苗床

菌床じゃないよ

週間日記(2024/01/01-01/07)

 

2024/01/01 Mon.

 朝ごはんにおせちとお雑煮を食べる。我が家のお雑煮は味噌を使わないタイプで、にんじん、ごぼう、長もやし、ねぎ、お麩、かしわ(鶏肉)、焼いていない白い丸餅を具材として入れる。

 のんびり食べ終わって、近所に住む祖母も一緒に家族写真を撮った。ふくちゃんは母が抱っこして写ることができたけど、とらちゃんはまだきょうだい達を警戒してなかなか階下に寄り付かないので、写真には写らなかった。代わりに、とらちゃんの写真を証明写真っぽく加工して、印刷した写真の右上に貼り付けた。卒業アルバムなどの集合写真で欠席した人の扱いに見立てている。

 天気も良かったので、午後は家族で散歩した。川面に太陽の光が反射してきらきらしていた。どんぐりを拾って人の服のポケットにこっそり入れる遊びで、ひと盛り上がりした。

 帰宅しておやつを食べた後、今度は皆で人生ゲームをした。すみっコぐらしの人生ゲームなので、独特な指示や場面が多く、大笑いした。その最中にスマホの防災速報が鳴り、テレビでも速報が入り、能登半島地震が起きたことを知った。以来、寝つくまでそわそわ落ち着かなかった。

 

2024/01/02 Tue.

 おせちの残りは、今日でほとんど食べ終えてしまった。お餅も食べた。

 家族と歩いてスーパーまで行き、今日の晩ごはん用に肉や焼きそば麺を買った。きょうだい達が帰省しているからか、両親が珍しく奮発して、普段なら絶対に手を出さないような値段の牛肉を選んでいた(いつもは一番安いものを買う)。

 きょうだい達と三人で祖母のアパートへ遊びに行く。ものすごい品数の昼ごはんが用意されていて、どれもおいしかった。花札で遊び、トランプで七並べとババ抜き、豚のしっぽもした。お茶を飲んでお喋りして、たくさん笑った。

 夜はホットプレートで焼肉。お腹いっぱい食べた。その後、銀英伝OVAを観ながらお酒とお菓子で団欒。

 家族といると楽しくて、ほとんどずっと笑っているような気がするけど、一人になってTwitterを開くと地震に関するツイートが目に入る。安全な場所で楽しい時間を過ごしていることに罪悪感や申し訳なさを覚える。私が後ろめたさを感じることで被災した人に何かプラスの影響がある訳ではないので、できる範囲で、できることをやろうと自分に言い聞かせている。4年前に水害で被災した時、被災していない地域に足を踏み入れて被災地との落差に愕然としたり、被災していない人から水害の大変さを語られて内心で憤然としたりということがあった。一方で、被災しなかった町を見て土砂のない風景にほっとしたり、Twitterで見る「いつも通り」の楽しいツイートに和んだりした。個人が幸せでいることと、大変な状況にある人達に思いを馳せてその幸せを祈ることとは両立できるはずだと思いたい。

 

2024/01/03 Wed.

 午前中は家事やら何やらして、のんびり過ごす。昼ごはんに、冷凍のひつまぶしやローストビーフ、サーモンを解凍してそれぞれ好きな具を各自ごはんに乗せて丼にした。私は絶滅危惧種を食べるのはなるべくやめておきたいというささやかなポリシーがあるので、ひつまぶしは選ばなかった。サーモン丼がおいしかった。

 飛行機の事故もあって新幹線の混み具合が想像つかないからと、きょうだい達を途中まで車で送っていくことになった(もちろん運転は私ではない)。久し振りに家族揃ってのドライブだった。きょうだい達を無事に駅まで送り届けた後、座席が広くて寂しかった。元気で楽しくやってくれていると姉は嬉しい。

 帰り道の高速道路で、故障車による渋滞に巻き込まれてしまった。遅々として進まず不安になったものの、高速道路を運転していて車が故障してしまったドライバーの不安や焦りを想像すると、本当に大変だろうなと思う。怪我人がいませんように、その車のドライバーがほっとひと息ついて、温かい飲み物でも飲めていますように。

 帰宅して、北九州市小倉北区の商店街の火事のニュースを見る。小倉駅は大学時代によく利用していたし、件の商店街の近くも訪れたことがあったはずなので、気を揉んでいる。

 

2024/01/04 Thu.

 きょうだい達が使った布団を片付けたり、家具をいつもの配置に戻したり。楽しい年末年始が終わった感じがする。

 地元の大きい神社まで、散歩だかウォーキングだかをする。6,000歩ほど歩いた。参拝はせずに、今日まで出ているらしい屋台を眺めて帰った。

 ブログに載せている「週間日記」を自分用に一冊だけ製本するための原稿を仕上げて、入稿した。サイズは文庫判(A6)、目次や奥付も含む本文のページ数は392ページになった。本の形になるのがとても楽しみ。

 

2024/01/05 Fri.

 一人のんびり家で過ごす。家じゅう掃除機をかけたり、結露の溜まる窓をいつもより念入りに拭いたりと家事に勤しんで、家の中が少しすっきりした。

 今年の目標を立ててみた。何も立てないというのも考えてみたけど、「頑張ろうとまた思えるようになる時まで、気力体力を温存しておく」という長いものにした。覚えきれない。とりあえず、頑張れそうにないと思っている時に、無理して頑張ろうとしないということを心掛けておきたいがための目標だ。頑張ってもどうにもならないことはある。「治療、勉強、仕事(就活)を頑張らないといけない」という強迫観念は依然あるけど、頑張らなければと足掻いてきた結果が現在のこの状態なので、潔く投げ出して遊んだり休んだりしてみようと思っている(正確には、遊んだり休んだりすることに罪悪感を感じる必要はないと思えるようになりたい)。その他は、なるべく日記をつけたり、本を読んだり絵を描いたりできたらいい。それから、いくつかの行動を習慣づけようとしてはことごとく失敗して自己嫌悪に陥っているので、「自分を管理しようとしすぎない」というのも目標に掲げてみたい。いっそ管理すること自体を諦めてしまえば、少しは楽になれるかもしれないという期待を込めて。

 去年シュトーレンを作った時にブランデーに漬けていたドライフルーツが残っていたので、使いきりたくてパウンドケーキを焼いた。バニラエッセンスを入れたため、オーブンで焼いていると甘い香りが漂ってきて、食べるのが待ちきれなかった。焼きたてふわふわのシンプルなパウンドケーキにブランデーの風味、レーズンの甘さ、ドライいちじくのぷちぷちした食感が合わさってとてもおいしかった。一晩置くとまたしっとりしておいしいと思うので、明日また食べるのが楽しみ。

 身体が重いので、ジョギングの真似事でもしてみようかと夜に一人で出かけた。ところが、街灯が少ないので懐中電灯を持っていても足元が暗くて危険なうえ、年季の入った運動不足の身には、走るという行為の負荷が凄まじかった。ちょっと走ってすぐ疲れた。半分以上は歩いて家に帰り着いたけど、「健康のための何かをした」というささやかな達成感は得られたので良しとする。

 

2024/01/06 Sat.

 こたつで2時間近く読書ができた。以前買って積んでいたマイケル・ポーラン著『意識をゆさぶる植物 アヘン・カフェイン・メスカリンの可能性』がとてもおもしろい。大学の文学部時代に、ゼミの先生からこの著者の『欲望の植物誌 人をあやつる4つの植物』を勧めてもらって読んでおもしろかったので、またこの人の本と出会えて嬉しい。パンデミックの話が出てきたので最近の本なのかと奥付を見ると、去年の6月に第1版が刷られていた。本当に最近の本だった。アヘンの章を読み終わった。芥子茶」を作って飲むくだりが、特にわくわくしておもしろかった!

 おやつに、昨日焼いたパウンドケーキを食べた。レンジで軽く温め直すと、ふわっとしてまたおいしかった。

 夜、ホットチョコレートを作って飲んでみたら、あまりにも甘すぎた。結局、コーヒーを少し淹れて飲んだ。

 寝る前に本の続きを読む。1時間ちょっと読んだ。コーヒーを飲みながらカフェインの章を読むのがまた楽しかったけど、章の最後のほうへ進むにつれ、少しその考えを改めたくなった。久し振りに集中して読書を楽しめて、知的好奇心が満たされて嬉しかった。自分がすっかり本を読めなく(読まなく?)なったことに心底失望していたけど、まだ本に夢中になれる自分がいたことが分かって本当にほっとした。

 

2024/01/07 Sun.

 隣接する県まで両親とドライブに出かけた。道の駅をはしごして、新鮮な野菜を大量に購入した(ほうれん草、白菜、キャベツ、レタス、にんじん、ブロッコリー、菜の花、さつまいも、かぼちゃ、ピーマン、グリーンピース、スナップえんどう、椎茸、なめこ、レモン)。小さな物産館では、1袋100円でサトウキビの茎が売られていた。迷わず買った。サトウキビの茎をかじってみたいという長年の夢があって、それは沖縄に行かないと叶わないかと思っていたけど、なんとはるばる海を渡らなくとも実現することができる!内心で大興奮だった。ふと思いついて、サトウキビから黒糖を作る方法を調べてみた。実際に作ってみたというネットの記事があって、大変な作業ではあるがやってやれないことはないらしい。茎がとにかく硬いので切る過程で手を怪我するかもしれない、包丁が刃こぼれするかもしれない、フードプロセッサーが壊れるかも、そもそもうまくいかないかも…という数々の懸念が顔を覗かせはしたものの、昨日ポーラン氏が法を犯して芥子茶を作ったエピソードを読んだばかりなので、やらない手はない。こちらは芥子茶と違って合法だし(ただし、サトウキビからラム酒を作ると多分違法)。

 お昼はきじ料理を食べた。きじ刺しから豆腐、だご汁、雑炊まで全てがとてもおいしかったけど、突き出しにあったきじ肉の柚子味噌和えが特においしかった。

 帰宅してから、春の七草を庭で探した。正確な春の七草は揃わないので、食べられる野草(毒性のない雑草)をとりあえず摘んでみた。ごぎょう(ハハコグサかチチコグサか分からない)、はこべ、ほとけのざ(コオニタビラコ)、三つ葉、よもぎ、オオバコの6種類が見つかった。そこに、大根とほうれん草を足してお粥を作ったところ、七草粥ならぬ八草粥になってしまった。雑草の葉はごく小さくちぎってほんの少しだけ加え、基本はほうれん草の葉といちょう切りにした大根が具材なので、よもぎ独特の風味などは感じられない。知的好奇心を満たすためなら野草メインのお粥にするかもしれないけど、あくまでおいしさを重視する場合はこうしたほうがずっといい。

 夜中に思いついた、精神活性植物の七草。

 「ケシ、ヒヨス、ダチュラ、ペヨーテ、アヤワスカ、イボガ、マリファナ これぞ七草」