苗床

菌床じゃないよ

週間日記(2024/01/08-01/14)

 

2024/01/08 Mon.

 昨日買ってきたサトウキビの茎を使って、砂糖を作ってみた。過程としては、皮を剥いて細かく刻み、フードプロセッサーでさらに細かくしたものから搾り取った汁を湯煎して水分を飛ばすというものだけど、これがとても大変で、3時間はかかった。なにしろサトウキビがすさまじく硬く、包丁だけでは切れずに、工具入れからハンマーを持ち出してきたほどだった。悪戦苦闘の末にできあがった4gの砂糖は、和三盆を思わせる優しい甘さの素朴な味だった。おいしいかと問われると、即答はしにくい。

 夜は2時間近く読書して、『意識をゆさぶる植物 アヘン・カフェイン・メスカリンの可能性』を読み終わった。すごくおもしろかった!本を読んでわくわくする経験が久し振りにできて、本当に良かった。

 

2024/01/09 Tue.

 晩ごはんの材料を買いにスーパーへ行って、食材の他に、値下がりしていたペット用ベッドも買ってきた。冬らしいふかふかした素材なので、猫達も気に入ってくれそうな気がする。さっそく洗濯して干した。

 夜、小さなストレスやイライラが重なって、晩ごはんを作った後は電池切れのように動きたくなくなってしまった。食器を洗ったり、猫のトイレを掃除したり、自分のベッドに入って横になれるまでにやらなければならないことがいくつも立ちはだかっている。なんとか終わらせて、お風呂は入らずに寝た。明日の自分がシーツや布団カバーを洗濯してくれますように。

 

2024/01/10 Wed.

 昨日できなかったお風呂を済ませて、掃除機をかけたり、シーツ類を洗濯して干したり、その他こまごました家事や片付けをやっつけた。

 祖母のアパートへ遊びに行くと、珍しく海外のチョコがあった。キャンディのような形に包装された丸いチョコで、色々な味がある。祖母は全部同じような味だと言うけど、どんなフレーバーがあるのか気になるので、包装紙に書かれた文字を一通り見てみた。コーヒーだのシリアルだのというのはすぐに分かるけど、「fragola」という見慣れない単語があって少し考えたところ、イチゴの学名「Fragaria」に似ていると気付いた。ピンク色の包み紙を開いて食べてみると、やっぱりいちご味だった。「fragola」はイタリア語でイチゴを意味するらしく、そういえばフランス語の「fraise」にも少し似ている。語学学習は大の苦手だし(勉強自体そもそも好きじゃない)、英語も今や中学生レベルすら怪しいけど、こういう異なる言語で同じものを意味する単語を知ったり、自分の持つ知識から知らない単語の意味を推測したりするのはちょっと楽しい。

 

2024/01/11 Thu.

 人に渡すバースデーカードを描いた。何を描くか決めて下書きをし、ペンでなぞってスキャンしたものにペイントソフトで色を塗って、合計4時間ほどかかった。上手い絵では決してないし、喜んでもらえるかどうかも分からないけど、描いていて私が楽しかったのでそれで良しとしたい。

 鉢植えの水やりをしに庭へ出ると、いつの間にか蝋梅の花が咲いていた。水仙やチューリップ、うっかり変な時期にまいてしまった花の種も芽が出始めている。
 晩ごはんを作ったら疲れたけど、今日はちゃんとシャワーを済ませて寝た。

 

2024/01/12 Fri.

 Twitterで見て、すごく欲しいと思っていたぬいぐるみが手に入った!国立科学博物館の特別展「毒展」で販売されているグッズの、ベニテングタケのリアルなぬいぐるみだ。フリマサイトで見つけて、転売とは思われないような価格で売られていたので、大喜びで購入したものが今日届いた。写真で見ていたのよりも、実物のほうがさらにかわいい。ものすごくかわいい。小学3,4年生の頃にきのこの世界にはまって以来一番好きなきのこなので、そのぬいぐるみとなるともう本当にかわいくてたまらない。小学生の自分に見せびらかしてやりたい。ベニテングタケはファンシーな姿かたちがいかにもきのこらしくてかわいいうえ、精神活性物質としてムスカリンやイボテン酸(ムッシモール)を含み、毒があるにも関わらず味はとてもおいしいらしい。ヨーロッパでは幸運のシンボルともされているとか。この魅力的なきのこの実物を、ぜひいつか拝んでみたい。あわよくば、採れたてを裂いて七輪でさっと炙ったものに醤油を垂らして食べてみたい。当面はこのぬいぐるみを愛でておこうと思う。

 1時間ほど読書。松村圭一郎『くらしのアナキズム』を読み始めた。なるほどと思わされたり、そうなのかと驚いたり、とてもおもしろい。

 夜、余っていた小豆を煮てぜんざいを作った。白玉だんごをゆでて一緒に食べた。もちもちでおいしかったけど、ぜんざいにもう少し砂糖を足しても良かったかもしれない。

 

2024/01/13 Sat.

 自分用に1冊だけ製本した日記が印刷所から届いた。ちゃんと本の形をしていて、とてもテンションが上がる。2cm以上ある背幅が分厚く、こんなにたくさん日記を書いたのかと思うと達成感がある。表紙もきれいに印刷されていて、ラミネート加工なしでもしっかりしている。本文も、書籍用紙とフォント(源暎ちくご明朝)のおかげで文庫本っぽさがあり、なかなか良い。ただ、ページの設定を間違えた箇所が結構あって、おかしな余白になっている部分も多い。自分用なのでまあいいか。今年もたくさん日記を書いて、今度はできれば設定を間違えないように原稿を作れますように。

 それはそれとして、わざわざ製本する日記に書き残すまでもない、けどTwitterに呟くのもな、という内容を吐き出す場所が欲しいので、iPhone用の日記アプリを探してみた。いくつか使ってみて、「引き出し日記」というアプリに落ち着きそうな気がする。本当は紙のノートに書くのが良いんだろうけど、アプリなら他人に見られる心配もないし、場所も取らないし、何より手軽に書けるのがとても良い。

 少し前に5年日記も買ってみたけど、これはもう全然使っていない。5年後の自分が「5年前よりは今の方がましだな」と思って安心できる可能性に賭けて購入したものの、「5年前の方が良かったな」と思ってしまう危険もあると気付き書く気が失せた。何より、机に向かって記入するのが面倒くさい。

 夕方、高島鈴『布団の中から蜂起せよ』を少し読み返した。やっぱりこの本はいいなあ。働いておらず、診断名がついていて「健康」な状態ではなく、異性との結婚も出産・子育てもしていないことに対してなぜか後ろめたさを感じてしまうけど、それは政治や社会からそう思うよう仕向けられているのであって、本当はそんなことで後ろめたさを感じさせる世の中の方が良くないのだと気付くことができる。「生きているだけで良い」という文句は、何の信頼関係もないような赤の他人から言われると虫酸が走るほど腹立たしい気分になるけど(なんで良いか悪いかお前に評価されなきゃいけないの?と思ってしまう)、この本に「マジで死んでほしくないと思っている」と言われると、それはもう本当に心強く感じられる。じゃあ死ぬ訳にはいかないな、この殺意は自分じゃなくあらゆる権力や差別に対して向けなくちゃ、と思える。こんなすごい本があるなら世の中まだまだ捨てたものじゃないし、死ぬにはもったいない。

 夜、籐椅子に座っていたら猫のふくちが膝に乗ってきた。そのまま1時間ほど、私の膝の上で時折寝相を変えながら気持ち良さそうにぐうぐう寝ていた。人間としては身動きが取れないのは困るけど、温かさと適度な重み、ふわふわの手触りを兼ね備えためちゃくちゃかわいい生き物が私の膝の上で安心しきって熟睡しているというのは、とても気分が良い。猫がかわいいということは知っていたつもりだったけど、とらふくと暮らしていると、猫ってこんなにもかわいいんだなと改めて思わされることがしょっちゅうある。

 

2024/01/14 Sun.

 ミスドに行ける機会があったので、自分用にいくつか買った。オールドファッションのハニーとシナモン、黒糖、ハニーディップ、期間限定のGODIVAコラボのドーナツを買った。冷凍できそうなオールドファッションドーナツは冷凍しておいて、後日食べるつもり。ハニーディップも、キャラメルクリームが乗ったチョコドーナツもどちらもおいしかった。文学部の大学生だった頃は、ヤマザキの4個入りケーキドーナツをよく買って、コーヒーを淹れて朝ごはんに食べていた。天神にクリスピークリームドーナツがあった時は勇気を振り絞って一人で行って、温め直してもらったドーナツを食べてすごくおいしかった記憶がある。九州から撤退してしまったのがとても悲しい。自覚していなかったけど、ドーナツはかなり好きな食べ物のひとつかもしれない。甘いものは大抵好きだけど。

 もはや邪悪なSNSになり果てたTwitterをいつでも見限れるように、Blueskyを使い始めてみた。見たくもない大量の広告が一切なく、頼んでもいないのに見ず知らずの他人のツイートが表示されるタイムラインでもなく、インプレ稼ぎのモラルに欠けたアカウントがいないSNSというのはかなり快適で良い。Twitterには随分思い入れがあるのでなかなか離れがたくはあるけど、あれはもうTwitterではなくXという名前のTwitterのゾンビのようなものなので仕方ない。とは言いつつ、いまだにTwitterに見切りをつけていない辺りが未練がましい。