小さな畑で育てているのは、今日追加した枝豆、にんじん、大葉、ひまわり、ミックスフラワーに加え、さつまいも、ミニトマト、ジャーマンカモミール、ミニかぼちゃ、レモングラス、アスパラガス、いちご、ニラ、三つ葉、バラ(花盛りのディスタント・ドラムスと枯れかけのラ・フランス)、旧祖母宅から持ってきたあやめかショウブか杜若か分からない花だ。その他、軒下などに鉢植えが37鉢ある。10年近く前に石ころだらけの裏庭をスコップで掘り返して畑を作り始めて以来、今が一番土の状態が良く(みみずが多いので多分そう)、たくさんの植物が植わっている。昔の私が今の私の状態を知ったら落胆するであろう要素は本当に数多くあるけれど、この畑や鉢植えに関してだけはそうではないと言い切れる。子どもの頃の私なら、自分の畑でトマトやじゃがいもを収穫して色々な種をまき、ベリーを摘んでジャムを作っていると聞いたら、絶対に躍り上がって喜ぶに違いない。

 

2024/05/25 Sat.

 朝起きると、室内に置いている観葉植物の鉢植えのひとつがなぎ倒されていた。大方、わんぱく坊主のふくちの仕業だろう。土が珍しいのか、寄ってきて床にこぼれた土を不思議そうに眺めていたので笑ってしまった。生後数日ほどの、目が開く前に我が家へ連れてこられたので、そりゃ土や植物は見慣れていないよね。

 先日のオンラインカウンセリング以来、何かが引っ掛かってもやもやしていると思っていたものの、やっと分かった。恋愛の話題になったので、以前一方的に好きになった同性がいたことや、惹かれやすい同性のタイプを正直に話した。すると、男性で好みのタイプはないのかと尋ねられた。同性にそういう意味で「いいな」と思ったことはあるけど、男性に対して思ったことはない。レズビアンかというといまいち自覚はないし、バイセクシャルについても同様にぴんと来ないので、自分の中では恋愛対象に関してはクエスチョニングということで現在は納得している。もやもやの正体は、「異性を好きになるという人に好きな同性のタイプを訊くことはあまりないだろうに、なぜ同性を好きになると言っている人には好きな異性のタイプの有無を確認するのか」という疑問だった。別に、悪意や興味本位で尋ねられた訳ではないだろうことは理解しているつもりだけど、「異性を好きになることはないのか、本当に同性が好きなのか」「なぜ異性を好きにならないのか」と暗に責められているような、本当は「ノーマル(嫌な言い方!)」なんじゃないのかと念押しされているような被害妄想をこちらがこじらせてしまっただけだ。後は、異性愛者なら訊かれないような質問に答えなければならない非対称性、不公平さにちょっと腹が立ったのもある。私の思い込みかもしれないけど、画面の向こうで少し意外そうなリアクションをされたのも、若干ショックだった。

 とはいえ、いわゆる「恋バナ」(死語だろうか?)というものをするのはこんなに楽しく、また恥ずかしいものなのかと驚いた。ものすごくびっくりした。昔好きになった同性の人について「あれは恋愛だった」と自分で認識するまで何年かかかったうえ、他に恋愛経験もないからこの手の話題の時は聞き役に徹するしかなかった。だから知らなかったけど、こうした話をすることについて「こんなに楽しいんだ!」という発見と「こんなに恥ずかしくて照れるものなんだ!」という驚愕とでいっぱいだった。学校などの場で人が楽しそうに話しているのを見聞きしていた時は「何がそんなに楽しいんだろう」と不思議で仕方なかったので、この歳になってようやく理解し、腑に落ちた。しかも、めちゃくちゃ恥ずかしい。自分についてのことだからなのか、オタク同士でBLトークに花を咲かせるのとは全く異なる種類の猛烈な恥ずかしさがある。世の中の人はこんなとんでもない話題を娯楽として嗜んでいたのか…。本当に、すさまじくびっくりした。

 夜、出かけた先でトライアルへ行った。家の近くに店舗がないこともあるけど、私はここ10年くらいこのスーパーを避けていた。文学部の大学生の頃に、「その場限りの人としか関わらない」「メンバーも勤務先も毎回違うので人付き合いが深くならない」「知り合いに遭遇しそうにない」などの理由で派遣のイベントスタッフのバイトをしたことがある(そこでビラ配りのバイトをした際に、社交不安症が発覚した)。仕事内容は多岐に渡っていたけど、とにかく人と関わるのが怖かったので、人とのコミュニケーションが極力少なくて済みそうな交通量調査のバイトをやってみた。数人で車に乗り込み目的地へ移動し、24時間拘束の12時間勤務というスケジュールで、私の班は1時間おきに業務と休憩を交代していた。つまり、夜間も1時間おきに起きて車や歩行者を数えなければならない。しかも季節は11月、休憩を取る乗用車の中は暖房がついていなかった。ただでさえ日中ずっと屋外にいて身体が冷えているのに、深夜の寒さとなると話にならない。近くのトライアルまで行っては店内をさまよって暖を取り(大して暖かくはない)、カイロを買って全身に貼り付け、睡魔と闘いながら夜が明けるのを待った。どれだけカイロを貼っても、身体は冷える一方だった。お手洗いはそこで借りるよう言われていたので、トライアルには何度も行った。多分、夜は休憩の1時間おきに通っていた。とにかく寒くて、凍え死んでもうここから帰れないんじゃないだろうかと思うほど寒かった。ようやく夜が明けて、無事に勤務時間が終わり、アパートの部屋に帰り着いて体温を測ると37℃後半の熱があった。確かに人と関わる機会は少なく、座り仕事で簡単な業務内容だったけど、給料が良いわけではないし、何しろ過酷だったのでもう二度とやらないと誓った。そういう思い出があるので、トライアル側には何の落ち度もないものの、トライアルには行きたくないなとずっと思っていた。ところが、さすがにもう克服しても、忘れてもいいだろうと思い、久し振りにトライアルの店内へ入ってみた。初めて行く店舗だったけど、あの時抱いた印象とは違って、商品は色々あるし、店内もそれなりに清潔で、普段行かないスーパーを覗く時の楽しさをちゃんと味わえた。地元では見かけない種類のノンアルコールのチューハイや、ミッフィーのイラストと花柄がプリントされた安くてかわいいパジャマも買った。パジャマには水仙、ポピー、すみれ、たんぽぽ、すずらん、マーガレット、ムスカリ、キンポウゲ、ブルーベル、スノードロップ、キバナノクリンザクラと思われる花のイラストが描かれていて、とてもかわいい。あの時の寒さや心細さを、チューハイとパジャマで塗り替えることができて、嫌な思い出というものは意外となんとかなることもあるんだなと、妙にほっとしている。

 

2024/05/26 Sun.

 地元産の野菜を多く扱っているスーパーへ行ったら、トマトやなす、新じゃが、グリーンピース、大葉など旬の野菜がたくさんあった。ここに来て季節の野菜を見ると、料理に対するモチベーションが上がるので助かる。

 夕方、玄関先にとらちゃんのママである錆猫の「ママすごちゃん」が来ていた。私のことを覚えてくれているのか、単に人懐こいからなのか、「ナァーン」と聞こえるママすごちゃん独特の鳴き方をしながら近寄ってきてくれた。甘え方は娘のとらちそっくりで、とてもかわいい。もしかするととらちではなくママすごちゃんを我が家の一員として迎え入れていたかもしれないし、実はふくちの母親なんじゃないかという説もある。野良猫だから食べ物はあげられないけど、元気でいてほしいなあと思う。母親より体格も毛艶も良いとらちに、ママは元気だったよと伝えた。